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『仁王3』DLC「慶安地獄変」は史実を絡めつつ過去作との繋がりも。因縁の「エスパーニャ」使節や隻眼の剣豪・柳生十兵衛と協力しつつ、輝く石「アムリタ」を集めるエスパーニャの女を追うことに

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『仁王3』の追加DLC第1弾となる「慶安地獄変」が、いよいよ8月19日にリリースされる。

ゲーム本編の後日譚を描くという本DLCは、本編で将軍になった竹千代が、“自身の死んだ後の時代”を駆け巡る。舞台となるのは一般に「由井正雪の乱」と呼ばれる「慶安の変」に揺れる江戸の町だ。

『仁王3』DLC「慶安地獄変」開発者インタビュー_001

DLCでは、地獄と化した慶安の江戸の町がオープンフィールドになって登場。いまでのおなじみの地名なども多数現れるという。また歴史モノのドラマやゲームなどでもおなじみの隻眼の剣豪・柳生十兵衛との協力や戦いなどもあるという。

シリーズではたびたび登場して因縁のある外国勢力・エスパーニャ(スペイン)もふたたび登場。その使節と協力しつつ、輝く石「アムリタ」を集めているという怪しい“エスパーニャの女”を追う展開もあるということで、過去作との繋がりも感じさせる。

今回はそんな「慶安地獄変」リリース直前となるタイミングで、同作の開発陣にメールインタビューを敢行。開発に携わったプロデューサーの柴田剛平氏、ディレクターの藤田雅樹氏、髙橋淳氏からのご回答を得た。物語の展開や、新武器「鉾盾」によるアクションなど、本DLCのみどころを訊ねてみた。

執筆/恵那

『仁王3』本編は主人公が「将軍になるまで」の物語。DLCでは「将軍として何をなすか」を描く

──本DLCは、どのような体験を目指して作られたのでしょうか。「本編でやり残した要素」などが、DLCに影響を与えた部分はありますか。

藤田雅樹氏(以下、藤田氏):
『仁王3』のストーリーのテーマは「将軍」で、本編では「主人公が将軍となる物語」が描かれました。DLCで語られるのは、「主人公が将軍になってから何を為すか、の物語」です。つまり、主人公が将軍になった後のストーリーを体験いただくこと。これがDLCで最も重要な核心です。

私たちは、実際に将軍であった歴史上の人物を思い浮かべるにあたり、「何をした人なのか」で考えますよね。だから、将軍として為したことに触れてこそ、将軍をテーマとした物語をきちんと収束させることができるのだと思います。

DLCではストーリー体験を補強すべく、「仁王物語片録」という収集要素が追加されました。走り書きや手紙などから、登場人物の思惑や心情、また江戸の文化習俗や主人公の治世を感じとることができるようになっています。

『仁王3』DLC「慶安地獄変」開発者インタビュー_002

──『仁王3』DLC第1弾は「慶安地獄変」で、これはタイトル通りの「慶安の変」、一般にはいわゆる「由井正雪の乱」と呼ばれる事件がモチーフになっているかと思います。数ある時代や事件のなかから、なぜこの時代・事件に着目されたのでしょうか。

藤田氏:
「由井正雪の乱」が起こったのは、主人公・竹千代が将軍として世を治めた直後の時代です。実は、この事件は竹千代の治世の影響を強く受けているんです。本作では、主人公が時を越えて未来へ飛ぶことで、自らの治世の「光と闇」を見ることになります。その体験を主人公がどのように活かすのか。DLC1とDLC2の両方を含めた結末を、ご覧いただきたく思います。

挑戦を求める声に応えて、チャレンジコンテンツは難度を上方修正。人物や背景をより深く知るためのコンテンツ追加も

──DLCは、内部的には本編と並行して開発を進めていた時期もあったのではと思います。本編リリース後のユーザーの反応やプレイ傾向を受けて、当初の企画から方針を変えた部分はあるのでしょうか。

藤田氏:
はい、いくつかございます。まず、DLCで追加される「仁王物語片録」は、「登場人物や背景世界についてもっと知りたい」という皆様の声に応える形で用意されました。また、より手ごわい挑戦を求める方々に向け、チャレンジングなコンテンツの難度の幅を、当初想定より上方向へ広げています。アクションの腕自慢の方だけでなく、磨き上げたビルドの真価を試したい方も、ぜひ挑戦してみてください!

『仁王3』DLC「慶安地獄変」開発者インタビュー_003

──本DLCでは「慶安の江戸」が新たな舞台となります。本編の江戸と比べてどのような違いがあるのか、ビジュアルやゲームプレイ面でのコンセプトを教えてください。

髙橋淳氏(以下、髙橋氏):
『仁王3』本編では、江戸城内がステージとなっていました。でもDLCでは、城外の江戸そのもの、具体的には江戸城の平川門から北のエリアが「オープンフィールド」となっており、神田や上野といった聞き覚えのある場所も登場します。地名の由来にもなっている巨大な水道橋や、地下の水路網などのロケーションも存在します。ただ、いずれの場所も顕現した地獄の影響を受けて荒廃し、妖怪が跋扈する難所がプレイヤーを待ち受けます。

奇譚についても、江戸の怪談を題材にしたものや、将軍ゆかりの人物が登場するなど、江戸ならではの内容に仕上がっています。ぜひ色んな場所に探索の足を延ばしてみて欲しいです。

物語には「柳生十兵衛」など歴史上の人物も登場。さらに因縁のエスパーニャからは「アムリタ」を集める女も……?

──DLCの発表後、史実の人物である柳生十兵衛の登場を喜ぶユーザーの声を多く見かけました。メインビジュアルでも大きく扱われていますが、物語中での活躍はどのようなものになるのでしょうか。

藤田氏:
柳生十兵衛は、竹千代の剣の師匠である柳生宗矩の息子です。つまり竹千代とは兄弟弟子にあたり、また竹千代が将軍となった以上、家臣でもあります。柳生の里は伊賀に近く、柳生一族は忍者としての仕事も請け負っていたとされます。だから本作での柳生十兵衛も、表の歴史には残らない仕事に従事し、その卓越した剣技で悪しきあやかしを葬ってきました。

今回のDLCでは、変事の報を聞いて江戸に馳せ参じ、配下の「柳生衆」を率いて事件の全貌を把握すべく活動しています。基本的には味方であり、主人公と共闘しますが、刃を交える場面もあります。彼は宮本武蔵と並んで、日本でもっとも有名な剣豪の一人です。そんな人物と戦う機会が無いなどということになれば、大いに失望されるでしょう。私たちはいつも、プレイヤーの皆さんの期待にはできるだけ応え、また期待を超える物を世に送り出したいと思っております。

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──本DLCのシナリオでは、エスパーニャ(スペイン)の使節の協力を得るような展開もあるとされています。シリーズでは因縁のある勢力ですが、過去作からの繋がりもあるのでしょうか。

藤田氏:
はい。シリーズで因縁の勢力を再登場させるにあたり、「過去作からの繋がりが全く何も無し」というようなことでは、DLCのストーリーをご期待くださっている皆様を失望させてしまうと考えました。

今回、エスパーニャの使節として新しく登場するロドリゴは、江戸時代初期に日本を訪れた実在の人物をモデルにしています。当時エスパーニャ領だったフィリピンの臨時総督を務めた人物なのですが、実は、ウィリアムのモデルとなったウィリアム・アダムスや、徳川家康と会見した記録があるんです。

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藤田氏:
ロドリゴは、エスパーニャの使節として日本を訪れたところ、変事に巻き込まれます。そして、光り輝く石「アムリタ」を集めているというエスパーニャの女を怪しいと睨み、その行方を追っています。過去作からの繋がりが感じられるワードがいろいろ出てきましたが、この先は実際のゲームでお楽しみいただければと思います。

新武器「鉾盾」はこれまでにない「攻防一体」の戦いを可能に。敵の攻撃を弾いたらそのまま自分の攻撃に繋がる

──DLCでは、サムライ・ニンジャ両スタイルに「盾」がらみの新武器種が登場します。盾を絡めたアクションはシリーズでは珍しいと思うのですが、どのようなアクションが可能になっているのでしょうか?

髙橋氏:
今回のDLCでは、錬金術師やロドリゴといった海外の勢力が登場します。そこで、西洋風のデザインを取り入れられる武器種にしたかった。そのうえで、これまでの武器種とは違ったゲーム体験を生み出せるものは何かを考え、攻撃と防御を兼ね備えた「鉾盾(ほこたて)」を採用しました。

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髙橋氏:
特徴は「攻防一体」です。従来の戦い方は、敵の攻撃にガードや回避で対処した後、その隙に攻撃を仕掛けるというものでした。でも今回は、敵の攻撃タイミングを見極めてタイミングよく弾くことで、攻撃を防ぎ、そのまま自分の攻撃を敵に叩き込むことができます。

──サムライスタイルの「鉾盾(ほこたて)」、ニンジャスタイルの「忍鉾盾(しのびほこたて)」、それぞれの違いや特徴もお伺いできますか。

髙橋氏:
サムライの「鉾盾」は、敵の攻撃にタイミングをあわせて強い攻撃や一部の武技を繰り出すことで、盾で敵の攻撃を弾きつつ鉾を叩き込める、攻防一体の武器になっています。だから、いかなる強敵にも真っ向勝負の駆け引きを挑み、敵を追い詰めることができます。

一方でニンジャの「忍鉾盾」は、盾で敵の攻撃を受け流すだけではありません。時には投げ、時には盾に乗り、鉾での攻撃と織り交ぜる、変幻自在の武器となっています。技を繰り出しつつ宙へ飛び上がり、空中から盾を投擲するなど、縦横無尽に立ち回り敵を翻弄することができます。

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武技には立ち回りや攻撃範囲が変わるものを追加し、使役符や守護霊技の使い勝手にも変化。忍術には隼流の「あの忍術」も登場

──本DLCで追加される守護霊・武技・忍術・陰陽術は、既存のどんな戦い方やビルドを広げることを目指して設計されたのでしょうか。現時点で紹介できるものがあれば、具体的に教えてください。

髙橋氏:
武技は、新武器種の「鉾盾」はもちろん、既存の武器種にも新規の改変武技が増えています。

また忍術では、もはやDLCの恒例というべきかもしれませんが、隼流の「あの忍術」も登場します。今回は空中でも使用できるので、他の空中アクションと組み合わせた攻め方も可能です。

陰陽術には、気力ダメージを底上げする術が増えています。主に高難度の環境では敵の気力が大きく高まるので、重宝するのではないでしょうか。

新たに登場する守護霊の「虎御前」は、ニンジャスタイルで初めてカウンターが行える守護霊技をもっています。だから、本編とは異なる立ち回りが可能になります。

──追加される武技やスキルには、鉾盾/忍鉾盾専用のものだけでなく、既存武器や既存スタイルの使い方を変えるものも含まれるのでしょうか。

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髙橋氏:
武技では、属性が付くだけでなく、攻撃範囲や立ち回りが変わるようなものを多めに追加しました。例えば刀の「居合」でも、敵の攻撃を受け流しながら居合いができるようになりました。また、手斧の「鬼挫き」は攻撃範囲が広がり、複数戦へも対応しやすくなっています。このように、立ち回りにも変化が出るように仕上がっています。

またスキルも、使役符や守護霊技の使い勝手に変化を出すことを意識しています。大技返しで使役符が補充されたり、守護霊技で技研ぎゲージや忍術ゲージが回復するようになったりと、ビルドの幅も拡がると思います。

「たいへん、お待たせしました!」

──最後に、DLCを遊ばれる方に向けて、ひとことコメントをいただけますでしょうか。

柴田剛平氏:
たいへん、お待たせしました!

DLC第1弾は、追加ストーリーの前編となっています。新たなフィールドや、「鉾盾」「忍鉾盾」という新しい武器種も用意しました。新しいスキルや忍術、陰陽術等もありますので、『仁王3』の世界を再び楽しんでいただけると思います!

また、新たな装備品であり、それ自身がチャレンジミッションでもある「百境百怪絵巻」も、ハクスラしがいのあるコンテンツに仕上がっています。遊び応え十分なDLCになっていますので、ぜひ挑戦してみてください!


メールインタビューは以上となる。

ここまでに得られた回答のとおり、「慶安地獄変」はストーリーとアクションの両面で『仁王3』の世界を拡張するものになっているようだ。一方でこれは“前編”であり、DLC第2弾との接続もかねてより明言されている。

物語の結末へと続くDLC第2弾へ向けて、続報を待ちたい。

編集・ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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