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第四境界の新作『人のゲームカセット』をひと足お先に遊んできた。キャラはかわいいのに、中身は今回もやっぱり不穏

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2026年5月22日から24日まで開催されるゲーム展示イベント「BitSummit PUNCH!」の会場で、ひときわ異彩を放つタイトルに出会った。それが、第四境界が手がける最新作『人のゲームカセット』だ。

『人の財布』をはじめとする謎解き作品を生み出してきた第四境界は、現実世界や私たちの日常にジワジワと侵食してくるようなARG(代替現実ゲーム)を仕掛けることで知られる気鋭のクリエイター集団だ。

『人のゲームカセット』は、かつて “ある人物” が所有していたゲームカセットで、その人物のセーブデータがそのまま残されているらしい。本作は「PLAYGATE」という架空のゲーム機向けのタイトルとして発表されたばかり。

専用ブースには、「PLAYGATE」の実機も展示されていた。

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あたかも存在していそうなゲーム機だが、これはビットサミットの展示用に作られたものらしい
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これが『人のゲームカセット』

会場ではPC版による試遊が行われており、筆者は20分ほど遊ばせていただいたが、その短い時間のなかでも、「他人のセーブデータを読み込みゲームを進行させる」という内容からはじまる「現実を巻き込む謎解き要素」がしっかりと発揮されていた。

開発スタッフの方からは「ぜひまっさらな状態で遊んでほしい」と伺っているため、本稿では本作の”入り口”だけでも紹介させてほしい。

文/TsushimaHiro
編集/柳本マリエ

【ご注意】本稿には『人のゲームカセット』の冒頭部分に関する記述が一部含まれます。前情報なしで遊びたい方は、閲覧にご注意ください。


名前入力から謎解きスタート

いざ、席についてゲームを開始すると、筆者はいきなり絶望を叩きつけられた。
最初に「主人公の名前」を入力する画面がでてきたので適当に入力すると、唐突に「GAME OVER」の文字が表示されたのだ。

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いきなり酷いじゃないの。

まだ名前を入れただけなのに終了だなんて……。ひと筋縄ではいかないのが第四境界作品の特徴ではあるが、ここは潔くいったんタイトルメニューに戻ろう。

そして、冷静になって考えてみる。

このゲームのタイトルは『人のゲームカセット』なのだから、「前の持ち主のデータが残っている」わけだ。

そこで「つづきから」の項目を覗いてみる。すると、そこには見知らぬ名前で作成されたセーブデータがぽつんと残されていた。おそらく、この他人のデータこそが本作の導入部なのだろう。

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ネタバレ防止のため、モザイク処理をかけております。

他人のプレイデータを勝手に見るという、ほんの少しの背徳感を抱えながらロード画面を開いてみると、そこにはなんとも不穏で悲痛な光景が広がっていた。

そこに描かれていたのは、誰が見ても救いのない光景だ。

具体的なストーリーはわからなくとも、それがどう見てもハッピーエンドではないことは伝わってくる。プレイヤーの選択により結末が異なるマルチエンディング式のゲームだとしたら、「バッドエンド」の直後であるような雰囲気が漂っているのだ。

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「なんとかして、このゲームで良い結末を迎えられないだろうか?」
そんな思いが、筆者の心に湧き上がってくる。

ふたたび「はじめから」を選び、ここでようやくピンときた筆者は “とある名前” を入れてみた。すると、今度は「GAME OVER」にならずにゲームが開始された。

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中古ショップで昔のゲームカセットを買ったとき、前の持ち主のセーブデータがそのまま残っていて、見知らぬ誰かのプレイ履歴を覗き見してしまったことはないだろうか。

一連の体験から察するに、本作はまさにその「他者の痕跡に触れる体験」自体が、物語の重要な入り口として機能しているようだ。このゲームカセットを手にしたときから、すでに体験は始まっていたのか!

ゲーム画面の外側へと広がるARG体験

本作の物語は、ふたりの若者が村の秘密基地で遊んでいるシーンからはじまる。他愛のない遊びに興じていたふたりは、突如として現れた謎の老婆により、別世界へと飛ばされてしまう。

その先に待つのは謎の異形。それらを撃退するため、主人公はお祓いの儀式を決行する。

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しかし、当然ながら筆者は見たことも聞いたこともない謎の儀式のやりかたなど知らない。画面内で集められる情報にも限りがあり、完全に手詰まりになってしまう。

なにかヒントはないかとあたりを見まわしてみるも、他人が所有していた中古のゲームカセットだからか、本作には説明書が付随していない

手元にあるのはゲームカセットの「箱」くらいだが、ここで筆者はとある文字列を見つけた。するとスタッフの方から「よく気づきましたね」と声をかけられる。

そうして今度は、ゲーム内で見つけた特定の「キーワード」を入力して検索できるようになった。

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つまり、ゲーム内の画面で得たヒントを現実世界のブラウザに入力して謎を解き、その結果をまたゲーム内にフィードバックしていくという構造だ。

謎のサイトを調べさせる手法は第四境界の得意技として知られているが、本作にもしっかりとその要素がちりばめられているようだ。舞台はゲーム画面の “中” から、プレイヤーがいる現実の “外” へとシームレスに侵食してくる。

どのようなワードを組み合わせれば先に進めるのか、筆者は10分ほど頭を悩ませながら謎解きに没頭した。

ひらめきが現実とゲームを繋ぎ、謎が解けて先に進めた瞬間は格別だ。この快感は、ぜひ実物を遊んで直接味わっていただきたい。

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余談だが、冒頭にも書いたとおり会場には本作のプラットフォームとされる架空のゲーム機「PLAYGATE」の実機が展示されていた。現在はまだディスプレイ専用とのことだが、手のひらサイズのかわいらしいデザインだった。

こんなにかわいいのに中身は今回もやっぱり不穏。それこそが第四境界だ。20分ではまだなにもわからなかったので製品版で確かめるしかない。

第四境界の新作『人のゲームカセット』は、現在公式ストアにて7150円(税込)で予約を受付中。記事執筆時点で一般販売は売り切れており、次の発送時期は7月末から8月となっている。

編集・ライター
『MOTHER2』でひらがなを覚え、ゲームと育った生粋のRPG好き。キャラメイクや物語が分岐するTRPG的な体験を好む生態。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳を経て、『バルダーズ・ゲート3』を独力で全訳し完走。『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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