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『パタポン1+2 リプレイ』はやっぱ最高だった。「パタポン」たちにリズムに合わせて指示を出す、音ゲー+シミュレーションという唯一無二の作品、難易度調整など遊びやすい新機能も搭載

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バンダイナムコエンターテインメントより、7月10日に発売されるNintendo Switch™ / PlayStation®5/ STEAM® 向けコマンドカーニバルゲームの『パタポン1+2 リプレイ』。本作は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(当時:ソニー・コンピュータエンタテインメント)より発売されていたPSP®向けのゲームを移植した作品だ。

『パタポン』シリーズとしてはこれまで3本が発売されているが、今回のタイトルに含まれているのは、1作目の『パタポン』と2作目の『パタポン2 ドンチャカ♪』の2タイトルである。今年の3月27日に配信されたNintendo Directにて発表されたときは、驚いたユーザーも多かっただろう。

元々携帯ゲーム機のPSP®向けに作られているということもあり、Nintendo Switch™との相性もバッチリだ。

『パタポン1+2 リプレイ』レビュー・評価・感想:クセになる中毒性バツグンの音楽も健在。パタパタパタポン♪_001

リリースに先駆けて、本作のメディア向けの先行体験会が実施された。今回試遊したのはPlayStation® 5版で、あらかじめ会場側で用意された『パタポン2 ドンチャカ♪』のステージだ。

全体のプレイ時間としては30分程だったが、少しだけNintendo Switch™版も触ることができたので、最後にそちらの感触も合わせてここからわかったゲームの魅力と特徴をご紹介していく。

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これひとつで2本分のゲームが遊べるのはお得すぎる。

文・取材/高島おしゃむ
編集/anymo

タイミングよく4つのボタンを押してパタポンに指示を出そう

そもそも『パタポン』ってどんなゲームなの?と思われる方のために、簡単にゲームの内容をご紹介しておこう。何やら目玉のような不思議なキャラクターたちがズラリと並んでいるが、これが「パタポン」と呼ばれるキャラクターたちだ。

彼らは、プレイヤーがリズムに合わせて4つのボタンを押すことで進軍していくことができるほか、あるいは目の前に現れる敵を攻撃することも可能だ。このリズムゲーム的な要素と、RPGやアドベンチャーのように冒険をしていく要素が見事にミックスされたところが『パタポン』シリーズの魅力となっている。

基本的に使用するコントローラーのボタンも限られており、PlayStation® 5ならばパタ(□)、ポン(○)、ドン(✕)、チャカ(△)の4つがメインとなる。

たとえば、パタポンたちを前進させたいときは□・□・□・○とリズムに合わせてコマンドを入力していけばOKだ。一見するとシンプルなアクションなのだが、こうしたコマンドを場面に合わせて適切に入力していかなくてはならないため、実際に遊んでみるとやり応えのある場面も登場してくるのである。

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4つのボタンの組み合わせで、パタポンたちに指示を出してあげよう。
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バックに流れるリズムに合わせてボタンを押していくのだが、視覚的にもわかりやすいようにリズムに合わせて白い枠も表示される。

今回は体験できなかったが、ゲームとしてはひとつのステージをクリアすると次のステージがアンロックされる。ステージごとに登場する敵の種類なども異なるため、攻略に出発する前にそれらに合わせた部隊編成も重要になってくるのだ。どんな部隊なら効率的に攻略することができるのか? といった組み合わせを考えるところも、このゲームの面白いところである。

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ひとつのマップをアンロックしてどんどん進んでいくようなイメージだ。

シリーズの土台となった1作目の『パタポン』と比較して、2作目の『パタポン2 ドンチャカ♪』では、ゲーム性はそのまま継承しつつも、ミッションやボスキャラなどがボリュームアップしている。それに加えて、新たなクラス(職種)のパタポンや新たなコマンドが登場するほか、特殊な能力を持った「ヒーローパタポン」が登場するところも特徴となっている。

さらに、PSP®のゲームらしく4人で協力プレイが楽しめるマルチモードの「パラゲト」が遊べるところもポイントだ。今回の『パタポン1+2 リプレイ』では、Nintendo Switch™版でのみローカル通信で最大4人まで一緒に遊ぶことができる。

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PSP®の頃のように、同じ場所に4人でNintendo Switch™を持ち寄って一緒に遊ぶことも出来る。

より快適に遊びやすくするための調整も導入

基本的には、オリジナルのゲーム性をそのまま現代のゲーム環境でも遊べるようにしたという印象だが、移植版ならではの調整もいくつか行われている。

そのひとつが、難易度調整だ。この『パタポン1+2 リプレイ』では、EASY、NORMAL、HARDの3段階の“新基準”での難易度調整が行われている。

なかでも分かりやすい調整内容としては、たとえばEASYを選べばNORMALの状態と比較して与えるダメージの量が増え、受けるダメージの量が減る。HARDならその真逆といった感じだ。難易度によって、合格と判定されるコマンド判定の範囲も調整されているため、自分のレベルに合わせてゲームが楽しめるようになっているのである。

このコマンドの入力のタイミングも、11段階で調整することが可能だ。たとえば、入力タイミングの数字をマイナスにすると入力の判定タイミングを規定より早くすることよりができる。逆にプラスにするとタイミングを規定より遅くすることよりができる。

たとえば、使用しているハードやプレイ環境によっては、操作に違和感を覚えることがあるかもしれない。そうしたときに、この入力タイミング調整機能を使ってチューニングすることができるというわけだ。

ちなみに、入力タイミングの調整は通常のミッションとパタポン2のパラゲトにおいてのみ反映される。“きせき”のコマンドで発動するミラクル内の判定やミニゲームの判定には適用されないので注意しよう。

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細かい部分ではあるが、ベタな移植に止まらずより遊びやすくなるような調整も行われている。

PSP®よりも高解像度になっているため、ゲーム中に流れる映像やパタポンを含むキャラクターなどのグラフィックも高画質で楽しむことができる。また、オープニングやエンディングなどに流れる演出の一部もスキップできるようになっており、より快適にゲームがプレイできるようになったのも何気に嬉しいポイントだ。

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全体的なグラフィックも高画質化されており、全く違和感がない。

なによりも嬉しい機能のひとつが、プレイ中にタイココマンドを画面下側に常時表示することができるようになったところである。コマンドの表示自体はプレイヤーの任意でON・OFFができるようになっているが、ゲームを遊び始めたばかりでまだコマンドを覚えていないときはかなり役に立ってくれる。

ちなみに、タイココマンドは『パタポン』よりもコマンド数が多い『パタポン2 ドンチャカ♪』だと最大で8種類存在しているのだが、常時表示機能で表示できるのはその時点までで獲得済のコマンドのみとなる。すべてのタイココマンドが使えるようになった後は、8種類全部を画面下に表示しておくことも可能だ。

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タイココマンドを表示している状態。全8種類すべて見られるようになっている。
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タイココマンドの表示をOFFにしたところ。このように、開いているスペースをうまく活用しているような感じだ。

また、『パタポン2 ドンチャカ♪』で追加された機能で『パタポン』のときはなかった、「TIPSアルバム(TIPSの一覧表示)」や「部隊編成時のヘルプ表示」が、両方のタイトルで利用できるようになった。

「TIPSアルバム」は、これまで取得したTIPSの一覧が見られるというものだ。「ヘルプ表示」のほうは、各言語でステータスの詳細内容などが見られるようになるため、部隊編成時の参考にしやすくなっている。

いきなりボス戦にも挑戦!追撃のチャンスを見逃すな

少々前置きが長くなったが、今回の試遊でプレイしたステージをご紹介していこう。まずはタイトルの時点で楽しげな雰囲気が漂っている。目玉のような姿をしたパタポンたちが、音楽に合わせて可愛らしい声で「パタパタパタッポン♪」といった感じで歌っており、これを見ているだけでも気分が上がってくる。

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今回の『パタポン2 ドンチャカ♪』のメニュー画面。

最初にプレイしたのは、「キノコにょきにょき ニョキリ沼」だ。ステージとしては雨が降り注いでいる中を行進していくような作りになっており、自然溢れる『パタポン』らしい世界観が広がっていた。PSP®で遊んで以来、相当久しぶりにこのゲームをプレイしたということもあって最初は少し戸惑ってしまったが、ゲームに慣れてくるとパタポンたちを動かしていくのがだんだん楽しくなってくる。

このゲームでは、目の前に現れるものは敵だろうがなんだろうが攻撃を加えていくことができる。序盤は「すすめ」のコマンド(□・□・□・○)で前進していき、目の前に敵やオブジェクトが現れたら「せめろ」のコマンド(○・○・□・○)で攻撃を仕掛けていくといった感じだ。

ちなみに攻撃を仕掛けるときは、ある程度対象物に近づかなくてはならない。少し離れた場所で「せめろ」のコマンドを入力してもパタポンたちから「なにも いないッス」や「たたかう あいてが みつかりません!」といわれてしまうので注意しよう。

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攻撃対象に近づくために部隊を進めていこう。
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リズムに合わせてコマンドを入力しコンボをつなげていくことで、フィーバー状態に!
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ある程度離れてしまうと攻撃することはできないので、「すすめ」で近づいていこう。

このように、途中に現れる敵を蹴散らしながら先に進んでいき、ポールのようなものが立っているゴールにたどり着くことができるとクリアとなる。

プレイ中にさまざまなアイテムを拾うが、画面右上にアイコン上に表示がされるほか、最後のリザルト画面でもクリア時間と合わせて戦利品も表示もされるので、どんなアイテムを入手したのかはそれらで確認することができる。

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ピンク色のポールのような場所を通り抜けるとステージクリアだ。
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リザルト画面でクリア時間や戦利品などの確認もできる。

続いて挑戦したステージが、「ドンガラ遺跡の巨竜ドドンガ」だ。先ほどの「キノコにょきにょき ニョキリ沼」とは異なり、こちらは背景が紫色の世界が広がっている。こちらはボス戦のステージとなっており、パタポンたちが進んでいくといきなり目の前に巨竜ドドンガが出現する。

ドドンガは口から炎を吹いたりするほか、近づいたときは巨大な顎でパタポンたちにダメージを与えてくる。攻撃がうまく当たるとときおりよろめいていることもあるので、そのときは追撃のチャンスだ。油断していると後退して距離を取られたりするので、その場合はすかさず前進して追いかけていこう。

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目の前に巨竜ドドンガが出現!
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巨大な顎でパタポンたちを蹴散らしてくる。
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苦戦するかと思いきや……巨竜ドドンガを倒すことに成功。

場面ごとに適切なコマンドを選んでいくことが大切。ミラクルを起こす「きせき」を活用しよう

続いて挑戦したのが、「ウッソー森のカーメン砦」だ。こちらはこれまで体験してきたステージとは異なり、要所ごとに砦が設置されている。これを破壊しながら、その先を目指していかなくてはならないのだ。高台から攻撃してくる敵もおり、なかなかやっかいなステージでもある。

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高台から攻撃してくる敵が出現。

ちなみに、“着火効果”のある攻撃が放たれると、敵や味方に関わらず、キャラクターやフィールドに火が燃え移ることがある。この上をパタポンたちが通り過ぎるとダメージを受けてしまうのだ。

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ステージ上に火が広がっているときは、その上を通るとダメージを受けてしまう。

こういった場面や、(今回は体験していないが)熱砂のステージでの“熱さ”等、特殊な状況で行く手を阻まれるステージで役に立つのが「きせき」のコマンドだ。

あらかじめ編成画面で“ミラクル”というアイテムを装備しておく必要があるが、コンボを重ねてフィーバー状態にしてから、「きせき(×・××・××)」のコマンドを入力すると画面が切り替わる。ここで始まるメロディに合わせてさらにタイミング良くボタンを押していくことで、雨を降らすなど、装備した“ミラクル”に応じて様々な効果を起こすことができるのである。

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いろいろなコマンドを試してみたかったということもあるが、「きせき」を発動してみた。
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“雨のミラクル”を装備していたため、が降ってきて火を消すことに成功!

「ウッソー森のカーメン砦」も無事クリアに成功し、今回の体験会で用意されていた部分をひと通り体験することができた。そこで、追加で「パタポン食い植物 シュクル」に挑戦してみることに。こちらに登場するのが、巨大な食虫植物のようなボスキャラであるシュクルだ。

植物だから動かないのかと思いきや、距離を調整するように移動するというかなりやっかいな相手であった。植物でありながら触手を持っており、そちらでパタポンたちを掴むほか、巨体でのしかかってきたり、あるいは催眠ガスで眠らせてきたりするなど、今回体験した敵の中では最も手強いボスでもある。

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仲間がシュクルの触手に捕まれてしまった!
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巨体でのしかかってくる攻撃もやっかいだ。
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催眠ガスをくらうとパタポンたちが眠らされてしまう。

シュクルは攻撃によっては予備動作がわかるので、「まもれ(△・△・□・○)」や「にげろ(○・□・○・□)」といったコマンドを適切なタイミングで入力しながら、戦っていかなくてはならない。今回は2度ほど挑戦したものの、タイココマンドを見る余裕もなく残念ながらどちらも討伐には失敗してしまった。

その敗因のひとつが、部隊の中にたった一人だけ存在する「はたポン」と呼ばれる旗を持っているパタポンが倒されてしまったことである。このゲームでは、全滅や時間切れなどステージによって様々な要因でミッション失敗になってしまうことがあるが、このはたポンが倒されてしまった場合も失敗となるのだ。

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途中ではたポンがやられてしまい、その他の部隊は生存しているもののミッション失敗に。

今回の試遊はここまでだったが、最後にNintendo Switch™版を実機の携帯モードも確認させていただいた。こちらは写真を撮ることはできなかったのだが、ゲームプレイは快適な印象だ。

元々携帯ゲーム機向けのタイトルなので、やはり手元で好きな時に遊べるというのはしっくりくる。想像以上に画面の視認性もよく、パフォーマンス的にもそれほど大きな違いは感じられなかったため、旅行などの開いた時間で遊ぶ用に1本持っておきたい。

カジュアルな印象のゲームではあるが、やりこみがいもある。さらに今回は2本分のゲームが収録されているため、ボリュームも十分すぎるほどだ。価格帯もかなり抑えられており、比較的に入手しやすいところも本作の魅力といえる。少しでも興味を持ったならば、ぜひとも挑戦してほしい1本だ。

ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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