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ゲーム研究の基礎が学べる書籍『ゲームスタディーズ 遊びから文化と社会を考える』が6月26日に発売へ。遊び、ルール、インタラクティビティ、チート、没入、アバター、物語などのゲーム文化を形成する35のキーワードと、20冊のブックガイドをそれぞれの論者が担当

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フィルムアート社は、ゲーム研究の基礎が学べる書籍『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ 遊びから文化と社会を考える』を、6月26日に発売する。

価格は税別2400円。四六判・360ページ。

『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ 遊びから文化と社会を考える』は、ゲーム研究を学ぶうえでの基礎知識と重要な論点を、多様な視点とアプローチでわかりやすくコンパクトに解説したゲームスタディーズの入門書。

遊び、ルール、インタラクティビティ、チート、没入、アバター、物語などのゲーム文化を形成する35のキーワードと、20冊のブックガイドをそれぞれの論者が担当している。

哲学、人類学、心理学、社会学、メディア研究、音楽学といったさまざまな領域を巻き込みながら展開してきたゲームスタディーズ(ゲーム研究)の蓄積とこれからの可能性を概観する書籍となっている。

ゲーム研究の基礎が学べる書籍『ゲームスタディーズ 遊びから文化と社会を考える』が6月26日に発売へ_001
(画像はクリティカル・ワード ゲームスタディーズ | 動く出版社 フィルムアート社より)

目次は以下のとおり。

はじめに 吉田寛

第1部 理論編──ゲームスタディーズの基礎概念

1 ルール
 1 ルール概念の多義性、多様な性質   井上明人
 2 ゲームはルールか?  松永伸司
 3 ルールはゲームを定義する  吉田寛

2 フィクション
 1 遊びの本質としてのフィクション  吉田寛
 2 ゲームはフィクションか?  松永伸司

3 メディア
 1 ゲームとメディアはどういう関係にあるのか?  吉田寛
 2 ゲームはメディアを超えられない  マーティン・ロート

4 遊び
 1 ゲームと遊びの関係について多様な理解  井上明人
 2 遊びの創造性  吉田寛
 3 ゲームは遊びではない  マーティン・ロート

5 エンターテインメント
 1 ゲームに関わる「娯楽」概念小史  井上明人
 2 ゲームはエンターテインメントではない  マーティン・ロート

6 ソーシャル
 1 ゲームの社会的使命  吉田寛
 2 ネットワーク外部性、ユーザー分類、メタ認知   井上明人
 3 ゲームはソーシャルではない  マーティン・ロート

7 インタラクティビティ
 1 インタラクティビティと「面白さ」  吉田寛
 2 「循環」論とインタラクティビティ  井上明人

8 人工物
 1 何がゲームとして見出されるのか  井上明人
 2 ゲームは人工物か?  松永伸司

第2部 キーワード編──ゲーム文化を理解するための重要トピック

1 アーカイブ  福田一史
2 RTA  竹本竜都
3 アイテム  山口浩
4 アクセシビリティと障害の表象  近藤銀河
5 アバター/プレイヤーキャラクター  ムン・ゼヒ
6 インディーゲーム  今井晋
7 NPC  髙松美紀
8 エミュレーション  吉田寛
9 音・音楽  田中治久
10 学習  井上明人
11 ゲーミフィケーション  井上明人
12 ゲーム行動症  井出草平
13 ゲーム実況  根岸貴哉
14 ジェンダーとセクシュアリティ  近藤銀河
15 スポーツ  吉田寛
16 チート  楊思予
17 ツーリズム  岡本健
18 ナビゲーション  谷川嘉浩
19 批評  藤田直哉
20 VR  池山草馬
21 プラットフォーム  マーティン・ロート
22 没入  吉田寛
23 マジックサークル  マーティン・ロート
24 物語  倉根啓
25 ユーザー生成コンテンツ  小林信重
26 倫理  西條玲奈
27 歴史記述(ゲーム史を書くこと)  田中治久

第3部 ブックガイド編──遊びとゲームを考えるための必読文献

1 ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』  マーティン・ロート
2 グレゴリー・ベイトソン「遊びと空想の理論」  吉田寛
3 ロジェ・カイヨワ『遊びと人間』  松永伸司
4 ジャック・アンリオ『遊び』  吉田寛
5  ミハイ・チクセントミハイ『退屈と不安を越えて』  木村知宏
6  バーナード・スーツ『キリギリス』  吉田寛
7  ゲイリー・アラン・ファイン『共有されるファンタジー』  髙橋志行
8  ブライアン・サットン゠スミス『遊びの曖昧さ』  井上明人
9  ジャネット・H・マレー『ホロデッキ上のハムレット』  吉田寛
10 エスペン・J・オーセット『サイバーテキスト』  吉田寛
11  イェスパー・ユール『ハーフリアル』   松永伸司
12 アレクサンダー・R・ギャロウェイ『ゲーミング』  マーティン・ロート
13  T・L・テイラー『世界をまたぐ遊び』  池山草馬
14 イアン・ボゴスト『説得的ゲーム』  藤本徹
15 ミア・コンサルヴォ『チート行為』  小林信重
16 レン・コリンズ『ゲームサウンド』   尾鼻崇
17 グラント・タヴィナー『ビデオゲームの芸術』   松永伸司
18 ニック・ダイア゠ウィザフォード&グレイグ・デ・ピューター『帝国のゲーム』  マーティン・ロート
19  エイドリアン・ショー『ゲーミング・アット・ジ・エッジ』  武澤威
20  トーマス・S・ヘンリックス 『遊びと人間の条件』  マーティン・ロート

人名索引
事項索引

編著は、東京大学大学の吉田寛氏、立命館大学の井上明人氏、京都大学の松永伸司氏、立命館大学のマーティン・ロート氏が務めている。

『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ 遊びから文化と社会を考える』は、6月26日に発売予定だ。

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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