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過去のやらかし「黒歴史」をきちんと明言して反省する衝撃の誠実さ。『キングダム 乱 -天下統一への道-』公開収録は、ユーザーと向き合い続けた8年が凝縮された、プレイヤーと運営との距離が近すぎるイベントだった

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人気アニメ「キングダム」の世界観を存分に体感できる、戦略バトルRPG『キングダム 乱 -天下統一への道-』(以下、『キンラン』)は、2026年2月にサービス開始から8周年を迎えた。

そこで2月21日にサービス8周年を記念し、公開収録イベントを実施。収録内容は後日公式YouTubeチャンネルにて公開予定だ。

『キングダム 乱 -天下統一への道-』サービス開始8周年記念の公開収録レポート_001

収録には、森遥香さんによるMCのもと、プロデューサーの吉澤英之氏、ディレクターの永野雄太氏、アートディレクターの平井信明氏らが出演。今後のアップデート予定などが発表されたので、本記事でお届けする。

取材・執筆/キック一郎
編集/恵那

超ユーザーフレンドリーな距離感近すぎの運営

運営型ゲームとしての継続年数で10年の大台に迫った『キンラン』。今回のイベントでは、そんな長期サービスを支えるかのようなユーザーとの親密さが強く押し出されていた。

まずは出演陣の登壇前に、8周年を振り返るイメージムービーが公開。
冒頭で、2018年3月のゲーム内イベント「秦の怪鳥襲来!」にて、直前にガチャで有償販売したUR王騎の「武運」が無償で入手できてしまったことを振り返り。ユーザーからの不評を招いたことを真摯に反省するという、驚きのナレーションが入っていた。

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出鼻からゲーム運営上の手痛い出来事を「黒歴史」として公言した映像に、会場は大ウケ。一般的なソーシャルゲームとは一線を画す語り口に、来場者側も衝撃を受けていた。

会場が冷えることはなく、しっかり笑いに昇華されていたので、いかに本作の運営がユーザーに親しまれているのかを感じることができた。

そして、2018年から現在にいたるまで、同盟討伐戦での城がゲーム内で消失するといった、数々の事件と反省もまとめて語られていった。

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しかし、会場の空気は終始あたたかく、その直後に登壇した吉澤氏、永野氏、平井氏ら3名は、来場者の熱烈な拍手で迎えられる。さらに、動画配信サービスなどで活動するユーザーも舞台袖に出演し、各情報の発表時に制作陣と密接に語り合っていた。

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8周年について、制作陣からの謝辞に加えて、原作者の原氏からのお祝いメッセージも。原氏は、本作について『キングダム』を扱うアプリゲームで最長の運営であり、10周年に向けて制作陣に期待を寄せた。

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続けて、制作陣は現状の運営における留意点や、8年間のサービス中に転換点となった方針変更などを明かした。

それらの中でも、とくに重要なモットーとして「どれだけ面白くても“不満は引退の入り口”である」ことが掲げられているそうだ。運営上は第一にユーザーの不満、不快、不便、不自由といったネガティブな感情を生み出す問題や、課題の解消を優先しているという。

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ゲーム内の要素に関しては、2021年8月に実装された「同盟争覇戦」が大きな転換点になったとのこと。

個人の強さを競うゲームから、チームでの勝利を目指すゲームになったことで、運営方針に「ユーザー同士の会話や関係性が自然に生まれるか?」という観点が企画検討時に重視されるようになったそうだ。

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これまでのゲーム性とまったく異なるローグライト系コンテンツが登場予定

ゲーム内の情報については、おもに「師弟の修行」「コンテンツ改修」「ローグライト系の新規コンテンツ」といったアップデート予定が明かされた。

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「師弟の修行」には、今後デイリーミッションが追加。毎日、簡単にクリアできるミッションを達成することで、師匠と弟子の双方が報酬を獲得できるように。

ミッションの中には、弟子が師匠に質問や相談をするというものも実装。育成や攻略の相談からちょっとした雑談まで、毎日のやり取りが自然と生まれる仕組みになっているそうだ。

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師匠と弟子がともに挑戦する「共炎ミッション」が追加。ビンゴ形式のウィークリーミッションで、3×3のパネルのビンゴを達成時に両者に報酬が与えられる。

もちろん、すべてのパネルを埋める必要はなく、毎週1列がメインとして設定され、その列をクリアするだけで、主要な報酬が手に入るそうだ。

「師弟の修行」のコンテンツ内にも変化があり、「師弟マルチ」では師匠と弟子の二人、もしくは弟子同士でマルチクエストに挑戦可能。コスト無料かつ、報酬は2倍といった特典付きで、マルチクエストをプレイできるとのこと。

また「師弟の天啓」では、誰か一人が天啓を当てることで、すでにハズレを引いたユーザーも含めて、コミュニティの全員が報酬を獲得。総じて、師匠と弟子たちが「ともにプレイしている」と感じられる体験の強化を目指すそうだ。

「大同盟戦」には、2026年内に「魏国編」が追加予定。将来的には、「同盟討伐戦」と同じように4つの開催ローテーションが用意されるとのこと。

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また「連撃戦線」では、新たに「楚国編」を追加。開催期間が1週間に変更される。

「同盟討伐戦」は、開催時間が任意で選択可能に。援軍のお気に入り設定もできるようになり、「秦国編」以外の各編の「三大天級」にも、新たな戦場が追加される。

さらに『キングダム』アニメ第6シリーズに登場した新規武将を中心にボイスが収録予定。キタリ、馬南慈、ダント、田里弥、太子嘉、亜光、巨暴、トッヂ、姚賈、京令らのボイスが追加されるほか、今後ほかの武将にも実装予定があるそうだ。

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大規模なアップデートとして、各ユーザー手持ちの武将ではなく、挑戦する度に展開が変わり、ゲームオーバーになると基本的にゼロからやり直すローグライト形式のコンテンツが開発中。

『キンラン』の軍編成をテーマとしたデッキ構築型のコンテンツで、独自のゲーム内通貨を使用し、武将や装備、アイテム、計略などを購入しながらクリアを目指していく仕組みだ。

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武将育成状況が結果に影響するランキングイベントと、武将育成状況に関わらず、すべてのお客様が同一条件で競い合うランキングイベントの両方を開催予定とのこと。

コンテンツ内のやり込み要素も多い反面、育成を進めてしまえば、1回だけの挑戦(少ないプレイ時間)でも育成状況に見合う報酬を獲得できるようなバランスを検討しているという。

制作体制まで赤裸々に明かされたQ&Aコーナー

イベントの後半では、事前に寄せられた質問に、制作陣が答えるQ&Aのコーナーへ。

最初に寄せられたのは「武将や追想のイラストは何人体制で制作しているのか?」という質問。

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平井氏は回答で、なんと5名という驚きの人数を明かした。外部への発注はなく、すべて内製で制作。1人が1枚すべてを担当するのではなく、ラフ線画や着彩など工程ごとに臨機応変に各員が対応しているため、現状の圧倒的なクオリティを保ちながら、5人で制作できているのだという。

続いての質問は「新しい機能の追加時に、とくに気にかけていること」について。この質問には、イベント前半で語られたモットーと同じく、「ユーザーの皆さんが『キンラン』をより楽しく、快適に遊べるものか」という回答が。

とくに「継続して遊びやすくなるか、長く寄り添えるゲームになるか」を最優先に判断。開発期間や不具合リスク、収益性といった現実的な側面も考慮する反面、最終的には「皆様に末永く楽しんでいただけるかどうか」を判断基準にしているそうだ。

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3つ目は「新武将のスキル設定や討伐戦などのステージの決め方」に関する質問。

スキル設定は、まず「スキル内容よりも先にスキル名から考えることが多い」らしく、そこから武将の持ち味が明確になっていくのだとか。

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ステージは、「この武将やスキルを活躍させたい。森、雨、城などの要素を活かしたい」といった大枠のコンセプトを共有したうえで、具体的な遊びや演出は、制作メンバーに一任されているそうだ。

4つ目は「新コンテンツや新機能追加の実装時にチーム内で揉めることはあるか?」という質問。

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チーム内で議論が平行線にならないように、役割ごとに最終決定権者を明確にしているため、揉めることはほとんどなく、重要な案件は永野氏が最終的に判断するとのこと。

5つ目で最後の回答となり、「使用率上位武将ランキングで、意外な武将がランクインすることはありますか?」という質問が寄せられた。

全体としては予想を逸脱するランクインは少ないものの、運営チームが本気で驚くケースも多々あるそうだ。とくに直近のランクインでは、張唐が運営チーム全体の度肝を抜いたのだとか。

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今回のイベントで実施されたステージは以上となる。
ユーザーフレンドリーさに、運営上の失態からも目をそらさない誠実さが両立された本作。10周年の節目に向けて、どのような展開があるのか、今後も注目していきたい。

ライター
ゲーム、アニメ、マンガ、舞台など、イベントレポートやインタビューを含めたエンタメ系ジャンルを中心に活動するフリーライター。各分野の経験を活かして、ゲームの魅力を楽しくわかりやすくお届けします。
編集・ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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