筆者がゲームプレイで最初に死んだとき、画面に表示されたのはデスカウントではなく、残り時間だった。
その瞬間、これは普通のシューターじゃないと気づいた。
「複数のチームで生き残りを賭けて戦う」、「それぞれのキャラクターがユニークなスキルを持っている」──『Time Takers』(タイムテイカーズ)のゲーム概要を聞く限りでは、これまでに存在したバトロワ系のタイトルやヒーローシューターと大きな違いはないと思えるかもしれない。
実際、筆者もプレイ前はそんな先入観を抱いていた。しかし、CBTで数マッチ経験するうちに、その認識は覆された。
その理由は、このゲームにおけるリソース「タイムエネルギー」の存在だ。
単なるライフゲージでも、バトロワの安全地帯を狭める仕組みでもない。また、キャラクター成長だけに使うリソースとも異なる。そのどれとも違うが、そのどれもの役割を兼ねている。
タイムエネルギーは生き残るために必要であり、プレイヤーのアグレッシブな行動を促す役割であり、成長リソースでもある。さらに言えば、チームの命綱であり、駆け引きの核でもあるのだ。
これだけ多くの役割を一つのリソースに集約したゲームデザインは、プレイヤーの判断を求め続ける。貯めるか、使うか、渡すか。スピード感がある戦闘の中、素早い判断の積み重ねが、勝敗を分ける。
そんな本作は、日本時間9月5日2時から9月8日2時までの72時間限定で、「Steamグローバルプレイテスト」の開催が決定している。今回は地域制限がなく、Steamストアページから参加申し込みを完了すれば、誰でも参加可能だ。詳細は下記のプレスリリースを確認してほしい。
本稿では、今年3月に開催された第1回CBTで筆者が体験した内容をもとに、「Time Takers」のコアとなるゲームプレイの手触りをお伝えしたい。
文/咲文でんこ
編集/kawasaki
「タイムエネルギー」という発明。HPでもなく、安全地帯でもない第3の設計
「Time Takers」は3人1チームの三人称視点サバイバルシューターだ。それぞれのプレイヤーが選ぶ“トラベラー”たちはユニークなスキルを持っており、3人が役割分担をしてお互いにサポートし合う。そんな4チームがフィールドで戦い、最後まで生き残った1チームが勝利する。ここまではよくある構造である。
本作を決定的に他と分けているのが「タイムエネルギー」というリソースだ。
タイムエネルギーはフィールド上に出現する。タイムエネルギーは実時間の経過にあわせて減少していき、このリソースがなくなるとリスポーンできなくなるシステムになっている。

ここで重要なのは、タイムエネルギーが単なる生存のためのリソースではないということだ。保有上限は5分30秒で、これを超えた分は失われる。タイムエネルギーが残っている限り、何度もリスポーンが可能だ。
ただ、敵プレイヤーに倒されると、タイムエネルギーを奪われてしまう。しかもその量は、保有しているタイムエネルギー量に比例する。つまり保有しているタイムエネルギーが多いほど、奪われる量も多くなる仕組みだ。
タイムエネルギーは、マッチ中にトラベラーのレベルを上げるためにも使用できるリソースである。「生き残りたいから、できるだけ多く貯める」という目的と、「トラベラーを強化したいから、消費する」という相反する目的を持っている。ゲーム中は常にこのバランス取りを求められる。


さらに、各マッチは全7フェーズで構成されており、フェーズが進むごとにフィールド上のタイムエネルギーは減少していく。バトロワにおける「安全地帯の縮小」に近い圧力だが、ここが面白い。
安全地帯のように「特定のエリアが危険になる」のではなく、リソースの総量そのものが減っていくのだ。結果として、プレイヤーはフィールド上のタイムエネルギーを追って動き続けることになり、自然と戦闘が発生する。
「安全地帯に追われて動く」のではなく、「リソースに導かれて動く」。この違いは、プレイしてみると思った以上に大きい。
全員が同じ資源を追うからこそ、漁夫の利を狙う駆け引きや、タイムエネルギーで優位に立っているときは隠れて相手のリソースが先になくなることを狙う「チキン戦法」的な選択肢も生まれる。タイムエネルギーという要素のお陰で、新鮮なゲームプレイ体験を生み出しているのだ。
バトロワが「生き残ること」を目的にするゲームだとすれば、本作は「時間をコントロールすること」を目的にするゲームだ。この目的の違いが、立ち回りの思想そのものを変えている。

キャラは濃く、ビルドの幅は広い
本作に登場するキャラクター(トラベラー)はCBTでは12体がプレイ可能だった。
宇宙服を着たチンパンジーから封建時代の侍、中世の騎士に未来のエイリアンまで、さまざまな時代からトラベラーが集結しているという世界観もユニークで、それぞれにバックストーリーが用意されている。
トラベラーは大きく攻撃型、防御型、ユーティリティ型に分かれるが、本作の最大の特徴は「武器が固定されていない」ことだ。
CBTでは10種類の武器が確認でき、アサルトライフルや5連バーストライフルといったスタンダードなものから、弾が誘導されるボウガンや、エネルギーライフル、変わりどころでは火炎放射器や、味方を回復できる武器などが揃っていた。
同じトラベラーでも武器の選択次第で戦闘中の立ち回りは異なるが、ここは自由度を出すよりもシナジーを活かす組み合わせの方が良いと感じた。
具体的に言うと、アタッカー系のトラベラーはアサルトライフルや誘導系の遠距離武器を選ぶのが基本だ。タンク系のトラベラーは近距離で強い効果を発揮する火炎放射器、ヒーラー系のサポートタイプは味方を回復する武器が適している。
チーム内では同じトラベラー/同じ武器は使えないので、バランスが取りやすいシステムになっている。もし、アタッカー系のトラベラーが味方を回復する武器を選んでしまったという場合でも武器の交換を提案できる。この辺りは親切な設計になっていると感じた。

そして、筆者がプレイして最も重要だと感じたのが「ショップ」の存在だ。
マッチ中、ショップでパッシブスキル(ゲーム内では「アプリ」と呼ばれる)を購入できる。このパッシブアプリの選び方こそが、ビルドの核を形作る。トラベラー×武器×パッシブアプリの組み合わせによるシナジーが、プレイスタイルの幅を大きく広げている。
たとえば、開発元から提供された初心者向けビルドを見ても、同じキャラクター「アーサー」が誘導ボウガンを持てば遠距離防御型になり、火炎放射器を持てば近距離防御型になる。
さらにパッシブアプリで「緊急シールド」を付けるか「射程増加」を付けるかで、同じ武器でも戦い方が変わる。
パッシブアプリの種類は24種類あり、ここから最大で3種類が選べる。
攻撃系のパッシブアプリと一言で言っても、弾が当たった相手を炎上させて与ダメージを稼ぐスキルや、敵の被ダメージが上がるデバフを付与できるスキルもある。
1マッチで習得できるスキルは3種類あるので、射程を伸ばして、自分の移動速度を上げて、攻撃系のスキルを取る、というオールマイティな構成にもできるし、同系統のスキルを集中して取り、個性をより強くする構成も取れる。そこに、トラベラーごとの固有のスキルも絡んでくるので、ビルドの幅は相当に広い。
ここまで説明すると複雑に聞こえるかもしれないが、ゲーム内ではトラベラーにあわせたおすすめのスキルが強調表示される。まずはおすすめのパッシブアプリを取り、ゲームに慣れてきたらオリジナルのビルドを作るのがおすすめだ。

スピード感はかなりある。空中ダッシュ、ジップライン、そして誘導武器の安心感
「Time Takers」のゲームテンポは、率直に言ってかなり速い。
三人称シューターとしては相当にハイスピードな部類で、空中ダッシュで敵を翻弄したり、ジップラインのような移動ギミックでフィールドを駆け抜けたりと、常に動き続けることが前提の設計になっている。
「こんなに速くて弾を当てられるのか?」と思うかもしれない。実際に筆者も最初は当てるのが難しかった。だが、ここにも面白いバランスの妙がある。誘導系の武器がそれなりに追尾してくれるので、エイム力に自信がないプレイヤーでもある程度戦えるのだ。
精巧なエイムが効く場面ももちろんあり、弾が誘導される武器よりも、まっすぐ弾が飛ぶ武器の方が与えられるダメージが大きい。また、誘導武器の場合でも、ある程度は狙った方が弾が当たりやすい。
「エイムが上手い人は当然活躍できるが、そうでない人も充分に戦える。」この絶妙なラインは、チームベースのシューターとして好印象だった。
シールドの存在も大きい。相当しっかり狙わないと一気に溶かすのは難しく、ワンサイドゲームになりにくい設計だと感じた。高速移動+シールド+誘導武器という組み合わせが、見た目のスピード感ほどには理不尽にならない絶妙な手触りを生んでいる。
また、タイムエネルギーが残っている限り何度もリスポーンできるのも、個人的にはかなり好みだった。1デスで退場する息苦しさがなく、チーム単位での粘り強い立ち回りが可能になっている。


「一緒に動く」が超大事。分断されたら、もう終わり
ここまで書くと良いことずくめに見えるかもしれないが、CBTをプレイして痛感したのは「チーム連携の重要度が非常に高い」ということだ。連携、というほど高度なことができなくてもいい。
とにかく一緒に動くこと。これが本作の大前提だ。
本作にはチームメンバーとの「リンク」システムがあり、味方の大まかな位置を把握できるようになっている。加えて、チームメンバーとリンクしている時に「タイムエネルギー」を獲得すると全員に分配される。
さらに、味方にタイムエネルギーを渡したり、逆にもらったりすることができる。こういった機能があるため、リンクすることのメリットは非常に大きいのだ。逆に言えば、リンクから外れて単独行動すると、位置がわからなくなり、チームのリソース共有も断たれる。

筆者もプレイ中何度か、チームメンバーから分断されたことがあるが、相当に厳しかった。戦力差で不利なのは当然、それ以上にタイムエネルギーのリソース面で圧倒的に苦しくなる。獲得できるタイムエネルギーは少なくなるし、味方との融通が利かないからだ。
敵チームは当然3人で連携して攻撃してくるし、3人で回すべきリソースを1人と2人に分断されることでタイムエネルギー面でもジリ貧になっていく。エイムや細かい立ち回りのような個人スキルよりも、とにかくチームメンバーと共に行動すること。それが最も重要だと感じた。
逆に言えば、仲間と一緒に動いているときの安心感と楽しさは格別だ。余剰タイムエネルギーをチームメイトにシェアして生存をサポートしたり、リスポーンのタイミングを合わせて反撃に転じたり。「この味方と一緒にいれば大丈夫」と思える瞬間こそ、本作の最も魅力的な体験だ。
ただし、ランダムマッチで一緒に動いてくれないチームメイトに当たると、相当にフラストレーションが溜まった。ボイスチャットやピンシステムが実装されているので、こういったシステムを積極的に使っていくのがゲームを楽しむコツだ。

「時間を奪い合う」という新体験。正式リリースが楽しみな一作
率直に言うと、筆者はCBTの序盤、ゲームシステムを掴みかねていた。特にタイムエネルギーの使いどころがわからず、敵に奪われる一方で、トラベラーのアップグレードにも、味方をサポートするためにも使えなかった。この点は初心者が陥りやすいミスだと思う。
だが、3マッチ、5マッチとプレイを重ねるうちに、このゲームの深さが徐々に見えてきた。
特にタイムエネルギーの管理、溜めるシーンか使うシーンかの見極め。そして、トラベラーごとの特性とパッシブスキルの組み合わせ、誘導武器で不足しているエイム力を補完できること、そしてチームで固まることの大切さ──理解が進むと戦い方がわかってくる。
そうなると駆け引きのポイントや戦術が見えてくるのだ。
念のためお伝えしておきたいのは、決して難しいゲームではないということだ。
数回のプレイで充分に最初のコツは理解できる。1ラウンドの時間も5分~10分程度とテンポが良いので、まずは1時間プレイしてみてほしい。そうすると、このゲームの魅力が急に輝き出す。そこからやりこんでいって、ビルドの研究やマップの理解が進めばその輝きはさらに増すだろう。

「Time Takers」は、NC(※2026年3月にNCSOFTから社名変更)パブリッシング、韓国のMistil Games開発というタッグで、2026年内のPC・コンソール向け正式リリースを予定している。
今回プレイしたCBTの対象エリアは北米および南米の一部地域が中心だったが、冒頭でお伝えしたとおり、日本時間9月5日(土)からは地域制限のない「Steamグローバルプレイテスト」が72時間限定で開催される。
CBTでのフィードバックをもとにさまざまな改善が加えられているとのことで、今回のグローバルプレイテストでどのように進化しているのか、筆者としても楽しみだ。
時間が命であり、通貨であり、武器にもなる──この感覚は、実際に触れてこそわかるものだ。参加は無料、Steamストアページから申し込むだけでいい。
チームベース・タイムサバイバルシューターというジャンルに「時間をリソースとして運用する」という軸を一本通すことで、撃ち合いだけでは終わらない駆け引きを作り出している本作。
貯めるか、使うか、渡すか。漁夫の利を狙うか、隠れて相手のリソース切れを待つか。判断の選択肢が常に複数あるからこそ、エイム一辺倒にならない面白さがある。
最初の死で「残り時間」が表示されたあの瞬間の驚きは、プレイしてみないと伝わらない。バトロワやヒーローシューターに少し食傷気味だという人は、今回のプレイテストでまず1時間だけ試してみてほしい。
なにしろ本作は”時間”のゲームだ。72時間限定のこのチャンス、貯めずに使ってしまうのが正解だろう。








