全国手をつなぐ育成会連合会は8月19日、マンガ『みいちゃんと山田さん』のアニメ化に対する意見書を提出し、8月20日に公益社団法人日本精神保健福祉士協会Xアカウントにて公表した。
同会は「知的障害者の権利擁護を活動の主軸とする」団体であり、この意見書もその立場にとって表明するものだとしている。一方、表現の自由については憲法で保障されている権利であることを踏まえ、同会として「一律に映像化を反対する立場は取りません」とした。
本意見書では主に作中の人物「みいちゃん」が明示的に知的障害の“判定”を受けていないにもかかわらず、作中において「軽度知的障害・境界知能」と強く示唆される描写や、作者の亜月ねね氏が「軽度の知的障害」や「障害者手帳(療育手帳)」を所持した女性を「みいちゃん」のモデルとした旨の発言などをふまえ、同会としての意見を表明した。
【情報】「みいちゃんと山田さん」アニメ化に対する意見書(全国手をつなぐ育成会連合会・08/19)https://t.co/MqyVANSEhL pic.twitter.com/gzHt121uUn
— 公益社団法人日本精神保健福祉士協会 (@jamhsw) August 20, 2026
同会の意見としては主に
・基本的な考え方
・制作者の言動関係
・「みいちゃん」が蔑称として使われている実例について
・製作委員会コメントについて
の4つを取り上げており、一般社団法人 全国手をつなぐ育成会連合会の会長である佐々木 桃子氏の書名で締めくくられている。
「1 基本的な考え方」では、同会が知的障害者の権利擁護を活動の主軸とする団体であり、その立場としての意見表明であることを前提として、一律に映像化を反対する立場はとらないものの「特定の事象への懸念が払しょくされること」を強く希望した。
「2 制作者の言動関係」では、主に「作者の言動」「出版社の言動」を問題視し、作者が認知機能や知的機能が低下した状態を「みいちゃん化」と表現したり、作者自身が以前のペンネームであると明示している「ダイアナ」名義で確認された作品の表現、講談社の編集部員が過去に公開されていた動画における発言を取り上げ、「障害者の人格と個性を尊重しているとは言いがたく、いわば「面白おかしく」扱った上でエンターテイメント化している」と懸念を表明した。
「3 「みいちゃん」が蔑称として使われている実例について」では、「みいちゃん」という言葉が現実社会において知的障害や発達特性のある女性を揶揄・侮辱する言葉として使用されている実例が複数報告されているとしている。これも同会の立場では懸念すべき事項であるとの姿勢を示した。
「4 製作委員会コメントについて」では、講談社も参画する『みいちゃんと山田さん』製作委員会のコメントに対して「アニメーションとして表現する意義」「専門家の助言」「レーティング」に関する同会の意見を表明した。
『みいちゃんと山田さん』アニメ化に関して pic.twitter.com/Wg27Yu1YO0
— アニメ『みいちゃんと山田さん』【公式】🐹 (@miichan__anime) July 27, 2026
製作委員会からのコメントでは、「アニメーションとして表現する意義があるという判断」がなされた旨が記述されているが、この「意義」とは何なのか説明が必要であるとの意見を表明。また専門家の助言を得ていくという記述についても、その専門家の立場や助言の内容については説明が必要だと指摘した。
そして同会として「未成年者が気軽に視聴できる環境は望みません」としたうえで、適切なレーティングを希望する姿勢を示している。
