東京都の小池百合子都知事は、ゲーム依存症対策に関して条例による制限などを実施する考えがないことを明らかにした。
これは、2月24日(水)に開かれた東京都議会本会議での答弁によるものだ。
小池都知事は「科学的根拠に基づかない内容で条例による一律の時間制限などは行わない」と条例による一律の規制を否定したうえで「インターネットやゲームの適性な利用については啓発講座や相談窓口で対応している」と子供や保護者の自主性を尊重した形での対策を引き続き進める考えを示した。
未成年者に対するネットやゲーム利用を制限した条例には、香川県が2020年3月に全国で初めて制定したネット・ゲーム依存症対策条例がある。
同条例に関して小池都知事は、昨年3月の知事記者会見において賛否両論あることを踏まえたうえで「香川県が今回とられた条例がどのような効果を生んでいくのか、この香川の先進的な事例が色々な意味で参考になるのではないか」と述べており、都の姿勢が注目されていた。
今回の答弁によって、東京都には香川県で制定されたような条例に追随する考えがないことが明確となった。
ネット・ゲーム依存症対策条例は、香川県で2020年3月に可決され同年4月1日より施行された条例。未成年者に対してゲームの利用時間などを定めたその内容や市民から寄せられたパブリックコメントの取り扱いなど、制定過程の不透明さが浮き彫りとなり県内外から多くの疑義が呈されている。
また、ゲームの利用時間を条例で定められることは、憲法が規定する幸福追求権の侵害にあたるとして、県に計160万円の損害賠償を求めた県内の高校生と保護者による訴訟も話題となっている。