ちょうど1か月くらい前━━━あれは6月21日のNintendo Direct。
『ドラクエモンスターズ』の新作とか、あの『スーパーマリオ』の新作とか、なんかもういろいろスーパービックタイトルが発表されてる中、私の記憶に一番焼き付いているシーンがあった。
バ──ン!!!
大江戸ジャンヌオルタ!!!!!
一部では「そもそもこの子オルタじゃないんじゃないの」と噂されているそうですが、とにかくこのジャンヌっぽい誰かが出てきたシーン、あまりにニンダイで印象に残りすぎていたのです。マリオとかピクミンとかいろいろ出てた中、突如現れる大江戸ジャンヌオルタ(っぽい人)。なんつーんですか、さっきまでディズニーランドにいたのにいきなり池袋のアニメメイト前にワープしたっつーんですか。
実家のような安心感。もうこのシーンを見せてもらえたのなら、私はこのゲームを買おう。聖女のように、侍のように、颯爽と買ってしまいましょう。けれど拙者はそんな真実より、ジャンヌ殿の言う甘っちょろいナントカカントカ……。
そう、そのゲームの名は!
『Fate/Samurai Remnant』!!!!!
※今回プレイした『Fate/Samurai Remnant』は、試遊用の特別なバージョンとなります。実際の製品版とは一部の仕様などが異なる場合があります。ご了承ください。
『Fate/Samurai Remnant』ってどんなゲーム?
いかん、あまりのスピード感に振り落とされそうになっている方がいるかもしれない。
ここで一応、『Fate/Samurai Remnant』がどういうゲームなのかしっかり説明しておきましょう。
━━きみの願いを、切り捨てる。これは江戸を駆ける、聖杯戦争。
……というキャッチコピーの通り、江戸を舞台とした「Fate」というわけです。
コーエーテクモゲームス×TYPE-MOONの新作でもあり、まぁ平たく言っちゃえば本家本元と作り上げられた「大江戸Fate」って感じのタイトルなのです。
よく武将が戦うゲームを作ってるコエテクと、よく英雄が戦うゲームを作っている型月。まぁ……間違いなく相性はいいでしょう!
むしろ、「あ、言われてみれば出てなかったかも?」という感覚すら覚えます。劉備に対する関羽。徳川家康に対する本多忠勝。衛宮士郎に対するセイバー。それくらいのグッド相性。本当になぜこれまで出ていなかったんだ。
慶安四年、江戸。徳川の治世は四代目将軍・家綱の時代。そんな江戸の町に、「宮本伊織」という青年がいた。あの大剣豪・宮本武蔵の養子にして弟子の、宮本伊織である。水着イベントで師匠が勝手に名前を使っていたかわいそうな人、宮本伊織である。
それなりに江戸で暮らしていた宮本伊織は、ある日━━己の手の甲に見慣れぬ痣が浮かんでいることに気づいた。そして伊織は、万能の願望機たる「盈月」(えいげつ)を巡る戦い、「盈月の儀」へと身を投じていく。
儀の担い手となる七人の“願いし者”、すなわちマスター。マスターにより現世へと喚ばれた七騎の英霊、すなわちサーヴァント、七人七騎の主従による殺し合いが、幕を開ける。
ほら、記事タイトルに書いてある「大江戸聖杯戦争」、大体間違ってないでしょう?
これが『Fate/Samurai Remnant』の大体のあらすじ。ある日自分の手に令呪的なアレがぶわーっと浮かんできてしまった伊織くんは、謎のセイバーと出会う。その日、運命に出会う━━みたいな感じで、江戸の命運をかけた(?)「盈月の儀」へと参戦するわけです。
伊織くん……「武蔵ちゃんが好きそう」ですよね。
いや、「武蔵ちゃんが好きそう」としか言いようがないでしょう。こんなん。このっ……この目が隠れてる感じとか……。うわぁ、好きそう。『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負』のコミカライズ版を担当していた渡れい先生がキャラデザを務めているだけあって、もうキャラはバッチリ最高って感じです。
そして隣のセイバー。古風な装いを纏い、波打つ剣を振るうセイバー。いやぁ……一体誰なんでしょうね……。『Fate/Samurai Remnant』はこのふたりが主人公。そして操作するのも主にこのふたり! せっかく最速体験してきたのですから、バトルシステムはここから紹介しましょう!!
あ、思い返してみれば「これは先行プレイをしてきた記事です」ってどこにも書いてなかった気がする。みなさん、私『Fate/Samurai Remnant』の先行プレイをしてきたんです! これ、「先行プレイレポート」ってやつなんです!!
マスターとサーヴァントによる協力バトル。「聖杯戦争」の原点回帰
やはり今作のウリは、「マスターとサーヴァントによる協力バトル」。「Fate」シリーズのアクションタイトルでは『Fate/EXTELLA』などもありましたが、こちらはより「マスターとサーヴァントの戦い」に重きを置いたアクションとなっているのです。
操作方法はいたって簡単。PSのコントローラーであれば、□ボタンで通常攻撃。△ボタンで強攻撃。通常攻撃を連打している最中に強攻撃を織り交ぜることで、さらなる派生攻撃も可能に! 本当にいつものやつですね。馴染む、馴染むぞ。敵将<サーヴァント>、討ち取ったり!
まず最初に操作するのは伊織くん。それぞれ特徴のある五つの型を状況に応じて切り替えながら戦うことができます。たとえば「水の型」なら師匠直伝の二刀流を振るう手数の多さで攻め込み、「土の型」では防御力高めの一刀流となって戦えたりする。
スタイルの切り替えはL1ボタンで手軽にできちゃいますよ。しかも、刀の通じない相手にはL1ボタンから魔術を放って攻撃することもできます。
伊織くん、魔術使えたんだ……。
ここからがちょっと特徴的なシステム。やはり「サーヴァントとマスターの協力バトル」をウリにしていることもあり、「伊織からセイバーに指示を出して攻撃する」形で「共鳴絶技」という必殺技を使用することができるのです。戦闘中に溜まったゲージを消費して、セイバーに強力な技を放ってもらいましょう。
たとえば上記の動画のように「白波」という共鳴絶技を発動すれば、セイバーが大きな波に乗って突撃してくれます。サーヴァントってやっぱすげえな。
『FGO』ですごいインフレばっかり見てるから感覚がマヒしかかってるけどこんな街中で大津波出して突撃されたらたまったもんじゃない。いやぁ……このセイバーは一体誰なんでしょうね……。
この共鳴絶技は4つのスロットが用意されている上に、技によって消費ゲージも違います。「白波」のようにたくさんのゲージを消費して放つものもあれば、少ないゲージで発動できる共鳴絶技もあります。この辺は結構プレイヤーによってスタイルが分かれるところかもしれません。
そして戦闘中、セイバーの方から「協力技」のお願いが来ることもあります。こちらも発動は結構カンタン。セイバーの近くに行って、対応するボタンを押すだけ。するとカッコいいカットインが入って、「ドカ────ン!!!」と必殺技が炸裂ッ! まさしくマスターとサーヴァントの合体攻撃!!
基本的に伊織くんの攻撃はサーヴァントや強大な敵には届かないのですが、この「協力技」「共鳴絶技」を駆使して「外殻」というブレイクゲージ的なサムシングを削れ切れば、伊織くんの刀も届くようになります。この辺はやっぱり「人とサーヴァントの差」の表現ですね。なんだかんだ型月文脈には忠実です。
ちなみに下記の動画の共鳴絶技は「セイバーが水で伊織くんを上空に打ち上げて、天空から斬りかかる」という技だそうです。セイバーもすごいけど伊織くんも大概な気がしてきた。EDOにはこんな奴ばかりいるのか。型月のEDOはどうなってるんだ。
そして伊織くんを操作していると、「交代ゲージ」なるものが溜まります。そして交代を行うと、操作キャラがセイバーに交代! サーヴァントの圧倒的な力を以てバッタバッタと敵をなぎ倒してくれます!
ちなみに操作交代によって出てきたサーヴァントは霊脈の魔力によって一時的に通常より強化されるんだとか。このシステム……普通に他のFateでもやってみたい。
士郎で戦ってあっちのセイバーさんに交代したり、言峰で戦ってギルガメッシュに交代したり……ねぇちょっといいアイデア出ちゃったんじゃないですか。この交代システム、結構拡張性のある何かなんじゃないですか。
ちなみにレムナントセイバーさんのアクションはもう……「圧倒的」って感じです。当然の如く剣からビームが飛び出すし、空中に浮いて暴れ回るし、巨大な水圧カッターみたいなので相手を切り裂く。やっぱりセイバーはビームを撃つ<ぶっぱ>するだけの簡単なお仕事だったんだ。あの剣の形、この服装、水を操る能力……いやぁ、一体何者なんでしょうね!?
とにかく、操作自体はシンプルで爽快。上手くゲージを管理しながらサーヴァントと連携し、最終的にはセイバーさんに交代してフィニッシュ!!!
これがおそらく『Fate/Samurai Remnant』のバトルサイクル。やはり「サーヴァントとマスターの連携」という、ある意味聖杯戦争の原点的なところに立ち返ったバトルシステムが面白いです。ちゃんと「聖杯戦争」の戦いなのですよね。
さて、そろそろ次の要素を紹介…………………………………
え゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛
終わった。先行プレイが、終わった━━━━━━。
そう、なんと今回の先行プレイ……試遊版の特別仕様だったのです。だから、15分しか遊べない時限式になっていました。のんきにスクショ撮ったり動画撮ったり「セイバーさんかっこええな……」とか言ってたら、先行プレイが終わりました。Thank you for playingじゃないんだよ。
クソッ! まだ全然遊びきれてないじゃないか!?
仕方ない! だったらこの15分間の中で限界まで『Fate/Samurai Remnant』を遊び尽くしてやろうじゃないかッ! プロの腕、見せたるわ!! わしゃウルトラマンか?
セイバーさんと一緒に江戸を歩こう
やっぱりFateですから。見たいのはサーヴァントとマスターの絡みなんです。俺はサーヴァントとマスターのイチャイチャが見たいんだ。『Fate/Samurai Remnant』、もちろん完備しております。江戸の町を伊織くんとセイバーさんがいろいろなクエストを解決したりしますよ。
ちなみに上記の画像は「借金を取り立てる」というクエスト。なんかしみったれたクエストやってんな。家の中にこもる借金取りに対して、セイバーさんが扉を破壊することを提案。この人、結構脳筋だね? なんか思ってたセイバーさんよりだいぶパワー系な気がする。やっぱサーヴァントって怖いわ。
伊織くん、流石に扉の破壊は拒否。さすが伊織くん。わかってるじゃないか。なんだっけ? 火事と喧嘩と聖杯戦争は江戸の華だっけ? アレ、よくできた言葉だよね。
まぁ、霊体化して裏から乗り込んでいくんですけど……………。
キミ、やっぱ思ったよりパワー系だね? サーヴァントの借金取りって嫌すぎる。なんかこう……日常生活にサーヴァントが存在してる恐ろしさを身に染みて理解するゲームなのかもしれません。
他にも「高台にお金を隠した人」から借金を回収するイベントもあったりします。いや、「さっきからずっと借金回収してない?」って思うかもしれないけど、この先行プレイって主に借金回収するイベントで遊ぶ感じだったんだって。まぁそれは置いといて……さぁ伊織くん、この高台どうする?
セイバーさんが純粋なパワーでぶっ飛ばしてくれます。
パワー系すぎるだろ。伊織くん、強く生きろ。サーヴァントがマスターを抱えて落下する時代は終わった。これからはサーヴァントがマスターの足場になる時代だ。こうして登った高台の先では、新たな「共鳴絶技」を獲得できたりします。こんな風にクエストをこなしつつ、新たな必殺技を獲得していくのだと思われます。
ちなみにセイバーさんは「何が不満だ。ばびゅーんだぞ……?」と逆ギレしてきます。やっぱりセイバーには人の心なんてわからないんだ……。なんかこの子、思ったよりアクが強い。結構好きになってきた。てかこんなタイプだと思わなかった。セイバーさんのキャラの濃さ、乞うご期待。
そしてここもコーエーテクモゲームスパワーを感じさせるというか……「江戸のフィールド」には結構気合が入っています。ゲーム全体のビジュアルもいい感じ。やはり「江戸」を舞台にしているだけあって、世界の空気づくりはしっかりしています。せっかく江戸の聖杯戦争なのに、「江戸感」がしょぼかったらダメだからね。
ほら、こうして街中にいる犬を撫でることもできるのです。犬を撫でるとHPが回復します。まぁそりゃ犬を撫でればHP回復するわな。ちなみにセイバーさんも、犬を結構気に入ってくれているようです。よかった……レムナントセイバーさんにも犬を愛でる心はあったんだ……。犬もばびゅーんしたらどうしようかと思った。
あぁ、なんてかわいい犬なんだ……。よし、他にも犬を探そう。もうクエストなんてどうでもいい。私だって借金を回収したくて聖杯戦争に参加してるわけじゃないんだ。犬だ。江戸で犬を探そう。もうやめましょう伊織さん、15分でクリアするなんて土台無理な話だったんだ。ウフフ……アハハ……そう、あれは拙僧が江戸でドッグトレーナーをしていた頃の話…………。
あ゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛
すいません、またやりました。いやぁ、ウルトラマンって大変ですね。アタシ、何と戦ってんの? これが「hollow ataraxia」ってこと? 待って! まだこの記事閉じないで! ちゃんとボス戦まで行きますから! そろそろ本気出しますから!!
ちなみにこのゲーム、しっかり「行き先ガイド」も用意されております。PSコントローラーでR3ボタンを押せば、ちゃんと行き先を示すガイドが表示されます。なんで急にそんな話をしたかというと、15分制限下の中で行き先ガイドが最も役に立ったからです。行き先ガイド、しっかり活用しましょう。
どの面師匠
なんとかRTAじみたプレイをして現れたボスは……高尾太夫と吉原の番人!
「もうマスターの時点でサーヴァント格のやつおるやん」と言われている今作ですが、高尾太夫は特にその筆頭格かもしれません。そしてこの吉原の番人……まぁ日本の英霊じゃないのは確かです。え、日本の人じゃないよね!? 違うよね!? 江戸にいきなり現れる古代の誰か。
セイバーさんいわく「バーサーカーではないか?」とのことですが……実際のところ、この吉原の番人が何者なのかは全くわかりません。なぜなら、公式サイトに書かれている高尾太夫のサーヴァントは……「宮本武蔵」なのです! 誰!? この人誰!? サーヴァントなの!? バーサーカーなの!?
そしてこのまま吉原の番人とのボスバトルに突入。このサーヴァント戦においては、最初からセイバーさんを操作して戦うことができました。おそらく基本的なバトルサイクルとしては「伊織を操作し、トドメにセイバー」という形なのだと思われますが、こういった一部のイベントバトルでは最初からセイバーさんでプレイできちゃうのでしょう。
吉原の番人はその巨体の通り……大振りかつパワー系の敵。もう、ザ・バーサーカーって感じですね。いやバーサーカーに対する偏見とかじゃないですよ!? なのでこちらも(いろいろな意味で)パワー系のセイバーさんで迎え撃ちましょう。
そういえば、セイバーさん側のアクションについてあまり触れていなかったかもしれません。とはいえこちらもおおむね伊織くんのアクションと大きな違いはないのですが……やはりその「ド派手さ」は唯一無二。
単純に通常攻撃から強攻撃に繋げるだけで、「高速移動しながら相手を切り刻む」という技を発動してくれたりします。これは最優のクラスですわ。
基本に「伊織(人間)のアクション」があるからこそ、ここぞという時のサーヴァント同士の「戦闘のスケールの違い」を描写できているのがかなり好きなところです。まぁ、この辺りも動画があった方がより分かりやすいはずなので、ぜひぜひ下記の動画をご覧ください。
なんかすごい。レムナントのセイバーさん、強い。特にこの波乗りが凶悪な気がする。判定デカいし、持続長いし……。壁に向かって波乗りしたら明らかに吉原の番人がハマってた気がする。とにかく、「セイバーさんを操作している時のアクションはド派手で爽快!!!」って感じです。
そして吉原の番人とのバトルも終わり、高尾太夫を追いかけていた伊織くんの前に現れたのは……
師匠だった。
例のあの師匠だった。
どの面師匠だった。
水着イベントで弟子の名前を勝手に使ってた、例のどの面師匠だった。
そしてここで先行プレイは終了! 若干「え、これ武蔵ちゃん出なかったらどうしよう……」と心配してたんですが、ちゃんと出ましたね! よしみんな、上の画像の武蔵ちゃんの顔の良さで満足してくれたまえッ!!
……と、どちらかというと終始アクション面と大まかなプレイ感を紹介した記事でしたが、「サーヴァントとマスターの連携アクション」という、これまで手を出していそうで実はそんなにやっていなかったところにフィーチャーしたゲームであることはお伝えできたのではないでしょうか? そして15分間を何度も繰り返した私の頑張りを感じてください。あとセイバーさんの無法っぷりも。
やはりここは天下のコーエーテクモゲームスというか……アクション面の爽快感と、フィールドやカットシーンの「江戸の空気感」は抜群に良かったです。そこに加えて、渡れい先生のイラストを最大限に活かした完成度の高いキャラモデル。
「江戸を舞台に聖杯戦争を描くFateのアクション」としては、もう十分すぎるくらい楽しめました。やっぱ「ちゃんと元絵を活かした3Dモデル」って大事なのです。
……そして、ここまで書いて気がついた。
結局、大江戸ジャンヌに出会えていない!
ジャンヌは!? 大江戸ジャンヌはどこへ行った!? 彼女は結局オルタなのか!? そもそもジャンヌなのか!? 一体何者なのか!? あと吉原の番人も……何者なのか!?
それは━━━9月28日に各種プラットフォームで発売予定の製品版『Fate/Samurai Remnant』を遊んでキミの目で確かめてくれ!
……まぁほら、「サーヴァントの真名当て」ってFateのトロの部分でしょう?
その辺は発売まで楽しみとっておいた方が絶対楽しいヤツだから。
9月28日って、意外とすぐ来ますから。いや本当に。大人になってよくわかった。2ヶ月なんて、3秒くらいでやってくる。━━きみの願いを、切り捨てる。これは江戸を駆ける、聖杯戦争。あと2ヶ月で開戦を迎える「盈月の儀」を、ぜひお楽しみに!!