レイニーフロッグは4月23日(木)、Nintendo Switch、PlayStation 4用ソフト『リトルタウンヒーロー』を発売した。価格はいずれも税込で、パッケージ版は3850円。同日よりPlayStation 4でも配信開始したダウンロード版は2750円となっている。
また、発売にあわせて、パッケージ版に特典として付属するオリジナルサウンドトラックへ収録されている全37曲のリストも公開された。
『リトルタウンヒーロー』は、2019年10月にはNintendo Switchのダウンロード専売ソフトとして販売されたロールプレイングゲーム(RPG)だ。開発は『ポケットモンスター』シリーズなどの作品で知られるゲームフリークが担当。楽曲は『Undertale』で知られるToby Fox氏と『ポケットモンスター』シリーズで作曲に携わった佐藤仁美氏が手がけている。
舞台は「お城」に囲まれ外の世界に出ることができない小さな村。外の世界に憧れる少年「ピッケル」は炭鉱で不思議な石を拾い、突如として村に現れた「マモノ」をやっつけていく。さまざまなひらめきを「アイデア」に変え、村全体を移動しながら、アイテムや村人の力も借りて戦略的に戦っていく独自の戦闘システムが特徴だ。
『リトルタウンヒーロー』のパッケージ版に付属するオリジナルサウンドトラックはコードでの封入となっている。そのため、実際に聴くためにはzip形式のファイルをダウンロード・解凍できるPCが必要となる点は留意しておくとよいだろう。
今回の発表に際し、本作の開発ディレクターを務めた田谷正夫氏によるコメントおよび楽曲リストは以下の通り。
【『リトルタウンヒーロー』パッケージ版購入特典サウンドトラック収録楽曲リスト】
No. 曲名 Composer Arrenger
1 Welcome to My Town Toby Fox Toby Fox
2 This is My Town Toby Fox Toby Fox
3 A New Chapter Hitomi Sato Hitomi Sato
4 Three Bad Boys Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
5 Idea Rush Toby Fox Hitomi Sato
6 Pasmina Toby Fox Toby Fox
7 Bad Boys Battle Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
8 Roar Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
9 Village Clash Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
10 You Won! Hitomi Sato Hitomi Sato
11Royal Orders Hitomi Sato,Toby Fox Hitomi Sato
12 This is My Town (Shop Area) Toby Fox Toby Fox
13 Win by a Hair Toby Fox Hitomi Sato
14Battering Ram Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
15 Teardrop-shaped Stones Toby Fox Toby Fox
16 Want to Talk About Sheep? Toby Fox Hitomi Sato
17Gravemaker Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
18 Metamorphic Dance Toby Fox Toby Fox
19 This is My Town (Farm Area) Toby Fox Toby Fox
20 Sky Attack Toby Fox Hitomi Sato
21 Lost Reminiscence Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
22 Rising Waves Toby Fox Hitomi Sato,Toby Fox
23 Clanking Caverns Hitomi Sato Hitomi Sato
24 Evolution Dance Toby Fox Toby Fox
25 Laughing Doll Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
26 The Fields Before Us Toby Fox Toby Fox
27 Mystic Aura Toby Fox Toby Fox,Hitomi Sato
28 Tale of the Dark Hitomi Sato Hitomi Sato
29 No Time To Lose Toby Fox Toby Fox
30 Scythe That Cuts Fate Toby Fox Hitomi Sato
31 Game Over Hitomi Sato Hitomi Sato
32 Blood-red Carpet Toby Fox Toby Fox
33 Neverending Roar Toby Fox Hitomi Sato,Toby Fox
34 Little Town Hero Toby Fox Hitomi Sato,Toby Fox
35 End the Story! Toby Fox Toby Fox
36 Our Special Rites Toby Fox Hitomi Sato
37 A Place You Can Call Home Toby Fox Hitomi Sato
【『リトルタウンヒーロー』開発ディレクター・田谷正夫氏コメント】
・Welcome to My Town (No.1)
・End the Story! (No.35)
トビーさんが本作の楽曲を手掛けてくださることになって最初の打ち合わせの時だったと思いますが、「プレイヤーが最も頻繁に聴くことになるフィールド曲のフレーズが、ラスボス戦でもバトル風にアレンジされて登場する」ということがしたいです、みたいなことを私からトビーさんに伝えました。
それでその日は開発中の画面や資料を見てもらったりした後、メンバーとトビーさんとで結構おそくまで食事をして、深夜に別れたのですが、私が次の日に出勤したらもう、「こういう感じでどう?」というメールとともに、この2曲の元になるコンセプトがトビーさんから送られてきていました。( その時のメインのフレーズはほとんどそのままこの2曲に残っ
ています。)
自分はそれを聴いて、曲のすばらしさと、トビーさんの仕事の速さに対する驚きと、自分のやりたいこととか世界の雰囲気みたいなものが伝わった嬉しさと、色んな感情が沸き上がって興奮したことを覚えています。このフレーズをすぐに他のスタッフにも聴いてもらって、みんな笑顔になりました。
その後、紆余曲折あって cb01 ( Welcome to My Town)の方はメインのフィールド曲ではなく、オープニング曲となり、そのフレーズはゲーム中の印象的な箇所でアレンジを替えつつ使われています。
それらを聴きながらプレイし、本当に最後の最後、End the Story! が流れる場面まで辿り着いていただければ、心が震える体験をしてもらえるんじゃないかなと思っています。
・Village Crash (No.09)
これは上記2曲とは対照的に、自分のイメージを伝えることに難航した曲で、そういう意味で印象に残っています。
これは最初のボス曲で、このゲームの遊びのコア部分であるバトルのイメージが固まるポイントだと思うので、多くの注文をトビーさんに出しました。
目の前に巨大なマモノが現れて戦うわけなので緊張感が走るのは当然ですが、それと同時に、主人公のピッケルからすると、非日常的な出来事が起きて、自分の力を見せつけるチャンスかもしれないという、武者震いするような感覚も生じているところなので、そういう感情をプレイヤーさんが自然に感じられる曲にしたいという思いがありました。
さらに、牧歌的な村の雰囲気とかけ離れた感じにならず、あまり速いテンポにしないようにもしたいと思っていました。
そういう考えと、最初のボスのビジュアルなどをトビーさんに伝え、いくつかの曲のコンセプトをいただいたのですが、どれも曲としては好き・・・だけど「最初のボス曲」という感じじゃないな・・・と思ったので、何度も新たなコンセプトを作り直していただきました。
この辺りでは自分がコンポーザーの素養がないため、ほとんど言葉だけで「こういう感じ」と伝えざるを得ないことに限界を感じつつ、尊敬するトビーさんに何度もリテイクをお願いすることに恐縮していました。
そうこうしているうちにトビーさんが「こんどゲームフリークに行って、その場で意見を聞きながら最初のボス曲を作ってみたい」とおっしゃいました。
急遽キーボードを会議室に用意して、トビーさんが思い浮かんだフレーズを奏でるところを目の前で披露していただいたのですが、次第に「ああ、これは良さそうかも」という雰囲気に近づいていきました。
そして、ある程度その作業が進んだところで帰宅したトビーさんが、やはりほとんど間を置かずに(たしか翌日だったと思いますが)ほぼ現在の完成形に近い曲を送ってくださったのですが、あらためて、このゲームの「最初のボス」イメージにぴったりの曲を仕上げていただいたことに感激しました。
トビーさんが「ゲームフリークに遊びに行くと良い曲が浮かぶみたい」と笑いながらおっしゃっていたのが良い思い出です。
ライター/ヨシムネ