シーズン2が、終わった。
5月6日(水)、HoYoverseの『ゼンレスゾーンゼロ』Ver.2.8アップデート「新・エリー都の落日」が配信され、衛非地区を舞台に積み上げてきた物語がひとつの区切りを迎えた。 次なる舞台「ロスカリファ」へ向かうための、いわば最後の助走である。
そして実に”混沌”としていた。
ラミルの正体、パエトーン兄妹に迫る新たな影、プロメイアの加入──情報量が盛られまくった今回のストーリーは、いまだに感情の着地点が見えてこない。シーズン2をここまで追いかけてきたプロキシほど、頭を抱えているんじゃないだろうか。
そんな混沌の中で燦然と輝いていたのが、お調子者コンビのビリーとシーシィアだ。
「出会って間もないのに波長が合い過ぎだろ」とツッコまずにはいられない2人だが、シリアスな展開をものともしないそのテンションが、今回ばかりはありがたかった。
深化していく『ゼンゼロ』世界の闇と、光り輝くアホの子約2名──そのコントラストが、今回のVer.2.8をひと言で表している。
本稿では、Ver.2.8「新・エリー都の落日」のストーリーをプレイした感想を中心に、シーズン2のここまでの歩みも振り返っていきたい。なお、ストーリーのネタバレを含む内容なので、気になる人は先にゲームをプレイすることを推奨する。
※この記事は『ゼンレスゾーンゼロ』の魅力をもっと知ってもらいたいHoYoverseさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『ゼンゼロ』は確実に大きな物語へと育っている
Ver.2.0から始まったシーズン2も、いよいよVer.2.8で終幕を迎えようとしている。ここに至るまでの道のりは決して短いものではなかった。
思い返せばアングラ感満載のシーズン1最初期は、各陣営の自己紹介といったテイストが強く、なかなかパエトーン兄妹の物語が進まなかった記憶がある。
それでも、Ver.1.4「星流れ、神鳴の奔るが如く」で待望の「星見雅」が実装されると、ここを起点に物語のギアが一段強く入ったようだった。
あれは単なる軌道修正ではなく、新しく登場するエージェントを物語に絡ませながらも、パエトーン兄妹のバックボーンにしっかり踏み込んでいくことで、プレイヤーが“自分ごと”として受け止めやすくなったような感触がある。
とりわけ、朱鳶にプロキシ業がバレたときは、本当に胃がキリキリした。
そうした前提で始まったシーズン2は、『ゼンゼロ』という作品の見え方をさらに変えたアップデートだったかもしれない。
これまで六分街を中心に各陣営の魅力を積み上げていく見せ方は、群像劇的でもあっただろう。シーズン2からは切り口に捻りを加えて、“この世界で何が起ころうとしているのか?”というマクロな問題提起を群像劇に足してきた。
また、キャラクターの見せ方も「陣営」というひとつのまとまりで描くことを避けるようになり、一人ひとりを緻密に描写するようになってきた。
『ゼンゼロ』のエージェントたちは、往々にして過去が重いのだが、シーズン2はそうした部分をねっとりと書き上げてきて、本当にイヤらしいと思う。 ビッグ・シードのエピソードなんて、真夜中に男泣きしたほどである。
物語のスケールは拡大し、キャラクターの心理描写はより繊細で、より残酷になった。
ここまでを振り返ると、小さな街で闇の仕事をひっそり続けていたパエトーン兄妹は、徐々に協力者を増やして表の世界で活躍し始めている。しかしその一方で、新エリー都の権力者たちを敵に回すことも増えてきた。
それは旧都陥落事件の真相や、パエトーン兄妹が慕う「先生」の行方を探るうえで障壁になりかねないリスクとも言える。
そして来るべきシーズン3で、パエトーン兄妹の立場はもっと複雑なものになる気配を見せている。
パエトーン兄妹の中に眠る異質な力、四大AIのひとつYoukai、秘匿された区域ロスカリファ、初代虚狩りのレミエール・ダンとミス・サンブリンガー、なぜか逃げ回っている邪兎屋のニコ……。
一体全体、『ゼンゼロ』の物語はどうなってしまうのだろうか。
そんな問いを抱えながら迎えたVer.2.8「新・エリー都の落日」は、予想を上回る混沌ぶりだった。
Ver.2.8は情報量がとにかく多すぎる
メインストーリー「新・エリー都の落日(上)」のラストで、「ラミル」に特殊な音動機を持ち去られたパエトーン兄妹。
その音動機は「始まりの主」を目にしてから苛まれている、原因不明の慢性的な不調を緩和する手立てだった。
今回実装された「新・エリー都の落日(下)」では、奪取された音動機を取り戻すべく、ラミルの行方を追うという趣旨の物語だ。
パエトーン兄妹としては、ただ音動機を返してほしいだけなのに、まさかあそこまで大事になるとは──誰も思わなかったことだろう。
共にラミルを追うのは、諸般の事情で邪兎屋の依頼からハブられたビリーと、表向きは有給休暇中ということになっているシーシィア、そしてひょんなことから一時的に同行することになったシーシィアの天敵(?)プロメイアの3名だ。

ビリーがうるさい。シーシィアはかわいい。プロメイアはサービス担当
前バージョンでは過去の掘り下げと人間的な成長を見せたシーシィア。一方のビリーは物語最初期のエージェントらしい貫禄を発揮していたが、今回は大金を注ぎ込んで手にした新しい力にだいぶ浮かれ気味だ。
もっとも、そんなお調子者2人のテンションでは到底カバーしきれない衝撃的な展開も待ち受けているのだが……。
どれくらい浮かれているのかと言えば、「見せ場をつくるためにエーテリアスを呼ぶ」「挿入歌付きの変身バンクを用意する」「パエトーン兄妹に妙なアテレコをして怒られる」などなど。
危険と隣り合わせのホロウ内部でこれである。1人だけテンションブチ上げだ。
大好きな特撮「スターライトナイト」を自己投影するビリーに対して、パエトーン兄妹とギャルの視線はちょっぴり冷ややかだ。何というか“思っていたよりリアクションが少ない”。
例えるなら、女性に理解されづらい趣味に夢中な夫を冷めた目で見ている奥さん、といった温度感に近いんじゃないだろうか。
また、ビリーの過去にも部分的にスポットが当たる。
意図せずビリーの過去が独り歩きしてしまい、本人は微妙に困惑している様子だ。 あの「無敗のチャンピオン」ことライトが、ビリーを「パイセン」と呼んで慕う理由も話の流れから判明した。
ラミルの行方を追うなかで、前バージョンに登場した悪党「ロームル」に再び襲われるパエトーン一行だが、何やらロームルの様子までおかしい。
サイボーグ化して量産されているだと……?
おまけに華麗なパワーアップを遂げたビリーの行動も安直なトラップによって封じられてしまい大ピンチ。そこへやって来たのがプロメイアだった。
前回、プロメイアと敵対したシーシィアも、今回ばかりは共闘してメカロームルたちを迎撃していく。こうして窮地を切り抜けた後、プロメイアのほうから同行を申し出てくる。願ってもない誘いを受け、一行はラミル探しに本腰を入れていくのであった。
プロメイアの“無口で冷酷な処刑人”というイメージは相変わらず拭えていない。いくら行動を共にする新しい仲間といっても、シーシィアは虚勢を張って警戒心MAXである。
今にも『シャーッ!』というシーシィアの威嚇が聞こえてきそうな勢いだが、果たして彼女たちの関係が改善されることはあるのだろうか……?
そして、今回のストーリーではサプライズとしてプロメイアの“サービスシーン”が用意されていたりもする。これは……もしかしなくともご褒美ですか?
シーズン2のラストになんてものをブチ込んできたんだよ、HoYo。とどのつまり、今回のメインストーリーも見どころたっぷりなのだ(意味深)。
ラミルの正体はやっぱりあの人。そしてパエトーン兄妹に、またひとつ不穏な影が迫る
どこか浮世離れしているピンク髪の女性ラミル。言葉の端々から「いつの時代の人なんだろう」と首をかしげたプロキシたちは数知れない。
それもそのはずで、何を隠そうラミルは100年前の英傑。正体は「初代虚狩り」のひとり、レミエール・ダン中佐その人だった!
「誰だっけ?」と、名前だけではピンと来ない人もいると思うが、一応補足すると、2024年7月に公開された下記の動画のサムネイルに登場する人物だ。
筆者としても「なんか似てね?」「多分そうじゃね?」くらいには予想していたのだが、結果的に、そのままダン中佐ご本人であることが、なぜか本バージョンの配信前PVで盛大にポロリされてしまった。
作中描写から考えるに、“100歳近い年齢では説明できない若々しさ”などの謎は残る。そのあたりはシーズン3の中で明かされるのだろうか。

『ゼンゼロ』の謎といえば、パエトーン兄妹もまだまだ謎だらけだ。ヘーリオス研究所、カローレ・アルナ、旧都陥落事件、零号ホロウ。
パエトーン兄妹にまつわるさまざまなキーワードが『ゼンゼロ』初期から登場しているものの、それらの情報はひどく断片的である。考察を巡らせているユーザーも多い。
パエトーン兄妹は、その特異な体質から、他のプロキシとは一線を画す技術で裏社会を生き抜いてきた。だが、シーズン2から徐々に“その力の代償”とでも言うべきか、悪魔や幻覚に苦しめられ、不穏さが増してきている。
Ver.2.8のクライマックスでは、いよいよ歯止めが効かなくなりそうで……?
黒枝の裁決官プロメイア、強くて冷酷で……歩き方が話題すぎる
Ver.2.8では、前半にS級エージェント「プロメイア」、後半に「スターライト・ビリー」が登場する。
今回は、すでにピックアップ中のプロメイアについて見ていこう。プロメイアは氷属性・異常タイプのエージェントだ。
固有スタック「氷刑」を消費しながら、「狂咲」を誘発させて敵を一気に削れるアタッカータイプの性能となっている。 エージェントの性能はもちろん大切なトピックだが、それ以上に、SNSでプロキシたちを沸かせているのがあのネタだ。
おお……これは黒枝の歩く有罪判決。
プロメイアは、クールでカッコいいキャラクターではあるのだが、外套を脱ぐと実はトンデモない格好をしていたりする。
バトルでは一部のスキルを発動した際に外套を脱ぎ去り、両手の拘束を解いた本気(マジ)の攻撃を仕掛ける。その中でも「枷の赦し」状態は敵にダメージを与えながら、けしからん格好でクールに練り歩くのだ。
こんな処刑人に処されるなら、辞世の句を忘れてもいい。
ちなみに、これまたトンデモなところにホクロがあったりするのも蠱惑(こわく)ポイント。正直視線に困るのだが(棒読み)、「見て!!」というHoYoの強い主張を感じる。
プロメイア自体は、アタッカーとして十分活躍できる性能でありながら、シーズン3から新登場する風属性エージェントとの相性も期待されており、まだまだ可能性を秘めたキャラクターだ。
物語でも“肉食系ウサちゃん”こと照ちゃん先輩の計らいがあって、プロメイア自身にも徐々に変化の兆しが見えてきている……かもしれない(プロメイア本人はちょっと困惑気味)。
シーズン3でも新登場のキャラクターたちに埋もれることなく、強くて冷酷な処刑人であり続けてほしいと願う。しばらくはお色気枠に数えられてしまいそうだが……。
さて、プロメイアをはじめとする新たな仲間を得て、『ゼンゼロ』の物語は確実に大きくなった。そしていよいよ、次の舞台“シーズン3”がいよいよ姿を現しつつある。
その舞台は、旧都上空の浮遊島に築かれた「空域機密特区・ロスカリファ」だ。Ver.2.8で正体が明かされたレミエール・ダンが深く関わるこの地に、パエトーン兄妹はどんな経緯で足を踏み入れるのか。ミス・サンブリンガーとは何者なのか。
シーズン2で積み上がった謎の答えが、ここで少しずつ解き明かされていくはずだ。
肝心なことの根っこは何も解決していない。むしろ「混沌」を極めていく一方だが──だからこそ、次の展開が楽しみで仕方ない。


































