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高評価カンフーゲーム『Sifu』制作チーム最新作は、“反則なし”のサッカー『REMATCH』。カンフーとサッカーをつなぐ共通点を開発者が語った。過去作から『REMATCH』へ受け継がれる「身体性」の追求と、サッカーならではの協力アクションが融合するまで

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「リアリティよりも“説得力”のあるサッカー」を目指す。精密なサッカーをシミュレートするのではなく、あくまでも体験と魅力を抽出し、ゲームへと凝縮

──『REMATCH』は何人ほどのチームで、どのような役割分担で制作されているのでしょうか。開発時期によって規模が変動していれば、その理由もあわせて伺いたいです。

Tarno氏:
『REMATCH』は、社内の約50名のメンバーを中心に、複数の外部パートナーと協力しながら開発を進めています。

開発が始まったのは2022年初頭です。当初は現在よりもずっと小規模なコアチームで、ゲームの基本コンセプトを模索していました。

この段階では、いくつかの「根本的な問い」に答えを出すことが重要でした。これまで三人称視点のアクションゲームを開発する中で培ってきた経験を、サッカーゲームに活かすことはできるのか。一人の選手を操作するという仕組みで、精密かつ気持ちの良い操作感を実現できるのか。そして何より、ほかのプレイヤーとのチームプレイを、本当に楽しいものにできるのか、ということです。

『REMATCH』開発者インタビュー:前作『Sifu』と『REMATCH』、カンフーとサッカーの意外な共通点は
(画像は『REMATCH』Steamストアページより)

こうしたゲームの基盤が形になり始めるにつれ、チームの規模も徐々に拡大していきました。プリプロダクションから本格的な制作へと進む中で、専門性の高いゲームデザイナー、プログラマー、アーティストなどが加わりました。特に、オンラインマルチプレイゲームの開発に伴うさまざまな課題に取り組むうえで、専門的な人材の確保が重要でした。

現在も、このチームが運営中の『REMATCH』の開発を続けています。ある意味では、正式リリースも開発におけるひとつの「通過点」に過ぎません。私たちは今も、プレイヤーの皆さんが実際にどのようにゲームを楽しんでいるのかを学んでいます。そのうえで、ゲームの核となる部分をさらに進化させ、今後の展開に向けた開発を進めています。

──制作チームの皆さんは、サッカーがお好きですか?

Tarno氏:
実は、チーム内でもさまざまです。熱心なサッカーファンで、クラブチームや大会の動向を欠かさずチェックしているメンバーもいれば、プロサッカーにはそれほど関心のないメンバーもいます。

興味深かったのは、普段あまりサッカーを観戦しないメンバーの中にも、『REMATCH』のプレイにすっかり熱中する人がいたことです。社内では定期的にトーナメントを開催しており、かなり白熱した戦いになることもあります。また、スタジオのメンバー数人で集まって、実際に5人制サッカーを楽しむこともあります。

私自身は、従来のスポーツシミュレーションゲームよりも、アクションゲームやオンラインマルチプレイゲームをプレイすることのほうが多いです。ある意味では、それが開発においてプラスに働いたと思います。「サッカーゲームはこうあるべきだ」という固定観念にとらわれずに、開発に取り組むことができたからです。

私たちがサッカーに魅力を感じたのは、何よりも「競技そのものの面白さ」でした。選手の動きや戦術、基本的な目標のシンプルさ。そして特に、複数のプレイヤーが互いの意図を理解し、力を合わせてひとつのプレーを生み出す瞬間です。そうしたサッカーならではの魅力に、私たちは強く惹かれたのです。

──サッカーという現実に存在するスポーツを題材にするうえで、リアルなサッカー表現と、フィクションとしてのサッカー表現のバランスをどう考えていますか。

Tarno氏:
私たちは「リアリティ」よりも、「説得力」を重視しています。

『REMATCH』は、明らかに現実のサッカーを忠実に再現したシミュレーションゲームではありません。試合の展開は非常にスピーディで、ピッチは壁に囲まれ、ファウルやオフサイドもなく、ルールも大幅にアレンジされています。しかし、選手一人ひとりの動きは、現実の優れたサッカー選手が実際にできるプレーをベースにしています。

これは私たちにとって非常に重要なことです。プレイヤーには、自分が操作している選手の身体の動きに「納得感」を持ってほしいと考えています。そのため、アニメーションには身体の重みや動きの勢いが感じられる必要があります。ゲーム全体の演出が誇張されていても、シュートやタックル、ボレーといった個々のプレーには、身体の動きとして自然に理解できる説得力が必要なのです。

つまり、ルールやゲームの世界観については大きな自由度を持たせる。一方で、身体の動きやアクションには現実に根ざした説得力を持たせる。私たちが目指しているのは、そうしたバランスです。

──『REMATCH』を作るうえで、「これだけは絶対に実現したい」という最優先の目標は何でしたか。また、その目標は実現できたのでしょうか。

Tarno氏:
私にとって、それは「チームプレイ」です。

個々のアクションを気持ちよく、満足感のあるものにすることには自信がありました。それは、これまでの作品を通じて多くの経験を積んできた分野だからです。しかし、もっと難しかったのは、「見ず知らずの5人が、自ら進んで協力してプレーしたいと思えるゲームを作れるのか」という課題でした。

単に「パスを出すことが大切だ」とプレイヤーに伝えるだけでは不十分です。ゲームをプレイする中で、その重要性を自然と理解できる仕組みが必要でした。

そのために、ボールを保持している選手は相手からのプレッシャーにさらされやすくし、ポジショニングが非常に重要になるよう設計しています。また、アシストやインターセプト、味方のためにスペースを作るといったプレーにも、ゴールを決めることと同じくらいの価値を感じられるようにしています。

『REMATCH』開発者インタビュー:前作『Sifu』と『REMATCH』、カンフーとサッカーの意外な共通点は
(画像は『REMATCH』Steamストアページより)

では、その目標を完全に達成できたのか。チームプレイを中心としたゲームデザインが機能することは、十分に示せたと思っています。実際に、コミュニティではプレイヤー同士が見事に連携する素晴らしいプレーが数多く生まれています。ただし、まだ改善を続けている部分でもあります。

例えば、シーズン5で行ったスタミナの調整も、その取り組みのひとつです。一人の選手がボールを独占するのではなく、チーム内でボールに関わる役割を交代しながらプレーすることを促す狙いもあります。

『REMATCH』は継続的に運営・開発していくゲームですから、この取り組みに終わりが来ることはないと思っています。

──少人数によるスピーディなサッカーという『REMATCH』の体験とその魅力を、あえて一言で表すなら、どんな言葉になりますか?

Tarno氏:
「仲間と一緒にサッカーをプレイする楽しさ」です。

個人で素晴らしいプレーを決める瞬間もあります。でも、私にとって『REMATCH』で最も大きな喜びを感じるのは、複数のプレイヤーが互いの意図を理解し、すべてのプレーが見事にかみ合った瞬間です。

2026年はワールドカップの年でもあった。世界的なサッカーの盛り上がりに参加する形で実施されたイベント「Rematch Nations Cup」はユニークユーザー80万超の大盛況

──『REMATCH』は2024年のThe Game Awardsで大々的に発表されました。その際、ユーザーからはどのような反応が寄せられましたか。また、反応を受けてリリース前に変更したゲーム要素はありますか。

Tarno氏:
発表時の反響は、私たちの予想をはるかに上回るものでした。従来とは異なるタイプのサッカーゲームを求めているプレイヤーが多かったのだと思います。また、『REMATCH』が既存のサッカーシミュレーションゲームを再現しようとしているわけではないことも、すぐに理解していただけたようです。

特に参考になったのは、実際にゲームをプレイできるようになってからの、プレイヤーの皆さんの反応や行動でした。ベータテストでは、ピーク時の同時接続プレイヤー数が13万人を超えました。これは技術面で私たちにとって大きな試練となりました。でも同時に、非常に多くのプレイヤーがどのようにゲームを楽しんでいるのかを観察できる、貴重な機会にもなりました。

リリース前後に行った多くの変更は、こうした過程から生まれたものです。プレイヤーからのフィードバックを受けて、すぐにゲームバランスを調整することもあります。一方で、より根本的な問題が明らかになり、その解決に数か月を要することもあります。

私たちはリリース以降も、コミュニティとのこうした関係を大切にしながら、ゲームの改善を続けています。

──『REMATCH』はリリースから1か月でユーザー数500万人を突破し、2026年10月時点でSteamのレビューも5万件以上に達しています。リリース前の期待と比べて、これらの数字をどう評価・分析していますか。

Tarno氏:
リリース当初の反響は素晴らしく、私たちの予想を大きく上回るものでした。しかし、継続的に運営していくマルチプレイゲームにとって、リリース時の数字はあくまでひとつの側面に過ぎません。今、私たちが重視しているのは、ゲームが進化していく中で、プレイヤーの皆さんが繰り返し戻ってきて、継続的にプレイしてくれるかどうかという点です。

現在もコミュニティが活発であることを、非常にうれしく思っています。「Rematch Nations Cup」では約80万人のユニークプレイヤーを記録しました。さらに最近では、シーズン5と『ブルーロック』コラボの開始時に約100万人のユニークプレイヤーを記録しました。

こうした数字から、本作には今も熱心にプレイしてくださる多くのユーザーがいることがわかります。また、新シーズンやイベント、コラボによって、既存のプレイヤーがゲームに戻ってくるきっかけを作れるだけではありません。新たなユーザー層にも『REMATCH』を知ってもらえることが示されています。

──ユーザー層の地域別の分布はどうなっていますか? また、本作のユーザーはサッカーゲームファンや実際のサッカー好きが中心なのでしょうか?

Tarno氏:
『REMATCH』には世界各地からプレイヤーが集まっており、特にアメリカ、ヨーロッパ、ブラジルで多くのプレイヤーに遊んでいただいています。サッカーは「世界共通の言語」ともいえるスポーツです。ですから、こうした国際的なコミュニティが形成されることは、開発当初から私たちが期待していたことでもあります。

『REMATCH』開発者インタビュー:前作『Sifu』と『REMATCH』、カンフーとサッカーの意外な共通点は
(画像は『REMATCH』Steamストアページより)

興味深いのは、『REMATCH』のプレイヤー層が、従来のサッカーゲームファンだけに限られていないことです。もちろん、サッカーをきっかけにプレイしてくださる方もいます。でも、対戦型マルチプレイゲームやアクションゲームを好むプレイヤーも多くいます。こうした多様なプレイヤーが集まっていることは、『REMATCH』にとって非常に重要です。

現在、私たちはコミュニティをさらに拡大していくと同時に、既存のプレイヤーの皆さんがゲームを長く楽しみ、何度でも戻ってきて、プレイスキルを磨き続けられるような環境づくりに注力しています。

──2026年はワールドカップが開催された年でもあり、世界中でサッカーへの注目が高まったと思います。ワールドカップは『REMATCH』にどのような影響を与えましたか。

Tarno氏:
2026年は、世界中でサッカーが大きな注目を集めた、非常に重要な年でした。私たちにとっても、『REMATCH』ならではの形で、こうした世界的なサッカーの盛り上がりに参加することが重要だと考えていました。

その時期に開催したのが、ゲーム内イベントの「Rematch Nations Cup」です。このイベントでは、プレイヤーが32か国のいずれかの代表として参加します。そして試合をプレイすることで、自分が代表する国の進行状況に貢献できる仕組みを用意しました。約80万人のユニークプレイヤーが参加し、本作にとって非常に大きな盛り上がりを見せたイベントとなりました。

しかし、参加者数そのもの以上にうれしかったのは、プレイヤーの皆さんがそれぞれの国を応援するために集まり、互いに競い合いながら、コミュニティ全体でサッカーの楽しさを分かち合っていたことです。

サッカーには、世界中の何百万人もの人々が、同じ瞬間にひとつの情熱を共有できるという、特別な魅力があります。『REMATCH』でも、そうした熱気をコミュニティの中で少しでも再現できたことは、私たちにとって非常に意義深いものでした。

そして今回の経験を通じて、ある思いがさらに強まりました。『REMATCH』を、サッカー文化や、サッカーファンが一体となって盛り上がる瞬間とつながりを持つゲームにしていきたい、という思いです。

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編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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