25時間以上のボリューム、150種の新装備、そして「重ね着」とキャラクリの追加
── ストーリー部分の他にも、12種のユニークなダンジョンが追加されると発表されています。この点について、こだわった部分があれば聞かせてください。
大山氏:
「忘れられた試儀」に関しては、先ほど推奨レベル20からという話がありましたが、レベル20からを始めとして、本編エリア各地に点在しています。ですから、難易度のグラデーションはご用意しています。
そうした中で、本編を進めるにあたっても、その12個のダンジョンからは比較的多く経験値が手に入ったり、奥まで踏破するとユニークな武器が手に入ったりします。ですから、ゲームを進めていく中でも遊びやすく、進めやすくなっている要素の1つかなと思っています。
この12個のダンジョンには、それぞれ違ったテーマを持たせて作っているので、1個1個遊んでいくのも楽しんでいただけるような形になっています。
ボリュームとしては、1個のダンジョンあたりで30分から1時間ぐらいは遊んでいただける形です。新しく追加する「ノルガン」エリアのストーリーが15から20時間ぐらい、プラスしてサブクエストもあるので、追加コンテンツDLCの分だけでも、25時間以上は遊んでいただけるかなと見ています。
── 装備品が手に入るということは、段階的にダンジョンをクリアしていって、ノルガンに繋ぐこともできる、ということですよね。
木下氏:
できますね。装備に関しては、DLC全体で完全新規のものを武器防具合計して150ぐらい追加しているので、ボリュームとしても用意できているかなと思います。
さらに、ノルガンのDLCで「重ね着」という着飾り系の要素が新しく入ります。それを含めると、手に入れたもの全てが使い捨てではなく、着飾りとして楽しんでいただけるように設計されています。
大山氏:
見た目だけでも結構楽しんでいただけている方が一定数いらっしゃいますよね。自分だけの覚者【※】とポーンをキャラクリエイトして、一緒に旅していくというところも醍醐味なので。その覚者とポーンを着飾れる幅も、今回のDLCで新しく持たせてあげたいな、というところがありますね。
※覚者……『ドラゴンズドグマ』シリーズの主人公の呼称。プレイヤーが分身として操作する存在。
木下氏:
そうですね。なお言うと、その着飾りされた人たちのビジュアルを、1プレイヤーとして許容したいか。いや、そうじゃなくて、着飾りのない世界で遊びたいのか。そういう人たちもいらっしゃると思うので。それは好みとして、どちらも正解でいいと思うんです。
ですから、それもゲームオプションとして、「着飾りを受け入れる世界」なのか、「着飾りはなくていい世界」なのかを選べるようになっています。
大山氏:
やっぱり、オリジナルの『ドグマ2』ならではの遊びや世界観が好き、という方もいらっしゃるので。そういった方向けのオプションも選択できますし、もうちょっとライトに遊びたい方はオプションを切り替えられる。そういう幅や選択肢を持たせられるようなタイトルアップデートやDLCとして、作っていますね。
木下氏:
中身はめっちゃ強いのに、見た目だけ布の服を着ている、とかもあるんで(笑)。その混乱をどう受け止めるか、という意味でもオプションは必要かなと思っています。
── 今回の新要素では、キャラクリのバリエーションの追加もあります。1番プレイヤーの希望が叶えられやすい部分だったと思いますが、ユーザーの意見の中で「これはやっぱりあるべきだよな」というものはありましたか。
大山氏:
髪型が多かったですね。とりわけ「ツインテールを入れてくれ」というのがすごく多くて、お願いして入れてもらいました(笑)。
木下氏:
世界観的に大事にしなきゃいけない側面ももちろんあります。それでも、発売から2年経過しているタイトルなので、そういった声にお答えしていく時期としては、もうここしかないかな、という思いで追加しています。
大山氏:
元々やっぱり、世界観をすごく大事にしていて。この中世ファンタジーの世界の中で「ありえそうな髪型」を中心に作っていました。
ただ、それを好きでいてくれる方と、「もうちょっとゲームとしてはこういう髪型が欲しいよね」という声の両方がありました。ですから今回は、その新しい方を追加させていただく、という形を取っていますね。
「より遊びやすく、まだ見ぬ冒険を」──多くの人に手に取ってもらえるように
── 本作の目指すところとして、公式サイトで「より遊びやすく、まだ見ぬ冒険を、そしてより手に取りやすく」と紹介されています。本作を遊んだユーザーにどう感じてほしいか、開発としての抱負を改めて聞かせてください。
木下氏:
そうですね。本編の広々としたフィールド、徒歩の冒険という、悠々自適にも遊べる世界。それに対して、体験の差別化として、過酷な地に行って、強い敵を相手に鑑定品を取りながら戦い進んでいく世界。ゲームフィールとしては、温度差のある世界が提供できると思います。
そういったチャレンジングな「2面性」を、ポーンとともに『ドラゴンズドグマ』として楽しんでいただきたいなと思っております。
大山氏:
「より遊びやすく、まだ見ぬ冒険を」というところに対して、『ドグマ2』がすごく好きで、まだまだ遊びたいという方には、新しい冒険体験をお届けしたい。一方で、「ちょっと今まで敬遠してたんだけどな」という方には、入口のハードルを下げることで、遊びやすさも含めて「触ってみようかな」と思ってもらえるような調整を入れています。
この両面で、より多くの方に『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』として触っていただけたら嬉しいなと思っています。
── アクションゲームには今いろんなジャンルがありますが、こういった骨太のファンタジーアクションは昔から一定の人気があります。そんなファンタジーアクションを作る意義や目的は、何か持っていますか。
木下氏:
やっぱり、その世界観じゃなきゃ味わえないエネミーや生き物が、プレイヤーとどう命のやり取りをするのか。そういう、想像でしかできないところを遊びとして形にできているのは、『ドラゴンズドグマ』が持つ世界観の魅力だと思います。
そこに対して、戦闘としていろんな「ジョブ」や技を織り交ぜながら、ポーンと協力しながら戦い抜いていく。それは、まだまだ普遍的な価値として頑張っていけるんじゃないかな、タイトルの魅力として保持できるんじゃないかな、と思っています。
── 日本産のこういうファンタジーアクションは、本当に数が減ったと思うので。そういうファンに刺さっているのかな、と思っています。
木下氏:
ありがとうございます。でも、お金もかかるんですよね……(笑)。
ノルガンの狼は人間と連携して襲ってくる
── 今回、新しいエリアには新しい魔物もいます。よじ登って部位破壊をしたり、環境を使ったその敵にしかない攻略法も魅力だと思います。現時点で紹介できるもの、こんな面白さがあるよ、というものはありますか。
木下氏:
今ご紹介できるのは導入部分になってしまうんですけれども、ノルガンという場所に着いた時、初めに相対するのは蛮族たちです。言葉も通じない、野蛮な戦闘民族みたいなエネミーで。彼らは、視界の悪い吹雪になった時に、独特な声でコミュニケーションを取りながら獲物を追い詰めて仕留める、という性質を持っています。
ですから、吹雪の中で不気味な声がこだまして、プレイヤーが囲まれて、「うわ、なんか狼が走ってきたし、ゾロゾロと人影も見えてくるし、これどうしよう」みたいな、本編ではやっていなかった「環境と合わせて人間の集団が襲ってくる」体験や戦いを楽しめるようにしています。
また、彼らが連れて歩いている狼がいます。本編にも単体で狼はいて、それぞれで動いていました。しかし今回のノルガンでは、人間が狼を使役してけしかけてきます。
狼がプレイヤーの腕を噛んで動きを止めている中で、蛮族が近づいてきて、斧で頭をかち割ろうとしてくる。そういう連携をちゃんと感じられるシチュエーションを作っています。そういうところでも、この大地で初手で戦う難易度、脅威を感じてもらえるものを用意しています。
大山氏:
逆に、その狼に捕まっている時に「助けてくれ」ってやると、ポーンが駆けつけてきて助けてくれる。そういうところも、『ドラゴンズドグマ』らしい戦闘として表現できているかなと思いますね。
木下氏:
そうですね。ポーンも結構、体を張って助けてくれたり、協力してくれたりするような思考や新しい動きを用意しています。
PVにもありましたが「ノルガンジャイアント」という、巨大な毛の生えたサイクロップスみたいなやつに氷のブレスで凍らされた時に、ちゃんとポーンが走ってきてかばったり、助けてくれたりします。本編よりも肉薄した戦闘が楽しめるように、というデザインで意識して組んでいますね。
── じゃあ、「狼は見たことあるし」みたいな感じで挑むと、結構痛い目を見る可能性が。
木下氏:
そうですね。でも、ちゃんと調整もしているので、鬼畜ではないです(笑)。
大山氏:
囲まれてリンチされる、みたいにはなりすぎない塩梅にしています。
木下氏:
そういうのが本当に好きな方は、ハードモードを……(笑)。
「大変お待たせしました」ユーザーのDLCを待ち望む声を原動力にして進んだプロジェクト
── 最後に、開発としてユーザーに向けた抱負やメッセージを頂戴できますか。
木下氏:
僕はまず『ドラゴンズドグマ』シリーズを愛してくださっている方、『ドラゴンズドグマ2』に大きな思いを寄せてくださった方に、本当に感謝しています。
その上で、「カプコン信じてるぞ」の言葉に応えるつもりで、精一杯やってきました。DLCコンテンツ「滅びの王土」と「忘れられた試儀」、2つを踏まえて、ボリュームや遊びの深さで、満足してもらえるものが用意できたのではないかと思っています。このエキスパンションを楽しんでいただければと思っています。よろしくお願いします。
大山氏:
僕の方からは、まず「大変お待たせいたしました」というところから。もう2年近く、『ドラゴンズドグマ2』をずっと遊び続けてくださる方もいますし、その中で「DLC作ってくれ」「もっと遊びたい」という声が、本当に原動力となって進めてきたプロジェクトです。まずは、本当に長くお待ちいただいてありがとうございます。
その待っていただいた時間に報いられるように、楽しいコンテンツをお届けできればと思います。この記事が公開されたタイミングからだと、もう3ヶ月ですかね。もう3ヶ月だけお待ちいただいて、途中のタイトルアップデートも含めて、お待ちいただければと思います。どうもありがとうございました。
──ありがとうございました!(了)
大山氏による「大変お待たせいたしました」という締めの言葉が示すとおり、『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』はまさに「ユーザー待望」の追加コンテンツといえるだろう。
数万件のコメントを1つずつ読む──その開発姿勢は、本インタビューでも繰り返し述べられた「ユーザーの声に応える」という意思の表れであるようにも思う。
発売から2年以上の間をあけて発売となる『ダークアリズン』で目指したのは、今までのユーザーに満足してもらえる新しい体験を届けつつ、新しいユーザーも楽しめるように「不便さ」のハードルを下げるということ。既存ファンと新規の両立という難しいラインだった。
印象的だったのは、おふたりがしっかり『ドラゴンズドグマ』らしさとは何かを考えたうえで、寄せられた意見や要望を取り入れていったという点。新要素である「重ね着」に関して、世界観を重視するプレイヤー向けに有りか無しかをオプションで選択可能にするという話からも、ゲームとしての芯は大切にしつつも幅広いプレイヤーが楽しめるものを作ろうという姿勢が垣間見えた。
「『カプコン信じてるぞ』に応えたい」という木下氏の言葉が、このDLC全体の熱量を象徴しているのではないだろうか。発売直後から大量に寄せられていたというユーザーの声に対する開発陣の答えがこの『ダークアリズン』であり、新規のタイトルアップデートなのだ。その成果は、ぜひともユーザー自身の目で確かめていただきたい。
『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』はNintendo Switch 2 、PS5、Xbox Series X|S、Steam向けに2026年10月9日発売予定だ。ベテラン覚者の方は新たな戦いの舞台を、新米冒険者の方は『ドグマ』らしい冒険のワクワク感を心待ちにしよう。



