『タクティクスオウガ』のような雰囲気で話題!リバーシのようなバトルが特徴の重厚で硬派なRPG【レビュー:リバーシクエスト2】

 『タクティクスオウガ』のような硬派なグラフィックと重厚そうなストーリー、『リバーシ(オセロ)』をアレンジした独特な戦闘シーンを持つ、やり込み重視の買い切りスマホ用RPGが公開されています。
 『リバーシクエスト2』です。

 『タクティクスオウガ』風の見た目ばかり注目されている印象がありますが、あくまで雰囲気を似せているだけで、ゲームは全然違います。
 ただ、その『オウガ』風の雰囲気は文字フォントや顔グラフィック、色使いまで含めて本当によくできていて、スーパーファミコン時代の長編RPGを思い出さずにはいられません。

 バトルは、『リバーシ(オセロ)』で相手のコマをひっくり返すとダメージが入るシステム。
 敵のHPが尽きればその時点で決着がつくので、最後まで『リバーシ』をプレイする必要はありません。
 もちろん独自のルールも多く、『リバーシ』そのまんまなわけではありません。

 「リバーシ+RPG」というルールは『逆転オセロニア』などソーシャルゲームにはいくつかありますが、この作品の1作目は2013年に発売されており、模倣ではありません。
 むしろ、こちらの方が先行です。

 しっかりやり込める、歯応えのある難易度と戦略性の備わったゲームですが、テンポが良くなく、同じステージを何度も繰り返さないと先に進めない内容で、やや賛否はわかれるところでしょうか。

 アプリ本体は無料ですが、無課金の状態では「序章」しかプレイできません。
 フルバージョンにするには600円の課金が必要です(早送り機能を含む「全部入りパック」は960円)。
 ただし、ソーシャルゲームではないので、それ以上の課金は(現時点では)ありません。
 もちろんガチャやスタミナ、広告はありません。

 ひとつの章には6つほどのクエストがあり、行き先を選択するとフィールドを移動するシーンになります。
 フィールドは四角いマスで区切られていて、矢印ボタンをタップして1マスずつ進んでいきます。

 ただし、あまり自由に動くことはできません。
 ほとんどのマスは移動できる方向が決まっていて、行きたい方向に行けないこともしばしば。後戻りも不可。

 フィールド上には宝箱や敵、トラップなどさまざまなものが配置されていますが、一方通行が多いおかげでなかなか思うように宝箱は取れず、すべての敵をかわして進むこともできないでしょう。

フィールド移動シーン。基本的に出口から遠ざかる方向に移動することはできません。
見た目にすごくスーファミ感があり、こだわりを感じるドットグラフィックで仕上げられています。
右下のコンパスを長押しすると、ちょっと先の様子と、すでに通ったルートが表示されるので活用しましょう。
クエスト開始前の参加メンバー選択。最初に選択したキャラは「リーダー」となり、その人が持つ「クエストアビリティ」がクエスト終了まで全員に適用されます。
バトルに敗れても、リーダーでなければ他のメンバーで再戦できます。しかも敵のHPは据え置きなので、強そうな敵は複数人で挑むのも手です。

 そして、敵に接すると『リバーシ』の戦闘シーンに。
 自分のコマで敵のコマを挟んでいくのですが、コマには物理攻撃の赤、HP回復の緑、MP増加の黄色があります。
 赤と赤のコマで敵を挟めば、その数とコマの攻撃力に応じたダメージを敵に与えられ、緑と緑のコマで挟めばHPが回復します。

 ただし、違う色のコマで挟んでも効果は発生しません。
 赤と緑で挟んでも、敵のコマがひっくり返るだけです。
 ここがゲームのポイントで、赤のコマを優先して味方のコマにしておくことで、攻撃できる機会を増やし、敵から受けるダメージを減らすことができます。

 コマはゲーム内では「トループ」と呼ばれ、どの色のコマをいくつ使うかは「トループ編成」で設定できます。
 これはいわば「デッキ構築」であり、コストの範囲内で「黄色を減らして赤を増やす」といったアレンジを行えます。

 ゲームが進むと「赤+黄」の長槍兵や、「赤+緑」の僧兵なども登場しますが、コストが高め。
 コマが尽きるとパスするハメになり、コマが多いほど最大HPやMPも高くなるので、一概に高コスト兵を使う方が良いとは限りません。

バトルシーン。ボードの形は戦闘ごとに変わります。
コマを選ぶと置ける場所を、効果別に色分けされたカーソルで示してくれます。
『リバーシ』ですから、コマをひとつもひっくり返せない場所には置けません。
トループ編成画面。コストの最大値はキャラクターのランクアップにより増えていきます。
コマにもレベルがあり、高い方が強いですが、コストも高くなります。
強力な装備があれば低レベルでも相応に強いので、常に最高レベルが良いとは限りません。

 MPは魔法の使用に必要ですが、わかりづらいうえに当面機能しないのがゲームの難点のひとつ。
 MPは黄色のコマで敵を挟むと増えますが、活用するにはボード上にMPを使うしかけが配置されているか、キャラクターが魔法発動用のアイテムを装備している必要があります。

 ところが、このゲームの魔法は「ボード上にあるゴブリンのコマの数だけ敵にダメージ」といった、複雑な効果。
 敵がゴブリンのコマを使わない場合、その魔法はまったく発動させられません。

 対ゴブリン用、対オーガ用、対リザードマン用など、それぞれ異なる攻撃魔法が用意されていて、敵に合わせて使いわける必要があるのですが、アイテムはコマごとにひとつしか装備できないので、戦闘前に敵に合わせて魔法アイテムを入れ替えなければなりません。これは正直、めんどくさい。

 序盤は敵のHPが低くて殴りだけで勝てるため、使いづらい魔法を無理に使う必要はなく、そのため魔法用のコマと、魔法を得意とするキャラクター「イモージェン」はいまいち使えません。
 魔法に関しては、もうちょっと改良して欲しいのが本音ですね。
 第三章あたりまで進めば、使いやすい魔法も登場するのですが……。

ゴブリンの数だけダメージを与える魔法「ゴブリンパンチ」発動! 条件となるコマは敵か味方かは問いません。
魔法の強さは発動するコマのレベルに応じています。ただし高レベル魔法ほど消費MPは上がります。
魔法で戦うなら戦闘前に必ず、敵の種類に合わせた「オーブ」を装備すること。
でも、毎回これをするのは面倒なので、ひとつにまとめてくれないかな……。
もちろん、魔法のオーブを相応に集めておく必要もあります。

 『リバーシ』ですから、その腕前も相応に影響します。
 敵のコマを大量にひっくり返しても、その直後に大量にひっくり返されるケースだと、こちらも大ダメージ。
 一方的に攻撃するには、ボードの端を利用する必要があり、もちろん隅を取れればなお良いです。
 うまく配置して相手の置き場所をなくせば「ずっと俺のターン!」にすることも可能です。

 ただし、複数のコマをまとめてひっくり返すとゲージが溜まり、これが最大になると他のコマを上書きできる「固有キャラのコマ」(キャラクターフィギュア)を置けるようになります。
 隅を取っていても、これで奪われることもあります。

 『リバーシ』とはいえボードが埋まるまでプレイすることはまずないので、HPのやり取りを優先した配置の方が重要ですが、長期戦になりそうなら『リバーシ』のセオリーに従ったほうが良いでしょう。
 もしどちらも置けなくなると、その時点のHP差とボード上のコマの数で勝敗が判定されます。

 バトル自体は面白く、思考性も高いです。
 私は『リバーシ』好きなので、なおさら好みなのですが…… 難点は時間がかかること。
 スマホゲームはサクサク遊べるものが多いため、このスローペースの進行は「ダルい」と感じる人も少なくなさそう。
 また相応の難易度で、『リバーシ』が苦手な人だと厳しく感じるかもしれません。
 (『リバーシ』の基本戦法についてはこちらのページで解説しています)

隅を押さえて相手の置ける場所をなくしていくのが、『リバーシ』の基本です。
ただ、この状態に持って行くには、序盤にコマを取り過ぎないようにする必要があるため、コマを取ることが攻撃に繋がるこのゲームではやりづらさもあります。
また、角を取れても相手のキャラクターフィギュアで上書きされることも。 キャラクターフィギュアはまるで某クイズ番組の「アタックチャンス」。

 フィールドの終点には必ずボスがいて、これに勝利すればクエストクリア。
 初クリアならストーリーシーンが流れ、次のクエストがアンロックされます。

 ただ、このゲームは同じクエストを何度も繰り返しプレイすることを前提に作られています。
 フィールド上には各所に「ゲート」があり、これは指定の回数だけそのクエストをクリアしていないと通行できません。
 フィールドで手に入る装備アイテムはゲートの向こうにあることが多く、よって何度もクリアしてゲートの通行条件を満たさなければ、望みの装備は手に入らないようになっています。

 さらにストーリーを進めても、各クエストを新しい難易度でクリアすることで得られる「クラウン」を集めないと、次の章をはじめることができません。
 加えて新しい難易度でプレイするには「プルーフ」と呼ばれるチケットが必要なことが多く、そのプルーフを得るために、また別のクエストもクリアしないといけなくなったりして…… とにかく面倒。

 装備は繰り返し入手することで強化されていき、異なる難易度でクリアすることで兵士のレベルも増えるので、繰り返しのプレイが報われるようにはなっているのですが……。
 しかしこうした繰り返しのプレイは、プレイヤーが強化や育成のために自主的に行うなら良いのですが、強制されると途端に作業感が強くなります。
 おまけに、このゲームは進行のテンポが良くないため、ますます苦痛になりがち。

 現時点(2018/12/1)では第三章までしか導入されていないので、こうしないとすぐ行き着かれてしまうというのもあると思いますが、さすがに引き延ばし感は強いですね……。

クエスト選択画面。1度クリアしただけでは得られるクラウンはひとつだけ。でも次の章に進むにはクラウンが10とか必要になる……。
強制するより、もうちょっと緩やかに周回に誘導する方針にして欲しかったかも。
いじめられた記憶が蘇るシーン。各地にある「追憶の塔」ではメインキャラの過去を知ることができます。
また、塔と「深淵の洞窟」には強力な装備があるので、行き詰まったら宝探しに行ってみましょう。
ゲーム序盤は1章の塔にある「ディフェンドソード」を戦士に装備させるとラクになります。

 日本のインディー作品としては注目の大作ですが、まだ遊びづらさも散見されます。
 でも雰囲気は本当にスーファミ時代のRPGらしさを感じる見事なものですし、ややスローテンポな内容も当時の再現を目指していると考えると、それらしい気もします。
 新章が追加されたら引き延ばし感は改善して欲しいですが、全体としては期待通りの良作という印象です。

 ストーリーにも期待したいところですが、三章までの段階では、まだ話が動き出していないので、なんとも言えません。
 各キャラクターの過去を垣間見られるイベントがあるなど、人間ドラマを描こうとしているのは感じられ、期待はできると思います。

 序章はタダでお試しできるので、まずそこだけ遊んでみるのも良いでしょう。
 序章だけでも相応のボリュームがあり、ゲームの雰囲気は十分に知ることができます。

リバーシクエスト2

『タクティクスオウガ』風のビジュアル+オセロRPG

(画像はリバーシクエスト2 – Google Play のアプリより)

・RPG(リバーシ風バトル)
・Yokogosystems(日本)
・本体無料、フルバージョン600円

文/カムライターオ

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著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
 iPhone アプリのレビューサイトを経て電ファミニコゲーマーのお世話に。 
 シューティングとシミュレーションが特に好き。
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