コロプラは、『STEINS;GATE』などのIPを持つMAGES.の株式を取得。完全子会社にすると発表した(PDF)。これにより、MAGES.は4月3日(金)からコロプラグループの傘下に入る。取得額は、全株式260株16億1200万円となっている。
『白猫プロジェクト』や『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』のスマートフォン向けゲームを配信しているコロプラが、『STEINS;GATE』などの科学アドベンチャーシリーズ、ライブイベント、アニメやライトノベルなど、幅広く事業を手がけるMAGES.の株式を取得して傘下におく。
MAGES.は、2019年7月にKADOKAWAグループから独立。MAGES.の代表取締役社長・志倉千代丸氏が、同じく代表を務めるCHIYOMARU STUDIOからマネジメント・バイアウト(MBO)を実施し、 以前までの親会社ドワンゴが保有していた全株式を取得して、MAGES.はCHIYOMARU STUDIOの子会社となっていた。
今回の発表は、コロプラがCHIYOMARU STUDIOからMAGES.の全株式を取得した形だ。
なお発表に合わせて、志倉千代丸氏からのコメントが出されている。要約すると、MAGES.がこれまで行っていた音楽、ゲーム、アニメなど事業を手掛けつつも、これまでのMAGES.には「スマートフォンをプラットフォームとするビジネス」という重要なものが欠けていたとして、スマートフォン向け事業のプロであるコロプラからノウハウを学び、ビジネスを拡大していきたいとしている。
また、コロプラ側もIRで、MAGES.のIPを使ってモバイルサービス事業の競争力向上を見込んでいるとしている。
今回の発表に際して、志倉千代丸氏より発表された声明文は以下のとおり。
本日発表の通り、弊社は株式会社コロプラの取締役会にて株式譲渡が決議され、今後は同じグループとして活動していくことになりました。
現在、MAGES.にはいくつもの事業部があります。
アニソンやアイドル等のレーベル運営の他、ライブイベントの企画等を手掛ける音楽事業。
科学アドベンチャー等のシリーズの他、話題となったアニメ作品等のゲーム化を行うゲーム事業。
自社オリジナル作品だけに止まらず、「面白い!」と思った作品に積極的に出資を行うアニメ事業。
自社スタジオを有し、今後増加していくネット番組のノウハウを蓄積している番組事業。
飲食事業とエンタメを合体させたコンセプトカフェ事業、声優プロダクションアミュレートや、その養成所SAY YOU
LABの運営など、その他にも「エンタメ」をキーワードにした実に様々な事業を展開しています。
全事業に共通して私達スタッフが考える最重要ミッションは、「新しい物語」を想像し、「新しいキャラクター」を創造し、「新しい作品」を提供すること。
最初のメディアはアニメ、ゲーム、ドラマCD、ライトノベル他、何でも構いません。1つのコンテンツが生まれた瞬間、全ての事業部はその特徴を生かし、
まずは社内だけで小さなメディアミックスを実践します。それが話題となり業界やファンの皆さんからご評価を頂き、メディアミックスの輪が拡大する。
ただ、MAGES.の事業にはこの時代において非常に重要なものが欠けていました。
それは「スマートフォンをプラットフォームとするビジネス」です。
今回パートナーとなる株式会社コロプラは、スマートフォンビジネスの業界の中でもプロ中のプロ。
MAGES.だけでは叶わなかった、この市場におけるノウハウを学び、ビジネスを拡大していくことの価値は、弊社にとって非常に大きな意味を持ちます。
無から有へのクリエイティブ。
それを最大化できる可能性。
今はそんな未来が楽しみでなりません。
今後は株式会社コロプラと、同じグループとして出来るだけ多くの接点を見つけながら、共存共栄へと歩を進めたいと思っています。ぜひご期待ください。
今後ともMAGES.とMAGES.の生み出す作品への応援をよろしくお願い致します。
2020年3月30日
株式会社MAGES.
代表取締役社長 志倉 千代丸
ライター/福山幸司