気づけば『Sky 星を紡ぐ子どもたち』のプレイ時間が4000時間を超えていた。
それでも飽きる気配はなく、最近は「ゴッホの季節【※1】」に脳を溶かされながら、毎日楽し「キャンマラ【※2】に励んでいる。
さて、そんな筆者のもとに事件が飛び込んできた。『Sky 星を紡ぐ子どもたち』が、スイーツパラダイス(スイパラ)とコラボするというのだ。
『Sky』はこれまでもオフラインイベントを数多く展開してきたが、飲食店とのコラボレーションは今回が初の試み。あの『Sky』が、食べ放題で。正直、どうなるのか全然想像がついていなかった。
で、実際に食べてきたわけだがビジュアルは可愛く、味も文句なし。完全に”わかってる”コラボだった。

本稿では、上野マルイ店を訪れた筆者が、コラボメニューを実食した模様をレポートする。
あわせて記事の後半では、すでに会期を終えているものの、7月31日より渋谷にて開催されていた『Dear Van Gogh 親愛なるファン・ゴッホへ』期間限定ポップアップイベントの模様もお届けしたい。
文・取材 / cookieP
【※1】現在開催されている「フィンセント・ファン・ゴッホ」とのコラボシーズンの名称
【※2】「キャンドルマラソン」の略。各ステージを回ってキャンドルのカケラを集め、キャンドルを効率よく精錬する遊び方
かわいすぎて食えない。「マナティのお昼寝オムライス」で情緒が乱れる
まずはラインナップを見てほしい
上野マルイ店に到着し、席へ案内されて早々、筆者はメニュー表を開いて声が出た。
めっちゃ『Sky』じゃん。


フード3品、デザート3品、ドリンク5品。並んでいるのは「マナティのお昼寝オムライス」「暗黒竜の満腹プレート」「闇の蟹のプレート」……と、プレイヤーなら名前を見た瞬間に脳内でモチーフが再生されるものばかりだ。
しかも、そのどれもが可愛い。メニュー表の時点で可愛い。
今回は「マナティのお昼寝オムライス」「光の蝶の青いチーズケーキ」「星月夜のヨーグルトドリンク」の3品を実食してみた。

まず手をつけたのがこちら。何を隠そう、筆者はマナティ推しである。あの、のっそりと空を漂うむっちりボディ。あの慈愛。というわけで、まずはこの一皿から手をつけることにした。
運ばれてきた皿を見て、思わず前のめりになる。
はわわ……うぅ、かわいい……。
黄色い薄焼き卵の中央には『Sky』のロゴが、そしてライスの上には眠るマナティの可食シートが鎮座している。周囲を彩るのはインゲンとオクラ、そして花形にくり抜かれた人参。全体の配色が、そのまま『Sky』の空みたいだ。
……そして、コラボカフェあるあるだと思うのだが、なんとも食いにくい。
かわいい。かわいいのだが、スプーンを入れる場所がない。しばらく皿の周囲を回るように写真を撮り、意を決して端から崩していった。
味は、これが良い。画像からは分かりにくいのだが、オムライスの下にはクリームソースが敷かれている。これがチキンライスとよく合う。一口大に切り分けられた野菜も、ソースを絡めて食べるとしっかり美味しい。
見た目が主役のコラボメニューかと思いきや、普通に一皿として完成されていた。

続いて手をつけたのがこちら。ゲーム内で星の子たちを助けてくれる、あの「光の蝶」をあしらった一品である。
皿の上には夜空のようなブルーのソースが流れ、アラザンが星のように散らされ、そこにチーズケーキが横たわっている。
特筆すべきは蝶の造形だ。まるでケーキの上に止まっているかのように配置されている。この「止まっている感」の再現度が高い。『Sky』勢の心を的確に射抜いてくる盛り付けだ。
味はブルーソースのかかったチーズケーキで、これが非常に美味。添えられたマンゴーアイスの酸味と合わせると、後味も軽い。
見た目に全振りしているわけではなく、ちゃんとデザートとして成立している。ここ、大事なところだ。

最後に頼んだのは、フィンセント・ファン・ゴッホの『星月夜』をモチーフにしたドリンクだ。
底に沈んだ深い藍色が、上へ向かうにつれて白く溶けていく。ホイップの上にはブルーソースが流れ、散らされたアラザンが光を拾う。そしててっぺんには、月をかたどったもなか。

味はヨーグルトの酸味とブルーベリーの甘さが軽やか。見た目に反して後味はさっぱりしていて、食後の一杯としてちょうどよかった。
ちなみにドリンクは他にも「光を待つひまわりドリンク」「アーモンドの木」と、ゴッホの季節にちなんだラインナップが揃っている。全種類制覇したくなるが、そこは胃袋と相談である。
パネルがお出迎え。星の子たちが「ゴッホの季節」の装いで並ぶ
メニューの話ばかりしてしまったが、店内の装飾についても紹介しておきたい。
入り口付近には、等身大に近いサイズの星の子パネルがずらりと並んでいる。ひまわりの花束を抱えた星の子、アーモンドの枝を手にした星の子、絵筆とキャンバスを持った星の子、麦の穂を抱える星の子、そして『星月夜』のケーキを運ぶ星の子——いずれも「ゴッホの季節」の装いだ。

ゲーム内で見慣れた衣装が、こうして現実のサイズで目の前に立っていると、なかなか不思議な感覚になる。もちろん撮影スポットとしても優秀で、筆者が訪れた際も、順番に写真を撮っていくユーザーの姿が見られた。
そしてもうひとつ、筆者が長いこと足を止めてしまったのが、店内の壁一面に設置されたメッセージボードだ。コラボの背景ビジュアルの上に、来店したユーザーが描いたイラストやメッセージが、びっしりと吊り下げられている。

自分の星の子を描いた人、クラゲやマンタを描いた人、フレンドと一緒に来た記念に2人並べて描いた人。「ステキすぎるコラボありがとうございました!!」「おいしかったびね」「フレンドとオフ会をスイパラでできて最高!!」——添えられた言葉を眺めていると、この場所がどう使われているのかがよく分かる。
『Sky』というゲームは、テキストチャットを持たない。名前も、雑談も、初対面の相手には基本的に届かない。手を繋ぎ、火を灯し、身振りだけで意思を交わす。そういうゲームだ。
そんなゲームのプレイヤーたちが、現実のカフェの壁で、ペンを持って言葉を残している。なんというか、とても『Sky』らしい光景だった。
渋谷の地下に、麦畑が広がっていた
スイパラを堪能したあと、少し移動して渋谷へ向かった。
筆者が取材を行った8月10日には、渋谷にて「Sky×ゴッホ」のポップアップイベントが開催されていたのだ。せっかくなので、こちらにも足を運んでみることにした。
担当者の方と共に、会場を探して歩く。……のだが、案内された先は、まさかの渋谷スクランブル交差点のど真ん中だった。
ちっか。
今回のポップアップでは、事前に予約をするとゴッホの特設フォトブースで写真撮影が可能となっている。なお、担当者によれば予約は即完だったとのこと。相変わらず、『Sky』の集客力は凄まじい。
さっそく体験させてもらうべく受付を済ませると、通されたのは地下へと続く階段だった。
階段を下りていくと、少し違和感を覚える。
匂いだ。何というか、田舎のような、自然の匂いがする。渋谷のど真ん中で嗅ぐには、あまりにも場違いな匂いである。
下りきって、その正体が分かった。
麦だ。
フォトスポットには、本物の麦が2000本植えられていた。この独特な香りは、そこから発せられていたのである。
渋谷の地下に、麦畑が広がっていた。
正直、これは圧巻だった。ゴッホといえば、麦畑を描いた画家である。その麦畑を、パネルや装飾で”それっぽく”再現するのではなく、本物を2000本持ち込んで作り上げてしまった。
会場にはゲーム内に登場するゴッホと、コラボ衣装を身にまとった星の子のパネルも設置されており、麦に囲まれながらの撮影が楽しめるようになっていた。

『Sky』のオフラインイベントには数多く足を運んできた筆者だが、飲食店とのコラボは、やはり少し勝手が違った。
メニューを待つ時間、崩すのをためらう時間、写真を撮る時間。そのあいだ、店内には同じゲームで遊んでいる人たちがいて、それぞれのテーブルで同じように悩んでいる。壁のメッセージボードには、その人たちが残していった言葉が積み重なっていく。
ゲームの中では、言葉を交わせない相手同士だ。それが現実の店で、ペンを持って、はっきりと言葉を残している。このコラボの一番良かったところは、たぶんそこだ。
あの静かなゲームと、賑やかなスイーツバイキング。噛み合うのか正直わからないまま上野へ向かった筆者だったが、答えははっきり出た。ちゃんと噛み合っていたし、なんなら『Sky』の良さが違う形で出ていた。
渋谷の地下に2000本の麦を植えるような本気度も含めて、完全に”わかってる”コラボだったと思う。
なお、『Sky』×スイーツパラダイスのコラボカフェは8月31日まで、上野マルイ店ほか全国5店舗にて開催中。詳細は以下の公式ページをチェックしてほしい。



