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市長、朗報です! 宮崎県小林市が「シムシティ課」を新設。『シムシティ ビルドイット』をもちいて本物の市長と共に都市計画を考える

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 宮崎県小林市は10月17日、「シムシティ課」を設立したことを発表した。エレクトロニック・アーツ社とのコラボレーションによる地方創生プロジェクトの一貫となる。シムシティ課ではスマートフォンアプリ『シムシティ ビルドイット』のなかに小林市を再現し、宮原義久市長の公認のもと、理想とする小林市の未来像を市民と一緒に考えていく。

 シムシティ課のメンバーは、小林市職員と宮崎県立小林秀峰高等学校の有志で結成されており、今後の活動は公式サイトで随時、更新されていくほか、地元高校生とともに総合学習の時間を使って、定期的にワークショップを展開。その成果を活動報告会を通して、市民に対してプレゼンテーションする予定だという。

 宮崎県小林市は人口46,062人(平成30年9月1日調べ)、面積562.95平方キロメール、霧島連山の麓に計差入れた風光明媚なまち。だが、日本全体で地方の過疎化や少子高齢化が問題になっているように、小林市もまた例外ではない。

 2016年~2017年卒の高校生の県外流出率で小林市は47都道府県中で最下位、2014年の日本創生会議・人口減少問題検討分科会で「消滅可能性都市」に指定されるなど、小林市は深刻な問題に直面している。はたしてこのような問題に『シムシティ ビルドイット』は切り札となるのか。

市長、朗報です! 宮崎県小林市が「シムシティ課」を新設。『シムシティ ビルドイット』をもちいて本物の市長と共に都市計画を考える_001

 『シムシティ』シリーズは、1989年に第一作が発売したウィル・ライトによる都市計画シミュレーション。都市環境の動的モデルの研究をしていたジェイ・ライト・フォレスターの著作『Urban Dynamics』に影響を受けており、都市計画が親しみやすくゲームに落し込まれている。

 具体的には、プレイヤーが市長となって、住宅/商業/工業地区を指定し、交通機関、水道、電略などの各種インフラを整備する。それに伴い増加していく渋滞、犯罪、大気汚染、災害に立ち向かいつつ、市民を幸福に導いていく。大きな目標としては、人口を増やしながら、市民の幸福度を高く維持しつつ、都市が経済的に循環する構造を作ることある。

 当初はひとつの都市のみで完結していたが、近年のシリーズでは隣接した都市を作って、都市と都市を繋ぐことによって、ベッドタウンや、農業に特化した都市と循環させることができるなど、都市ごとの相互関係までシミュレーションが可能になっている。

市長、朗報です! 宮崎県小林市が「シムシティ課」を新設。『シムシティ ビルドイット』をもちいて本物の市長と共に都市計画を考える_002

 『シムシティ ビルドイット』をもちいることによって、まちづくりを視覚的、動的、数値的にシミュレーションしてみると、新しい着眼点や問題点が生まれてくるかもしれない。ここは地元高校生の柔軟な発想力に期待しよう。このようなコラボレーションがどのように実を結ぶのか、シムシティ課、そして小林市の今後の活動に注意したい。

 なお、シムシティ課の新設にあたって、ポロシャツやピンバッジなどのグッズ制作を予定しているという。また10月18日より、『シムシティ ビルドイット』のなかで、宮崎県小林市の観光名物である名水まつり、霧島岑神社 、六月灯まつり」にちなんだ、記念アイテム「夏祭り」、「ビーチの鳥居」、「灯篭流しフェスティバル」が復刻されるという。気になった人はそちらもチェックしてみよう。

宮崎県小林市「シムシティ課」今後の活動予定:
◆10月17日 :「シムシティ課」発足発表
◆10月17日~12月上旬:特設サイト上で随時、活動報告コンテンツを掲載
◆12月中旬:シムシティ課主催 活動報告会開催(宮崎県小林市内にて)
◆11月14日:宮原市長出演「シムシティ課 スペシャルムービー」を公開 ※後日、詳細発表予定

宮崎県小林市・宮原義久市長のコメント:

 今回、『シムシティ ビルドイット』を運営される世界的ゲームメーカーのエレクトロニック・アーツ社とのコラボによる事業を展開させていただけることに大きな期待と喜びを感じております。

 若者の政治離れや、まちづくりへの興味の希薄化が進んでいると言われる昨今において、今回のように高校生を対象に、しかも長期に渡り世界中で愛されるゲームを通して、政治やまちづくりに興味を持ってもらうような機会を得られたことは、小林市にとっても、未来を担う若者にとっても非常に有意義な機会となることでしょう。

 理想のまちというのは人それぞれだと思います。このワークショップを通して、若い世代に自分が住むまちをもう一度見直してもらい、まちづくりに興味を持ってもらい、次代の小林市を創造していく人材が育っていくことを期待しています。

文/福山幸司

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