3月7日(金)、『クトゥルフの呼び声』や『ダニッチの怪』を手がけた小説家H・P・ラヴクラフト氏の手がける作品群に影響を受けたサバイバルホラーゲーム『The Sinking City 2』のクラウドファンディングが開始された。また、ゲームの様子がわかる映像も公開中だ。
目標額は10万€(日本円で約1600万円)で、記事執筆時点で1600人以上のバッカーが支援しており、すでに目標金額を達成し約2500万円が集まっている。2025年内にPC(Steam)、Xbox Series X/S、PS5に向けて発売される予定となっている。
本作は、2019年に発売されたホラーゲーム『The Sinking City』の続編となるタイトルだ。もっとも重視されている要素は「雰囲気」と「発見」で、「手取り足取りの案内はしない」という明確なコンセプトがある。
洪水で水浸しになってしまったアーカムの街には、わずかに残された狂った住民と、謎の怪異が潜んでいる。プレイヤーはアーカムの街を探索し、「深きものども」や「ミ=ゴ」、オカルト狂信者などと戦う。

クラウドファンディングに掲載されている本作の紹介によると、本作の戦闘は前作から刷新されており、投擲武器、近接攻撃、回避アクションなど戦闘を補完するさまざまなシステムの実装を検討中だ。主人公が使用する武器は、1920年代アメリカに存在した銃火器から着想を得たものが登場する。
登場する敵のデザインはラヴクラフト氏の描く世界設定に強く影響を受けており、それぞれの敵に行動パターンが設定される。一例として、「スマッシャー」はプレイヤーに飛びかかって攻撃した後、すぐに距離をとりプレイヤーを攪乱してくる。一方で。「スリザー」を倒すには正確な射撃を必要とするため、弾薬の管理を慎重に行う必要がある。
また、本作ではボス戦も導入予定。ボスの一体である「ショゴス」は肉と眼球が絶えず変形する巨大な怪物だ。かつては神々に仕えるために作られたが、反乱を起こして脱走したという。


さらに、本作は単純なサバイバルホラーゲームではなく魅力的なキャラクターや豊富な設定、予測不可能な展開が待ち受けるストーリードリブンを重視したゲームであることも強調されている。
第一次世界大戦後の好景気に沸く1920年代のアメリカにおいて、一切の華やかさがないアーカムの街は原因不明の洪水によって浸水。水による腐敗と崩壊は日常となり、闇の中には異世界の生物が潜む。
住人の精神は歪み、狂気を孕むのはもはや当たり前になっており、プレイヤーはその世界に足を踏み入れる。しかし、主人公の目的はすぐには明かされない。物語の詳細は伏せられているが、「クトゥルフ神話」の暗黒のテーマと、邪教や「旧支配者」の影響を深く掘り下げるものとなるようだ。

なお、本作を手がけるFrogwaresはウクライナのゲーム開発会社だ。設立から24年以上経過しており、『The Sinking City』以外にもこれまでに十数本のオリジナルゲームをリリースしてきた。
キックスターターのページによると、彼らは現在もウクライナ国内で開発を続けているが「戦争の影響は避けられません」とコメントしており、「それでも、ゲームを作り続けることが、私たちの生きる術なのです」と語っている。
『The Sinking City 2』は2025年内にPC(Steam)、Xbox Series X/S、PS5に向けて発売される予定。クラウドファンディングは4月5日(土)まで実施される。