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ヨコオタロウ氏が聞く「『ドラゴンクエストVII Reimagined』はなぜこれほどすばらしいゲーム内アートを実現できたんですか?」──再現性があれば……と思って話を聞いたらアートディレクターの才気に圧倒されてヨコオさんも「狂気を感じて若干怖い」と言い出す

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2026年2月、スクウェア・エニックスからリリースされた『ドラゴンクエストVII Reimagined』(以下、『リイマジンド』)。本作のゲーム内アートは、発売直後から業界内外で衝撃を呼んでいた。

とくに注目を集めたのは、オリジナルから一新された「ドールルック」だ。

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© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX

実物の人形をフォトグラメトリ(3Dスキャン)して制作したキャラクターモデルを軸に、ジオラマ・ミニチュアの世界を覗き込むような独特の画面作りを実現するという、これまでの「ドラゴンクエスト」シリーズにはなかったアプローチである。

その独特のルック、ゲーム内アートにいち早く反応したのが、「NieR」シリーズのクリエイティブディレクターとして知られるヨコオタロウ氏だ。

3月某日「宣伝ではなくて、純粋にどうやってこのアートディレクションが実現できたのかを知りたいので電ファミさんで取材してくれませんか?」と、異例の「持ち込み企画」としてヨコオ氏から電ファミニコゲーマーに取材依頼が届いた。

さっそく編集部からスクウェア・エニックスへ取材の打診を行い、異例の「ヨコオが聞く」企画の実現となった次第だ。

取材相手として出席いただいたのは、『リイマジンド』のディレクターを務めたスクウェア・エニックスの八木正人氏。そして、アートディレクターを担当したヘキサドライブの浅野達郎氏

また、ヨコオ氏と同様、本作のアートに大注目していたイラストレーターの藤坂公彦氏にも聞き手役として参加いただいている。藤坂氏は『ドラッグ オン ドラグーン』『テラバトル』シリーズのキャラクターデザインを担当していた人物、と言えばゲーマーには周知のことだろう。

じつは、本取材のキーマンである浅野氏は、経歴を調べてもほとんど詳細が出てこない。インタビューの中で、浅野氏は30代半ばまでゲーム業界とは無縁のメガネ屋で働いており、独学でイラストを学んできたという異色の経歴の持ち主だったことが判明。

さらに、話が進んでいくうちにヨコオ氏から「最初はすごいと思って話を聞いてましたが、浅野さんが若干怖い」と言わしめるほどの「狂気の仮説検証」エピソードが明らかとなっていく……。浅野氏はいかにしてオリジナルの『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(以下、『ドラゴンクエストVII』)を生まれ変わらせたのか? その全貌をとくとご覧いただきたい。

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写真左から浅野氏、八木氏、ヨコオ氏、藤坂氏。

聞き手・文・編集/豊田恵吾
撮影/永山 亘

もっとも大事にしていたのは「白黒化すること」、「4階調化すること」、「ブラーをかけること」

──本日はよろしくお願いします。改めて今回の企画趣旨を説明させていただくと、ヨコオさんから「『リイマジンド』のゲーム内アートがすごいので、もっといろんな人に知ってほしいし、作った人に話を聞きたい」という打診をいただいた、というのがきっかけとなります。

ヨコオさんに加えて、イラストレーターの藤坂さんにも聞き手として参加いただきましたので、イラストレーター目線からの質問もぶつけさせていただきます。

藤坂公彦氏(以下、藤坂氏):
同業者として『リイマジンド』のゲーム内アートはとても気になっていました。

周囲の人間……たとえば「NieR」シリーズのコンセプトアートを担当した幸田和磨さんとも、「『リイマジンド』のアート、めっちゃいいよね」、「あの方向性で、これからも作ってくれるとうれしいよね」とよく話していたんですよ。

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© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX

ヨコオタロウ氏(以下、ヨコオ氏):
宣伝ではなく、僕と藤坂さんは、「どうやって『リイマジンド』のアートディレクションが行われたのか?」というのを純粋に知りたくて、今日ここに来ています。

八木正人氏(以下、八木氏):
そう言っていただけて、本当にありがたいです。

以前、ヨコオさんがXで『リイマジンド』をめちゃくちゃ褒めてくださっていたのを拝見していて……。あのときは、チームメンバー全員がよろこんでいました。

ヨコオさんは「宣伝じゃない」とおっしゃいましたけど、僕らからすれば、あのXポストは最高にありがたい宣伝でした(笑)。

ヨコオ氏:
エレメント【※1】で見たときに、個々だけを見れば”優れたゲーム”ってたくさんあるんですよ。でも『リイマジンド』は、その要素のバランスを取るのが本当にお上手で。

とくに「ドラゴンクエスト」のような絵が明るいゲームで、トンマナ【※2】やデザインの方向性を揃えるというのは、本当に難しいことじゃないですか。たとえば、「NieR」だとモノトーンにして「それで揃えましょう」というルールでやっているから、アート的なコンセプトはまとめられる。

でも「ドラゴンクエスト」のように色がたくさんあって割と何でもありという世界の中で、トンマナを整えるのはすごく難度が高いわけです。単に色をたくさん配置すれば明るくて良くなるわけではなくて、バランス感が必要ですから。

それをどうやってチームとして実現したのか、というのが僕の素直な疑問でした。だから、その部分をじっくりと聞かせてください。

※1 エレメント……ゲームデザイン上の構成要素。

※2 トンマナ……トーン&マナーの略称。おもにデザインや文章などにおいて、全体的な雰囲気や世界観に一貫性をもたせるためのルールを指す。

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浅野達郎氏(以下、浅野氏):
これまで『リイマジンド』について「こんなふうに画作りをしたんですよ」と語る場所はなかったので、今日はぜひ語らせてください。

順を追って説明すると、『リイマジンド』プロジェクト自体のスタートアップは「人形」というところから始まっているんですね。人形が1体ある状態から「昔のファンも新しいファンも納得する『ドラゴンクエストVII』を作ろう」と目指していきました。このとき、プリプロダクション【※】ごろまでは僕がディレクターとアートディレクターを兼任していたんです。

この最初の期間に、1ヵ月ぐらいで視覚情報で伝えたい体験の方向性を決めきって、じつは半年くらいでルックの基本形に関しては終わっていたんです。では残りの期間でなにをやっていたのかというと、アートではなく、コンテンツで体験させたいコンセプトを定めることに注力しました。チーム運営という目線で言うと、人形1体をスタートとして、これをどう『ドラゴンクエストVII』に置き換えるかということです。

物量も非常に多いゲームですから、ちゃんとチームで品質を安定して作りきらないといけない。そうなったときに、お客さんも作り手も共通して想像できるものをテーマにしようと考えて出てきたのが、「ジオラマ・ミニチュア」だったんです。

老若男女、世界中どこの人でも、プラレールを下からのぞいたり、シルバニアファミリーで遊んだりというのは、みんなワクワクしたことがある体験ですよね。それをまずは「ドラゴンクエスト」という場所での体験にしてみようと。

そのあと、「「ドラゴンクエスト」として大事にしないといけないのは何か」という部分を定めました。鳥山明先生のアートや、「ドラゴンクエスト」らしい緑、青、黄といった各カラーの全体の調和ですね。緑が鮮やかとか、青が鮮やかというのではなくて、全体の色の調和です。

それをどう表現するかを考えたときに派手にしてしまうと、先ほどお伝えしたみんなが体験したことのある「ジオラマ感」が全部消えちゃうんですよね。ジオラマの体験ではなく、ただのゲームの体験になってしまう。そこに留意したうえで、さらに『ドラゴンクエストVII』の特性に向き合いました。

比較的プレイ時間が長い中で、主人公みずからが立ち向かって冒険していくという体験よりも、いろいろなキャラクターのエピソードが交わっていくオムニバス形式のストーリーが多いというところから、主観でプレイしながらも俯瞰として体験できるというのがジオラマとも親和性が高いと考えたんですね。

その後、現場のメンバーに対してまず「これをやります」という話をしました。そして、全員はじめて一緒に仕事をする人たちだったので個別に話をして、そのメンバーが何が得意で何が不得意なのかを見定めていきました。

※プリプロダクション……本格的な開発(プロダクション)に入る前の準備・企画段階のこと。

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ヨコオ氏:
ちょっと待ってください。浅野さん、開幕からめちゃくちゃしゃべりますね(笑)。

浅野氏:
すみません(笑)。お伝えしたいことが多すぎて。このまま続けさせてください。

個別にメンバーと話すことで、「このアーティストはあのプログラマーと相性が悪いかも」とか、そういった部分も見えてきました。チームメンバー全員に伝えたのは、「みんなのモチベーションの高さがコンテンツのクオリティに絶対つながる」、「気乗りしないけどやっているというのはナシにしよう」ということでした。

それを伝えたうえで、「それが阻害されているんだったら言ってほしい」と伝えて、本格的な開発がスタートしました。ここまでのマインドセットのおかげか、以降は本当にみんなスポンジのようにいろんなことを吸収してくれましたね。

トンマナを管理するときに、もっとも大事にしていたのは制作したものに対して「白黒化すること」「4階調化【※】すること」「ブラー(ぼかし)をかけること」でした。アーティストは多くの場合、服の質感とか、芝生のつぶつぶ感とか、芝生のグラデーションとか、「こんな絵でいいかな」と漠然と作ってしまうことがあるんですよね。

でも、それを4階調化すると「色数を少なくして見るとグレーの2色だけで単調」とわかったり、ブラーをかけると「質感が死んでしまっている」とわかるんですね。また、『リイマジンド』はさまざまな機種で発売されることになっていましたから、どの機種でも差異のないものにしなければいけないわけです。

解像度を下げた状態でもきれいに見えるかとか、ブラーをかけても質感が残っているかとか。このチェックを行うことで、「ボケているけど、ちゃんと被写界深度がかかっていて質感は残っている」という「手作り」感が得られるんですね。

場合によってはノーマルマップ(法線マップ)も変えていました。芝生が出来上がってきたときに、ブラーをかけてみるとただの緑一色だったりして……。そういったときには、「大きい揺らぎのノーマルマップと細かいつぶつぶのノーマルマップをこのぐらいの割合で混ぜて、ベースカラーで黄色と緑をこの分量で混ぜてくれれば、光が当たったときにこうなるよね」と返したり。

※4階調化……写真などの連続した色の濃淡(グラデーション)を4つの段階に単純化する画像処理(ポスタリゼーション)。

藤坂氏:
それをすべてチェックするのは膨大な量ですよね。割と現実的じゃない基準というか……。しかも、そう指示したところで「何をしたら直るのかわからない人」もいますよね?

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浅野氏:
そこを最初にパートリーダーの方にはしっかり伝えるようにしました。「あなたが僕の監修内容を代弁できるようになってください」と。

藤坂氏:
なるほど。イラストでも「モノクロ化すると印象がわかりますよ」というのがありますが、意外にスキルがないと「じゃあ何を変えたら良くなるのか」とか、「色味をどうしたらいいのか」とかがわからない人もいるんですよね。

浅野氏:
最初に実施したマインドセットの効果が大きかったんだと思います。そのうえで背景でやっていたのは、ライトとポストプロセス【※1】、ノーマルマップ、ラフネス【※2】を同時に監修することです。「あなたのノーマルマップがこうなったところに、ライトが45度で当たったらこう影が出るけど、カメラを回したらこうだよね」という話を同時にすることで、あとはそれぞれが相談し合える状態にしたんです。

※1 ポストプロセス……3D空間を描画(レンダリング)した直後の映像に対して、画面全体にフィルターや特殊効果をかける処理。

※2 ラフネス……オブジェクト(物質)表面の微細な凹凸や粗さを指すパラメーター。

武器は、持ち手の太さ、長さ、大きさ、質感など、すべてパーツごとに個別に調整

ヨコオ氏:
想像していなかった真っ当さに驚いているのですが、そのチェック会では各セクションのシニアリーダーを集めて、全員で見てチェックし、「こうだよね」というのを確認して解散する、という感じでやってらっしゃったんですか。

浅野氏:
いや、適宜でした。むしろダイレクトにそれぞれのセクションを見ながら、そこに関係する人、それこそプランナーも呼んでいました。自分でギミックなどアートが関わる仕様概要を一部書いていたので「ここに遊びをこう入れてください」と伝えるのも全部まとめて。

藤坂氏:
たとえば序盤はチェックが絶対に必要じゃないですか。最初に「なるほどね」とコツをつかんでくれると、もうだいたいみんなできそうだな、となる場合もあるし、ならない場合もある。そのへんはどうでしたか?

浅野氏:
幸運だったのが、リーダーたちや主要メンバーがとにかく食らいついてくれる人だったんですね。とくに背景は恐ろしい物量だったのですが、途中からはすべてお任せできました。砂漠のマップです、崩壊してるマップです、と新しいものが出てくるたびに、改めて新規でインストールしながらカバーしていきました。

主要キャラクターに関してはゲームが出来てくるにつれてより良くしたくなって最後まで永遠にレタッチをしていました。イベントごと、カットシーンごと、モーションごとに、場合によっては1フレームずつレタッチを……。ただ、本当に末端までがっちりやったのは装備品でした。その理由は……もう勝手にしゃべっちゃいますけども(笑)。

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© ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX

ヨコオ氏:
どうぞどうぞ。電ファミさん、もうすべて記事にしてください(笑)。

浅野氏:
『リイマジンド』のキャラクターのゲーム内モデルはだいたい4.5頭身くらいなんですね。『ドラゴンクエストⅩ オフライン』では2頭身に近かったり、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』ではもっと頭身が高かったりと、最近のシリーズ作で4.5頭身くらいの作品はなかったかと思います。

この頭身のキャラクターが質感のある「はやぶさの剣」を持つ、「まじんのかなづち」を持つということは、まったく新しい体験となるわけです。ですので、これまでの感覚で武器を持たせてしまうと、スケール感が異なるものになってしまうんです。

ポイントとしては、キャラクターと装備の大きさをただ合わせただけではない、ということです。「ドラゴンクエスト」をプレイしていたら、ゴールドを貯めて新しい装備を手に入れたときって、やっぱりうれしいじゃないですか。いままで棒切れを持っていたのが剣になる。いままで「きづち」だったのが「ウォーハンマー」になる。このときに「これで殴ったら痛そうだな」という体験、質感をちゃんと伝えたかったんです。

ですので、たとえば「ウォーハンマー」と「まじんのかなづち」という同じような見た目の武器でも、持ち手の太さ、長さ、武器自体の大きさ、質感など、すべてパーツごとに個別に調整しています。

やろうと思えば「剣の場合の長さはこれ」と完全にルール化はできるのですが、意図的にすべて個別のデザインにしています。

ヨコオ氏:
序盤から浅野さんの狂気が垣間見えてきたのですが(笑)、それってモーションのスタッフから嫌がられませんでしたか?

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浅野氏:
あ、武器の持つ部分はあまり見えないので……。

ヨコオ氏:
なるほど、若干埋まっても許容したわけですね。

浅野氏:
開発中は、埋まっていることよりも「浮いている」ことを拒絶したことが多かったですね。たとえば、モンスターが地面にボンボンと跳ねるときに、位置情報はプログラムで実装していたので、浮いているように見えたり埋まってしまったりしたことがありました。

埋まっているときは、意図的に1フレームだけ埋まるようにしました。そうすることで体験としてはまるで地面に接触して縮まってボヨンと跳ねてるように見えるんですね。結果として、ゲームプレイではちょうどよく接地しているように感じられるんです。

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ヨコオ氏:
いやー、浅野さんがしゃべっているのを何時間でも聞きたい(笑)。いまからでも『リイマジンド』開発秘話配信を毎週やってもらいたい。予想を超える内容で、学びがすごいです。

ちなみに、八木さんはどういった経緯でディレクターになったんですか? さきほど浅野さんから、当初はディレクター兼アートディレクターだったという話がありましたが……。

八木氏:
僕は途中からの参加となります。参加したのはアルファ版【※】のタイミングだったのですが、手作り感含めて、けっこう完成していました。

ルックを最初に見たときは「これまでにないスタイルだけどめっちゃ「ドラゴンクエスト」じゃん!」って思いましたね。ただ、開発がたいへんだとお聞きしていたので、作るほうでお手伝いさせていただきました。

※アルファ版……開発初期段階のテストバージョンのこと。ゲームの基本的な要素がほぼひととおり組み込まれており、機能の検証などに使われる。

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浅野氏:
僕はアート畑の人間でして、「ドラゴンクエスト」を作るとなったときの「お作法」がわからないというか。独学的に「「ドラゴンクエスト」はこうだろう」という作り方をしていたのですが、ちょっとそのままだと完成に対して懸念があるという判断から、『ドラゴンクエストXI』の経験を活かしてまとめていただくという形で、八木さんや、今日はいないですがうちの開発ディレクターといっしょにやらせていただくことになったんです。

ヨコオ氏:
ヘキサドライブさんの技術力は業界内ではすごく有名でしたが、『リイマジンド』でアートの実力も示したわけで、恐ろしい会社だなと。人形を見せられてのスタートから、ここまでのものを作り上げて……。

藤坂氏:
そもそも、人形というのもどういった着想からだったのですか?

八木氏:
オリジナルの『ドラゴンクエストVII』のキャラクターデザインがちょっとデフォルメされているというか、それまでのシリーズ作とも異なるデフォルメ感だったというところからのインスピレーションですね。

ヨコオ氏:
オリジナルの『ドラゴンクエストVII』が作られたのはプレイステーションで3Dになる過渡期でしたからね。

八木氏:
オリジナル版のゲーム中のキャラクターモデルで言うと、じつは『ドラゴンクエストVI 幻の大地』のときとそれほど頭身は変わっていないんです。ただ、鳥山先生のデザインはキービジュアルも含めて、ちょっとデフォルメされていたんですね。そこからインスピレーションを受けているのだと思います。

藤坂氏:
細かい話になっちゃうんですけど、鳥山先生のイラストって、じつは描き方が作品ごとに違うじゃないですか。『ドラゴンクエストVII』のアートって、僕ら絵描きにはすごく刺さるけど、一般の方からするとちょっと地味に思われちゃう部分もあって。でも、ドールルックになったことで、そこが解消されていると感じたんですね。

ちょうどいいところをチョイスしたというか、すごい正解の出し方をされたと感じていて。そこも驚いたところだったんです。

浅野氏:
じつは、僕が開発に参加したときには、ベースとなる人形はできあがっていたんです。 メインキャラクターの人形はスタジオ・ノーヴァさん【※】が作った実物の人形をフォトグラメトリして、そのハイモデルをベースに作っているのですが、ちょうど大人向け人形劇が注目され始めたころに企画が立ち上がったようでして。

※スタジオ・ノーヴァ……1970年創業の人形・映像制作会社。人形劇の演出・操演・特殊造形などを専門とし、テレビ番組や映像作品を幅広く手がける。今作ではドールルックでキャラクターを表現するためのスキャン用ドールの製作を担当。

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副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。元ファミ通.com編集長。1990年代からゲームメディアに所属しており、これまで500人以上のゲーム開発者、業界関係者、著名人インタビューを手がける。1970年代後半からアーケード、PC、コンシューマーゲームにのめり込み、『ウィザードリィ』のワイヤーフレームで深淵を覗き、現在に至る。
Twitter:@Famitsu_Toyoda

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