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レベルデザインの「レベル」って何だ?──ボックス、メイズ、パーセクにマウンテン!? ゲームの「面」の呼びかたいろいろ

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 ゲームについての記事を読んでいるとき、「レベルデザイン」という言葉を見かけたことはありませんか?
 「レベルの……デザインだろ?」という具合に、なんとなくわかった感じで流してしまいがちですが、これは形状や仕掛けの設計、アイテムや敵配置などを含めた、キャラクターたちが動き回るゲームの“空間”の設計を指す言葉です。

 拡大解釈されることも多い言葉ですが、それは日本語を使ってフツーに暮らしていると、「レベル」という言葉に空間的な意味合いを見出しにくいから起こる現象。

 そこで我らがタイニーPは、「そもそもレベルって何だろう?」という疑問にたどり着きました。前回掲載の「ボーナスステージ」考察で、面やステージについてあれこれと思索を続けた勢いで、今回はどうして「レベル」が面や空間を指すようになったのかを追っていきます。

 ちなみにタイニーPは、日本のホビーパソコンの歴史について詳しく、ニコニコ界隈で活躍している人物。今回も、ゲームにまつわる言葉について、わかりやすく、やる夫とやらない夫で解説してくれます!

中の人/タイニーP


面を指す意味の「レベル」

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だいぶご無沙汰してたけど、最初にちょっと聞きたいことがあるお。
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いったいどうした?
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こないだ、久しぶりに『チーターマン』の動画を観てたら、面が始まるときに「LEVEL 1」みたいに表示されてたお。あれも、「ステージ」と同じような面の数えかたなんかお?
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うむ。面を指す名詞、あるいは面を数える数詞としての「level」は、日本では1985年にパソコンゲームとして登場した『テグザー』『ザナドゥ』などで使われたとはいえ、あまり有力ではないな。しかし英語圏では、とても広く使われている表現だ。
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そしたら、RPGでのキャラクターのレベルとかは、英語ではレベルって言わないってことかお。
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いやいや、そんなことはないぞ。それはそのまま「character level」などと表現するし、ゲームの難易度は「difficulty level」のように言う。それらの「水準」の意味とは少し違った形で、面も「level」と表現するわけだ。
一般的に「level」には「higher」、「lower」などの上下方向の形容詞が付くことが多いようだが、どうやら「面」の意味の場合は「earlier」「later」のように時間軸や前後方向の形容詞も付くらしい。
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いちおう言っておくと、中の人もあまり英語には強くないらしいから、そのつもりでいたほうがよさそうだお。

いろいろな「面」の表現

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英語圏で使われている面の数詞で、日本のゲームではほとんど見かけないものとしては、「第○波攻撃」の意味の「WAVE」も代表的だな。最近では日本でも、面の意味とは関係なく使われる例が出てきているようだが、この言葉だけで、とくに1980年代の、輸入もののアーケードゲームの匂いを強く感じるマニアも少なくないだろ。
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そういや、こないだNintendo Switchで配信が始まったアーケード版の『ドンキーコング』だと、面の始まる前に「25m」とか「50m」っていうふうに、高さがどんどん上がってくデモが入るお。あれも、面の数えかたに入るんかお?
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(画像はNintendo Switch|ダウンロード購入|アーケードアーカイブス ドンキーコングより)
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あれは25m単位だから、1面・2面という数えかたに直接対応するわけではないな。
しかし、コングが女性をさらって建築現場によじ登るというオープニングデモと絡めて、ゲームの物語性や作品世界を感じさせる演出の一環としての機能が期待されていたと考えられる。
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デモの部分はファミコン用だと省略されちゃってるから、そっちしか知らない人にはけっこう新鮮かもしれないお。
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アーケード版の『ドンキーコング』の登場は1981年の7月で、このような演出はまだめずらしいものだったと言えるが、同じ年の末には、その影響をダイレクトに受けたと思われるコナミ工業開発・セガ販売のアーケードゲーム『ターピン』が登場している。
これにはビルの屋上に子亀がいるのに驚いた主人公の親亀が、ビルの中に入っていくというオープニングデモがあり、面を「FLOOR」と数えていた。
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ビルを登っていくから「フロアー」ってわけかお。確かに、ちょっと気が利いてる感じがするお。
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前回紹介した『ギャラガ』の登場も1981年夏だが、それが採用した「ステージ」という数えかたも当時はかなりのインパクトがあった。
この点については、1980年代に雑誌「マイコンBASICマガジン」などで活躍した見城こうじ氏が次のように述べている。

「面数を「STAGE」という言葉で表すのを見て、当時ずいぶん驚いたのを覚えています。「こんなかっこいい呼び方が許されるのか!」というくらい新鮮でしたね。」

 

(「ビデオ・ゲーム・グラフティ」、「マイコンBASICマガジン」1989年6月号)

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なーるほど、いまで言ったら「クール」な表現だったわけだお。でも、ゲームに物語性を感じさせるための演出だったら、『ゼビウス』を抜きには語れないんじゃないかお。

※Wii用「バーチャルコンソールアーケード」向けの『ゼビウス』のプレイ映像

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もちろんそうだ。もっとも、『ゼビウス』の面を「エリア」と数えることは、ゲーム画面上や筐体に添付されたルールの説明には示されていない。それでも業者向けのパンフレットや雑誌記事を通じて、この情報はマニアに知れ渡っていた。
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「エリア」って言葉を使うのは、“ゼビウス通”の初歩の初歩ってわけだお。
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まあ、『ゼビウス』の作品世界の演出にはさまざまな手法が用いられたので、「エリア」という言葉が果たした役割がどの程度かは、なかなか判断が難しいな。
とはいえ、1984年に登場したテーカンの『スターフォース』など、面を「エリア」と表現するシューティングゲームはいくつもあるわけで、後続への影響がわかりやすい部分のひとつであることには違いない。
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『アーケードアーカイブス スターフォース』Nintendo Switch版プレイ画面。画面下部に「ALPHA-AREA 1」と表記されている。
(画像はNintendo Switch|ダウンロード購入|アーケードアーカイブス スターフォース より)
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やっぱり「エリア」って呼びかたも、雰囲気作りに一役買ってたわけだお。
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1980年代の日本のアーケードゲームには、面の数えかたにひとひねりを加えたものが数多く登場したが、その傾向が強まったのは、やはり『ゼビウス』の成功があってのことと考えられる。
さらにパソコンや家庭用ゲーム機のソフトでも、この影響を受けた表現が見られた。先に引用した見城氏の記事も参照したうえで、1986年ごろまでの目立ったものをいくつか挙げてみよう。

ゲームごとの面の呼称例

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こうして見てみると、けっこういろんな言葉が使われてるお。

「レベル」と「レベルデザイン」

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さて、ここでちょっと話を変えよう。昨今、ビデオゲームにかかわる話の中に「レベルデザイン」という言葉が出てくることが増えた。
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んー、そういや聞いたことがあるような気もするお。
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これは英語圏発祥の言葉で、ここで言う「レベル」は、ここまで取り上げてきた「面」の意味だ。つまり、キャラクターたちが動き回るフィールドの外見や形状、仕掛けの設計、さらにはアイテムや敵を配置することなどの「面をゼロから作り上げる」作業がレベルデザインだ。
ゲームのジャンルにもよるが、面の出来はゲーム自体の難易度や印象、さらには面白さを大きく左右するわけで、この作業はゲーム制作のうえでもとても重要な位置を占める。
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『スーパーマリオブラザーズ』のワールド1-1の序盤がどんだけ丁寧に作られてるかってな話は、あちこちで何度も紹介されてるお。
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まさにレベルデザインの重要性を示す典型だな。しかし日本では、「レベル」という言葉のイメージとビデオゲームの「面」の意味とが、なかなかすぐには結び付かないようで、ゲーム業界でも、少し違った意味で「レベルデザイン」という表現が使われることがままあるらしい。
たとえば昨年末、任天堂の公式アカウントのツイートが一部で話題になった。

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これは、難易度の変更とか管理をする人を「レベルデザイナー」って呼んでるっぽいお。
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もちろん、先にも触れたように、ゲームの難易度は面の構成要素と深く関連していてもまったくおかしくないだろ。しかし、英語での「level design」の指すところは、難易度の調整や管理は含まれない。【※】
このように、同じ語句の意味合いにズレがあることで、日本と海外を跨いだゲーム開発関係者のコミュニケーションに、少なからず支障が生じているという意見もある。

※電ファミ連載陣である岩崎啓眞氏からいただいた指摘に基づき、英語での 「level design」の意味の説明を訂正いたしました。あらためて御礼申し上げます。

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つーても、ここでそのズレがいいか悪いかみたいな話をしても、しょうがないんじゃないかお。
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まあそうだ。今回は、日本語で言うビデオゲームの「面」を英語で──少なくとも北米で「level」と呼ぶようになったのはいつごろで、なぜそうなったのか? という点について考えてみたい。
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なーるほど、いつもは日本語の言葉でやってることを、英語の言葉でもやってみようってわけかお。
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なお、中の人は英語の細かいニュアンスに通じているわけではなく、また1980年代の北米のゲーム好きたちを取り巻いていた雰囲気や環境に詳しいとも言えない。そのため、あくまで限られた資料から読み取れる情報に基づく点はご理解いただきたい。

『パックマン』の面が「レベル」と呼ばれるまで

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さて、アメリカでも1980年代序盤の時点では、ビデオゲームの「面」を直接指す意味で「level」が使われることは多くなかったようだ。
たとえば1981年末に出版されたトム・ハーシュフェルド氏によるアーケードゲームの攻略本『How to Master The Video Games』の冒頭に、初心者向けの説明が設けられているが、その中で「面」にあたる概念の説明にまず出てきたのは「screen」だった。
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日本で「1画面め、2画面め」って言ってたのと同じ発想なわけだお。
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また、このすぐ後に「screen」の別名がゲームごとにあることが述べられている。そこでは「round」、「mission」、「sector」、「attack」、「wave」が紹介されており、「level」はない。一方、この本の『パックマン』の攻略の中には、「SYMBOL OF LEVEL」という見出しがある。
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(画像はSteam:ARCADE GAME SERIES: PAC-MANより)
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「レベルのシンボル」ってことは、その「レベル」は面のことじゃないんかお?
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一見そう思えるが、この部分の本文では「skill level」という組み合わせだけが使われており、「ボーナスのフルーツターゲットの種類が変わるごとに要求される腕前も変わるんだよ」という趣旨の説明になっている。つまり、フルーツが“腕前のシンボル”だという見出しなわけだ。
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なるほど。なかなかややこしいお。
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ただ、1982年に出版されたジェフェリー・スタントン氏によるパソコン用アクションゲームの作りかたの解説書『Apple Graphics & Arcade Game Design』では、『パックマン』の優れた点について、以下のように紹介している。

「The game also offers the visual feedback of the number of remaining dots to be eaten at each level. And since clearing each individual level is an immediate goal, even beginners believe a level can be cleared.」

 

「このゲームはまた、そのレベルに食べるべきドットがあといくつ残っているかという視覚的フィードバックを提供している。そして、それぞれのレベルのドットを食べ尽くすことがひとまずの目標なので、初心者でもレベルをひとつはクリアできると考える。」
(※筆者訳)

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こういう使いかたなら、「レベル」はそのまま「面」に置き換えてもいいんじゃないかお。
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そのとおりだ。このような形での「level」の使いかたは、1980年末からアーケード版の『パックマン』をアメリカで正式に販売したミッドウェイ社のチラシにはなかった【※】
つまり少なくとも『パックマン』の面を「level」とする表現は、1981年~1982年ごろに、プレイヤーたちのあいだから広まり始めたと考えられる。

※ミッドウェイ社は1982年までに、『ミズ・パックマン』や『パックマンプラス』といった同社独自の続編を発売したが、これらのチラシでも面を「maze」とする表現はあっても「level」としたものは見当たらない。

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で、それはどういうところから来た表現なんだお。
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そのあたりをもう少し詳しく見てみよう。アメリカでは1981年秋、アタリのアーケードゲーム『テンペスト』が発売された。
この作品の特徴のひとつが、ゲームスタート時により難しい場面を選ぶと、それを終えた際により高いボーナス点が得られるという仕組みを採用したことだ。しかも、画面上ではこれらの場面を「LEVEL 1」「LEVEL 2」と数えていた。
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『Atari Vault』に収録された『テンペスト』のプレイ画面
(画像はSteam:Atari Vaultより)
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これは難易度の意味なのか、面の意味なのか、どっちなんだお。
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業者向けの説明書やチラシでは、この仕組みに関する説明で、「levels of play」あるいは「skill levels of play」などと表現されている。つまりこれは、「難易度」にかなり近い意味の言葉として使われたことがわかる。
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ふーむ。やっぱりそっちなんかお。
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また同じ年、エキシディ社の『ベンチャー』が発表され、翌1982年の初頭までに発売された。
これはRPG的なダンジョン探検を題材にしたアーケード用ビデオゲームとしてはごく初期のもので、ひとつの階の宝物をすべて取って下の階に行くごとに、画面上の表示が「LEVEL ONE」「LEVEL TWO」とひとつずつ増すようになっている。
こちらの「level」は、直接的には難易度ではなく、ダンジョンの階層そのものを数える数詞として使われていると考えられる。
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『ベンチャー』プレイ画面。画面上部に「LEVEL ONE」と表記されている。
(C) 1995-2018 by WebMagic Ventures, LLC, The International Arcade Museum (R), Museum of the Game (R). All rights reserved.
(画像はVenture – Videogame by Exidy| International Arcade Museumより)
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まあ当然、下の階ほど難しいっていう暗黙の了解はあるわけだお。
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そもそも、RPGの元祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』の初版マニュアルにおいても、ダンジョンを「さまざまな方角に広がるいくつものレベルで(できている)」(※筆者訳)と説明している。
名詞としての「level」の基本的な意味は「水平、水準」だが、英和辞書でも「水平坑道」という意味を挙げているものがわりとあるようだ。
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ほー。つまり、ダンジョンみたいに地面の中に掘った水平な通路を、高さごとにまとめて「レベル」って呼ぶのは、英語ネイティブな人には当たり前なわけだお。
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アメリカでは、『ウルティマ』『ウィザードリィ』の第1作がいずれも1981年に登場したことからもわかるように、1980年代序盤にパソコン用のRPGが急速に数を増やしていた。
このRPGの広まりと、『テンペスト』でも使われた「skill levels of play」という表現とが複合的に影響して、『パックマン』の迷路が「level」と呼ばれるようになったものと考えられる。
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『パックマン』の迷路も暗い色が基本だから、ダンジョンっぽいってのはわからなくはないお。

『ロードランナー』は水平じゃなくても「レベル」?

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さて、この「level」という表現は、1982年のうちにさらなる変化を始めていたようだ。それを表している作品のひとつが、この年の末ごろに登場したビッグファイブソフトウェアのヒット作『マイナー2049er(トゥエンティ・フォーティナイナー)』だ。
このゲームは、『ドンキーコング』のような、さまざまな高さの足場を横から見た画面と、その足場を全部踏めばクリアという『パックマン』の要素を持つ。そして「マイナー(miner、鉱夫)」の名にもあるように、鉱山の中が舞台になっている。
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最近じゃ、「マイナー」って仮想通貨がらみでも出てくる言葉だお。
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『マイナー2049er』のうち、最初に開発されたアタリ400/800用では、各面は「STATION 1」「STATION 2」と数えられていた。これは、鉱夫の詰め所、あるいは持ち場になぞらえた表現らしい。
一方で、他社によって移植されたアップルII用では、「LEVEL 1」「LEVEL 2」だった。
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そっちは、鉱山の中がダンジョンっぽいってのと、難易度の意味をかけたっぽいお。
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このアタリ400/800用とアップルII用とでは、説明書の内容もそれぞれかなり違いがある。ところが興味深いことに、どちらにも「ひとつの画面の中の足場の高さ」を「level」と表現している部分がある。
とくにアタリ400/800用では、10面めの大砲を使って主人公が高いところに移動する部分の説明に、「level of the station」というフレーズが登場している。
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ふーむ。これをアップルII用の表現に置き換えると、「level of the level」になっちゃうってことかお。
するってーと、いろんな高さの足場があるゲームの画面全体をひとつのレベルって呼ぶのは、「水平な通路」っていう意味とはちょっとかみ合わなくなってるわけだお。
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そういうことだ。さらに1983年春には、アクションパズルゲーム『ロードランナー』がアップルII用に登場した。
この「ロード(lode)」は「鉱脈」の意味なので、『マイナー2049er』と同じく鉱山がイメージの源泉と考えられるし、画面も横からの視点で、さまざまな高さの足場がある面が少なくない。そしてこの作品は最初から、各面を「LEVEL」と表現していた【※】
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Apple II版の移植作、『ロードランナー・クラシック』のプレイ画面。画面下部に「LEVEL 001」と表記されている。
(画像はLode Runner|ロードランナーとは|Tozai Gamesより)

※ファミコン用など、日本で開発された移植版では「LEVEL」を使っていないものもある。

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さすがに『ロードランナー』は、日本のパソコンや家庭用ゲーム機でも大ヒットしたから、知ってる人は多いと思うお。
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ところでこの『ロードランナー』は、異なる形状の面を150種類も用意したことが大きな売りのひとつだった。じつは先に紹介した『テンペスト』も、レベルが99まで用意されているのが売りだったが、キャラクターが動き回るフィールドの基本的な形状は16種類となっている。
これに、プレイヤー側のキャラクターの移動範囲がタイミングにより制約される、新しい敵が登場するなどといった味付けを加えて、99種類のバリエーションをつけるという手法だった【※】

※レベル99をクリアすると、以後はずっとレベル99だが、フィールドの形状がランダムに選ばれるようになる。

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いまとなっちゃ、16種類だと「たったの」って気もするけど、1981年の時点だと充分多かったほうなんじゃないかお。
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これに対して『ロードランナー』には、まず敵側と主人公とに互いを攻撃する飛び道具の類がない。敵の数こそ面ごとに異なるが、敵の種類はひとつだけだし、ゲーム全体の速度に対して敵の動きだけが速くなるようなこともない。
つまり各面の難易度を決める直接的な要因は、面の形状と敵の配置だけだ。そして、それらから生じるパズル的要素とアクション的要素をそれぞれ評価して初めて、その面の難易度について判断できるということになる。
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つまり、どういうことだってばお?
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『ロードランナー』では、レベルの数字が直接難易度の水準を指すという図式が、明確に成り立っているとは言えなくなった。ここがポイントだ。
もちろんレベル1とレベル100なら、後者のほうが難しそうだと言えるだろう。しかし、レベル90とレベル100とで果たして後者が本当に難しいのかは、数字だけでは判断できない。
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アクションゲーム向けの操作がうまい人と、パズルの解きかたを考えるのがうまい人でも、どの面が難しいかの意見が分かれそうだお。
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このように「level」が、さまざまな高さの足場があるゲームや、後の面ほど難しいと単純に言い切れないゲームで使われることで、「水平方向に広がる通路」とも「難易度の水準」とも少しずつ異なる、日本のゲーム用語の「面」により近い意味が生じてきたのではないかというわけだ。
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「面」にしたって、「1画面」から出てきた表現なのに、画面がスクロールするゲームとか、立体的な空間を動き回るゲームでも使うわけだお。言葉の意味がだんだんずれてくのは、ありがちなのかもしれないお。
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とはいえ、面を指す言葉としての「level」が、「screen」などと比べてすぐに優位に立ったわけではないようだ。
たとえば1984年にアタリ400/800などのパソコン向けに登場して、のちに日本でも移植されたファーストスターソフトウェアの『バルダーダッシュ』。これは、洞窟が舞台の思考型アクションゲームだが、雑誌広告では「16 mystical caves and 5 levels of difficulty」と書かれ、16番めの洞窟をクリアするとレベル2の最初の洞窟に戻るという仕組みになっていた。
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これだと、いわゆる「2周め」がレベル2ってわけだお。
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この翌年の1985年になると、北米地域でファミコン、つまりNESの販売が始まっている。そのゲームソフトの説明書を何点か確認したが、1986年までに出たものでは、面の意味と明確にわかるような形で「level」を使ったものは見当たらなかった【※】
このころのNES用ソフトの説明書は、注意書き以外は日本の説明書にかなり忠実に作られており、「面」という単語に対応する訳語は「round」か「screen」にほぼ限られていたようだ。

※『マリオブラザーズ』の説明書には難易度の意味で「levels of challenge」という表現が、また『アイスクライマー』の説明書には1面クリアするのに8段登る必要がある旨の説明で「8 levels」という表現がある。

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あんまりアメリカのゲーム用語に詳しくない人が翻訳したってことなんかお。
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しかしその後、北米任天堂以外からもNES用ソフトが発売されるようになると、事情が変わってきたらしい。たとえば『バブルボブル』では、画面上にはアーケード版と同じく「ROUND」と表示されるのに、説明書では「level」が使われた。
また1987年の末には、徳間書店の『スーパーマリオブラザーズ完全攻略本』が英訳され、北米任天堂の公式ファンクラブ向けに配布されたが、元の本では「ワールド1/エリア1」と書かれているところが、英語版では「WORLD 1/LEVEL 1」となっていた【※】
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(画像は『バブルボブル』のアーケード版を再現したもの。Arcade Archives BUBBLE BOBBLE|HAMSTERCorporation – Youtubeより)

※ゲームソフト添付の説明書では「各々のワールドは4つのエリアに分かれています(ファミコン用)」、「each world is devided into 4 areas.(NES用)」と書かれている。

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もう「レベル」のほうが、アメリカのプレイヤーたちにはしっくりくるようになってきてたわけだお。
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うむ。しかも『スーパーマリオ』といえば、ひとつの面の中で地上から地下に、あるいは雲の上に場面転換するなど、平面的な横スクロールのゲームでありながら、ゲーム空間の立体的な広がりをプレイヤーに強く印象づけた作品であることに疑いはない。
日本でいう「面」と英語圏の「level」は、それぞれ出どころは異なる言葉なのに、やがて3次元的なゲーム空間についても普通に使われるという互いによく似た変化を遂げることになるが、その萌芽はこのころすでにあったわけだ。

「レベルデザイナー」という言葉が日本に入ってきたのはいつか?

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さて少し話を戻すが、『ロードランナー』といえば、面を作る「エディットモード」を持っていたことも大きな特徴のひとつだ。アップルII用のパッケージの表紙では、「game generator」、つまり「ゲーム生成機能」と高らかにうたっていた。
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Apple II版『ロードランナー』のパッケージ。下方に“An Action Game and Game Generator by Doug Smith”と記されている。
(画像はTozai Games | Lode Runner – Time Lineより)
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なかなか思い切ったネーミングだお。
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このような機能は、『ロードランナー』の少し前に登場したビル・バッジ氏『ピンボールコンストラクションセット』が主題に据えており、日本のパソコンゲーム誌「ログイン」などでも話題になっていた。
この後の日本のビデオゲーム、とくにパソコン用ソフトでは、面を作る機能を含め、ゲーム作成ツール全般を「コンストラクション」と呼ぶことが流行したほどだ。
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「ツクール」シリーズができる前の話かお。そういや、ファミコンの『バトルシティ』もタイトル画面に「コンストラクション」って書いてあるお。
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ただ『ピンボールコンストラクションセット』は、かなり自由に盤面を作ることができるぶん、ゼロから作り上げようとするとやや手間がかかるものだった。
これに対し『ロードランナー』のエディットモードの場合、面は縦16×横28のマス目を埋めればよく、どこが障害物でどこが通路なのかも、ほぼ見た目のとおりになると考えていい。
アメリカのパソコンゲーム誌でも、その簡単さを驚きをもって紹介する記事がいくつもあった。
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なんか、アメリカのテレビ通販番組みたいなノリが思い浮かぶお。
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それでいて、さまざまなパズルやアクションの要素を盛り込める奥深さを持つ『ロードランナー』のエディットモードは、たちまち大きな支持を集めた。
アップルIIなどパソコン版の多くは、作った面をフロッピーディスクに記録する仕組みだったので、ユーザーのあいだで自作面を詰め込んだフロッピーディスクが出回ったし、またゲーム雑誌でのコンテストも行われた。
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巷に「レベルデザイナー」が大量発生ってわけだお。
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ただアップルII用『ロードランナー』の説明書を見る限り、「レベルデザイン」という言葉は直接は出てきていなかった。
これが1984年になると、アメリカ内外から『ロードランナー』の発売元や作者のダグ・スミス氏のもとに寄せられた超難解面を50面収録した、『チャンピオンシップロードランナー』が発売された。その説明書には、以下のように謝辞が述べられている。
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『チャンピオンシップロードランナー』のパッケージ
(画像はTozai Games | Lode Runner – Time Lineより)

「The fifty fiendish levels that make up this game were designed by the following Championship Lode Runners:」

 

「このゲームを構成する鬼のように難解な50のレベルは、次に挙げるチャンピオンシップロードランナーたちによってデザインされた。」
(※筆者訳)

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なるほど、このあたりで「レベルデザイン」っていう言葉になってきた感じかお。
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まあ、この表現がどの程度の範囲で通用したかは判断が難しい。
ただ少なくとも、1980年代中盤の時点で、北米のパソコンゲーム好きの間では、「level design」と言えば面を作ることだとわかるくらいにはなっていたと考えていいだろうな。
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1980年代末くらいには、NESとかの家庭用ゲーム機のユーザーにも広まってたかもしれないお。
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一方日本については、『ロードランナー』のエディットモードはもちろん人気を集めたし、雑誌での自作面の募集もあちこちで行われた。
しかし、ファミコン用の『ロードランナー』ではそもそも面を「レベル」ではなく「ステージ」と表現していたくらいだから、「レベルデザイン」という言葉はまるで広がらなかった。
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さっき言ってた、「コンストラクション」って言葉のほうが、よっぽど広まってたわけだお。
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もっともアメリカでも、「level designer」という役割が商業ベースのビデオゲームのクレジット表記に出てくるようになったのは、1990年代に入る前後のようだ。その初期のもののひとつが、1993年に登場した『DOOM』だ。
日本で1995年初頭にインプレスが翻訳出版した『公式DOOMサバイバルガイド』にも、「DOOMのレベルデザイナー兼脚本家、John RomeroとSandy Petersenとの対談」というセクションがある。
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ほー。つまり、「レベルデザイナー」って言葉が日本の本に出てきた早い例ってことかお。
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このセクションの後にあるサンディー・ピーターセン氏の手記には、「レベルをおもしろくするためには、初期のトータルプランニングとテストプレイの繰り返しが重要な役割を果たす」「施設の外観が優れていて、楽しく移動できるからといってゲームが完成したわけではない。次は、施設全体に配慮が行き届いているかを確認しなければならない」などとある。
アクションゲームに本格的に3次元の空間表現が取り入れられようとしていた時期のレベルデザインの要点が短くまとめられていると言え、なかなか興味深い。
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この本がもっと知られてたら、日本で「レベルデザイン」って言葉が、海外とちょっと違った意味で使われることもなかったかもしれないわけかお。
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うーん、それはどうだろう。日本の場合、「面」と結びつく外来語ではやはり「ステージ」が最有力で、しかもがっちり固まってしまっているからな。
『DOOM』登場前にも、『プリンスオブペルシャ』『レミングス』といった、面を「LEVEL」と表示している海外製ゲームが日本でヒットした。しかしこれらを紹介する雑誌記事では、「面」や「ステージ」が使われていないものを探すほうが難しいくらいだ。
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面の意味で「レベル」が使われてるのを、難易度と解釈しても大ハズレってわけでもないあたりが、逆に話をややこしくしてる気がするお。
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そうだな。あらゆるゲームに通用するわけではないにせよ、対戦専用のゲームでもない限り、後の面ほど難しいというのが、定番の手法であることには違いないしな。
まあ、英語圏のゲームに関する話で「level」という言葉が出てきたら「面」のことかもしれない、というのを頭に入れておいて損はしないだろうし、ここまでの話がその手助けになれば何よりだ。
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今回は、これでおしまいかお?
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最後にひとつ、お知らせがある。ご好評いただいているこの「やる夫と学ぶゲームが変えた日本語」だが、企画のリニューアルにともない、俺ら、つまりやる夫・やらない夫は今回をもって出演をいったんお休みさせてもらうこととなった。
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ちょっと残念だけど、連載自体はこの後も続くわけかお。
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うむ。次回以降も、「ビデオゲームの歴史と日本語」が中心テーマであることには変わりないが、「ゲーム用語」という枠に収まらない事柄についても、調査の手を拡げていくつもりだそうだ。乞うご期待、というところだな。
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それじゃ、またの機会までバイバイだお!

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コンピューター文化史研究家。2013年よりブログにて「やる夫と学ぶホビーパソコンの歴史」を連載。約2年で本編を完結後は、不定期に番外編を掲載。日本の文化・社会とコンピューターやビデオゲームとが、どのように関係してきたのかに関心を深めている。当たり前と感じていることに疑問を持つのは難しいと思う今日このごろ。
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