愛知県と株式会社ジブリパークは、愛知県の愛・地球博記念公園で開園するスタジオジブリ作品の世界観を表現した公園施設「ジブリパーク」のオープニングセレモニーを10月31日(月)に開催した。本施設はエリアごとに分かれた日時指定の予約制で11月1日(火)に開園する予定だ。
https://twitter.com/JP_GHIBLI/status/1586253583556567040
ジブリパークは、2020年7月から愛知県とスタジオジブリ、中日新聞社の3社で整備を進めてきた体験型の公園である。スタジオジブリで代表取締役プロデューサーを務める鈴木敏夫氏の「“公園”であることを崩してはならない、でも来たら楽しい場所にしたい」との思いから本施設はあえて「公園」として計画されており、第1期と銘打たれた11月からの開園では「青春の丘エリア」、「ジブリの大倉庫エリア」、「どんどこ森エリア」の3エリアが開放される。
10月31日(月)に開かれたオープニングセレモニーには、愛知県の大村秀章知事や施設の管理会社である株式会社ジブリパークの大島宇一郎社長のほか、とジブリパークの現場指揮をとる宮崎吾郎監督が参加。それぞれの挨拶ののちテープカットで開園を祝った。宮崎氏は挨拶のなかで、2023年度の開業を予定している「もののけの里エリア」と「魔女の谷エリア」の⼯事が佳境へ⼊っていると言及し、来年度のオープンに向けて「⾛り続けないといけないなと⾝の引き締まる思いです」と心境を語っている。
また、セレモニー後に実施された囲み取材でジブリパークの楽しみ⽅を問われた鈴木プロデューサーは「それは開いてみないと僕らもわからない(笑)。」としつつも、訪れる人々の反応から新たな発見を得て今後の運営に活かしていく方針や、何度も⾜を運ぶ“普通の公園”のような存在になって欲しいとの願いを明かしたようだ。
公式サイトの情報によると11月分のチケットはすでに販売を終了しており、10月31日(月)時点では12月分の先着販売と2023年1月分の抽選販売を受け付けている。11月10日(木)14時に開始される2023年2月分からのチケットはすべて先着順での販売となるので、興味があれば早めにチェックしておくとよいだろう。
プレスリリースの全文は以下のとおり。
11 ⽉ 1 ⽇開園!
ジブリパーク オープニングセレモニー
2022 年 11 ⽉ 1 ⽇に愛知県⻑久⼿市の「愛・地球博記念公園」内に、スタジオジブリ作品の世界観を表現した公園施設「ジブリパーク」が開園します。第 1 期開園は「ジブリの⼤倉庫」「⻘春の丘」「どんどこ森」の3エリアです。
開園を前⽇に控えた 10 ⽉ 31 ⽇に「ジブリの⼤倉庫」にてオープニングセレモニーを⾏いました。ジブリパーク整備主の愛知県の⼤村秀章知事、施設を運営管理する株式会社ジブリパークの⼤島宇⼀郎代表取締役社⻑の他、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴⽊敏夫⽒、ジブリパークの制作現場を指揮する宮崎吾朗監督が参加。出席者へのご挨拶に続き、テープカットして開園を祝いました。
セレモニー後には鈴⽊プロデューサーの囲み取材があり、開園に向けた思いを明かしました。
オープニングセレモニー
⼤村秀章(愛知県知事)ご挨拶
ジブリパークの構想発表から 5 年半。この期間に、スタジオジブリの世界が凝縮されたものができたことは、私は奇跡に近いと感じています。
スタジオジブリのコンテンツは、⽇本が世界に誇ることのできる、戦後近代⽂化の最⾼峰だと思っています。この作品群を、ジブリパークで未来永劫に残すことができる、多くの皆さんに楽しんでいただけることが嬉しくてなりません。⽇本を代表する⽂化事業であるジブリパークを、こうしてオープンできることに⼼から感謝申し上げます。
この場所で、世界中からジブリパークを⾒たいと思って来てくださる皆様の夢を叶えていきたい。⽇本中の⼦どもから⼤⼈までに愛され、愛知県⺠の皆様に愛され、どうか多くの皆様に未来永劫愛されるジブリパークとなっていくことを祈念いたしまして、挨拶といたします。
鈴⽊敏夫(株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサー)ご挨拶
ものを作ることも⼤切ですが、(ジブリパーク誕⽣の)お膳⽴てしてくださった⽅がたくさんいらっしゃったんです。その中で⼀部の⽅をご紹介しようと思います。
最初に「モリコロパークにジブリを持ってくるのはどうか」とおっしゃった中⽇新聞社で当時会⻑をされていた⽩井⽂吾さんです。その頃、豊⽥市で開催していたジブリの展覧会を⼤変気に⼊ってくださったようで、「展⽰を全部持ってきて、モリコロパークに倉庫を作ってみたらどうか」と。いわゆる“ジブリの⼤倉庫”ですよ。その場ですぐにお返事はできませんでしたが、それがジブリパークのはじまり、7 年前の話です。
それと前後するように、⼤村知事が東京・恵⽐寿の僕の事務所に何回も⾜を運ばれたんです。特に⽤事があるわけではなく、「モリコロパークにジブリを」とだけおっしゃる。僕は愛知県出⾝で、(地元の愛知に)ジブリパークなんて開いたら忙しくなるから嫌だったのですが(笑)、何度も説得され負けました。お話しする中で、⼤村さんは信頼できる⼈だなと思いました。それが⼤きな要因になりました。そして、中⽇新聞社に 20 数年来のお付き合いをしている岡村さんという⼈がいます。僕の親⽗の葬式まで⼿伝ってくれた彼は、最後に⼼で動く男なんです。もしかしたら今回も彼がきっかけを作ってくれたのかな、とも思います。
先般、宮崎駿と私でジブリパークを観に来たんですよ。その中で⼦どものエリア(ジブリの⼤倉庫の「⼦どもの街」と「ネコバスルーム」)を⾒て、「俺には思いつかない⾯⽩さがここにはある」と、宮崎がいたく喜びまして。相⼿が息⼦でもライバル視して褒めない彼が「俺には真似ができない」と何度も⾔っていました。ジブリパークの細部を⾒ていくとわかりますが、吾朗くんがジブリの精神を受け継いでくれているなと改めて感じています。
皆様がこれから先、⻑く楽しんでくださるのか不安でならないのが今の正直な気持ちです。どうか皆様のお⼒添えをよろしくお願いいたします。
宮崎吾朗(ジブリパーク監督)ご挨拶
今回はデザイン・監修という⽴場で、ジブリパークの構想から⼯事まで、⼀貫して関わらせていただきました。私はこんなに⻑いプロジェクトに携わるのは初めてで、5 年半って⻑いなと感じました。⼩学⽣だった息⼦は中学⽣になり、⽗は引退を撤回して⻑編映画を作り、私⾃⾝も映画を1本作りました。
とはいえ、これはまだ第1期です。今⽇もこのセレモニーの裏で第2期(「もののけの⾥」と「魔⼥の⾕」)の⼯事が佳境に⼊っており、来年度のオープンに向けて⾛り続けないといけないなと⾝の引き締まる思いです。先ほど、鈴⽊プロデューサーが僕のことを美談のように語っていましたが、すべてを僕に(ジブリを)押し付けてエスケープする腹があると⾒ていますので、彼を逃がさないようにして、頑張っていきたいと思います。
鈴⽊プロデューサー囲み取材
―完成された施設を⾒ての印象は?
僕は、吾朗くんが何を作っているのか、あえて知らなかったんです。そして⾒てみたら、そこで使われているキャラクターが僕の描いたもの(「⼦どもの街」にある『ギブリーズ episode2』)だったことが⼀番驚きました。僕の描いたやつでしょ。それはどこで使ってもいいなという⾃由さがあり、そこが⾯⽩いと思いました。解き放たれて⾃由になった⽅が彼は⾯⽩いものを作るなと思いましたね。そして、「地球屋」が⾯⽩かった。あと、どんどこ森には「サツキとメイの家」があり、パークの中⼼になっていて、僕としてはそれが意味のあることだなと思いました。
―開園を楽しみにしている⼦どもたちも多いと思います。
先⽇、ジブリパークを⼀⾜先に⾒てくれた⼦どもたちの声が聞こえてきました。家に帰ってから「また来たい」と⾔ってくれていたと。三鷹の森ジブリ美術館は、⼦どもたちのために作りましたが、⼦どもたち以上に⼤⼈の⽅がたくさん来てくださっています。それはありがたいことですが、もしかすると、ジブリパークは⼦どものための場所になったのかなと思いました。世の中には様々な価値観がある中で、僕は楽しいか、つまらないかという基準は⼤事だと思っています。⼦どもたちにはこのジブリパークで、「世の中には楽しいことがいっぱいある」ということを知ってもらいたいです。
―ジブリパークの楽しみ⽅は?
それは開いてみないと僕らもわからない(笑)。こちらから押し付けることはできないので、どのように楽しんでいただくかは、来てくださる皆さんに⾒つけていただければと思います。僕らはお客さんにどう受け⼊れられるか、全くわからない。皆さんの反応を⾒て僕らも発⾒があるし、今後のジブリパークのどうしていくのかが決まります。最初は物珍しさで来てくれますが、⼀度来て「もういいや」じゃいけませんよね。
何度も⾜を運んでいただけるジブリパークを⽬指しています。それには努⼒しかない。普通の公園って何度も⾜を運ぶものでしょ。毎⽇⾏く⼈もいる。そういう存在になってくれればと思います。
◆「ジブリパーク」施設概要
第 1 期開園⽇
2022 年 11 ⽉ 1 ⽇
所在地
愛知県⻑久⼿市茨ケ廻間⼄ 1533-1 愛・地球博記念公園内
(専⽤駐⾞場はありません。公共交通機関でお越しください)
公式ウェブサイト
https://ghibli-park.jp/
チケット
⽇時指定の予約制です。購⼊場所はオンラインチケット販売サイト「Boo-Woo チケット」(ブーウーチケット)、全国のローソンやミニストップ店頭「Loppi」(ロッピー)です。
◆チケット販売スケジュール
<2023 年 1 ⽉ 5 ⽇〜30 ⽇⼊場分>
先着順販売:11 ⽉ 10 ⽇ 14:00 から Boo-Woo チケット、全国のローソン・ミニストップ店頭の「Loppi」
★2023 年 2 ⽉⼊場分からは抽選制を終了し、3カ⽉前の毎⽉ 10 ⽇より⼊園⽇まで先着順でチケットを販売します。
<2023 年 2 ⽉ 1 ⽇〜27 ⽇⼊場分>
先着順販売:11 ⽉ 10 ⽇ 14:00 から Boo-Woo チケット、全国のローソン・ミニストップ店頭の「Loppi」
2023 年 2 ⽉⼊場分以降の料⾦は以下の通りです。
日時指定の予約制
「青春の丘」「ジブリの大倉庫」セット券
平日
大人 3,000円
4 歳~小学生 1,500円
土・日・休
大人 3,500円
4 歳~小学生 1,750円
「ジブリの大倉庫」
平日
大人 2,000円
4 歳~小学生 1,000円
土・日・休
大人 2,500円
4 歳~小学生 1,250円
「どんどこ森」
大人 1,000円
4 歳~小学生 500円
※セット券は「⻘春の丘」の⼊場時間を指定頂き、「ジブリの⼤倉庫」は 15:00 までにご⼊場ください。
※別途、チケット 1 枚の発券につきシステム利⽤料 110 円が掛かります。
※ジブリパークが指定する障害者⼿帳(「⾝体障害者⼿帳」、「精神障害者保健福祉⼿帳」、「療育⼿帳」、難病の患者は「特定医療費受給者証」、「被爆者健康⼿帳」、「戦傷病者⼿帳」)をお持ちの⽅と、同伴者 1 ⼈までは「障害者⼤⼈」もしくは「障害者⼦ども」の券種をお買い求めください。⼀般券種の半額料⾦です。ご⼊場の際に⼿帳の原本またはコピー、ミライロ ID のいずれかをご提⽰ください。
※詳しい購⼊⽅法や販売期間、注意事項等は公式ウェブサイトのチケットページ(https://ghiblipark.jp/ticket)をご覧ください。