10月29日に『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』が発売される。
本作は、『女神転生』シリーズのなかでも非常に人気が高く、今なお愛されている『真・女神転生III-NOCTURNE』(以下、『真・女神転生Ⅲ』)のHDリマスター作品だ。
本作は、「東京受胎」という現象により東京どころか世界が滅び、生き残った人間は主要人物以外誰もおらず、代わりに悪魔がはびこっている。
さまざまな悪魔がその強大な力でプレイヤーに襲いかかり、苦しめてくることだろう。
だがそんなプレイヤーを癒してくれるのも悪魔たちだ。
本作に登場する悪魔は個性が強いものが多い。
悪魔なのに人間臭さがときおり見え隠れし、思わずクスリと微笑んでしまうこともある。
そんな『真・女神転生Ⅲ』での人気が元となり、のちのシリーズや関連作品に多く出るようになった悪魔たちがいる。
『真・女神転生Ⅲ』は遊んだことはないが、他のアトラス作品で見たことがあるという方も多いのではないだろうか。
そんなトウキョウの世界で愛される悪魔たちを紹介しよう。
文/roku
カブキチョウの帝王、ジャアクフロスト
アトラスのマスコットキャラクターとしても知られる「ジャックフロスト」。
その姿だけでなく、「ヒーホー」と独特なしゃべり方をする言動も愛らしい。
その人気の高さから、ジャックフロストには非常に多くのバリエーションが存在する。
ジャックフロストたちを従える「キングフロスト」やかき氷風になった「いちごフロスト」「Bハワイフロスト」「ミルきんフロスト」、そして特撮ヒーローのような「フロストエース」などなどだ。
この「ジャアクフロスト」もそのバリエーションのひとつとして、『真・女神転生Ⅲ』にボスとして登場した。
まず目につくのはその黒さ、そしてデカさ。主人公の身長よりずっとデカい。
彼(?)曰く「とびきりのワル」になったらしく、「カブキチョウの帝王」を自称している。だがその言動はまだジャックフロストそのままで可愛らしく、非常に和ませてくれる。
だがその可愛い言動とは裏腹に、非常に強いボスでもある。何度か全滅した経験のあるプレイヤーも多いだろう。
その可愛さと強さのギャップもあってか、その後のジャアクフロストは単なるバリエーション違いのキャラを飛び越え、独自の人気を得ていき、以降のアトラス作品にことあるごとに出演するようになった。
他作品に登場する際も、能力が非常に優れている場合が多く、頼もしい悪魔だ。
そんなジャアクフロストの扱いがいちばん大きくなったのは、『女神異聞録デビルサバイバー』だ。
本作では、とある登場人物によって愛を知ったジャックフロストが、他の悪魔を守るため、ジャアクフロストになる!という形で登場する。
本作は人間1人+2人というパーティー構成になるのだが、彼を仲魔にできた場合、なんと人間側としてカウントされるのだ。
また、『ペルソナ』シリーズでも『3』、『4』、『5』に常連として登場するペルソナなっており、場合によっては知られざるバックストーリーが語られることもある。
ちなみにこのジャアクフロスト、最初はただのジャックフロストだったのだが、そこから紆余曲折をへて、強大な力を得ることになる。
他作品でジャアクフロストを知った方は、彼の出自となった『真・女神転生Ⅲ』をプレイして、彼がその力を得た理由を確かめてみてほしい。
親友を待ち続ける悪魔、デカラビア
次に紹介するのは、ソロモン72柱の1柱、堕天使「デカラビア」だ。
デカラビアの初出作品は『真・女神転生』。もとよりこのヒトデ型の姿がかわいいと思う方もいたのだが、多くのプレイヤーに強く印象に残った会話が『真・女神転生Ⅲ』にあるのだ。
この悪魔とプレイヤーが初めて出会うのは、序盤も序盤。最初に訪れることになる街、シブヤのハチ公前交差点だ。
ここでこのデカラビアは同じくソロモン72柱の1柱である、フォルネウスという悪魔と待ち合わせをしている。
だが、なかなか現れないため「遅いぞ、フォルネウス!」と愚痴を漏らしている。
しかしここについたプレイヤーは、そのフォルネウスがここに来ることは永遠にないと知っている。
なぜならば、ついさっきそのフォルネウスを倒してきたばかりなのだから。
通常ならば、こういったキャラクターはストーリーが進むといなくなると思うだろう。
だがこの悪魔は、いくらストーリーが進み時間が経とうが、同じ場所でずっと待っているのだ。
時間が経つにつれて「もしや誰かにヤラレたのでは」と疑い始めるのだが、「自分が倒した」とプレイヤーが答えようが、「まだか、フォルネウス……」と延々と待ち続ける。
さすがにここまでくると少しかわいそうにも思えてくる。
シブヤは冒険を進めるうえで何度か訪れる場所なのだが、そのたびにデカラビアに話しかけると、毎回新たな反応が返ってくる。
そのため、『真・女神転生Ⅲ』を遊んだことがあるプレイヤーには、印象に残りやすい会話だと言える。
町に入ったらまず目につく位置にいて、非常に目立つのも印象深い理由のひとつだろう。
くるくると回る姿もなかなか可愛らしい。
デカラビアもジャアクフロストほどではないにしろ、その後の出番は多い。
特に『ペルソナ3』では、主人公が「フォルネウス」と「デカラビア」のペルソナを宿していれば「ベストフレンド」という技を放つことができるのだが、この元ネタは言うまでもなく『真・女神転生Ⅲ』である。
また、任天堂の『ファイアーエムブレム』とのコラボ作品『幻影異聞録♯FE』では、
宝石店のマスコット(?)として台座で回っている。
2019年3月に秋葉原で行われたアトラス展では、デカラビア神社なるものがあったり、グッズもけっこう出ていたりと、負けず劣らず愛されている悪魔だ。
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ぜひ実際にゲームを遊んで、このデカラビアに出会い、その延々と待ちつ続ける姿に和んでいただきたい。
最初の仲魔、ピクシー
最後に紹介するのは、『女神転生』シリーズ皆勤賞の悪魔、「ピクシー」だ。
もとより人気がある悪魔ではあるが、『真・女神転生Ⅲ』ではさらに特別。序盤のイベントにより最初に仲魔になる悪魔だからである。
ゲーム開始後最初のダンジョンで、主人公はひとりぼっちの孤独な状態から始まる。
周りは悪魔や思念体しかおらず、右も左もわからない中で、最初に意思疎通ができる相手として仲魔になるピクシーは非常に印象に残るだろう。
加えて回復魔法と攻撃魔法も覚えているため、序盤のレギュラーとしてしばらくの間大活躍してくれるのだ。
だがピクシーが特別なのは、それだけではない。
このピクシーが真のヒロインであると思わせるようなイベントが、終盤のとある場所に存在するのだ。
ネタバレのため詳しくは語らないが、思わず涙したというプレイヤーも多いはずだ。
この理由はぜひ、ゲームをプレイして確かめてほしい。
人気の高い悪魔は使い勝手がいいというだけではなく、それなりの理由があるのだ。
なお、発売日の3日前となる10月26日には、「『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』発売直前生特番<もうすぐ東京受胎SP>」と銘打たれた生放送が配信される。
番組内では、事前に行われた『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』に登場する全悪魔の人気投票の結果発表も行われる予定だ。事前に発表された11位以下のランキングをみると、本稿で紹介したジャアクフロストは惜しくも14位となったが、デカラビア、ピクシーはトップ10に入っていることが確定している。はたして何位に入るだろうか?
ぜひゲームをプレイして、あなたもお気に入りの悪魔を見つけてみてほしい。
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