3月15日(土)、長編小説『指輪物語』の原作者であるJ・R・R・トールキン氏の描くファンタジー小説『最新版 シルマリルの物語』の電子書籍版が発売された。上・下巻と、合本版がそれぞれ別に販売されている。
本著は、トールキン氏がイギリスの国土に結び付いた“物語”がないことを嘆き、祖国に捧げる意味も込めて作り出された神話的なエピソードが語られる。『指輪物語』にも登場するエルフや人間、そして物語のキーとなる力の指輪がどのようにして生み出されたかが記されている。
冒頭では創世の神話が語られ、神々の物語と続き、もっともすぐれたエルフと言われるフェアノールの作った大宝玉のひとつ「シルマリル」を巡るエルフたちの物語が描かれている。
翻訳は、『指輪物語』の翻訳を瀬田貞二氏と共訳した田中明子氏が担当。トールキン研究の第一人者であり、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の日本語吹き替え版でエルフ語を監修した信州大学の教授 伊藤尽氏が編集・修正を手がけている。
最新版では、トールキン氏の作るエルフ語の研究が進んだことにより、固有名詞を全面的に見直した日本語訳が見られる。また、本著は原作者のトールキンが亡くなった後も、息子であるクリストファー・トールキン氏が編集作業に着手している作品でもある。詳細は本著の冒頭にも記されているので、気になった方はぜひ閲覧してみてほしい。
なお、2019年には原作者であるトールキン氏の人生を少年期から振り返る映画『トールキン 旅のはじまり』が公開された。この映画では、両親の急死により孤児となったトールキンの幼少期から彼の半生を追うことができる。
『最新版 シルマリルの物語』の電子書籍版は株式会社評論社の公式サイトより各取り扱いサイトを閲覧できる。