このたび電ファミ編集部では『アサシン クリード シャドウズ』の冒頭部分を先行プレイする機会をいただいた。本稿では、本作を実際に遊んだ印象をお伝えしよう。
ひとことで感想を述べると、「みんな大好き“ニンジャ”や“サムライ”のロマン要素を多分にブチ込んだ、『アサクリ』流の時代劇」という感じだ。
ゲーム冒頭からこの作風が宣言されるため、少なくとも筆者は「ロマン満載の戦国時代」にすんなりと没入することができた。
ゲームプレイに関しても、ふたりの主人公を活かして「アサクリらしさ」を楽しめる作品となっており、試遊においては戦闘や探索の “らしい”手ごたえも味わえた。
つまるところ「戦国時代が舞台の『アサクリ』やりてえ」という欲望に、バッチリ答えてくれそうな仕上がりになっている。
本作に興味のある方は、ぜひ参考にしていただければ幸いだ。
文/電ファミニコゲーマー編集部
※なお、プレイしたビルドは開発中のものであり、製品版とは異なります。
※本稿には『アサシン クリード シャドウズ』冒頭のネタバレが含まれます。あらかじめご注意ください。
いざ、ロマン要素たっぷりの戦国時代へ。
『アサシン クリード』シリーズといえば、基本的に現代から「アニムス」という被験体の遺伝記憶を読み取り再現するVRマシンを駆使し、過去を追体験する様が描かれている。
本作もその設定は引き継いでいるようで、アニムスのイントロダクションのような映像でゲームを開始するのだが……。詳細はここで明かせないが、今作は冒頭から一味違う展開が用意されている。この点も見どころのひとつとなるだろう。
そうしたイントロダクションを経て、物語がスタート。
今作の主人公は忍である奈緒江と、日本へ流れ着いたアフリカ人男性の弥助。
物語は宣教師として日本を訪れていたルイス・フロイスに連れられていた弥助が織田信長の家臣となる場面から幕を開ける。それと同時に、故郷が窮地に陥る中、父親に「とある箱を守れ」という使命を奈緒江が与えられる場面も描かれる。
なお、具体的にふたりが行動を共にする切っ掛けの出来事は明かされなかった。しかし、追ってプレイできたイントロダクション以降のコンテンツでは「戦闘の真っ只中」以外ではいつでもメニューからふたりの主人公を切り替えることができた。
そのため、異なる出自のふたりが、共鳴する信念を持って共に戦うことが物語の筋となるのだろう。
ゲーム冒頭に話を戻すと、シナリオとしては奈緒江の物語がドラマチックだ。
先述のとおり奈緒江は窮地に陥った故郷を守る合戦に参加するのではなく、父により託された使命を全うする。それは「他の者の手にはわたってはいけない」とされる‟とある箱”を手にし、守ること。
その箱は、父から渡された隠し刀(といいつつ、見覚えのあるアサシンブレード)を鍵にすることで、古墳の祠のような空間で手に入れることができる。
その祠には、はたまた見覚えのある「アサシン教団の紋章」のような模様が描かれていた。
こういった描写からも「本作で描かれるのは、アサシン クリードらしい戦国時代だよ!」というスタンスが感じられるだろう。
そういったイントロダクションを経て、奈緒江の復讐譚が幕を開けるのだ。
実にいぶし銀なテイストで、おまけに演歌まで流れる。クラシックな演劇性が提示されているのも印象的だ。
後に体験したメインクエストでは、先に述べたルイス・フロイスや織田信長にくわえて、黒田官兵衛や宇喜多直家といった武将も登場した。
戦国時代を舞台に紡がれる『アサシン クリード』としての物語にも注目したい。
ダブル主人公制だから「オープンワールドアクションRPG」も「ステルスアクション」も、どっちも楽しめそう
ここからは、具体的なゲームプレイに着目しよう。
まず、ダブル主人公に共通する能力としては、従来どおりの従来通りのパリィと回避、強および弱攻撃が用意されている。これにくわえて、戦闘中に蓄積されていくポイントを消費することで特殊なスキル攻撃を放つことが可能だ。
特殊な攻撃を使用すると画面が白黒になる演出が発生し、王道な和風の世界観をバトル中も楽しむことができる。
ダブル主人公のひとりである弥助は『アサシン クリード オデッセイ』や『アサシン クリード ヴァルハラ』といった作品のように、オープンワールドのアクションRPGらしいスタイルで楽しめるキャラクターだ。
スペックとしては攻撃力と耐久力に秀でており、先述のとおり基本アクションにくわえて突進や居合などのスキル攻撃を行うことができる。
突進をすれば頑丈な扉や障子などもブチ破って突き進むことができるため、まさに猪突猛進し敵をゴリゴリとなぎ倒すゲームプレイを楽しめるだろう。
そのいっぽう、奈緒江が持つイーグルビジョンやパルクール能力は無く、動作の隙も大きい。だから弥助を使用している際には「ステルス」要素は控えめだ。
基本的に一体多数の戦闘が展開されるため、ガードや突進で敵をいなしつつ、適宜スキル攻撃を使用し「いかに安全に最速で敵の数を減らせるか」が戦闘のキモとなる印象だ。
遠距離攻撃としては火力の高い鉄砲や弓なども用意されており、近接武器に関しては刀だけでなく棍棒なども存在する。この辺はプレイスタイルや好みにあわせて使い分けよう。
ちなみに、基本的にゲーム内の敵は「ステルスでも遊べる」配置になっているため、無暗に突っ込むと四方八方から攻撃され、あっという間に体力バーが消滅する。性能を加味すると間違いなくパワー系だが、ただボタンを連打し回復薬をがぶ飲みするだけでは決して美しくない戦いが展開してしまう。サムライとしての立ち回りをマスターする必要があるだろう。
いっぽうの奈緒江は、基本形の『アサシン クリード』らしい性能を携えている。
基本アクションにくわえて敵の位置などが透けて見える「イーグルビジョン」が使用でき、建築物の屋根などに昇れる「鉤縄」が使用できる。
さらに、従来の作品における投げナイフにあたる「クナイ」や、クナイより相対的にダメージ量が少ない「手裏剣」、敵を誘導する「鈴」、煙玉も使用できる。スキルも相まって「ステルスアクション重視の過去作に登場した便利アイテム」をいろいろ使えるような仕様だ。
弥助と比べると、身のこなしは明確に軽いが、体力や耐久力は少ない。とはいえ、弥助とおなじくポイントを消費して強力な攻撃スキルを使用することもできる。
筆者はノーマルの難度でプレイしたが、多数の敵を迎え撃つ戦闘も上手く立ち回れば充分に戦える。決して油断はできないが弱すぎることもない、適度な歯ごたえで遊べるだろう。
また、多数の敵と戦う際には、奈緒江が使用できる「鎖鎌」はかなり便利だった。というのも、リーチが長く強攻撃では複数の敵を一度に怯ませることができるため、ヒットアンドアウェイをするには最適だからだ。
さらに、本作では「かがみ」にくわえて「腹ばい」も用意され、暗闇の中では敵からバレ辛くなる仕様も新たに用意されている。奈緒江でのプレイではこれらを利用することで、よりスムーズかつ自由なステルスが行えるのではないだろうか。
なお、本作には装備の概念にくわえてレベルの概念もあり、各キャラクターはレベルアップするたびに獲得できるポイントでパッシブスキルを獲得することができる。
パッシブスキルを獲得していくことで「キャラクターの好きな要素」を強化できるため、自分好みのスタイルを確立していこう。
マップの広さ、密偵、町人の愉快な会話。厳つい鎧を着てお絵描きアクティビティも楽しめる
試遊では一部のマップしか訪れることはできなかったが、マップの広さや探索要素もしっかりと確保されている。
マップは戦国時代の日本をデフォルメした形状で、試遊においては播磨や和泉・摂津、大和、山城、紀伊といった地域が確認できた。
各ロケーションには『アサシン クリード』の過去作に登場したような「物見処」が存在し、ファストトラベルを解禁できるようだ。
試遊した限りではロケーションごとにしっかりと景色の差異があり、ただ歩き回ったり、描かれる世界を眺めることにも喜びを感じられるだろう。試遊時には確認できなかったものの、季節の概念も存在するそうだ。日本らしい四季のある景色も楽しめるだろう。
なお、従来のアサシン クリードと異なる要素として「密偵」の概念が用意されている。
本作のクエストは、予め提示される情報が抽象的だ。そこで自らの脚で想定されるマップを探索し目的の達成に近づくことも可能だが、この密偵を探索したい範囲に派遣することで「ターゲットの居場所」をはじめとする詳細なクエスト情報を事前に知ることができる。
また、マップ内の細かい演出やアクティビティも愉快だ。
マップを徘徊していると、喧嘩をしているウサギや黄昏ているアオサギなど、小動物が特殊な行動をしている場面に遭遇することができる。
それらはダッシュなどで接近すると逃げてしまうので、腹ばい移動などを使ってゆっくり近づく必要がある。無事に小動物たちを逃がさずに接近できると、弥助や奈緒江が小動物たちの絵を描いてくれる。また、スキルによる成長に関係する「知識」というポイントも獲得可能だ。
このほかにも、町人が天狗や幽霊といったトラディショナルな都市伝説を世間話で楽しんでいる場面もしばしば見かけた。
犬も猫も、猿もキツネもなんでもござれ。「隠れ家」で自分だけの戦国動物王国を築け
本作の‟ほっこり成分”は、動物のために懸命に忍ぶ弥助と奈緒江に留まらない。
サイドコンテンツの「隠れ家」は弥助と奈緒江の拠点に該当するマップで、クエストを進めていく中で仲間になったキャラクターたちもそこに住まうこととなる。
隠れ家では道中で獲得した資材アイテムを消費することでさまざまな施設を建設可能だ。
一部の施設を建設することで、回復アイテムの回復量が増えたり、密偵ひとりあたりの探索効果が上昇したりと、戦闘においてもさまざまなメリットをもたらす。
また、隠れ家に住まうこととなったキャラクターとの交流もできるため、作中の世界をいきいきと描く役割も担っていると感じた。
とくに注目したいのは、隠れ家にさまざまな動物たちを配置できること。犬に関しては柴犬だけでなく秋田犬も用意されており、猫に関しても種類はさまざま。
さらに、猿やキツネ、ウサギ、鹿なども用意されており、隠れ家には自由に配置することが可能だ。
猫と犬に関しては撫でることもできるため、弥助や奈緒江として犬と猫と交流したい方は、隠れ家に入り浸ってみよう。
記事冒頭で述べたように、本作は日本を舞台にした『アサシン クリード』にふさわしい、ロマンたっぷりの戦国時代が描かれていた。
数時間プレイした印象としては、ムービーシーンやイントロダクションなどを経て、開発者が想定する順序でゲームをプレイすれば、日本のプレイヤーもすんなりと本作の世界に浸れると思う。
ゲームプレイにおいても正面から突っ切るスタイルと、シリーズの伝統的な要素を踏襲し発展させたステルスアクションの双方をひとつの作品で楽しめる。「気分にあわせていろいろな遊び方ができる」お得な作品になっていると言えるだろう。
『アサシン クリード シャドウズ』は3月20日にPS5、Xbox Series X|S、PC向けに発売される予定だ。