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『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』では、待ってくれたファンの「頼むぞカプコン」に応えたい──木下D・大山Pインタビュー。開発時には”数万件”の意見を読み込み仕様を検討。『ドグマ』らしい世界観も大事にしつつ、より遊びやすく調整。既存ファンの楽しみは奪わずに新規でも楽しめるものを目指す

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信じてたぞ、カプコン──

去る2026年6月9日のニンテンドーダイレクトにて発表された『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』。 2024年3月の本編発売からじつに2年以上の間をあけて、ユーザー待望となる追加コンテンツが2026年10月9日に発売される。

本作では、新たな冒険の地となる極北の地「ノルガン」で描かれる新規ストーリー「滅びの王土」や、装備品を求めて12種のダンジョンに挑む「忘れられた試儀」などの新要素が収録されると発表されている。

このたび、本作のディレクターを務める木下研人氏とプロデューサーを務める大山直人氏への複数メディア合同インタビューが実施された。

一見すると“急な発表”に思えた本作。だが本インタビューでは、開発陣がユーザーから届いた“数万件”の意見を読み込み、仕様の検討を重ねていたということが明らかとなった。実は、開発自体は発売から約半年間のタイトルアップデート終了後にスタートしていたのだ。

発売時に広がった「不便」という評価にも正面から向き合い、「リアルな冒険感」という魅力は残しつつも不便な部分は“オーバーホール”して作り直したという。既存ファンの楽しみは奪わず、新規にも遊びやすく──その両立を目指して調整を重ねているとのことだ。

初代『ダークアリズン』でもディレクターを担当した木下氏は、開発のモチベーションとしてユーザーの「頼むぞカプコン」という声があったと語る。「もっと遊びたい」という思いに応え、単なるアップデート以上のものを提供するため、追加コンテンツの開発を決めたそうだ。

ちなみに、今回のDLCにあわせて新たにSwitch 2版も発売となるが、その気になるパフォーマンスは「期待以上」とのことだ。

そんな、ユーザーからの要望に応えるために全力を尽くしたという本作の内容が垣間見えたインタビューをお届けする。

『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』木下D・大山Pインタビュー。待ってくれたファンの「頼むぞカプコン」に応えたい_001
左・木下研人氏、右・大山直人氏

取材・文/海ソーマ


「頼むぞカプコン」の声に応える。待ってくれたファンのためのプロジェクト

── 『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』は急な発表という印象でした。『2』が好評だったこと、ユーザーからの声が多かったことが背景にあると思うのですが、開発の経緯や、いつ頃から開発が始まったのかを聞かせていただけますか。

大山直人氏(以下、大山氏):
まず『ドグマ2』は発売してから約半年、タイトルアップデートを続けてきましたが、それ以降も「まだまだ多くのコンテンツを遊びたい」という皆さんの声がありました。

そしてそれにお答えするには、タイトルアップデートの調整だけでは足りない。ですから、新しいストーリーや新しいエリア、アクション、敵、これらを含めた新コンテンツを提供したい。そういうところから、このプロジェクトが立ち上がっています。

時期としては、発売後に約半年間タイトルアップデートをして、それ以降に『ダークアリズン』の開発が始まっています。

── かなり早い時期からの開発だったんですね。

木下研人氏(以下、木下氏):
当時色々なご意見、ご要望をいただいていたので、まずはそれにお答えするアップデートを考えていました。

でも、その最中でもいろんなユーザーさんのお声をいただいていたので、そういった声を踏まえながら、どう進むべきかという検討をしておりました。

── 実際に『ダークアリズン』を発表したタイミングでの、ユーザーの反響はいかがでしたか。

木下氏:
もう、嬉しかったですね。結構ホットな反響をいただけていると思っています。やっぱり皆さん「頼むぞカプコン」「これで終わりじゃないよな」って言ってくれていたと思うんですよね。「でも信じていいんだろうか」だったり(笑)。

そういうエネルギーをいっぱいいただいていたので、まず発表することができて、その反響をいただけたことが、チームにとってもすごくエネルギーになりましたし、すごく感謝しています。

大山氏:
そうですね。『ドグマ2』の発売からこれだけ間を置いても、まだ「待ってた」と言ってくださる方がこれだけいる。それが、非常に僕らとしても嬉しい気持ちでいっぱいですね。

── 『ドグマ』シリーズのファンは、本当にずっと『ドグマ』を愛している印象があります。その熱量は開発側にも伝わっているのではないでしょうか。

大山氏:
そうですね、ずっと遊んでくださっている方がいるので。実は『ダークアリズン』の発表直前に、『モンスターハンターワイルズ』のDLCが発表されていました。それを受けて「やっぱり『ドグマ』ダメなのか」と、ちょっと沈んでいる方もいらっしゃったんです。でも、そんな中でようやく皆さんにお披露目できたことが、嬉しいなと思っています。

『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』木下D・大山Pインタビュー。待ってくれたファンの「頼むぞカプコン」に応えたい_002

ユーザーの「不便」という声に、どう応えるか──既存ファンの楽しみは奪わず、新規には遊びやすく

── 木下さんは初代の『ダークアリズン』でディレクターとしてのキャリアをスタートされています。当時と今回とで、課題設定や目標設定、あるいは大変だったことに、何か違いはありましたか。

木下氏:
思いとしては、初代の『ダークアリズン』の時もそうだったんですけれども、ユーザーの皆さんがそもそもの本編を楽しんでいただいて、「もっと遊びたい」「これで終わるなよ」「もっとポーン【※】と冒険したい」とか、「ドグマの戦闘は面白いんだから、もっと戦闘させてくれ」と言っていただけている。そういう声を『1』でも『2』でもいただけていると思っています。

ですから、その声に応えるために、当時『1』の時も、解呪【※】というハックアンドスラッシュのゲーム性で、「戦闘」を中心にずっとエンドコンテンツとして遊び込めるものを用意しようとしていました。

今回も、拡張のコンテンツとしては「滅びの王土」というほうではやっぱり「戦闘」がメイン。かつ、今回はダンジョンではなくて新しいエリアでゲームフィールが楽しめるようにしています。それを目標に、いいものを作ろうと思って組み立ててきました。

一方で、『ドラゴンズドグマ2』が「ユーザーに不便を強いるゲームだ」というコメントをいただいていたのも知っていました。でも、開発としては、リアルな冒険感を楽しんでもらいたいというゲームだったんですね。ただ、言葉としては「不便」が広がってしまった。

『ドラゴンズドグマ』は、ポーンとともに遊ぶ「リアルな冒険」であるべきゲームで、そこが楽しいゲームです。でも、今あるほかのオープンワールドと比べると、比較されて「不便」だと感じるユーザーの思いも大きかったんだな、とも思っていて。

それでも、『ドラゴンズドグマ2』としての魅力を、もっと多くの人に楽しんでいただきたい。だから、その改修に関しては「オーバーホール」というんですかね。もう一度ちゃんと分解して、不便だと言われてしまったところを直す。『ドラゴンズドグマ2』自体ももっと長く遊んでもらえるようにアップデートをしよう、と決意して「拡張」と「改修」という、2つのことをやってきました。

※ポーン……『ドラゴンズドグマ』シリーズに登場する、主人公に仕える異界の存在(従者)。プレイヤーは自分専用のポーンを作成でき、他プレイヤーが育てたポーンを一時的に借りてパーティに加えることもできる。

※解呪……初代『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』で登場した要素。手に入れたアイテムや装備品を解呪することでステータスや効果が明らかになる。

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大山氏:
ただ、もともと今の『ドグマ2』を好きでいてくださる方も多くいらっしゃいます。タイトルアップデートとしては、そういった方の楽しみを奪う方向ではなくて、あくまで追加の選択肢の提示、遊びの幅を広げる方向で考えました。

今まで不便さを感じていた方には遊びやすさを広げて、元々楽しんでいる方には、その楽しみを奪わないようなラインを引く。そういう調整の方針で進めていました。

── 今回の「遊びやすさ」は、新規ユーザー向けなのか、それとも遊び続けているユーザーに向けたものなのかという点においては、どういう戦略だったのでしょうか。

木下氏:
まず、今まで遊んできてくださった方たちの「ここはこうしてほしい」がありき、だと思います。『ドラゴンズドグマ2』の遊びを愛してくれた方々が、それでも何時間も遊ぶと感じる「ここが不便だよね」に応える。それが第1のフォーカスです。

そして、そうすることで、新しく手に取ってくださるお客様にも「遊びやすい」という提供ができるんじゃないか。そういう順番で考えています。

Switch 2移植は手応え十分。“0から”始めても楽しめるように絶賛調整中

── 本作は『Nintendo Direct』での発表でした。Switch 2版で『ドラゴンズドグマ2』が出るというのは大きなポイントかと思います。移植の手応えについて、一言いただけますか。

大山氏:
手応え的には、かなり我々の期待以上に動作しているというか、クオリティも出ているかなと思っています。気にされているであろうフレームレート周りで言うと、30FPS以上を目標値として動かしている形です。

場合によっては、TVモードで繋ぐとそれ以上出ることもありますし、一定の品質・フレームレートをキープして、しっかり遊んでいただけるものとして進めています。

── それに関連して、新しいユーザーの獲得への期待もあると思います。今から『ドラゴンズドグマ2』を始める人に、どんな体験を届けたいですか。

大山氏:
新しい方が1から、なんなら0から始めても楽しんでいただけるように、調整を進めています。今回の6月10日のタイトルアップデートに加えて、8月末にもタイトルアップデートを予定しております。この本編側へのアップデートが終わった状態で、まずは触っていただきたいですね。この状態なら、初めての方が触っても遊びやすく感じていただけるものになっているという手応えもあるので。

そこで気に入っていただけたら、ダウンロードコンテンツを買っていただく。既存ハードでは、そういう形も取れます。一方で、Switch 2ではDLCとセットになっているので、発売日をお待ちいただいて、一緒に楽しんでいただけたらと思っています。

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公開されているタイトルアップデートの概要。

── カプコンスポットライトでの発表を受けて、木下さんがディレクターとして参加することに期待する声もSNSでかなり見られました。プレッシャーもかかる状況だと思いますが、今の心境を聞かせてもらえますか。

木下氏:
まだ全然エゴサをしてないんで。そもそもエゴサが嫌なんですよ(笑)。ちょっと傷つくことを言われたりしたら嫌じゃないですか。でも、チームメンバーとか周りからは「喜んでくれてるんじゃないかな」という声を聞くので、ほっとしています。

比較的お待たせはしてしまいましたが、タイトル発売から約半年間は、アップデートやカジュアルモードの実装をやっていて、その終わりから1年半くらいで制作しました。その期間の中でも、満足していただけるボリューム、遊びを用意できたんじゃないかなと思っています。夏のアップデート込みで、最終的に『ダークアリズン』というコンテンツを楽しんでいただけるよう、頑張っています。

大山氏:
代わりに、こっちでめちゃめちゃエゴサして、お伝えしています(笑)。

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編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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