Xbox360で初めて実績というシステムが登場して以来、多くのプラットフォームでゲームの達成度を示すシステムが導入されている。10年以上続く歴史の中で、達成すること自体がゲームに面白さを加えるものや、逆にゲームの面白さを著しく損ねかねないものまで、多種多様な実績が考え出されてきた。
そんななか、ここに「Go outside」(外に出よう)という唯一無二の実績がある。解除する方法は、5年間ゲームをプレイしないことだ。
この実績を搭載しているのは、一人称視点アドベンチャーゲーム『The Stanley Parable』だ。ナレーションの声に従うか、あるいはその声に反して別の行動を取ることでゲームは進行する。特にアドベンチャーのお約束とも言えるようなストーリーの不条理さを、メタフィクションとしておもしろおかしく描いている。ゲームの自由は本当の自由ではないことを自覚的に物語る、ホラーともコメディともつかないストーリーで高い評価を受けた。
そんな本作には、「5年間プレイしない」以外にも単純にボタンを5回押すだけだったり、設定ファイルを書き換えることで簡単に達成可能なものや、「火曜日に24時間ゲームをプレイする」といった厳しいものまで、個性的で奇妙な実績が用意されている。
I have the news you've all been waiting for.
— Davey Wreden (@HelloCakebread) October 17, 2018
Today is the first day that it is possible to legitimately get the Go Outside achievement in The Stanley Parable. pic.twitter.com/3ZxYbJdGhK
『The Stanley Parable』の発売日は日本時間で2013年10月18日。つまり、まともに遊んでいなければ、「Go outside」の実績は最短で2018年10月18日に解除される。「まともに」というのは、この実績には抜け道があり、パソコンの日付を5年進めることで簡単に解除できるのだ。
はたして、いったい何人が不正行為をせずにこの実績を解除できたかを調べるのは難しい。参考までにインターネット・アーカイブでこのページの過去の状況を確認してみると、もっとも新しいのが9月22日で、7.4%となっている。もうひとつ古い記録では4月26日で、こちらは6.9%となっている。
つまり、少なくとも発売日に買ったまま放置し続けて5年経った人はほとんどいないことが推測できる。新作ゲームを発売当日に買う熱心なファンが、ゲームをプレイしないというのは少々想像しづらい。実績解除の割合が増えていくのは、もう少し先になるだろう。なお『The Stanley Parable』をお持ちの方は、Steamのライブラリや購入履歴から購入日が確認できる。
※2013年に公開されたトレイラー。
期間が条件となって解除される実績というのは『Stanley Parable』だけに搭載されたものではない。たとえば2011年に発売された『Crysis 2』では、最初にマルチプレイを遊んでから6か月以上経った後にもう一度遊ぶと解除される「献身」という実績がある。
筆者を含め、いつかやろうと日々ゲームを買い続け、溜め込んでいる方も少なくないだろう。その中には、5年以上プレイしていないゲームもあるかもしれない。たまには昔買ったゲームたちを、もう一度確認してみてはいかがだろうか。
文/古嶋誉幸