Unity Technologiesは日本時間3月18日、ゲーム業界のトレンドを伝える「Unity ゲーミングレポート 2025」を公開した。
レポートでは、開発者の実に96%がすでにAIツールを活用していることが伝えられたほか、マルチプレイや既存タイトルへの投資、モバイル対応など、効率化と収益性を高める取り組みが広く進んでいることが示されている。

ChatGPTが2022年11月にリリースされた後、2023年はまさにAIアプリケーションが主流になった年といえる。レポートによると、ゲーム開発者やその他のクリエイターの多くは、最初は不安に思っていたという。しかし、2024年の調査では、回答した開発者の79%がゲームでのAIの使用を肯定的にとらえ、不安に思っている開発者はわずか5%であったという。

『War Robots』開発のPixonicのマーケティングディレクターを務めるSola Saulenko氏は、「開発者はテストプレイを簡素化し、バグ検出を自動化する AI ツールの恩恵を受けることができます。さらに、AI を活用して、ローカライゼーションや広告コピーを迅速に翻訳したり、コンセプトアート用の初期スケッチを生成することで、時間とリソースを大幅に削減できる可能性があります。」と、AIの恩恵について語っている。

また、AIの活用先について、今年と昨年の調査結果の比較データが公開。いくつかのカテゴリ(適応的難易度調整、ジェネレーティブアート、ライティングデザイン、ナラティブデザイン)では使用率がわずかに落ち込む一方、テストプレイの自動化、ゲーム内のコミュニケーションの調整、コード改良のためのAI使用が増加していることが確認できる。
レポートでは、AI ツールは(今のところ)オリジナル作品を生成するのではなく、サポート能力として効果的に使用されていることが示唆されているとしている。なお、2024年の調査結果では、AIを使用していない開発者はわずか4%だという。

『Two Point Museum』開発のTwo Point Studiosで創設者兼テクニカルディレクターを務めるBen Hymers氏は、「自動テストに時間を投資しましょう。ゲームの起動を確認するなど、最小限の作業だけでも、堅牢性が向上します。さらに踏み込んで、フレームレートなどのパフォーマンス指標を報告することも簡単にでき、開発工程全体を通して最適化を管理するのに役立ちます」と、AIの効果的な活用方法を語っている。
その他の重要なトピックとして、レポートではマルチプレイゲームが引き続き高い人気を得ていることや、既存ゲームへの投資、プラットフォームにおけるモバイルの存在感などが伝えられている。公式のリリース文を引用して以下に紹介する。
・マルチプレイは引き続き高い人気を誇り、64%の開発者がシューターやバトルロイヤルなど、さまざまなジャンルのマルチプレイゲーム開発に取り組んでいます。プレイヤーは依然として共有体験を重視していることがわかります。
・新作ゲームのリリースがますます困難になる中、62%の開発者が既存ゲームへの投資を優先し、ライブ運用やコンテンツアップデートを活用して、プレイヤーエンゲージメントの向上と収益拡大を図っています。
・開発者は複数のプラットフォームでプレイヤーベースを拡大しようとしていますが、その中でもモバイルが依然として中心的な存在であり、90%の開発者が最新作をモバイル向けにリリースしています。
・競争の激しい市場においては、ワークフローを効率化するツールと、ライフサイクル全体を支える統合型の技術スタックが不可欠です。45%の開発者がワークフロー効率化のためのツールを求めており、、55%はコンテンツのライフサイクルの各段階をサポートするエンドツーエンドの技術スタックを重視すると回答しています。
(Unity公式のリリース文より引用)
また、3月20日にUnityは、「Game Developers Conference 2025」(GDC 2025)において、エンジンの性能や安定性向上、新プラットフォームへの対応、AIを活用した新たなワークフローを提供すると発表した。最初のアップデートとなる「Unity6.1」は4月にリリースを予定している。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
Unity、GDC 2025でエンジンの性能・安定性向上、新プラットフォーム対応、AI活用ワークフローを発表
Unity 6のアップデートは、ゲーム開発のライフサイクル全体にわたって開発者をよりサポートするため、パートナーと協力してリリース前の実運用環境でテストを行いました
ゲームやインタラクティブな体験の構築と成長のための世界をリードするプラットフォームであるUnity [NYSE:U]は、本日、2025年に予定されている3つのUnity 6アップデートにおいて、開発者の皆様へさらなる性能向上と安定性、新プラットフォームへの対応、そしてAIを活用した新たなワークフローを提供すると発表しました。最初のアップデートであるUnity 6.1は4月にリリースする予定です。
Unityの最高経営責任者兼社長であるマット・ブロンバーグは以下のように述べています。「開発者が安定性と新機能のどちらか、あるいは表現力と幅広いプラットフォーム対応のどちらか一方を選ばせるようなことはしたくありません。私たちは全てを提供することを目指しています。パートナー企業と連携して実運用環境で新リリースに対してプレッシャーテストを行うことで、ビルドの品質を大幅に高められています。」
Unity 6.1では、フレームレートの向上やより滑らかなゲームプレイ、CPU/GPU負荷の低減による端末パフォーマンスの向上、そして最適化を容易にするためのデバッグ機能の強化を実現します。さらにUnity 6.1はサポートするプラットフォーム対応の拡充にも注力しており、これまでの20以上のプラットフォームに加えて、大型または折りたたみ式のAndroid端末、Meta Quest、Android XRビルドプロファイル、Instant Gamesへ対応します。対応ブラウザであれば、すべての開発者がWebGPUを利用できるようになります。
2025年内に予定されているその他のアップデートでは、Unity 6がAI駆動のワークフローを提供し、より迅速かつ効率的にゲームを開発できるよう支援します。複雑かつ反復的なタスクを自動化するエージェンティックAIツールをエディターに直接統合するほか、最先端のサードパーティ製生成AIソリューションとのシームレスな連携を実現予定です。これらのアップデートにより、開発者は問題を診断し、プレイヤー体験を最適化するとともに、新規プレイヤー獲得を向上させることができます。
また今週初め、Unityは年次のGaming Report(ゲーム業界レポート)を発表しました。同レポートによると、開発者のAIへの期待はますます高まっており、96%の開発者が既にワークフローにAIツールを組み込んでいることが明らかになっています。
その他の重要なトピック:
- マルチプレイは引き続き高い人気を誇り、64%の開発者がシューターやバトルロイヤルなど、さまざまなジャンルのマルチプレイゲーム開発に取り組んでいます。プレイヤーは依然として共有体験を重視していることがわかります。
- 新作ゲームのリリースがますます困難になる中、62%の開発者が既存ゲームへの投資を優先し、ライブ運用やコンテンツアップデートを活用して、プレイヤーエンゲージメントの向上と収益拡大を図っています。
- 開発者は複数のプラットフォームでプレイヤーベースを拡大しようとしていますが、その中でもモバイルが依然として中心的な存在であり、90%の開発者が最新作をモバイル向けにリリースしています。
- 競争の激しい市場においては、ワークフローを効率化するツールと、ライフサイクル全体を支える統合型の技術スタックが不可欠です。45%の開発者がワークフロー効率化のためのツールを求めており、、55%はコンテンツのライフサイクルの各段階をサポートするエンドツーエンドの技術スタックを重視すると回答しています。
Unity 2025 Gaming Reportの詳細は、Unity公式ウェブサイトでご覧いただけます。
Unityについて
Unity [NYSE: U] は、モバイル、PC、コンソールから空間コンピューティングまで、複数のプラットフォームでゲームやインタラクティブな体験を創造、販売、成長させるための一連のツールを提供しています。詳細はUnity.com/ja をご覧ください。
※Unityおよび関連の製品名はUnity Technologiesまたはその子会社の商標です。
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