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『メタルギア』シリーズの魅力を今だからこそ語りたい! 当時は他人事として流していた物語も、18年の時が経つと考え方がけっこう変わる

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潜入ミッションと経営シミュが楽しめる『MGSPW』

『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』レビュー・感想・評価_022

続いての収録タイトルは、『MGSPW』です。

ナンバリングされていないタイトルは、外伝やifストーリーとして扱われ、“メタルギアサーガ”の正史ではないことが多い『MGS』シリーズでは珍しく、『MGSPW』は、ナンバリングがされていないにも関わらず正史として扱われています。

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今回のコレクションで収録されているのは、PS3でHD化された『MGSPW』の移植になりますが、もともとはSONYの携帯ゲーム機「PlayStation Portable」で発売されたタイトルです。

マスターコレクションの『Vol.1』と『Vol.2』に収録されたタイトルたちを振り返っていると、あらためて発売されているゲーム機の機種の多さに驚かされます。長い年月を走り抜けて積み上げられていったシリーズなんだなぁと感じますね。

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シリーズ好きの講釈はこれくらいにしておきまして、『MGSPW』の話に移りましょう。

本作の主人公もスネーク。しかし、彼は『MGS4』の主人公だったオールド・スネーク(ソリッド・スネーク)とは別人です。

『MGS』シリーズには、片手では数えきれないくらいのスネークたちが出てくるのですが、『MGSPW』の主人公は、『METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER』(以下、MGS3)の主人公でもあるネイキッド・スネークであり、その通り名は、伝説の英雄 “BIGBOSS” 。

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『MGS3』で描かれた「スネークイーター作戦」から10年後、コロンビアでどの国家にも所属しない軍隊を作っていた彼は、「スネークイーター作戦」で対峙した最愛の人、自らの師匠であるザ・ボスの声が録音されたテープを聞き、謎の武装集団の調査と排除の依頼を受けることになる……というのが、本作のあらすじです。

『MGS』シリーズのストーリーの面白さの要因のひとつが、現実の出来事と作中の出来事がリンクしているということ。
実際に起きた事件が物語の中に引用され、現実と虚構が交じり合うことによって、ストーリーにリアリティが生まれているのです。

『MGSPW』では、「持たず、作らず、持ち込ませず」の「非核三原則」を唱えた佐藤栄作元首相がノーベル平和賞を受賞し、東西冷戦が継続している世界情勢を背景に、「AI兵器」や「核抑止力」といったテーマとともに、ビッグボスのザ・ボスに対する棄てきれない思いが描かれています。

本作のストーリーもかなり重厚で、「平和は人間の関係にとって不自然な状態」「他人との関係は、常に戦争に脅かされている」など、考えさせられるセリフも多く登場します。現在の世界情勢と照らし合わせながら見ていくと、その奥深さがさらに増していきます。

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『MGSPW』のストーリー面における特徴といえば、やはりムービーを外すことはできないでしょう。
“メタルギアサーガ”の他タイトルがCGによるムービーを多く使用しているのに対して、本作では、バンドデシネのようなイラストをベースにしたムービーが多く登場します。

「バンドデシネ」とは、ザックリ言うとフランス語圏の漫画のことで、日本では『タンタンの冒険』シリーズや『ブラックサッド』シリーズなどの作品で知られています。
当時、初めてバンドデシネのムービーを見た時は、正直、「ちょっとクセが強いかも」と感じていましたが、ムービーを見れば見るほどバンドデシネのカッコよさが伝わってきて、気が付けば完全に虜になっていました。

バンドデシネ風のパートは、ムービー中にプレイヤーが操作をする場面も多々あるため、そういった意味でも目が離せないものになっています。

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ちなみに、「バンドデシネ」と『MGS』シリーズの関りは深く、『MGS』『MGS2』をベースとした物語を映像で観て楽しむ『METAL GEAR SOLID BANDE DESSINÉE』というシリーズも制作されています。
これらの作品は、マスターコレクションの『Vol.1』のボーナスコンテンツとして収録されているので、こちらもオススメですね。

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そして、『MGSPW』もネタが多く仕込まれていて、名作映画へのオマージュなどが随所に散りばめられています。

プレイしたことがある方にしか伝わらないとは思いますが、ザドルノフの一連のミッションもビッグボスの人間味が出まくってて最高でしたね……。

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さて、『MGSPW』のゲームとしての特徴として、ミッション形式で物語が進んでいくということが挙げられます。

『MGS』シリーズは、多くのタイトルが、ひとつのミッションが遂行されるまで物語が途切れることなく続いていくのですが、『MGSPW』では、ひとつのミッションが複数のミッションに細切れに分割されています。

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各ミッションが終了した後にはリザルト画面が表示され、そのプレイの上手さによって評価とランクがつけられます。

『MGS』シリーズの作品の多くは、ゲームをクリアした後に、ゲームプレイ全体の評価とランク付けがおこなわれるため、高評価をゲットするためのやり直しがかなりの重労働になるのですが、本作はそのやり直しが非常に簡単というのも嬉しいところ。
リプレイのサイクルが短いおかげで、私のような、ゲームが好きなだけで決して上手くはないプレイヤーでも、結構簡単に高評価をゲットすることができるのです。

また、『MGSPW』は、もともと携帯ゲーム機での発売だったということもあってか、他のタイトルと比べて、操作が簡略化されていて、3Dマップでのステルスを気軽に味わえる “初心者にもオススメしやすいMGS” という印象です。

そのもうひとつの理由が、「マザーベースの運営」があるということ。

ビッグボスがトップを務める私設軍隊には、実戦部隊や開発班などの部署があり、そこに人員を配置していくことで、新しい武器が開発できるようになるなど、ゲームを有利に進められるようになるのです。

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特に、糧食班の存在は発売当時から面白いなと感じていました。

配置する人員が増えマザーベースが大きくなっていくということは、彼らを養っていくための食料の量も増えていくということ。糧食班は、それらの食材を確保するために組織された集団です。

マザーベースの運営画面には、常に食糧供給率が表示されており、これが100%を越えていると、兵士たちはステータス以上の実力を発揮することができますが、逆に100%を下回っていて空腹の状態が長く続くと、兵士たちがマザーベースから去ってしまいます。

この絶妙なリアリティが面白く、マザーベースを運営するときの楽しさを引き出しているのと同時に、悩みの種にもなりました。

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各部署に配置され、ビッグボスのサポート役となるスタッフたちは、潜入先で敵を麻酔銃で眠らせるなどして無力化したあと、バルーンで上空に高く打ち上げてヘリに収容する「フルトン回収」によって集められます。

冷静に考えてみると、人権も何もないようなとんでもない採用方法ですが、この採用活動がまた楽しく、ボス戦で詰まったりゲームにスパイスを加えたくなったりしたときには、ついつい寄り道してフルトン回収に明け暮れてしまうこともしばしば。

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マザーベースの育成は、メインストーリーにも大きな影響を及ぼすサイドミッションといった立ち位置で、そこまで熱心に取り組まなくてもある程度物語を進めることができるため、プレイヤーのスキルや趣向に応じて熱の入れ方を変えられるのが嬉しいポイントです。

私が個人的に思っている「名作の条件」のひとつに、「メインミッションもサイドミッションも楽しい」というものがあるのですが、『MGSPW』は、かなりサイドミッションが楽しい作品で、敵部隊との戦闘で戦利品を得る「傭兵派遣」や、オンラインでの他のプレイヤーと対戦ができる「VERSUS OPS」など、遊びがかなり充実しています。

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さらに、『MGSPW』では協力プレイを楽しむこともできます。
これは、基本的にソロプレイで孤独に潜入を楽しむ『MGS』シリーズにおいて革命的とも言える要素であり、オンラインで他のプレイヤーとつながることで、協力して潜入任務に挑むことが可能となっています。

協力プレイをすることによって、シングルプレイでは越えることのできなかった段差を乗り越えられるなど、協力プレイの旨味も用意されているため、『MGSPW』では、これまでの『MGS』シリーズにはなかったプレイ感も生み出されています。

本作は、マルチプレイで遊ぶことも想定された、パーティゲームの要素も多く盛り込まれたMGSと言っていいでしょう。

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それはさておき、本作でビッグボスが戦うボス敵のほとんどが無人で動く巨大なAI兵器。

『MGS』シリーズに出てくる敵は、その多くが、超人的な能力や人智を越えた技能を持つ「人間辞めてる系人間」なのですが、本作ではそういった敵はほぼ登場しません。

ビッグボスがそれらの兵器たちに身ひとつで立ち向かっていく様子は、まるで某ゲームのハンターのようで、それだけに、兵器を破壊できた瞬間の感動もひとしおです。

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そして、巨大なAI兵器を破壊した後に待っているのは、AI兵器の内部に入り込んで使える部品を持ち帰る「部品回収」なのですが、これはまるで某ゲームで倒したモンスターから素材を剥ぎ取っているかのよう。

ちなみに、ここで回収した素材たちは、核搭載二足歩行戦車「メタルギアZEKE」の開発に使われます。

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マザーベースの運営や協力プレイなどの親しみやすいゲーム性の中に、核抑止力やAI兵器などの強いメッセージ性のあるストーリーが織り交ぜられた『MGSPW』は、『MGS』シリーズの魅力が濃縮されたようなタイトルで、シリーズの入門編としても最適な1本です。

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充実のボーナスコンテンツ

さて、『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』に収録されているメインタイトルは以上の2作品となりますが、本コレクションには、それらのゲームとは別にボーナスコンテンツも用意されています。

ボーナスコンテンツは、マスターコレクションの『Vol.1』にもあった要素で、『Vol.1』では、ファミコン版の『METAL GEAR』など、ゼロから環境を整えて遊ぶには少しハードルが高いような、レアな作品などが収録されていました。

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そして、今回の『Vol.2』のボーナスコンテンツにも、レアタイトルである『METAL GEAR Ghost Babel』(以下、MGGB)が収録されています。

『MGGB』は、初代『MGS』の少しあとにゲームボーイカラー専用ソフトとして発売されたタイトルで、『MG』の7年後に起きた事件が舞台の外伝的作品です。

『MGGB』は正史ではないですが、“メタルギアサーガ”の年表と照らし合わせてみると、『MG2』と『MGS』のあいだに起きた出来事が描かれているということになります。

……ちょっと話がややこしくなってきましたね。オタクの悪いところが出てきてしまっている気がします。

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さて、こちらのタイトル、シリーズファンとしてソフト自体は中古で入手していましたが、コレクター魂が発動して袋から出せずに未プレイのまま放置してしまっていたので、実際に遊ぶのは今回が初めてでした。

「ゲームボーイのメタルギアってどんな仕上がりなんだろう」という期待感を胸にプレイをスタートしてみたところ、タイトル画面に行く前に流れるミッション説明から、ゲームのビジュアルがかなりカッコよくて驚きました。

この場面で交わされている会話は、ところどころ『MGS』のブリーフィングで聞いたことがあるような内容になっているのにも、ニヤリとさせられました。

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また、本作はスネークが仲間たちと交わす無線画面も作り込まれていて、特にスネークのグラフィックが良かったです。もとがゲームボーイカラーのソフトだということを考えると、かなり気合が入っていると言っていいのではないでしょうか。

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肝心のゲームプレイについてですが、『MGGB』は、ゲーム全体がいくつかのステージに分かれていて、各ステージをクリアすることでリザルトが表示されるという、『MGSPW』にも通じるシステムになっています。

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本作もステルスアクションであるため、他のタイトルとゲームプレイの基本は変わらず、敵に見つからないように任務を遂行することが求められます。

最初は、「ま、ゲームボーイだし、敵兵もそんなに賢くないでしょ」と、かなりナメた態度でプレイを進めていましたが、普通に敵に発見されて、何度も窮地に追い込まれてしまいました。

『MGS』シリーズと比べると、敵に発見されにくいことは確かですが、他のシリーズタイトルと同じように、プレイ中は常に、一瞬の気のゆるみが発見につながるという緊張感が胸を支配していました。

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今回のプレイではクリアまで辿り着けませんでしたが、『MGGB』、メチャクチャ楽しめそうです。ファンとしては、『MGGB』のようなシリーズの中でのマイナータイトルを現行機で遊べるというのは非常に嬉しいもので、他にも色々な作品で遊んでみたいなどと、贅沢なことを考えてしまいます。

……メタルギアらしいステルスアクションとカードゲームが融合した、PSPの『METAL GEAR AC!D』シリーズも何とかなりませんか?(超小声)

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さらに、今回のマスターコレクションのボーナスコンテンツには、収録タイトルのデジタルサウンドトラックも付属していて、好きな時に楽曲を楽しめます。

私のオススメは、『MGS4』の「Old Snake」「Love Theme」「Metal Gear Saga」「Father & Son」「Guns of the Patriots」、『MGSPW』のHEAVENS DIVIDE」「CHRYSALIS」「COCOON」です。
ちょっと名曲が多すぎて、まったく絞り切れなかったですね……。

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さて、今回ご紹介してきた『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』は、シリーズを追い続けてきたファンはもちろん、まだシリーズ作品にほぼ触れたことがない人にもオススメしたい……したいところなのですが、さすがに『MGS4』は100%楽しむために必要な前提知識が多すぎます。

なので、シリーズ未プレイの方は、マスターコレクションの『Vol.1』からプレイをして、”
メタルギアサーガ”の世界を一作ずつ楽しんでいただきたいと思います。

みなさんも、古き蛇、もしくは新たな蛇として、“メタルギアサーガ”で描かれる壮大なスネークの物語の世界に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

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©Konami Digital Entertainment

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ライター
レトロゲームから最新ゲームまで、面白そうだと感じた家庭用ゲームを後先考えず手当たり次第に買い漁る男。500を越えてから、積み上げたゲームを数えるのは止めました。 ディズニーアニメ・お笑い・音楽・漫画などにも広く浅く手を伸ばし、動画投稿者としても蠢いています。
Twitter:@DuckheadW
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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