「ペルソナ5のシミュレーション」って、なんだ。
『ペルソナ5 タクティカ』の情報を初めて見た時、率直にそう思った。
いや、まぁ「これがP5のシミュレーションだ!!!」と断言されたら「お、おぉ……そうか……」と受け入れざるを得ない。怪盗……怪盗がシミュレーションか……。まぁ、ある意味本編も恋愛シミュレーションみたいなとこあるけどね! HAHAHA★ Chu! 10股してごめん。
私が学生だった頃、アトラス作品が好きな友人から『女神異聞録デビルサバイバー』を借りたことを未だに覚えている。なぜなら、ヤスダスズヒト先生のキャラデザが超好きだったから。アレも、シミュレーションRPGだった。まぁ、デビサバみたいなもんかな!? いや、そうじゃないと思う。
なんとなく「このゲームはP5のシミュレーションである」というところまでは知っているけれど、その実態はあまりよくわかってない方……意外と多いのでは? というか、私自身がそうなのです。P5の「怪盗」というメインテーマがシミュレーションに落とし込まれているところ、中々想像できない。果たしてどんなゲームになるのか。
「P5は私の第二の青春です」と言ってはばからないくらいP5は思い入れ深いゲームだし、まさか成人してこんな形でシリーズ最新作を触らせていただけるのもすごく光栄なのですが……それ以上に「P5のシミュレーションとはなんなのか」という疑問の方が大きくなってしまっている。
なので、『P5T』の世界最速プレイをお届けしましょう!!!
世界最速! 世界最速ですって!? いいね、何度聞いても「世界最速」という響きは気持ちがいい。この瞬間だけ、私はウサイン・ボルトと同じ称号をいただけるのですから。まさに「世界最速……頂戴するッ!」という感じですかね。ぜひみなさまも、この世界最速のオタカラを楽しんでいってください。
※今回プレイした『ペルソナ5 タクティカ』は、試遊用の特別なバージョンとなります。実際の製品版とは一部の仕様などが異なる場合があります。ご了承ください。
『P5T』って、どんなゲーム?教えてモルガナ隊長!
その心に焔を灯せ。革命劇、開幕!!
これが『P5T』のキャッチフレーズ。火を点けろ、燃え残った全てに……じゃない!
今作は「革命」の物語が描かれるそうです。確かに「革命」って、結構P5と相性の良いテーマですね。逆になんでやっていなかったのだろうか。世直し怪盗団、ついに革命を起こすぜ!!
卒業式も近づく冬頃、怪盗団の面々はいつも通りルブランに集まっていた。だが突如ルブランの店内が真っ暗になり、不思議な扉が出現! その扉を開けたところ……怪盗団は謎の異世界に飛ばされていた! おそろしい万能導入。
もう「怪盗団の面々はいつも通りルブランに集まっていた。だが突如━━━」の導入でP5の外伝を無限に作れる気がする。
その異世界にて、ジョーカーたちは「革命軍」を率いる「エル」という美少女に出会う。エル、CV高橋李依です。出た! 高橋李依!! 俺たちの高橋李依!! 高橋李依、P5に参戦!! けれど拙者はそんな真実より、エル殿の言う甘っちょろい戯言の方が━━━。
何気にカッコいい系高橋李依なのがさらに嬉しい。ボーイッシュっつーんですかね、清廉潔白にしてライオンハートっつーんですかね。エル、これまでのP5外伝ゲストキャラ(?)だと一番好きまであるかも。
そして上の画像を見ればなんとなくわかると思うのですが……『P5T』はこのデフォルメ調のグラフィックに結構気合を入れています。『ペルソナQ』シリーズでもデフォルメ風なビジュアルを描いていましたが、今作はよりポップでトゥーンな印象を受けます。いいね、ポップでトゥーンな感じ。好きだよ。
「革命劇」というドラマティックなメインテーマとは対称的なかわいいタッチで、謎の異世界に革命を起こしちゃいましょう! それが『P5T』!! そしてストーリーの説明はこのくらいにしておいた方が本編の楽しみが残ると思うので、ここまでにしておきましょう。俺たちの高橋李依だけでも覚えて帰ってください。
そして今作のゲームシステム最大の特徴、それが「3人でのバトル」。基本的にシミュレーションRPGは大勢vs大勢だったり、少なくても5vs5くらいの規模感が普通かもしれませんが……なんと今作は3人という少数精鋭でチームを組んで戦うのです。
いや、実際触ってた時はそんなにピンと来てなかったけど冷静に考えると「3人編成」の時点で結構特徴的な感じがしますね。この少数精鋭で戦う上で特に重要……というか、今作のカギを握ると言っても過言ではないのが「カバー」システムです。
『P5』本編においても「カバー」はそこそこ重要なテクニックでしたが、『P5T』ではもはやゲームシステムの根幹的な部分に関わってきています。フィールド上に置かれている遮蔽物に隠れることで「ガード状態」となり、敵からの攻撃を軽減したり完全ブロックできちゃったりします。
逆に相手がカバー状態の場合、こちらの攻撃もガードされてしまいます。そんな時は、スキルや近接攻撃を繰り出すと、相手のガード状態を解くことができます。そして「ガード状態になっていない相手」を攻撃することで……相手がダウン! そのまま1MOREを獲得し、もう1度行動することが可能に!!
怪盗らしく物陰に潜み、華麗に追加ターンをゲット!
この「身を守りつつ1MOREでガンガン追加行動を狙う」コトが今作では最も重要なのです。というか、「生き残りつつ勝利を狙う」生存戦略はシミュレーションの基本でもあるんですが……それを上手いことP5の「怪盗」要素に落とし込んだ感じですかね。カバー、なんなら本編より大事。
三位一体!新たな総攻撃「トライバングル」とは
そしてこちらが今作の目玉システム、「トライバングル」!
いわゆる「総攻撃」に相当するシステムなのですが……これもシミュレーション仕様になっているのです。まず、スキル攻撃やらなんやらで敵をダウンさせる。そしてダウンした相手を3人で囲むと、「トライバングル」の発動準備が完了! バシバシッと総攻撃で相手を倒しちゃいます。
これは「囲んだ相手全員」に発動することができるので、囲い込んだ敵はダウンしていなくても巻き込んで大ダメージを与えられちゃうのです。めっちゃ強い。もうトライバングルのない戦闘なんて考えられない。何がMAP兵器だ。とにかく、トライバングルは「総攻撃」を上手いことシミュレーションに落とし込んでいる印象がありました。
とはいえ、トライバングルも何オンガンや何クターボルテッカばりに万能というわけではありません。なぜなら「3人で囲まなければならない」から。出撃した3人のキャラそれぞれで線を結び、三角形の範囲に入った相手がトライバングルの対象です。この「上手く囲めるかどうか」が戦略の鍵を握ります。
「おや、思ったより難しそうだな……?」と思ったそこのアナタ、ご安心を。
『P5T』はちょっと特殊なシステムを採用しており、「こちらのターンの場合は好きに操作キャラを入れ替えることができる」のです。つまり、ユニットごとに行動順が決められるのではなく、「味方ターンと敵ターン」で戦況が動き、味方ターン中はいつでも行動ユニットを切り替えられます。
たとえば、「エルで相手をひとりダウンさせる」→「ダウンさせた位置では上手く敵を囲めない!」→「モルガナに操作を切り替えて三角形を上手く調整して、より多くの敵を巻き込めるようにトライバングルを発動させる」というユニットの切り替えによる範囲の調整もできちゃうのです!
この「ターン中の味方ユニットの切り替え」はトライバングルだけでなく1MOREなどの戦術の基礎的な部分に関わってくるので、結構重要です。なんかさっきから「これは戦術の基礎に関わってくるので重要です」みたいなこと言いまくってる気がするな。とにかく、全部重要な戦術ってコトです!
今日はもう隠れようぜ
そしてモルガナ隊長からの戦術講座も聞き終えたところで、いよいよ世界最速プレイに突入!
やっぱり真っ先に感じたのは「カバーの重要さ」です。このゲーム……とにかくカバー状態を上手く取り、敵をダウンさせるのが重要。重要というか、そうしなければ泥仕合必至です。ある意味、P5のバトルと根幹の部分は同じと言えるかもしれません。
とはいえ、「じゃあカバー射撃ゲーなのか?」と言われると、そういうわけでもありません。大丈夫、ちゃんとペルソナ召喚による近接攻撃やスキルも用意されていますよ。………ってかペルソナの話してねえじゃん! ごめ~ん、忘れてた♥
実は『P5T』って……ペルソナを召喚することができるんですよ。
そう、タイトルに「ペルソナ」って入ってるんだからペルソナ出せるのは当たり前である。だけどカバーとかトライバングルとか独特なシステムが多くて、ペルソナの話を全くしてなかった。ペルソナなのに、ペルソナの話を全然していなかった。
さっきもチラッと話が出ていましたが、ペルソナ召喚によるスキル攻撃でもガード状態を解除し、そこから1MOREを狙うことができます。この「ペルソナによるガード状態の解除」も大事。
なにせ、「敵味方お互いにカバー状態」の場合は、両方射撃が通らず膠着状態となってしまいます。それを一方的に打破できるのが、ペルソナの力というコトです。ペルソナのゲームなので、ちゃんとペルソナ使いましょう!
ちなみに「エル」は体験版の時点では特にペルソナを召喚せず、その手に持っている槍と銃だけで戦っていました。おっとぉ…………? まぁ、こっちも製品版をお楽しみにって感じっスかね。
あぁそうだ、エルで思い出しました。このゲーム、「チャージ」というシステムも存在しているのです。もう明らかにライブ感で書いていることがバレバレである。ペルソナ、1MORE、トライバングル……これだけのシステムを揃えても、やっぱりカバーを戦術の核に組み込む以上、「戦況の膠着」はちょっと起こりやすいです。
それを解決してくれるのが「チャージ」。
端的に言えば、「1ターン何もせずに待機すると、次ターンは特殊な力を得られる」というシステムです。たとえばエルがチャージをすると、次のターンは「ガード中の敵からいきなりダウンを取れる」射撃攻撃を発動することができるのです!
つまり、「本来であれば、ダウンを取れない敵からも1MOREを発動することが可能」というワケですね。1体ずつ1MOREでダウンさせて、トライバングルを狙うのか。それともチャージで耐えしのぎ、一気にダウンさせてからのトライバングルを狙うのか。この辺りの駆け引きも面白いです。
……なんか思ったよりも歯応えのありそうなシミュレーションでしょう?
やっぱり『P5T』は「3人編成で戦うシミュレーション」としての面白さが際立っているように感じました。群というより、個で戦うシステム。そうでありながらも、ユニット同士の連携はめっちゃ大事。P5関係なく、純粋にシミュレーション好きの方が遊んでも結構新鮮な気持ちで楽しめる気がします。
「ペルソナ5」を名乗るだけのイカした演出がほしいんです
なんか冒頭にも書いていましたが、「P5は第二の青春です」と言ってはばからないくらい……私にとってP5は結構思い出深いタイトルなのです。間違いなく、私の高校生活を彩ってくれた一作です。だから、P5に対するこだわりも結構あるのです。
そもそも、私個人の感覚として「P5は“演出”のゲームなのではないか?」と感じています。キャラもいい。音楽もいい。ビジュアルも最高。とにかく面白い。だけど、それを総合的に繋ぎ合わせる「演出」の部分が一番好き。
もはや、「演出がよくないものをP5と認めるわけにはいかない」とすら言い出しかねないかもしれない。急にめんどくさいファンの声を書き出し始めてしまった。
つまり、「P5を名乗るだけのイカした演出がほしい」ということなのです。あの華やかなビジュアル! 切れ味のあるデザイン! それを引き立てる演出!! それが『ペルソナ5』にはほしい!!!
……で、『P5T』も結構演出がいいと思いました。
結局デレとるやんという感じかもですが……これまでのスクショを見ていても『P5T』のビジュアルの良さはよく伝わるのではないでしょうか? 思ったよりデフォルメのタッチと、P5の演出が噛み合っている。ちゃんと私が求めている「P5というタイトルの良さ」をシミュレーションで出してくれている!
あれだけ「ストーリーのネタバレは取っておきましょう」とか言っておいてアレですが……なんと今回試遊できた範囲の最後の最後に、なんだか怪しいオーラを纏って敵になっている杏殿と双葉が出てきました。……何!? えっ、急にすごい癖が出てるけど……。これが「闇堕ち」ってヤツ……?
とにかく、演出もグラフィックもストーリーもバトルも、結構面白いと思います。
総合的に「P5のシミュレーション」としてかなり完成度が高い印象を受けました。UIもいいし、手触りもいいし……考えれば考えるほどしっかり「P5」の名を背負うタイトルとして作られていると思います。あんなに「P5は私の第二の青春」とかフカシ倒していた私が言うのだから信用してほしい。
そしてやっぱり個人的に『P5T』で推しておきたいポイントが、DLCにて「明智吾郎」と「芳澤かすみ」の参戦が決定しているところ! 熱い、これは流石に熱い。しかも3人でパーティーを組むので、DLCを購入すれば明智と芳澤かすみの3人でパーティーを組めちゃうことも……!?
いやぁ……なんか明智がこういうDLCに出てくるのってちょっとレアケースな気がして……明智お前良かったなぁ……。こんなに買いたくなるDLCは久しぶりかもしれない。
『ペルソナ5 タクティカ』は2023年11月17日に各種プラットフォームで発売!
その心に焔を灯せ。革命劇、11月17日に開幕!!
なんか段々このキャッチフレーズが気に入ってきたのでこれからも擦ろうと思います。謎の異世界で繰り広げられる怪盗の革命劇<タクティクス>を……お楽しみに! DLCもお忘れなく!!