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『原神』の“夢喰い獏”モチーフの新キャラ「夢見月瑞希」を宗教文化史や日本文学の専門家が分析。かつて、バクはパンダと混同されていた?「ゲームさんぽ/よそ見」の映像が公開

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2月23日(日)、さまざまな分野に精通する専門家の目線でゲームを分析する「ゲームさんぽ/よそ見」の新たな映像がYouTubeとニコニコ動画に向けて公開された。

今回は、HoYoverseの手がけるオープンワールドRPG『原神』に登場する新キャラクター「夢見月瑞希」を分析すべく、宗教文化史の専門家である佐々木聡氏と、怪異説史の専門家である久留島元氏が招かれた。夢見月瑞希は、銭湯で心理療法士を営んでおり、悪夢を除去して食べるという夢食いバクのような性質をもっている。

京都の大学で授業を行い、”日本の文学”や、鬼、天狗などを専門にしている久留島元氏は俳人の一面を持っており、俳句結社「麒麟」の編集長でもある。久留島氏は、中国の神獣や聖獣に詳しい人として佐々木聡氏を紹介する。

佐々木聡氏は金沢学院大学の准教授であり、「妖怪」はなぜ生まれたか、というテーマをほりさげる著書『怪異から妖怪へ』の著者のひとりとして名を連ねている人物だ。佐々木氏は東洋史に精通しており、中国を含む東アジアの漢字文化圏の「占い」と「魔除け」を専門としている。

魔除けを霊力としてもっている神獣の中に白沢(はくたく)がバクと対になって描かれていることを解説。共通点も「魔除け」であるという。

ただし、「夢見月瑞希」に「バクらしいモチーフはあるか」という質問に対しては、双方が「見つけづらい」と回答。佐々木氏は、尻尾のデザインが「雲気文(うんきもん)」を彷彿とさせ、神獣っぽいとコメントした。

佐々木氏は、「バク」はもともとはパンダと混同されていたと解説する。そして、「バク」が夢を食べるという逸話は中国の古い本には見当たらず、おそらく日本でうまれた概念だろうと語った。

また、後漢の時代に節分の元になった「鬼遣」の元である「大儺」という儀式があり、参加した人たちがとなえる呪文の中に夢をたべる「伯奇(はくき)」という神獣について言及があり、どちらかというと魔除け、縁起物というイメージであるとコメントした。

「ゲームさんぽ/よそ見」の新たな映像「【原神】夢食う「バク」の進化2000年史 – 夢見月瑞希-|ゲームさんぽ」は公式YouTubeチャンネルとニコニコ動画にて視聴可能だ。

ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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