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「真島は声をのせて動きをつけて絵にしたときに初めておもしろくなるキャラクター」──『龍が如く8外伝』発売を約1ヵ月後に控えてのファンイベントが大盛況。開発陣とキャストが語った本作の魅力とは?

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「真島は脚本だけだとあまりおもしろくないんですよ。あの声をのせて、あの動きをつけて、絵にしたときに初めて、おもしろいとわかるキャラクターなんです」。

これは「龍が如くスタジオ」代表、横山昌義氏がファンミーティング“「『龍が如くスタジオ』真島のマジ祭り”のメディア向け取材で語ったひと言だ。

映像、音、セリフが表現できるビデオゲームだからこそのおもしろさと存在感。それこそが真島吾朗の魅力だとわかる言葉だろう。

そんな真島吾朗が主役を務めるのが、2月21日に発売を控える『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』(以下、『龍が如く8外伝』)だ。発売に先駆け、『龍が如く8外伝』の体験プレイをはじめ、スペシャルゲストとのフォトセッションや「龍が如くスタジオ」メンバーとの交流、さらにはグッズ販売までが行われるファンミーティング、“『龍が如くスタジオ』真島のマジ祭り”が昨年末から開催されている。札幌からスタートし、仙台、大阪、福岡、名古屋で実施され、1月25日には6会場目となる東京・銀座で開催された。

本稿では、メディア向けに行われた囲み取材の模様を、東京会場のフォト、先日公開された『龍が如く8外伝』最新画像と合わせてお届けしていく。取材に応じてくださったのは、真島吾朗役の宇垣秀成さん(声優)、ジェイソン・リッチ役の松田賢二さん(俳優)、「龍が如くスタジオ」代表・制作総指揮の横山昌義氏、 『龍が如く8外伝』プロデューサーの堀井亮佑氏だ。

『龍が如く8外伝』発売を約1ヵ月後に控えてのファンイベントが大盛況。開発陣とキャストが語った本作の魅力とは?_001
写真左から堀井氏、宇垣さん、松田さん、横山氏。

文/豊田恵吾


“銀座” で『龍が如く』のロゴを見るとは思わなかった

──“『龍が如くスタジオ』真島のマジ祭り”は全国5都市で開催され、本日の東京・銀座会場が最後となりますが、感想はいかがですか?

堀井氏:
多くの方に来ていただいてうれしいです。「龍が如く8外伝」の発売まで1ヵ月を切りましたが、早く皆さんに届けたいという気持ちでいっぱいですね。

宇垣さん:
どの会場もいいお客さんばかりで、本当にありがたい気持ちです。おかげさまで、どこに行っても天気が良く、雨が降ることは一度もありませんでした。僕は晴れ男でして、『龍が如く8外伝』は必ず成功するという確信に満ちています。これからも皆さんよろしくお願いいたします。僕らも本当に楽しくイベントに参加させてもらっています。

松田さん:
『龍が如く8外伝』の顔のひとりとして、6都市を回れたことをすごく光栄に思います。『龍が如く8』『龍が如く7』を含め、いろいろなシリーズ作をプレイしてきましたが、最後にはお客さんと同じ気持ちでファンになっていました。『龍が如く8外伝』も楽しみにしていただければと思います。

横山氏:
会場に着いたときにお客さんが並んでいるのが見えました。今年からオペレーションを変えていて、並ばなくてもイベントを見られるようにしていたのですが、『龍が如く』ファンのみなさんは服装などでわかるんですよ(笑)。並んでいる方たちを見たときに「熱気が戻ってきたな」と感じましたし、銀座で『龍が如く』のロゴを見るとは思わなかったので、感慨深いものがありますね。歌舞伎町からのスタートでしたから「やっと銀座まできたか」と(笑)。

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──発売まで1ヵ月を切りましたが、いまの心境をお聞かせください。

堀井氏:
渾身の作品ですし、アクションはシリーズでも屈指の爽快感になっています。海戦バトルといった新しい要素も含め、みなさんが満足いただけるものになっていますので、早く発売を迎えたいですね。

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宇垣さん:
体験プレイをされた方にお話を聞くと、みなさん「楽しいです」といっていただけている。「外伝」とタイトルについていますが、『龍が如く8』の裏で真島は……という内容ですので、多くの方に楽しんでもらえると思います。

松田さん:
6都市を回る中、ひそかな楽しみだったのが、いろいろなグッズを見ることでシリーズの歴史が感じられたことでした。『龍が如く8外伝』もそうやって歴史を引き継いでいくのかなと、感慨深いです。

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横山氏:
毎回言っていますが、発売時期はもうつぎのことを考えているタイミングなので、気が休まるときがないんですよね。ついこのあいだ海戦バトルを公開したのですが、グラフィックもそうですし、遊び方もこれまでの『龍が如く』と違う広がりがあります。実験的な1本になると思っていて、発売後に遊んでくれた方々がどこに引っかかったかというのは、あとでわかることじゃないですか。それは僕らのクリエイティブに影響を及ぼすので、その結果は1年後、2年後、3年後にならないと出てこないんですけど、『龍が如く7外伝』のときは「ここで感動してくれるだろうな」とか、お客さんの反応が予想できたんです。でも、今回は読めない。どこがいいっていってくれるかわからない。いろいろなチャレンジをしたタイトルですので、1年後、2年後が楽しみですね。もちろん、作ったものは自信がありますし、いまは安心しています。

──今日の会場は一般の方も通る場所での実施となっていますが、そういった方々の反応はいかがでしたか?

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堀井氏:
「なんじゃこりゃ」という驚いた反応が多いですね(笑)。銀座でのイベント実施は初めてですが、そういった意味ではインパクトを残せたと思います。

横山氏:
あまり会場を歩けていないのでわからないんですが、喫煙所を訪れたときに明らかにファンの方と思われる方が僕らの日常会話に聞き耳を立てていたり……。だから悪いことは言わないように気をつけています(笑)。

松田さん:
地方はアウェイ感があったんですが、今回は銀座ですし、ちょっと恥ずかしいというか……。気持ちを新たにしたのは、ここにいる誰よりも『龍が如く』に詳しくなろうと思いました。宇垣さんはファンからはどういった声がけがありましたか?

宇垣さん:
「どこどこのセリフをしゃべってください」とよく言われるんですけど、お客さんそれぞれの真島像があるわけじゃないですか。たとえば「桐生ちゃん」というセリフひとつとっても、シーンによって言い方が違うわけですよね。なので、そのあたりは毎回気をつけているところです。

横山氏:
ファンの方の知識との戦いなんですよ。こちらは忘れていることもありますし、ファンの方は好きなことに感しては誰よりも詳しいじゃないですか。このあいだ、「冴島はこの年に生まれたはずです」という資料をお客さんからいただいて(笑)。だから宇垣さんもファンの方に何かお願いをされたときには、全力で思い出して対応していますよね。

松田さん:
“真島のマジ祭り”を通じて、ファンの方の気持ちが本当にいまはわかるようになりました。

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ラジオ「神室町RADIO STATION」で語った夢が現実に

──宇垣さんへの質問なのですが、20年近く真島吾朗というキャラクターを演じられて、ついに単独主人公作品が制作され、しかもイベント名は“真島のマジ祭り”と、真島にこれだけスポットが当たっています。改めて、真島というキャラクターに対してどういった思いがあるかをお聞かせください。

宇垣さん:
最近『龍が如く』を遊ばれた方からは、「真島の兄さんってこんなにちょっとしか出ていないんですね」と言われることがあって。「そうなんですよ、それなのにこんなに人気があるんですよ」と答えています(笑)。ちょこっとしかゲームに出てないのに、これだけの人気になっているのは不思議に思われるかもしれませんが、それは作り手がおもしろくしてくれたり、キャラに合った演技があってのことだと思っています。なので、いまは舞い上がりたい気分。

2年ほど前の公式Webラジオ番組「神室町RADIO STATION」で「今後どうしていきたいか」と聞かれたときに、「「般若が如く」で真島が主演がいいですね」と言ったら、話している途中で横山さんが「ない、それはない」と(笑)。それがいまでは「真島吾朗還暦記念作品」と描かれ、ロゴが龍と般若。あのときに語った夢が現実になっているわけです。ここまでやってきてよかったし、いつ死んでもおかしくない役がここまでこれたことがいまうれしくてしょうがないですね。いろいろな人に支えられてここまできましたから、ひとりひとりにお礼を言いたいです。

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──『龍が如く8外伝』での真島の見どころを宇垣さんからお聞きしたいです。

横山氏:
(宇垣さんに向かって)覚えてないですよね?

宇垣さん:
どこを伝えようかと悩んでたんですよ(笑)。えー、真島はコスプレが完璧です。桐生の服を着ても、春日の服を着ても、何を着ても似合う男。あとは、船でのバトルシーンは爽快感あふれたもので……。

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横山氏:
おおざっぱな話だな〜(笑)。

宇垣さん:
いやいや、発売前ですから詳しく言っちゃダメですよね。言ったら言ったであとで怒られるでしょ(笑)。

横山氏:
見どころがバトルの話になったから(笑)。

宇垣さん:
じゃあ、ノアとのやり取りで。真島の愛があふれるところが表現されていて……。え? ここもだめ?

横山氏:
いやいや、無理やり言ってるなと(笑)。

宇垣さん:
『龍が如く0』のときもそうでしたし、真島はなんだかんだいろんな人のことが好きになっちゃうので、そこが見どころかと思います!

横山氏:
(笑)。余談ですけど、脚本だと真島ってあまりおもしろくないんですよ。脚本で真島が登場しているシーンって、あの声をのせて、あの動きをあてて、絵になって初めて「おもしろいシーンだったんだ」となる。シナリオだと「おもしろくなるのかな?」と不安になるキャラクターなんです。制作側からするとイメージはあるんだけど、(シーンが)持つか持たないかが心配になる。でも、出来上がりでは、ちゃんと真島は持つんですよね。あとで答えが出るキャラクター。脚本だけだと、いいことを言うキャラのほうがよく見えるわけです。

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ジェイソンの “代表的なセリフ” にいちばん自分を投影できた

──松田さんが演じるジェイソンの見どころと、プレイヤーとしての真島の印象を教えてください。

松田さん:
僕自身も何となく思っていることなんですが、枯れ木に花が咲く、枯れ木に花を咲かせたい、というものがジェイソンというキャラクターに現れていると思います。ジェイソンの代表的なセリフがあるんですけど、そこがいちばん自分を投影できたというか、そういったドラマがふんだんにあるキャラクターだと思います。あとは息子のノアとのドラマ。これに尽きると思います。

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真島については宇垣さんの演技だけじゃなくて、真島をとおしてその奥に制作者たちの姿が見えるんですよね。作った人たちへのリスペクトが止まらない。エンドロールが流れたときに「横山さん、天才だな」と……。

宇垣さん:
横山さんのリスペクトばっかりで、真島へのリスペクトがないじゃないですか(笑)。

松田さん:
真島はいろいろとずるいキャラクターですよね(笑)。個性で持っていっちゃいますから。

宇垣さん:
それは僕もちょっと感じています(笑)。

──ありがとうございました。

副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。

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