2017年7月21日に発売された『スプラトゥーン2』の販売本数を7月26日にファミ通が公開し、同作が発売からわずか3日で装着率【※】50%を突破していることが明らかになった。
この数字は衝撃的だ。というのも、ハード発売4ヶ月目で装着率が50%を超えるタイトルが登場するのは、非常に異例なことだからだ。
※装着率
ここでは、どれくらいの割合でゲーム機1台あたりに該当のゲームソフトが売れているかを表す指標
推定週間販売本数は670,955本(集計期間:7月17日~7月23日)で、Nintendo Switchの推定販売台数は累計で1,205,087台。単純な割り算で55.68%となるが、この数字にはダウンロード版の数字は含まれていないため、実際の装着率はもっと高いだろう。
『スプラトゥーン2』の数字はどれぐらい凄いのか
具体的にこの数字はどれぐらい凄いのだろうか。まず単純な売り上げだけ見ても、ここ2年で初週50万本以上を売り上げたタイトルは以下の7組しかない。
『ファイナルファンタジーXV』(69万本)
『ポケットモンスター サン・ムーン』(189万本)
『モンスターハンター クロス』(148万本)
『ドラゴンクエストVIII』(ニンテンドー3DS版・58万本)
『妖怪ウォッチバスターズ 赤猫団/白犬隊』(69万本)
『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』(59万本)
『モンスターハンターダブルクロス』(84万本)
これに対して、『スプラトゥーン2』は、121万台のハードで67万本を売ったのだから、かなり異例だと言える。前作『スプラトゥーン』の初週は14万本であり、50万本を突破するのに約10週間ほどかかっているため、その勢いは凄まじい。
また装着率という意味でも、装着率が50%を超えるタイトルは、
『New スーパーマリオブラザーズ U』(Wii U)
『ルイージマンション』(ゲームキューブ)
『DEAD OR ALIVE 3』(Xbox)
『バーチャファイター3tb.』(ドリームキャスト)
などが、各ハードのローンチタイトルの例としてあげられるが、ハードに対するソフトの装着率の理論値は、一説には33〜34%と言われており、ハード発売4ヵ月目のタイミングでこのような数字になるタイトルが登場したのは覚えがない。現在はハードの普及期であり、任天堂タイトルに対して積極的なプレイヤーの率が高いとはいえ驚異的だ。
『スプラトゥーン』とSwitchがイカにすごいか
今回の結果は、国内で100万本以上を販売した『スプラトゥーン』がイカにセンセーショナルなものだったかを証明した形でもあるが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(累計47万本・装着率39%)や『マリオカート8 デラックス』(累計54万本・装着率45%)の販売本数・装着率を見るに、Switchというゲーム機そのものに勢いがあるように思える。
そして、さらに2015年に誕生したばかりの「スプラトゥーン」というIPが、たった2年で、長年人気を集めてきた「ゼルダの伝説」や「マリオカート」と同等以上に健闘しているということも言えるだろう。
Switchがもたらした“ゲーム体験”──任天堂がSwitchで掲げている「SWITCH&PLAY ゲームライフをもっとアクティブに」というコンセプトは、ゲームソフトの売れ方、ひいてはゲーム市場に地殻変動を起こすほど、革新的なものなのかもしれない。
※初週50万本以上を記録したタイトルに関する記述を一部修正いたしました(2017年7月26日22:30)