日々さまざまなプレイヤーが切磋琢磨する『マインクラフト』のタイムアタックにて、Java版でこれまでにリリースされた全てのメジャーアップデートバージョン17本をハードコアモードで連続クリアするという狂気的なスピードランを達成したプレイヤーが現れた。
基本的なルールとして、挑戦者はJAVA版『マインクラフト』のバージョン1.0から2020年7月に公開された1.16までの全17バージョンを、ハードコアモードで順番にクリアしていく。ハードコアモードは難易度ハード固定に加え、一度死ねばセーブデータがロストされ全てを失うゲームでもとくに難しいモード。このルールで休まずにすべてを走りきる過酷なマラソンだ。
レギュレーションはバグを利用することが許されない「グリッチレス」と進行度に関係なくゲームをクリア(本作ではエルダードラゴンを打倒)する「Any%」を採用。ゲームの世界を決定するシード値はランダムなので、バージョンを越えたゲーム全体の幅広い知識とアドリブが必要になる。
このチャレンジにはIllumina氏とSizzler氏のふたりが挑戦した。Sizzler氏は6時間のランの末に死亡しドロップアウトしたが、Illumina氏は走りきった。記録は25時間25分47秒。このような過酷なルールで走りきったランナーはほかにいないため、記録が承認されればこの記録がワールドレコードとなるだろう。
なお、Illumina氏はスピードランの記録を集積するSpeedrun.comにおいて、バージョン1.9以前の『マインクラフト』で「Any% グリッチレス ランダムシード」ルールのワールドレコードを保持する実力者だ。
All 17 main versions of Minecraft, killing the ender dragon in each version. Hardcore mode, random seed with no glitches and that all done in one sitting. Almost 26hr stream time, 3k viewer avg and 10k peak. This was super challenging and I'm so glad I was able to complete this! pic.twitter.com/lV74pc33lu
— Illumina (@IlluminaHD) September 2, 2020
タイムアタックの最後に挑戦するバージョン1.16で、Illumina氏はいわゆる「ベッド爆弾作戦」を使ってエンダードラゴンを倒しきった。ゴール時には「レッツゴー!」と勝利の雄叫びを上げたIllumina氏は、自身のTwitterアカウントで結果を報告している。約26時間のストリーミングのなかで平均して3000人が視聴し、ピーク時には1万人が同時に視聴した。過酷なスピードランだが、氏は「非常にやりがいがあり、ゴールできてうれしい」とコメントしている。
このスピードランが紹介されたRedditのスレッドでは賞賛のほか、このレースの分析も実施されている。どうやら同様のルールでバージョン1.0から1.14までを走ったランナーはいたようだが、バージョン1.16までを走ったランナーはIllumina氏のほかにいない。
RedditユーザーのQulijah氏は、Illumina氏の記録をバージョンごとに整理してくれている。各バージョンで速ければ1時間以内、遅い場合は3時間以上の挑戦を経て、最終的に約25時間で全てをクリアーしている。
Twitterでもさまざまなリプライが寄せられており、「クレイジーだ!」、「ゆっくり休んで!」と賞賛されている。またあるユーザーは「基本的には同じことの繰り返しである」との意見を述べているが、たしかに近いバージョンであれば大筋で変わらないこともあるとはいえ、ランダムシードによるアドリブ力やバージョンごとの知識が無ければどこかでつまづいてしまうことだろう。
過酷な挑戦だけにワールドレコード更新を狙う新たなランナーや、Illumina氏自身が再挑戦するかは不明だ。『マインクラフト』は日々バージョンアップを重ねているので、「全バージョンクリア」ルールは今後も過酷さを増していくのは間違いない。
ライター/古嶋誉幸