ゲームフリーク公式YouTubeチャンネルで8月7日、『ぽこ あ ポケモン』の「開発エピソード紹介 前編」が公開された。本作のコンセプト&シニアディレクターを務める大森滋氏が着想のきっかけや企画書の一部を明かしており、世界初公開となる試作版のゲームプレイ映像も収められている。
この動画は、ポケモン30周年を記念した1カ月限定の「ゲームフリーク ひみつきち」復活企画の第1弾にあたる。
大森氏によると、本作の構想は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の開発中から温めていたものだという。オープンワールド化によってRPGとしての自由度は高まった一方で、それと並行して、もっと気軽に遊べるものを作りたいという思いがあったそうだ。ブロック単位のマップを見下ろす、昔ながらの誰もが楽しめるポケモンというイメージだ。
着想の原点として語られたのが、大森氏が初めて開発に携わった『ポケモン』シリーズである『ポケットモンスター ルビー・サファイア』のマップ制作だ。当時マップエディタで岩や草むらを配置していくと、置いた場所によって出会えるポケモンが変わる。これは作り手の側でしか味わえない体験で、その面白さをプレイヤーに開くことが発想の起点になったという。

もうひとつの問題意識が、ランダムエンカウントの継承だった。オープンワールドではポケモンをフィールド上にシンボルとして配置する必要があり、草むらから何が飛び出すか分からないという出会いの遊びは薄れてしまう。それを別の形で残したいという考えが、企画の背景にあった。
そこから組み上げられたのが、出会ったポケモンに「へんしん」しながら技を教わる、メタモンを主人公としたゲームサイクルだという。いあいぎりで草を刈り、いわくだきで岩を砕くことで地形が変わり、変わった地形からまた新しいポケモンが現れる、というサイクルだ。


主人公をメタモンとした別の理由として、ポケモンと会話できるようにしたかったことに加え、頭身を揃えたかったという点も挙げられた。ブロックで構成された地形にリアルな頭身の人間を置くと合わないが、変身したメタモンであれば頭でっかちのデフォルメ姿でも違和感がない。この発想からデザイナーに依頼し、主人公のメタモンが生まれたそうだ。

動画では試作版のプレイ映像も披露されている。案内役を務めるのは現在のモジャンボではなくモンジャラ。黒いシルエットからポケモンが登場する演出はこの段階からすでに入っていた。
仕様は現行版とかなり異なり、同じ草むらから同じポケモンが無限に出現したり、ブロックの配置をアイテムではなく「どろかけ」などの技で行ったり、草を生やすのも主人公自身が担当していたりと、大森氏いわく「なんでもできるメタモン」だったという。ここから、連れているポケモンに手伝ってもらう方向へと整理されていった。


なお開発体制については、規模の面でゲームフリーク単独では大きすぎると判断。株式会社ポケモンに企画を提案したうえで、共同開発できる会社としてコーエーテクモゲームスを紹介されたという経緯も明かされた。
本企画の後編では、幻の最初期のPVが公開されるとのことだ。
『ぽこ あ ポケモン』はNintendo Switch 2向けに配信中。ゲーム本体は8980円(税込)で、有料追加コンテンツ「エキスパンションパス」は4400円(税込)で販売中だ。
■画像は動画からキャプチャ・トリミングしたものです。
