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『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』では、待ってくれたファンの「頼むぞカプコン」に応えたい──木下D・大山Pインタビュー。開発時には”数万件”の意見を読み込み仕様を検討。『ドグマ』らしい世界観も大事にしつつ、より遊びやすく調整。既存ファンの楽しみは奪わずに新規でも楽しめるものを目指す

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ユーザーに「面白い」と思ってもらうのが一番。数万件の意見を読み込んで検討を重ねた

── 直近のカプコンタイトルですと、大山さんは『プラグマタ』のプロデュースもなさっています。新規IPとの同時並行という形ですが、目指すところや進め方も違ってくるのでしょうか?

大山氏:
本当に、全然違いますね。新規IPのほうは、ファンの皆さんが全くいらっしゃらないところから積み上げていくのが始まりです。一方で今回の『ダークアリズン』は、シリーズとしても多くのファンがいらっしゃいますし、『ドグマ2』を遊んでいる方も多くいらっしゃる中での追加のコンテンツ対応という形になります。だから、アプローチの仕方は全然変わってくるかなと思います。

ただ、どちらにも共通して言えるのは、結局はユーザーの皆さんが触った時に「面白い」と思ってもらえるものを提供することが1番だ、ということです。そこは、新規でもシリーズものでも共通して、皆さんの声を聞きながら開発をしていくことが大事かなと思っています。

『ドラゴンズドグマ2:ダークアリズン』木下D・大山Pインタビュー。待ってくれたファンの「頼むぞカプコン」に応えたい_005

── 「触って面白い」というものを目指すうえで、特に気を付けた部分はありますか。

大山氏:
『ドグマ2』の発売後に本当に多くのコメント、ご意見が寄せられていました。各種ハードメーカーのサイトやレビューに載っているコメントもありますが、カプコンに直接届いているコメントだけでも、数万件以上来ているんですよね。これらを僕の役割としては、ひたすら読んでいくんです。

ディレクターの時間が取れない中で、代わりにこちらで全部目を通して、「どう対応していきましょうか」と。ユーザーの意見の代弁と言いますか、それをチームに伝えるのも仕事かなと思っています。そこは、このプロジェクトの立ち上げの時にもかなり時間を割いて、1つ1つ拝見させていただいています。

── どさっと届いた意見を読むというのは、実感としてどれくらいの時間の使い方だったのでしょうか?

大山氏:
本当にただひたすら読むんですよ(笑)。どさっと届いたものが、カスタマー側の窓口に入ってきて、担当の部署でExcelに集約してもらうんです。いろんな言語が入り乱れているんですけど、それも翻訳ツールをかけながら、ざーっと読んでいく。そして「じゃあ『ダークアリズン』では、どんなことが必要だろうか」というのを抽出して、リスト化していきました。

その上で、研人さん(木下氏)とも「じゃあ、どれをどうやっていきましょうか」と相談します。発売に向けて取捨選択は当然必要になりますし、ユーザーさんの意見の中でも相反しているものがあったりもします。

その中で、この『ダークアリズン』は『ドグマ』のシリーズとしてどうあるべきか、という観点で、今回のタイトルアップデートや追加のコンテンツを相談して決めさせてもらっています。

やっぱり『ダークアリズン』という名前がふさわしい

── 本作のタイトルは初代の拡張版と同じ『ダークアリズン』という名称になっています。ここには本作のテーマや目指すところが反映されているのでしょうか。

大山氏:
実は、タイトルが決まったのは、コンテンツがある程度固まった後なんです。先に「どういうものを作ろうか」があったんですよ。その作る物があった中で、「どういうタイトルがふさわしいだろうか」を改めて議論していきました。

その中でも、今回追加する新しい「ノルガン」のエリアでのストーリー、ここで描きたかったもの・語りたかったものが「ダークアリズン」という名称と親和性が高かったんです。加えて、初代の『ダークアリズン』にあったような「ハクスラのゲームサイクル」も追加しています。

それらをどうユーザーの皆さんに分かりやすく伝えようかと考えた時に、やっぱり「ダークアリズン」という言葉がいちばんふさわしいですし、我々の中でもしっくりきたんです。ですから、そういう形で後から決めさせてもらっています。

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最も多いクリアレベルに肉薄した戦闘の楽しさを提供。熟練者向けには「ハードモード」を検討中

── 追加のストーリーコンテンツについて、難度調整の面でこだわった部分のお話をお聞かせ願えますでしょうか?

木下氏:
まず入口の紹介からさせていただきます。今回、「滅びの王土」と「忘れられた試儀」という、ゲームプレイで遊べるコンテンツが2つあります。

両方とも、ゲーム序盤、ヴェルンワースという王都に着いて、「ベルント」という酒場のNPCに夜の酒場で話しかけると、2つのクエストが受注できます。「忘れられた試儀」の方はレベル20を推奨・適正、「滅びの王土」の方は、もう少し高いレベル40からを推奨しています。

難易度に関しては、本編を色々遊んでいただいて、レベルがかなり高くなっていたり、武器も最終強化までしていたり、という幅広いお客様がいると認識しています。まずこだわったのは、一般的なクリアレベルです。

『ドラゴンズドグマ2』で最も多いとされるクリアレベルが今60ぐらい、ユーザーさん全体のボリュームゾーンが60ぐらいなんです。ですから、そこの方たちに肉薄した戦闘の楽しさを提供できる、というところを中心に難度設計をしています。

一方で、もう本当に熟練の冒険者さん「999いってますけど」みたいな方たちもいらっしゃるのは、よくよく理解しています。その方たち向けには、今「ハードモード」を検討しています。いわゆるオーバーキャップになっている方たちでも、ハードモードならそのステータスでも簡単ではない、ちゃんと適正な難易度が楽しめる。そういうところを提供しようと、今検討しています。

大山氏:
ハードモードに関してはまだ開発途中という形なので、正式な対応の告知については、もう少しお待ちいただければと思います。

雪深い「極北の地」で滅びの謎が描かれる新規ストーリー

── 本編は、最後までかなりソリッドに作り込まれています。そのうえで、新規ストーリーはどういう部分からアプローチするものになっているのでしょうか?

木下氏:
根本的な設計の意図からお話しすると、初代の『ダークアリズン』はダンジョンもので、「黒呪島」【※】というダンジョンでハクスラを提供していました。でも今回、『ドラゴンズドグマ2』のお客様たちは「きっと新しいフィールドで遊びたいんだろうな」という声を、自分なりにキャッチしていていました。じゃあ新しいエリアは、どこにどういうエリアが切り出せるだろうか、というところから思考を始めました。

ヴェルムント【※】の北方にうっすら雪山があります。そこを越えた場所にまだ見ぬ冒険エリアが広がることで、本編とはまた違った環境で体験、物語を提供できるんじゃないか。そこがインスピレーションのコアでした。

そこから「極北の地」と銘を打って、どういう体験ができるか。雪深くて吹雪に包まれた、はるか昔に滅んでしまった場所です。そういう自然描写や環境も遊びに含めながら、異変が起きた地として、どうやってその謎を追いかけていくのか。それをストーリーの骨子として考えていきました。

※黒呪島……初代『ダークアリズン』で追加された、高難度のエンドコンテンツ・ダンジョン。

※ヴェルムント……『ドラゴンズドグマ2』本編の主な舞台となる王国。

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── グラフィック的な点ですが、雪と氷は新規で追加するにはなかなか大変だと思います。それでも、そこで語られるべき物語がある、ということですね。

木下氏:
そうですね。普通のフィールドには環境の険しさ、厳しさがありますが、もう1つ、「この領地が滅んだ理由がある」ということを環境として表現していくのに、そのシビアさが適しているだろうな、と思っています。

「極北の地」は、大きな災いがあった場所です。初めは雪山の麓から始まり、雪深いところへ行き、物語の核心に近づくほどに、もうちょっとダークで不気味なところに入っていく。そうやって物語の核心にどんどん迫っていく、という新しさの体験や、最後に垣間見える世界観としても、ちょうど合っているだろうな、と思いながら設計していました。

── すごく楽しみです。

木下氏:
ちょっとハードルを上げていたら、ごめんなさい(笑)。でも、お話したようなことは実現できたかなと思っています。

── 新マップ「ノルガン」は、新しい風景をこの世界で見られる魅力があると思います。この世界観をデザインする上では、どのようなリサーチなどが行われたのでしょうか?

木下氏:
リサーチというより、まず背景アーティストに相談を持ちかけました。先ほどお話した通り、ヴェルムントの北方に雪化粧のある山があるので、「その向こうに行ったら雪の世界って作れるんだろうか」「『ドラゴンズドグマ』のビジュアルを維持したまま、この期間や制約の中で表現的に実現できるだろうか」という相談をしたんですね。それが根本にありまして。

そこでアーティストが、結構な短期間で「これぐらいはできるんじゃないか」というリファレンスを返してくれたので、「あ、見えるね」と。それで制作に入った、という経緯があります。

── イメージは早い段階からスムーズに固まっていたんですね。

木下氏:
そうですね。イメージしたことを、背景のアーティストだったり、テクニカルアーティスト、技術スタッフだったりが総合して、「こういう表現、ここまで持ってこれるよ」というのを見せていただいたので、「じゃあ、これで行こう」っていう感じですね。

アーティストの方たちが挙げてくれたものに「引力」があったんですよね。だから、「これでいける」という思いでした。

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編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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