サークル小麦畑は11月1日、同サークルのゲーム『冠を持つ神の手』リメイクのためのクラウドファンディングを開始した。期間は2025年の1月19日まで。
リメイクについては2025年中にPC版のリリースが予定されており、新たな機能の追加やイベントが加わることが告知されている。クラファンではSteam版(Windows & Mac)のダウンロード権のほか、様々なリターンが用意されている。
【冠を持つ神の手 unity版】
— oumi (@wheat_his) October 31, 2024
クラウドファンディング開始いたしました。リターン内容は、Steam版(Win.Mac対応予定)のダウンロードキーをメインに、イベント追加などのスペシャルプランもあります。1/19までの期間となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。https://t.co/HDVJ1wP4At pic.twitter.com/cjvOG6xbB5
サークル小麦畑では今年6月に本作のUnity版リメイクについて「鋭意製作中」と短く言及されていたのだが、明確なことは公表されていなかった。今回の発表によってリメイク制作と、一部の内容まで明らかにされた形だ。
クラウドファンディングはCAMPFIRE上で展開され、ゲームダウンロード権のほか、ゲームにイベントや指定キャラのエンディングを追加する権利などがリターンになっている。ただし、ダウンロード権を除けば、既にほとんどの支援は完売して在庫なしの状態。記事執筆時点(11/1 10時)で、支援額は目標の3倍を超える300万円以上となっている。
『冠を持つ神の手』は架空のファンタジー世界「グラドネーラ」を舞台とした育成アドベンチャーゲームだ。もともとは2009年にリリースされたフリーゲームだが、高い自由度と作りこまれた世界観とキャラ設定から、現在でも根強い人気を誇る。愛称は「かもかて」。
プレイヤーはとある王国の王位継承資格を持つ「選定印」を持った14歳の少年として、成人までの1年間を王城の中で過ごすことになる。王城には別の「選定印」を持つ別の王候補をはじめ、突如現れた新たな王候補者をさまざまな思惑で見つめるキャラクターたちがおり、彼らとどのような関係を築いていくのかもゲームのポイントだ。
登場キャラクターは隠しキャラも含めて全11人。16歳の女の子から52歳のおじいちゃん、嫌味ばかり言ってくる王族や、王配になることを目指す貴族、怪しい商人から無口な神官まで、老若男女さまざまなメンバーが揃っている。加えて、彼ら全員に愛情・友情・憎悪・殺害・裏切という複数パターンのエンディングが用意されていることも大きな特徴だ。
ゲームには愛⇔憎・友⇔嫌の2つのパラメータが存在し、それによって「嫌いだが気になる」「友情と嫉妬の板挟み」という状態にもなる。またこれはキャラ→主人公へのものだけでなく、主人公→キャラへ向けての「自分がその対象をどう思っているか」というパラメータも設定できる。その数値によって、ゲーム内の選択肢なども変わってくるのだ。
さらに、各キャラにつき1度だけその人物へ向ける感情を反転させることも可能で、これによって、イベントなどを経て「キャラクターへの見方が大きく変わる瞬間」を再現することも可能だ。
なお、先ほど主人公を「14歳の少年」と記述したが、実は主人公は別に「男」ではない。主人公を含めたゲームのキャラは全員「人間」ではなく、姿のよく似た「三足族」という種族で、15歳の成人の際に自ら性別を選択できるという特徴をもっているのだ。
自らが最終的にどのような存在へなるのか、男と女のいずれを選ぶのか、誰とどのような関係を築くのか。ゲームではそれらすべてを自由に選択でき、それぞれのエンディングへと向かっていくことになる。こうした非常に高い自由度が、本作が人気を集めた理由の一つでもあるだろう。
なお、リメイク版のもとになっているオリジナル版の『冠を持つ神の手』は、現在も小麦畑公式サイトほかで無料配布中だ。まだプレイしたことのないという方は、ぜひ手に取って実際に遊んでみていただけると幸いである。そして性癖を破壊されろ。