いま読まれている記事

海外ファミコン版『ゼルダの伝説』がオークションで36万円で落札。流通量の少ないクラシックシリーズ版が未開封で出品

article-thumbnail-190118e

 アメリカ合衆国テキサス州のダラスに拠点を置くオークションハウス「ヘリテージオークション」で、「Sunday Internet Comics, Animation & Art Auction」が開催された。アニメやコミックスとその関連商品がおもに取引されるオークションだが、少数ながらゲームも出品されている。

 目玉となったのは未開封の海外版ファミリーコンピュータであるNES向け『The Legend of Zelda』(ゼルダの伝説)だ。Wata Gamesによって等級付けされたゲームの保存状態は、全体の状態が10段階中9.4、未開封品としては工場出荷時状態相当となるランクBと格付けされている。

 eBayでは開封品であれば完品でも60ドル前後で取引されている『ゼルダの伝説』だが、新品未開封品として出品された今回のオークションでは30名以上が競り合い、最終的に3360ドル(約36万7000円)で落札された。

海外ファミコン版『ゼルダの伝説』がオークションで36万円で落札。流通量の少ないクラシックシリーズ版が未開封で出品_001
(画像はヘリテージオークションより)

 なぜ今回オークションで競り落とされた『ゼルダの伝説』は、eBayで取引されている平均価格の何倍もの値段でやり取りされたのか。実は本作のNES版には金色、灰色、黄色のカートリッジが存在しており、流通量に比例して現在の取引価格は異なっている。今回出品されたのは1992年に「クラシックシリーズ」として販売された灰色バージョンで、未開封であれば金色のカートリッジの50倍近い値段が今回のように付くというわけである。

 意外にも、もっとも希少価値が高いのは黄色いカートリッジで、こちらは1987年ごろに小売店などでほんの少しだけ流通したプロトタイプ、デモバージョンとされている。流通数は25本以下とも言われており、オークションサイトeBayでは15万ドルで出品され話題になったこともあった(ただし落札価格は最終的に1500ドルだったという履歴も残っている)。

海外ファミコン版『ゼルダの伝説』がオークションで36万円で落札。流通量の少ないクラシックシリーズ版が未開封で出品_002
『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』より『ゼルダの伝説』

 もっとも流通量が多かった1987年ごろ発売の金色のカートリッジについては、パッケージの一部が切り取られているためその中身のカートリッジを見て色を確認することができる。

 また、NESのカートリッジには5本のネジでとめられたものと、3本のネジでとめられたものが存在している。初期のカートリッジは5本だったが、1988年ごろにカートリッジの仕様が変更され3本のネジでとめられるようになった。つまり新品未開封であっても中のカートリッジの状態がわかるのは、クラシックシリーズ版『ゼルダの伝説』には灰色のネジが3本のバージョンしか存在しないからだ。

 オークションでは、ほかにもNES版『Excitebike』(エキサイトバイク)の後期バージョン未開封品が1140ドルで落札されている。こちらは過去にeBayでも未開封品が少数取引されており、取引記録が確認できなかった未開封の『ゼルダの伝説』に比べれば市場への流通があるようだ。

海外ファミコン版『ゼルダの伝説』がオークションで36万円で落札。流通量の少ないクラシックシリーズ版が未開封で出品_003
『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』より『ゼルダの伝説』

 Wata Gamesはヘリテージオークションに現在も多数の商品を出品している。興味があればそちらも確認してみてほしい。

ライター/古嶋誉幸

関連記事:

混沌の“レトロゲーム市場”に射す、29年ぶりに正規販売されるファミコン用タイトルという光──権利が放置されたビデオゲームが違法複製で流通する現実

貴重なレゲー1万本と雑誌を収集するフランス没落貴族!?→自宅に凸して数奇な人生を聞いたら、ただのガチゲーマーだった件【NPOゲーム保存協会:探訪レポ】

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

Amazon売上ランキング

集計期間:2024年4月19日00時~2024年4月19日01時

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ