【更新 2020/12/17 07:24】 GOG.comは公式Twitterアカウントにて、同作の販売を取りやめることを明らかにした。発表からゲーマーより多数のメッセージが寄せられた結果、ゲームをストア上にリストすることを辞めると決断したという。
Earlier today, it was announced that the game Devotion is coming to GOG. After receiving many messages from gamers, we have decided not to list the game in our store.
— GOG.COM (@GOGcom) December 16, 2020
【原文 2020/12/16 23:32】 台湾のゲーム開発会社Red Candle Gamesは、長く販売が停止していた一人称視点ホラーゲーム『還願 DEVOTION』を、GOG.comで再版することを発表した。発売日は台湾時間12月18日。価格は16.99ドル(約1760円)。日本語字幕にも対応する。
Hello friends, we want to share with you– Red Candle will publish #還願Devotion on Dec 18 on GOG.https://t.co/dlC6qzBiHx
— redcandlegames (@redcandlegames) December 16, 2020
The content and the price of the re-release remains the same, for $16.99 / €13.99
Thank you for your trust and support. We wish you a happy end of the year pic.twitter.com/peVPd7cyVo
『還願 DEVOTION』は2019年に発売された一人称視点ホラーゲーム。台湾で1960年代に起きた白色テロをテーマにした2Dホラーゲーム『返校 Detention』で高い評価を得たRed Candle Gamesの2作目だ。本作は1980年の台湾の家庭風景をベースにした。
注目を集めていたが、リリース直後に中国の習近平国家主席を揶揄するアセットが発見され、中国のゲームファンを中心に抗議活動が激化。Steamでは多数のユーザーが一丸となって低評価をつける、いわゆるレビュー爆撃を受けることとなった。
Red Candleはすぐさまアセットを削除するパッチをリリースして謝罪。しかし、2019年2月23日頃中国で販売が停止され、後を追って世界中で販売が停止となった。また、本作のパブリッシャーは当局により中国でのビジネスライセンスを剥奪された。
台湾の開発会社ということもあり、一時は政治問題にも発展。台湾の陳其邁行政院副院長が、「民主主義と自由がある国でのみ、創造は制限から自由になることができます」と、ゲームを擁護する発言をしたことがBBCで報じられた。
その後、ゲームはハーバード大学に本作が収蔵され、台湾では豪華なパッケージ版として再版もされたが、約2年間国際的な再版が行われることはなかった。Red Candleは以前、再版のためのパブリッシャーを探していると発言していたが、セルフパブリッシングでの再版となった。
長く販売が停止しており、政治的な問題もあり再版がとても難しかった『還願 Devotion』。セルフパブリッシングでの再版は、現在開発中だと公言されている次回作への弾みにもなるはずだ。
ライター/古嶋 誉幸