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自称アイギスの妹「メティス」の言動が無茶苦茶すぎて、たった1時間ですっかり虜になってしまった。『P3R』の後日談「エピソードアイギス」で繰り広げられる姉へのこじらせた愛を見てほしい

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むかし触れた作品やキャラクターに時間が経ってから改めて触れてみると「メッチャ好きやんけ」となる現象に名前ってついているのでしょうか。

筆者をそんな感情にさせてくれたのは『ペルソナ3 リロード』(以下、『P3R』)の後日談が描かれる「エピソード アイギス」に登場する、自称アイギスの妹「メティス」です。端的に言うと、おもしれー女でした。

だってまず、『P3R』本編でいろいろありすぎて沈みに沈みきっているアイギスとその仲間のもとへいきなり乱入してきたと思ったら、なぜか本気で襲いかかってきます。さらに、自分はアイギスの「妹」であると明言。姉であるアイギスを「守るために来た」とのこと。

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待て待て、いまさっきその姉を全力で攻撃してきたのはあなただよ? いったいどういうことなの? いくらなんでも無茶苦茶すぎる!

しかしながら先述のとおり筆者はこのメティスを初めて見たわけではありません。というのもこの「エピソード アイギス」は、2007年に販売された『ペルソナ3 フェス』の追加エピソードをフルリメイクしたシナリオ。今回、9月10日に配信予定の本作を特別に1時間ほど遊べる機会に恵まれ、メティスとの再会を果たしたわけです。

正直なところメティスについての記憶が時間の経過とともに薄くなっておりました。そんななか改めてメティスに触れてみたらあまりにも人間味がありすぎて、たった1時間ですっかり虜になってしまったというわけです。

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そこで本稿では、放っておけない言動ばかりする謎多きメティスについて紹介させてください。筆者のように当時の記憶が薄れてしまった人や初めてメティスを見た方にもこの魅力が伝われば幸いです。

文/八羽汰わちは
編集/柳本マリエ


強めの殺意でS.E.E.S.を襲ってきた理由はアイギスを “守るため”

メティスのことは「アイギスと同じメカ娘」と大雑把にもほどがある認識をしていました。しかし改めて見てみると、優秀なペルソナ使いであるS.E.E.S.のメンバーを数分で戦闘不能状態にさせてしまうというインパクトが強すぎる登場シーンに度肝を抜かれます。いくら不意打ちとはいえ、強い。

その襲撃によって気絶してしまったアイギスに対して、メティスはアイギスの装備を増やすことを提案します。自分で襲ってダメージを与えておきながらその相手に重装備をさせるという行動の矛盾

だったら襲わなければよかったのでは???

プレイを始めて1回目の「どういうこと?」ポイントが訪れました。こうして、メティスの提案によりアイギスは本編と比較して重装備になっています。

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自分を襲ってきた相手の提案で重装備になっていたわけですから、この状況にいちばん驚いているのはアイギスでしょう。目を覚ましたアイギスはなぜ急にメティスの戦意がなくなったのか、「その心変わりを説明してほしい」と問いかけました。

どうやらメティスによると「アイギスに嫌われると思って気が変わった」とのこと。……こ、これはシスコンの気配を感じる。だいぶこじらせてるぞ。

ちなみにアイギスが気絶しているころ、相討ちになったメティスは眠りこけていました。鎖でグルグル巻きにされており、両脇には召喚銃を手にしたペルソナ使いが見張りしているという緊張感溢れる場面で。この状況で眠ってしまうという囚われの身とは思えない態度を順平に突っ込まれると、「これは……疲れてたし……」とまるでツンデレみたいな第一声が飛び出します。シスコン+ツンデレ属性!?

ようやく会話が成立するようになり、属性が垣間見えるメティス。しかしここで真田明彦が「アイギスを守ってどういう得になる?」と、すかさずド正論突っ込みを繰り出します。

さすが真田先輩。聞いてほしいことを聞いてくれました。だってこの状況からメティスの真意はまったくわかりませんから。

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するとメティス「ただ大事だから」という、これまた予想に反する回答をしました。

損得なんて関係なく、ただ大事だからアイギスを守りたいってこと? 全力で襲ってきたのに? あまりにも信ぴょう性がなさすぎません?

さらに聞き捨てならないのが、アイギスの「妹」を明言している点です。ここからは姉妹問題について整理させてください。

同系機は存在しないはずなのに、アイギスを “姉さん” と呼ぶ

メティスはアイギスの妹であると名乗りますが、アイギスから認知されていません。さらに桐条美鶴からも「アイギスはラストナンバーだから彼女より後の同系機は存在しない」と断言されてしまいます。本当の姉妹であるなら反論すればいいものの、口ごもって無言になってしまうメティス。

怪しい。じつに怪しいですね? 筆者は「もしかして裏切り枠では……?」と勘ぐってしまいました。

本編プレイヤーならご存知の通り、初期アイギスの口癖は「~であります」「なるほどなー」と、感情表現に乏しい典型的なロボット娘でした。しかしメティスはアイギスと違って最初からじつに感情豊か。ソロ行動をしていることから、仲間との濃い交流があったわけでもなさそうなのに。これまた「どういうこと?」と疑問が生まれます。

なにより、「アイギスに嫌われたくない」というハッキリとした自我があるからこそ、メティスの行動が初期アイギスを知るS.E.E.S.メンバーやプレイヤーにとって矛盾しているように見えるのかもしれません。

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またメティスはアイギスに諭されこれまでのことを謝罪すると、アイギスに「姉さん」と呼んでいいかどうかを控えめに確認します。この尋ね方が非常にしおらしく、許可をもらって素直に喜ぶ姿を見てしまうと憎めません。大好きな姉の一挙一動で、感情が180度左右されているわけです。

このほかにもメティスは和解後、自分だけS.E.E.S.の腕章がないことに不満気味でした。そのあとすぐに腕章が与えられ気分は回復するのですが、不機嫌になっていた理由は「アイギスとお揃いじゃないから」。どこまでもアイギスによって感情が揺さぶられているようです。

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現時点ではさっぱり何者かわからないメティス。しかしながらメティスにとってアイギスは「大好きで守りたい存在」「嫌われたくない存在」であるということは明確です。いくらS.E.E.S.とギスギスしても、アイギスにさえ話しかけてもらえればご機嫌になっちゃう。

その不器用で一途な姿に、筆者はメティス沼へズブズブとハマってしまいました。

精神的に停止していたアイギスを揺さぶり、前に進ませる行動力

メティスのインパクトが強すぎてメティスのことばかり書いてしまいましたが、「エピソード アイギス」のあらすじや概要についてもざっと触れておきましょう。

S.E.E.S.メンバーは、無限ループする2010年3月31日から抜け出せないという状況に陥っていました。そして、このループ現象の原因と思しき未知の領域「時の狭間」とS.E.E.S.が関係しているとみなしたメティスが寮の地下から現れます(そしていきなり襲撃される)。

それからメティスにBIG LOVEを注がれることになるアイギスですが、じつは問題を抱えていました。

というのも、本編であまりにもいろいろな出来事が起きたため「エピソード アイギス」開始時点ではかなり沈んでいます。生きていく意味を見失っており、ひとりだけ進級せずラボに戻ることを選ぶことを決断しました。本編でせっかく人間らしい感情を獲得したのに……。

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そんなアイギスへの着火剤となるのが、メティスです。アイギスはメティスとの初戦闘時に窮地に追い込まれたことから、本編主人公と同じ複数のペルソナを扱える「ワイルド」の力に目覚めていました。

発現ペルソナは「オルフェウス」と、これまた本編主人公と同じペルソナ。同時にシリーズお馴染み「ベルベットルーム」への鍵も入手しており、じつに『ペルソナ』シリーズの主人公らしい立ち回りをしていくことになります。

運命なのか、皮肉なのか……アイギスはこれまで背中を追ってきた本編主人公を、能力的にも立場的にも後追いするかたちとなりました。心が止まっていたアイギスは、メティスをきっかけに新たな一歩を踏み出します。沈み切っていたアイギスにここまでの影響を与えるって、よほどの存在ですよ!?

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この影は……?

謎多きメティスはプレイヤーにとって気になる存在であると同時に、アイギスの精神にも多大な影響を与えている様子。もしかして、メティスの言う「守りたい」とは過剰なまでにアイギスを追い込んで「ワイルド」を発現させるという、大好きな姉に対してのスパルタ的なものなのでしょうか?

真意はメティスのみが知る、といったところで1時間に渡った先行プレイはあっという間に終了です。

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とにかく筆者はそんなメティスのことが、超 気 に な る !

冒頭でも述べましたが、まさか時を経てこんなにもメティスで心が揺さぶられるなんて本当に思いも寄りませんでした。令和の時代にメティスのことをこんなに考えることになるなんて。ちなみにメティスの担当声優は斎藤千和さん。マジでありがとうございます!

早く先を見させてくれないとオルギアモードを発動しそうな筆者。でも、いまから発動しちゃうと配信日にはオーバーヒートの反動で眠ってしまいそうだから制御します。

『ペルソナ3 リロード』のDLC『ペルソナ3 リロード: エクスパンションパス』はすでに販売中。第3弾アップデートとして「エピソード アイギス」が9月10日に配信予定となっています。

なお言わずもがなですが、『P3R』本編の後日談であるためプレイは本編クリア後を強く推奨します。いや、絶対にクリアしてからプレイしてくださいね!

きっとアナタもメティスの魅力に取り憑かれること、間違いなしです。

ライター
はちわたわちは(回文)メディアへの憧れとゲーム好きが融合してゲームライターに。幅広く手を出すが一番好きなジャンルはJRPG。特技はヒトカラ12時間。
Twitter:@8wataw8
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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