台湾のアニメ配信プラットフォーム「巴哈姆特動画瘋」は8月17日、TVアニメ『ヤニねこ』について香港での配信を停止すると発表した。
香港の喫煙(公衆衛生)に関する条例では、ウェブ上における製品広告や喫煙を助長する内容について厳しく定められている。香港政府衛生署から同法に違反しているとの書簡を受け、本作の配信を取り下げたとのこと。
巴哈姆特動画瘋は香港のサービス利用者に謝罪するとともに、払い戻しに関する手続きを案内している。
『ヤニねこ』は週刊ヤングマガジンにて連載中のマンガが原作。人間と獣人が共存する街「にゃがみ原市」のボロアパートを舞台に、“タバコ”が大好きな猫耳の主人公・ヤニねこや、その周辺の住人たちが織り成す日常を描いたコメディとなっている。
2026年7月からTVアニメ版が放送中で、美麗な作画で描かれる汚すぎる描写などが話題だ。原作のにゃんにゃんファクトリーも、アニメ化の打診を受けた際に「え?できるの?」という心持ちであったことを語っている。
『尼古喵喵』として香港でも注目を浴びている本作の配信停止を受けて、香港の日刊新聞「明報」といった複数の媒体が香港政府衛生署への取材を実施。
広報担当者によると「複数の配信サイトで公開されているアニメ作品において、たばこ製品やブランド名が反復的且つ明瞭に描かれている」との苦情が市民から寄せられたという。
香港の喫煙条例においては、喫煙・喫煙製品・その包装を描写または言及することが、たばこ広告に該当しうると規定。また、ブランド名や商標を含む場合は広告とみなされる。

ただし、たばこに関して対価を伴わない偶発的・付随的な登場や、喫煙を抑止する目的の描写は例外とされており、一律で喫煙描写が禁止されているわけではない。
一方で本作には、主人公が常用する「メビウス」をはじめ、実在の銘柄が登場しているほか、喫煙そのものが物語の中心に据えられている。
仮に広告意図がなくとも除外規定に当たらないと判断され、配信停止を求められた可能性は高そうだ。なお、香港の日刊新聞「明報」によると、Netflixでは本作を香港から視聴し続けられるとのこと。
