No More Robotsの代表であるマイク・ローズ氏は、同社から3月6日に発売された王国運営RPG『Yes, Your Grace』が、週末の売上だけで60万ドル(約6000万円)に達したことを発表した。また初年度の売上は「Steamだけで25万本販売する見込み」だと明かしている。
https://twitter.com/RaveofRavendale/status/1237030706372579330
『Yes, Your Grace』は、イギリスに拠点を置くインディーゲームスタジオBrave At Nightが開発した王国運営RPGだ。プレイヤーは王様となって、玉座から国の政治を動かしていく。毎ターン訪れる国民の申し出に耳を傾けつつ、財政などのリソースを気にしながら、王国が直面するさまざまな課題を乗り越えていかなければいけない。
舞台はモンスターや魔法が飛び交う中世ファンタジーの世界だ。モンスターに襲撃された村人の避難所や、戦争の資金をどう確保するか。王女や娘、貴族たちも気にかけなければいけない。王国を円滑に運営するために将軍や狩人、はては魔女を雇うこともできる。美麗なドット絵と渋めのストーリーが特徴だが、残念ながら発売時点で日本語には対応していない。
マイク・ローズ氏からの発表によれば、本作は近年のインディーゲームにしては異例の大ヒットといえる。だが、Metacrticではメタスコアは78、Steamの評価も「圧倒的に好評」ではなく「非常に好評」と、本作そのものは極端に高い評価を受けているわけではない。
ではなぜ、ここまで大ヒットしているのか。その要因をマイク・ローズ氏がTwitter上で分析している。まずはSteamの「ウィッシュリストの重要性」だ。発売時には約8万人がウィッシュリストに登録しており、これが販売をけん引したというのだ。また、ウィッシュリスト登録の増加については、豪華なキーアートの作成や、パブリックベータの実施を要因に挙げ、特にベータ実施時には3万人がウィッシュリストに登録したという。
https://twitter.com/RaveofRavendale/status/1237031469324931073
また、発売時点から英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、ポーランド語に対応した「言語対応の幅広さ」も要因に挙げている。米国は売上げの27パーセントしか占めておらず、英語版だけで見た場合、実際の売上は3分の1に落ち込んでいた点を指摘。14パーセントの中国、11パーセントのドイツ、8パーセントのロシアと、言語対応している地域が売り上げの多くを占めることをあらわすデータを公開した。
他にも、人々は中世の時期に造られた城が“どちゃクソ好き”である点にくわえ、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の放送終了と同時に偶然にもアナウンスしたことや、No More Robotsの実績が作り上げた恵まれたコミュニティの存在を挙げ、マイク・ローズ氏はサポートしてくれた全ての人へ感謝の言葉を述べている。
『Yes, Your Grace』の価格は税込2050円。3月14日(土)までは10%オフの1845円で販売中だ。日本語には対応していないが、気になった人はウィッシュリストに登録してみてはいかがだろう。
ライター/福山幸司