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弱点だらけの中戦車で、どう勝つか。シャーマンが歩兵との連携で戦局を支配する『Sherman Commander』プレイレポート

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『Sherman Commander』は、Daedalic Entertainmentが3月14日に発売した、第二次世界大戦で連合軍の主力として戦場を駆け抜けたM4戦車(通称:シャーマン)をテーマにしたゲームだ。

戦車といってもさまざまなタイプがあるが、M4は中戦車に属し、決して無敵の兵器ではない。車高が高く被弾しやすい構造や、ティーガーのような重戦車と真正面から撃ち合うには心もとない装甲など、弱点も多い。

では、シャーマンの持ち味はどこにあるかというと、「歩兵支援」だ。周囲の歩兵と連携し、互いの弱点を補完しあう。その組織的な戦い方こそが、第二次世界大戦においてシャーマンが大きな戦果を挙げた理由だった。

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そんなシャーマンらしさを忠実に再現するコンセプトで作られた本作では、プレイヤーが操作するのは戦車だけではない。歩兵部隊も同時に指揮し、シャーマンが活躍できる戦局を作り出すことにも重点が置かれている。

本作はいち戦車を操るタンクシミュレーターであると同時に、戦場全体を指揮するRTSでもあるのだ。

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文/kawasaki

※この記事はゲーム『Sherman Commander』の魅力をもっと知ってもらいたいDaedalic Entertainmentさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

鋼鉄の箱に閉じ込められる恐怖と高揚感──徹底したシミュレーター要素

本作の主役となるシャーマン戦車だが、その操作システムは緻密そのものである。
プレイヤーはシャーマン戦車の指揮官(車長)として、ドライバー、ガンナー、ローダー、バウガンナーと役割の分かれたクルーを束ねる。
戦車の移動のほか、砲弾の種類を選び、砲塔を旋回させ、狙いを定めて発射──これらひとつひとつの挙動を細かく指示するのだ。

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これだけでも十分に手がかかるが、真にプレイヤーを追い詰めるのは、極限まで制限された視界だ。基本的には装甲の隙間にある細いスリットやペリスコープ越しに、針の穴を通すような視野で戦況を読み解かなければならない。ハッチを開ければ視界は一気に開けるが、交戦中に身を晒せば、待っているのは狙撃による即死の運命だ。

この閉塞感極まる覗き窓の向こうで、腹に響く履帯の駆動音や、鼓膜を震わせる砲撃の轟音が絶え間なく鳴り響く。五感をジャックされるようなその没入感は、まさに戦車の鉄塊に閉じ込められた恐怖そのものだ。

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砲塔の旋回ひとつとっても、物理演算による重量感が操作の遅れとなって現れ、クルーへの指示も即座には反映されない。この「もどかしさ」こそがリアルだ。
クルーには士気や熟練度の概念があり、プレイヤーは鋼鉄の車両だけでなく、その中にいる「人間」のコンディションまでも管理しなければならない。思い通りに動かない鉄塊と、極限状態で揺れ動く人間。その両方を御する難しさに、最初は戸惑うばかりだろう。

しかし、その不慣れさを乗り越えた先には独特の気持ちよさが待っている。ひとつひとつの小操作を組み合わせて、戦車を思い通りに動かせるようになったときの達成感は格別だ。例えるならば、自動車のマニュアル操作が好きな人なら、あのギアチェンジの習熟に近い感覚がたっぷり味わえるだろう。

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指揮官として戦局を指揮するRTS──戦車だけでは戦い抜けない

冒頭で述べたとおり、いかにシャーマンを駆使しても、戦車だけでは戦場を戦い抜くことはできない。これを打破する本作のプレイヤーは、M4を操作するのと同時に、戦場全体を指揮する司令官の役割も担っている。

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本作における各ステージは、ノルマンディー上陸作戦やバルジの戦い、アーヘンの戦いなど、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の激戦区が舞台となっている。基本的なクリア目標は、指定地点の敵軍を排除し、歩兵で制圧することだ。

しかし道中には対戦車兵をはじめさまざまな敵兵が待ち構えており、厄介なのはそれらが最初から姿を見せていないことである。索敵もせずに舗装道路をシャーマンで突き進むのは、待ち構えている敵に「攻撃してください」と告げているようなものだ。

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そこで頼りになるのが歩兵部隊だ。戦車の操作中でも、Shiftキーを押しながら周囲の味方ユニットをクリック、あるいはドラッグで囲むことで行動を指示できる。マップ画面からの操作も可能で、歩兵をじわじわと前進させながら索敵を行い、敵の配置と数を把握してから攻め方を組み立てていく。本作には「戦術ポーズ(一時停止)」も搭載されており、複雑な指揮も冷静に行える。

歩兵ユニットにはそれぞれ役割がある。偵察や敵の対戦車兵・砲の排除を担う歩兵、展開に時間がかかるぶん射程内の敵歩兵を効率よく制圧できる機関銃部隊、敵戦車を直接破壊できる対戦車兵など、種類によって得意・不得意が明確に分かれている。これらの特性を理解し、無線による連携や砲撃支援を組み合わせるのが本作の醍醐味だ。

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たとえば敵の機関銃陣地を確認したら、その射程に入らないルートで側面から叩く。敵戦車と対峙するなら、苦手とする側面を突くのが定石だ。遮蔽物を活用しながらユニットを前進させ、隙を作ったところでシャーマンの砲火を叩き込む──この一連の流れがうまく噛み合ったときの爽快感は、純粋なRTSとも純粋なアクションとも異なる、本作ならではのものだ。

第二次世界大戦の戦車戦の醍醐味を、まるごと楽しめる

いち戦車の挙動と合わせて戦場のすべてを指揮するのは、一見大変そうに思えるかもしれない。しかし本作にはマニュアル操作のほかにカジュアルモードも用意されており、操作の負担を抑えながらプレイすることも可能だ。

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歩兵ユニットのAIも優秀で、敵が近くにいれば自律的に交戦してくれるため、プレイヤーは大まかな移動ポイントを指示するだけで事足りる場面も多い。
よく見ると歩兵は遮蔽物を自ら活用したり、建物を指定するとドアを蹴破って突入したりと、細かなアクションをこなしてくれる。戦況を俯瞰しながら、砲撃で崩れる建物やなぎ倒される木々など、2026年のタイトルらしい破壊表現を眺めるだけでも見応えは十分だ。

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「戦車だけでもダメ、歩兵だけでもダメ。ではどうするか」を指揮官の視点で考える。そこにあるのは、個の弱さを組織の力で補い、多角的な包囲網で敵を圧倒するという軍隊運営の真髄とも言える快感だ。

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戦車を題材にしたゲームは多い。RTSも、シミュレーターも数多く存在する。そのなかで本作は、その両方を高いレベルで融合させた点に最大の個性がある。戦車が好きな人は、シャーマンが活躍したあの時代に思いを馳せながら、ぜひ一度プレイしてみてほしい。

編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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