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諸葛孔明が現代のクラブに転生する話題作、『パリピ孔明』KABE太人役・千葉翔也さんインタビュー。ラップバトルが超強いのに胃潰瘍、ギャップを抱える役に「共感するところばかり」と語る

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 三国志の時代、蜀の丞相を務め病死した諸葛孔明がハロウィン真っ只中の現代日本に降り立った! 渋谷で出会った駆け出しのアーティスト・月見英子の歌に心を奪われた孔明は、英子に軍師として仕えることに……。

 音楽シーンに革新を巻き起こす孔明と英子ら、クラブ・BBラウンジメンバーに新たな仲間が加わる!?
MCバトル選手権3年連続制覇のラッパーにして、プレッシャーに弱く胃潰瘍を患っている異色のフリースタイラー・KABE太人を演じる千葉翔也さんに、本作の見どころとKABE太人の魅力をお聞きしました。

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※※当記事は、2022年5月にnumanで掲載されたものを転載し再構成したものです。
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「パリピ」な「孔明」ってどういうこと!?

──4月からアニメの放送が開始しましたが、反響をご覧になっていかがでしょう?

 僕自身は内容を知っているのですが、タイトルが『パリピ孔明』なので(笑)。作品をご存知ない方は「パリピ」というワードに「騒がしさ、面白さ」というイメージを持たれていたようですが、1話が笑いもありつつ前向きで感動的な内容だったので、いい意味で予想を裏切られているのを見て、出演者としては「しめしめ」と。とても素敵な作品なので、このまま見続けてほしいなと思いました。

──『パリピ孔明』へのご出演はどのように決まったのでしょう?

 実は、2回オーディションを受けていて。スタジオで制作陣を前にお芝居やラップを見せる際に原作も読みました。KABEはなんと言ってもMCバトル選手権3連覇という実績があったので、どう演じたらそれを表現できるかを悩みました。でも、テンポの良さと真面目と笑いのバランスにいつの間にか引き込まれて元気をもらえる『パリピ孔明』に出演が決まったときは本当に嬉しくて。「ラップ頑張ろう」って改めて思いました(苦笑)。

──制作陣を前に、ラップを披露するオーディションとは?

 オーディションの時点で、アニメに出てくるラップの音源がすでに出来上がっていて。1曲まるまる練習して臨んだのですが、3分の1くらいで「もう大丈夫です」と止められてしまって(苦笑)。もういいの? 最後までやらせてよ! と思ったので、本編では最後までしっかり歌えてよかったです。

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KABE太人には共感ポイントがいっぱい!

──千葉さんが演じられる、KABE太人(かべたいじん)について教えてください。

 学生時代にラップに出会い大好きになり、その気持ちでMCバトル選手権DRMを3年連続で制覇し、無敵のフリースタイラーの異名を持っています。が、普段はあまり社交的ではなく、クラスのなかでも静かにしているタイプというギャップが面白い人物ですね。僕も学生時代はクラスの中心にいるほうではなかったので、自分としては共感できる部分ばかりで(笑)。

 自分の好きなことを見つけて、結果を残せてるという部分がすごくカッコイイ人だと思って演じたんですが、初回の収録で「もっとモブっぽくしゃべって」「それだと最初からカッコよすぎる」と言われてしまって……。自分としては特段カッコよく演じているつもりはなかったんですけど。それからは、普段のKABEくんの自信なさげなところと、カッコよくラップをするところの切り替えは意識しながら演じています。

──KABE太人の魅力や、役作りでのポイントは?

 ラップにかける思いが誰にも負けない部分が魅力的ですね。KABEくんは、自分が普通の人間で、普通に高校生をやっていることをネガティブに捉えているんですけど、それをうまく自分の武器に変えていく部分は、ヒップホップに詳しくない方でも共感してもらえるのではないかと思います。

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──実際に演じられて、楽しかったシーンや難しかったシーンは?

 どちらもラップですね(笑)。アフレコのない日に1日でラップ部分を全部録る予定だったのですが、あまりにも時間がかかりすぎてしまい……。数日に分けて録ることになったくらい苦戦しました。ちゃんと練習もしたし、苦戦するとは思わなかったので、本当に本当に頑張りました! オーディションからだと1年近く聴き続けていた音源だし、自分としてはこれ以上ないくらい頑張ったのですが、オンエアを見たら英子やライバルキャラたちの歌が素敵すぎて、自分が演じているKABEが少し心配に……(苦笑)。

 でも、できる限りやり切ったので楽しくはありました。とくにラップでお互いをディスるところは、リリックに感情を乗せるってこういう楽しさがあるんだ! というのが発見できた部分です。ラップで思いをぶつけ合う楽しさを体験できてよかったです。

置鮎さんにしかできない孔明の面白さ

──英子役の本渡楓さんや、孔明役の置鮎龍太郎さんたちとのアフレコはいかがでしたか?

 本渡さんと置鮎さん​とは、ほぼ一緒に録ることができました。本渡さんとは以前もP.A.WORKSさんの作品で共演させてもらったことがあって。今回も、普段は明るいけれど暗い過去を持つ英子を生き生きと演じられていたし、お互いに同年代なのもありノリやすかったですね。

 置鮎さんは、僕が参加した回の最後の台詞が「Wake up baby phoenix!」で……それが本当に面白くて(笑)。置鮎さんてカッコよさも面白さも、さらっと演じられつつ重みがある演技なので、隣で笑いをこらえるのに必死で。すごく好きな孔明です。

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──では、『パリピ孔明』の見どころを教えてください。

 1話の時点で夢を諦めそうだった英子が、もう一度夢を見てみようと思うところ。視聴者は皆さん、職業も目標も夢もみんな違うと思いますが、英子が夢を叶えていくさまに自分の思いを託して見られるし、エネルギーをもらえる明るい作品です。

 そして『三国志』からの引用英子を力づけるギミックが上手くハマっているのもすごい部分。1800年前に孔明がやったことを、現代でまた実践して成功させていくという爽快感。次はどんな策が出てくるのか、毎回興味津々です。

 その孔明も、最初は昔の人~って感じでスマホに驚いたり、ウィキペディアを見たりしていたのが、どんどん現代に染まっていくのが(笑)。順応性の高さから、やっぱり頭がいいんだなとも思います。真面目にしゃべっているだけで面白い孔明は、置鮎さんにしかできない表現ですし、『三国志』や孔明のことをもっと知りたくなりました。

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──英子やKABEの見どころはいかがでしょう?

 英子の歌も、孔明は「歌が上手い」ではなく「思いが届く歌声」と表現をしているのが形になっていて。BGMや演出で感動させるのはアニメの演出として多い手法だと思うのですが、英子の歌を単独で聴かせて感動させる説得力がすごい。僕自身、鳥肌が立って涙ぐみながら見ていました。この英子という人物は、お芝居を本渡さん、歌を96猫さんが担当されていることで、他にはない幅の広いキャラクターになっているのが見どころですね。

 KABEのシーンも、とても素敵に仕上げてくださっていて。僕のことをよく分かってくださっている音響監督さんなので、演技+αでよくしていただいたなと思います。

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ラップバトルの収録は数日がかり!?

──5話では歩きながらつぶやくラップ、6話では孔明とのラップバトルが印象的なKABE太人ですが、ラップの収録はどんな風にされたのでしょう?

 ラップを録ったのもアフレコと同じスタジオなんですが、台詞を録る日とラップを録る日は別になっていて。5話で街を歩きながらつぶやいているラップは、とくに指導の先生などは入らなくて自分なりのラッパーらしさや、ヒップホップのイメージを込めて歌いました。

 時間がかかったのは、6話のラップバトルのほうですね。こちらは孔明役の置鮎さんと一緒に録れて、バトンを渡す形で順番に歌っていった感じです。ラップ歌唱指導のMICROさんもスタジオに来てくださって。自分のなかでは韻が踏めているか、トラックに乗れてるかくらいしか考えていなかったんですが、「このワードとこのワードがかかってるから、分かりやすいよう立ててほしい」みたいな細かい指摘ももらえたので、やっていくうちになるほどラップってこういうものか、と理解が深まったと思います。

──木村昴さん演じる赤兎馬カンフーとのやり取りも印象的でしたが、KABE太人と赤兎馬カンフーのやり取りは?

 ふたりの会話、超面白かったですよね。昴さんとは別々での収録だったんですけど、昴さんが先に録ったラップの台詞を聞きながら録ることができたので。最初の登場からしてしゃべりかたがラップになっていて、説得力がすごい! この赤兎馬カンフーに勝つことができるKABEくんについて、改めて考えるきっかけにもなりました。

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──KABE太人のラップを歌う際に意識されたことは?

 キャラクターソングを歌うときって、キャラクターとしてしゃべっている声で歌ってほしいというオーダーがわりと多くて。歌唱よりはキャラクター性重視というか。今回に関してはラップがうまいという設定があったので、KABEくんの声でやるとかではなく、いかにこのラップをよく録るかに注力できたのはよかったと思います。

 エンディングの「気分上々↑↑」にも参加させてもらっているのですが、そっちはKABEのなかでも楽しさやノリの良さを重視しているので、こちらのほうがよりキャラクターソングっぽかったかな。

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いつか生で置鮎さんとラップ対決したい!

──ラップのレコーディングで印象的だったことは?

 「声優さんは滑舌がいいから、早口な部分もキマりますね」と誉められました(笑)。ラップって音程はないけどトラックにハマるような高さでやってほしいということで、MICROさんが作ってくださったデモ音源に合わせて歌っていたんです。ただ、上の音程も無理なく出せそうだったので、試しに一度高いキーで歌わせてもらったら「すごくよかった」と言ってもらえて。クールなラップらしさより、自由さやKABEらしさがよく出ていたみたいです。制作陣の予想とはまた違った着地ができたようで、あのとき提案してみてよかったなぁと思います。

──作中には「歌を使って夢のために闘うべきだ」という歌詞がありますが、千葉さんが叶えたい夢や目標は?

 今回、せっかく音楽をフィーチャーした作品に出演させていただいたので、自宅の音響まわりを強化していい環境で音楽を聴きたいですね。スピーカーを高性能な5.1chや7.1chサラウンドにしてみたり。

 『パリピ孔明』としては、どんどん続きを作ってほしい(笑)。これから話が進んでいきますが、いずれは英子の夢でもある海外のフェスにも出てほしいし、それを見守っていきたいです。夢を見るなら、作中でカバーさせてもらっている曲のアーティストさんとのコラボなんかもできたら嬉しいです。

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──今後『パリピ孔明』のイベントがあるなら、生でラップの披露もありますか?

 そうですね、生のラップは難しいから勘弁してください……と言いそうなところですが、生で置鮎さんとラップバトルをしてみたいです。歌詞カードだけいただければ(笑)。皆さんの前でラップバトルをして、歓声をもらえたら最高に楽しそう。これは、コロナ禍が明けるのがより楽しみになる妄想ですね。

孔明にプロデュースしてもらうなら?

──もしも英子のように、身近に孔明のような軍師が現れたら何をお願いしますか?

 僕の今後の活動をプロデュースしてほしい! 声優として活動していく上で思いもよらない策を授けてほしいですが、あんまり策を弄する職業でもないと思うので、孔明にアドバイスをもらうなら何か副業でも始めますかね?(笑)  例えば、YouTubeや配信番組を新しく始める、みたいなときにびっくりするようなアイデアをくれるんじゃないかと思います。

 今日の撮影はスタイリストさんがついてくださってますが、私服でする仕事も多いので孔明だったら面白いスタイリング案をくれそう。

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──孔明以外に『三国志』の登場人物で、現代に来たら面白そうな人物は?

 前に『三国志』を読んだときは、おじいちゃん武将が好きでした。黄蓋(こうがい)みたいに、昔からずっと変わらず強い人はすごいなって。有名どころだと、関羽(かんう)や趙雲(ちょううん)、夏侯惇(かこうとん)も好きですね。もし現代に来たら、メンタリティ的なところを教授してほしいです。肉体的な強さもあると思うんですけど、彼らが戦場で生き残るすべは現代に応用できることが多そうなので。

──今後の『パリピ孔明』を楽しみにしている方たちへメッセージを。

 英子が頑張っている姿を見て元気を受け取ってほしいですし、英子の周りの人たちも影響を受けて頑張ろうと思えるところがこの作品の魅力。「自分なんか……」なんて思うこともあるかもしれませんが、小さくても一歩前へ進むお手伝いができる作品だと思います!

KABE太人の今後にも期待!

孔明や英子たちクラブ・BBラウンジの仲間に加わった、KABE太人。
英子たちの活躍と、KABEの胃潰瘍がよくなるのかは今後のオンエアでチェック♪

撮影/徳永徹
ヘアメイク/寺田英美
スタイリスト/MASAYA

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番組概要

パリピ孔明KV

TVアニメ「パリピ孔明」

<放送>
TOKYO MX:毎週火曜23:00~23:30
BS日テレ:毎週火曜24:00~24:30
MBS:毎週火曜26:30~27:00

<キャスト>
月見英子(CV.本渡楓/歌唱.96猫)
諸葛孔明(CV.置鮎龍太郎)
KABE太人(CV.千葉翔也)
久遠七海(CV.山村響/歌唱.Lezel)
オーナー小林(CV.福島潤)

<スタッフ>
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:本間 修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東 潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督 :市川元成
撮影監督:富田喜允
編 集 :髙橋 歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音 楽 :彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会

<公式サイト>
https://paripikoumei-anime.com

<アニメ&コミック公式 Twitter>
@paripikoumei_pr
https://twitter.com/paripikoumei_PR

©四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会

記事提供:numan
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ライター
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