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MMORPG『AION2』は、課金をしなくてもPvPをしなくても楽しめる。グローバル版の正式サービスという“お祭り”を迎えた開発チームに本音を聞いた

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10月5日、NCのMMORPG『AION2』が、日本を含むグローバルで正式サービスを開始した。

Twitchを開けば多くのストリーマーが本作を配信し、SNSには自慢のキャラクターのスクリーンショットが続々と投稿されている。数字の面でも、同時接続数はすでに40万人を超えた。

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注目のMMORPGがサービスを開始した直後の熱気は、数年に1度あるかないかの「お祭り」だ。

かくいう筆者は、気持ちのうえでは誰よりも本作を待ちわびていたつもりだが、原稿の山に追われ、最高レベルにして本当の意味での入口ともいえるレベル45にすら到達できていない。まったく情けない限りである。
それでも、配信を見て、スクリーンショットを眺めているだけで、この「お祭り」に参加できている実感がある。

実に、いいものだ。
これまで心血を注いできたMMORPGのサービス開始時と同じように、きっと何年経っても忘れられない体験になるだろう。

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さて、今回紹介するのは、その「お祭り」が始まる直前に、『AION2』開発チームに行ったメールインタビューだ。サービス開始の準備で多忙を極めるなか、事業室長のソ・インソップ氏と開発PDのキム・ナムジュン氏が回答を寄せてくれた。

基本プレイ無料の本作は、本当に課金をしなくても、PvPをしなくても楽しめるのか。両氏の言葉から、その答えを探っていこう。

文/kawasaki

7万4000人が集まったテストプレイ。それでも「パラダイムシフトを起こしたかは、私たちが決めることではない」

──9月に実施された「Launch Scale Test」では、Steamだけで同時接続数が最大約7万4000人に達しました。前回(6月)のインタビューで、「『AION2』でMMORPGのパラダイムシフトが起こる実感はありますか?」と伺ったところ、「自信が持てたら、いいんですけどね」と話されていました。その気持ちに、いまも変わりはありませんか?

開発チーム:
おっしゃるとおり、Launch Scale Testには非常に多くの方に参加していただきました。グローバルでの『AION2』への期待の大きさを実感しましたね。
前回のインタビューと比べると、さまざまな面で反応はずっと大きくなり、これは大きな自信につながっています。

ただ、「MMORPGのパラダイムシフトを起こした」と判断するのは、早計です。そもそも、それは私たちNCが決めることではありません。正式サービスが始まり、プレイヤーの皆さんから評価をいただいて、初めて言えることだと思いますから。

──Launch Scale Testを終えて、あらためて感想を聞かせてください。先ほどの同時接続数のほかに、公開できるデータがあれば、あわせて教えてください。

開発チーム:
本当に多くの方に参加していただいて、正式サービスに向けて大きな手応えを感じました。

Steamの同時接続数は最大で約7万4000人。テストプレイ2日目も、ほぼ同じ規模の方が集まってくださいました。
アジア地域にとっては、決して遊びやすい時間帯ではなかったはずです【※】。それでも予想を上回る反応をいただきまして、急きょサーバーを増設したほどです。

PURPLEからの参加者も含めて、これだけ多くの方が同時に接続する環境で、サーバーやサービスの動きを確かめられた。正式サービスを前に、非常に有益なテストになりました。

※日本時間では、1日目が9月17日22時~18日4時、2日目が9月19日4時~10時に実施された。

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──プレイヤーから寄せられた声のなかで、特に予想外だったものはありますか?

開発チーム:
いちばん意外だったのは、キャラクター作成への反響が、想像をはるかに超えていたことです。キャラクター作成だけで長い時間を楽しんだり、完成したキャラクターをSNSで披露したりする方が、本当にたくさんいらっしゃいました。

キャラクター作成は、私たちが特に力を入れてきた部分です。ここまで楽しんでもらえたのは、うれしい驚きでしたね。

──テストを経て、ゲームの仕様や運営面で変えたことはありますか?

開発チーム:
先日のテストでは、ゲームの中身だけでなく、サービスの運営面でも多くの収穫がありました。

運営面では、BOT対策や、サーバーが混雑したときの待機の仕組みなどを見直しています。ゲーム内も、いただいたご意見やプレイデータをもとに、細かな調整を進めているところです。正式サービスを快適な環境で迎えるために、欠かせないテストでした。

──先日テスト以外にも、gamescomへの出展などでも、グローバルのプレイヤーに触れてもらう機会がありました。その反応を受けて、ゲームの仕様を変えた部分はありますか?

開発チーム:
gamescomを含め、グローバルのプレイヤーが実際に遊んだときの反応やご意見は、しっかり確認しています。

ただ、グローバル向けだからといって、ゲームそのものを別物に作り変えるつもりはありません。『AION2』の根っこにある方向性は守ったまま、分かりやすさや快適さといった細かな部分で、いただいたご意見を改善の優先順位に反映しています。

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天族と魔族はダンジョンで手を組み、「デイリークエスト」は消えた

──グローバル版では、天族と魔族が同じパーティーを組んでダンジョンに挑めるようになると聞きました。前作『AION』ではできなかったことですが、なぜ、種族の垣根を取り払ったのですか?

開発チーム:
天族と魔族の対立は、『AION』というシリーズを象徴する要素です。そこは『AION2』でも変わりません。
ただ一方で、もっと気軽にパーティーを組んで、協力コンテンツを一緒に楽しめる環境も大事だと考えました。

メインストーリーやPvPでは、これまでどおり種族同士が対立する。でも、ダンジョンのような協力系のコンテンツでは、種族の垣根を越えて、より多くの仲間と遊べる。そういうバランスを目指しています。

──gamescom 2026での海外メディア取材への対応で、「PvPに参加したくない人にはPvPを強制しない」、と話されていました。先入観で『AION2』を「PvPが必須のゲーム」だと思い込んでいる人は未だにいそうなので、あらためて説明していただけますか。

開発チーム:
まず声を大にしてお伝えしたいのは、『AION2』はPvPをしなければ楽しめないゲームではない、ということです。

天族と魔族の対立や、それにともなうPvPは、たしかに本作の大事な要素です。ですが、すべてのプレイヤーに強制するものではありません。PvEや探索、キャラクターの育成、ソロコンテンツなど、楽しみ方はいろいろ用意しています。

PvPが好きな方も、PvEをじっくり楽しみたい方も、自分に合った遊び方を選べる。それが、私たちが目指すMMORPGです。

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──「デイリーやウィークリー系のクエストも最小限にして、好きなときに好きなだけ遊べるようにした」とも話されていました。前回のインタビューでも、デイリークエストをなくしてウィークリーだけにしたと伺いましたが、さらに一歩踏み込んだのはなぜですか?

開発チーム:
じつは、考え方や方向性を変えたわけではないんです。もともと「毎日やらなければならない課題」をなくす方針でしたので。その延長線上で、ウィークリー系のコンテンツも、できるだけ減らしたということですね。

──前回のインタビューでは、韓国では追加コンテンツの実装ペースが速すぎて、かえってプレイヤーを戸惑わせたと伺いました。グローバル版では、約3か月ごとを目安に決めると聞きましたが、それは本当ですか?

開発チーム:
約3か月というのは、あくまでひとつの目安です。

カレンダーどおりに、機械的にコンテンツを追加するつもりはありません。プレイヤーの皆さんが、いまのコンテンツのどこまで到達しているか。キャラクターや装備が、どこまで育っているか。そうしたプレイデータを見ながら判断しますよ。

韓国・台湾版での経験を踏まえ、グローバル版では、皆さんの進み具合に合わせて、次のコンテンツをお届けするタイミングを見極めていきたいですね。

──そのほかに、「韓国・台湾版」から「グローバル板」で変えた点はありますか?

開発チーム:
ゲームの基本的な中身については、じつは韓国・台湾版とグローバル版で大きな違いはありません。

まずパーティーの人数ですが、「遠征」と「超越」は4人から5人に、「聖域」のレイドは8人から10人に増やしています【※】。それから、ペットの最大レベルを5から3に下げました。
育成にかかる時間を減らして、そのぶん、より多くの種類のペットを集めて楽しんでもらいたい、という狙いです。

もちろん、各地域の言語や、法律・制度に合わせたローカライズも進めています。

※パーティーの人数:韓国・台湾版でも、2026年7月1日の大型アップデートで、遠征と超越が5人、聖域が10人に拡大されている。

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課金で強くなる特典は入れない

──ファウンダーズパックには、当初は含まれていなかった月額メンバーシップ30日分が、後から追加されました。プレイヤーの声を受けた判断だそうですが、社内ではどのような議論があったのですか?

開発チーム:
ファウンダーズパックは、お金を払って買っていただく商品です。「買った人がちゃんと価値を感じられるものであるべきだ」というご意見には、私たちも共感しました。

とはいえ、『AION2』は、課金で直接的な成長面の優位が得られるゲームを目指していないため、キャラクターの成長や戦闘力に直接影響するアイテムを特典に加えるのは、筋が違うと判断しました。

そこで社内でいろいろな案を出し合った結果、成長のバランスを崩さず、それでいて遊び続けるなかで価値を実感していただける特典として、「月額メンバーシップ」30日分を加えることにしました。

これからも、皆さんの声には積極的に耳を傾けていきます。そのうえで、私たちが大切にしているサービスの原則を守りながら、どう反映できるかを考えていくつもりです。

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──月額メンバーシップは、どんなプレイヤーに、どんな理由で選んでほしいと考えていますか?

開発チーム:
まず前提として、月額メンバーシップは、全員が必ず買うべき商品だとは考えていません。メンバーシップに入っていなくても、『AION2』の主要なコンテンツは十分に楽しめます。

そのうえで、ご自身のプレイスタイルや遊べる時間に合わせて、「もっと便利に遊びたい」と考える方に、この月額メンバーシップを選んでいただければと思っています。

──基本プレイ無料とはいえ、課金に抵抗のある方や、これから興味を持つ方もいると思います。そうした方に向けて、「お試し期間」のようなものを設ける予定はありますか?

開発チーム:
『AION2』は基本プレイが無料なので、わざわざ「お試し期間」を設ける必要はないと考えています。課金しなくても、基本的なゲームコンテンツは楽しめますから。ですので、まずは気軽に遊んでみて、『AION2』を体験してみてください。

──ゲーム内の経済についても伺います。全サーバー共通の取引所は、サービス開始時には開かず、各サーバーの成長がそろってから開くそうですね。なぜ、このように段階を踏むのですか?

開発チーム:
サービス開始直後は、サーバーごとに、プレイヤーの育ち具合や出回っているアイテムの量、つまりゲーム内の経済に差があるんです。

とくに今回は、アーリーアクセスと正式サービスで、開始時期がずれているため、最初から市場をひとつにしてしまうと、先に始めたサーバーが、後発のサーバーの経済を大きく揺さぶってしまいかねません。

ですから、まずはそれぞれのサーバーで経済が育つ期間を設けます。そのうえで、サーバー同士の成長段階が近づいてきたところで、全サーバー共通の取引所を開放する。公平さと便利さを両立するための段取りです。

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コンソール版は「まずPC版のサービスをしっかり立ち上げてから」

──日本のプレイヤー向けのサーバー環境について教えてください。アジア全域のプレイヤーが参加できる「アジア向けサーバー」になるのでしょうか。それとも、独立した「日本向けサーバー」を用意するのでしょうか?

開発チーム:
日本だけの独立したサーバーを設ける予定はありません。日本は、アジア地域のサーバーに含まれる地域という位置づけです。

ですから日本の皆さんには、アジア各地のプレイヤーと同じサーバー環境で遊んでいただくことになります。

──9月には、韓国マイクロソフトとの協力も発表されました。この協力の狙いと、期待する効果を教えてください。

開発チーム:
グローバルでの正式サービスを成功させるために、マイクロソフトと手を組むことにしました。大規模な同時接続や、地域ごとに変わるアクセスの波にも対応して、安定したサービスを提供する。そのために、Azure【※】のグローバルなインフラを積極的に活用します。

※Azure:マイクロソフトが提供するクラウドサービス。同社が世界各地に置くデータセンターのサーバーを、利用量に応じて借りられる

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──前回のインタビューでは、PS5版の開発が順調に進んでいると伺いました。一方、gamescomでの取材では、家庭用ゲーム機版を準備中で、PC版とのクロスプレイは現時点では対応しない可能性が高い、と話されていました。家庭用ゲーム機版の開発は、いまどんな状況ですか?

開発チーム:
家庭用ゲーム機版の開発と準備は、いまも続けています。

ただ、いまは何よりも、グローバル版のPCサービスをしっかり立ち上げることを最優先にしています。家庭用ゲーム機版の具体的なサービス時期は、まだお話しできる段階ではないですね。

──前回のインタビューでは、PC版のベンチマークソフトを準備中だと伺いました。その後、動きはありましたか?

開発チーム:
いまも複数のPCメーカーやベンチマーク関連の企業と、具体的な協議を進めているところです。形になりしだい、すぐにお知らせしますよ。

──DLSSの最新版(DLSS 5)には対応しますか?

開発チーム:
グローバル版の『AION2』は、DLSS 4.5のSuper ResolutionとMulti Frame Generationに対応し、すべてのGeForce RTX GPUで最高水準の画質と性能を提供します。DLSS 5についても、対応に向けて取り組んでいるところです。

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──11月に韓国・釜山で開催されるゲームショウG-STAR 2026に、『AION2』は出展しますか?

開発チーム:
今回のG-STAR 2026には、『AION2』のブースは出展しない予定です。

──『AION2』のグローバルサービスが開始しました。基本プレイが無料ということで、多くのプレイヤーが参加する「お祭り」状態です。今楽しんでいる、そしてこれから楽しもうと考えている日本のプレイヤーに、『AION2』で、ぜひ体験してほしいことを教えてください。

開発チーム:
まずは自分だけのキャラクターを作るところから、じっくり楽しんでほしいですね。
そしてストーリーを進めて、初めて自らの“翼”を広げたら、目的地だけを目指さずよりは、しばらくアトレイアの空を自由に飛び回ってみてください。

もちろんダンジョンや戦闘も楽しいのですが、『AION2』には、キャラクターカスタマイズや探索のように、人それぞれの楽しみ方がたくさんあります。ですので、急いですべてをやり切ろうとしなくて大丈夫です。

自分がいちばん楽しいと思える遊び方を、ひとつずつ見つけていってください。
それが、『AION2』のアトレイアを最も満喫できる方法だと思います。

<了>

編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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