『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見に行こうか迷っている方……正直まだまだ多いと思います。まず、どんなもんかわからない。あっちの国では、結構評価がキッパリわかれたり、わかれていなかったりするらしいです。ですが、そんな不安、この記事で払拭してしまいましょう。
というわけで、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の試写に行ってきました!
おそらく、多分この記事を見にきてくださっている方が一番知りたいことは、「この映画は面白いのか?」だと思います。
だからこれから、「この映画の何が面白く」、「どこが見どころで」、「公開初日に見に行っても後悔しないか」を端的に、簡潔に、サクッと紹介します。
予告編以上のネタバレはありませんので、とにかく安心してご覧になってください。
ぶっちゃけ、ストーリー面白い?
みなさんが第一に気になっているのは、やっぱり「ストーリーが面白いかどうか」だと思います。
ブルックリンで配管工をしている二人の兄弟であるマリオとルイージは、ひょんなことからワープ土管を通って不思議な王国に迷い込む……これが今作の始まり。つまり、「まだキノコ王国を知らない二人の兄弟である、マリオとルイージ」の状態からこの物語は始まります。まず今作のストーリーはここが面白いのです。
ある意味、「マリオとルイージと一緒に、『スーパーマリオ』の世界を初体験できる」映画でもあるのです。だから、多分老若男女の誰が見に行っても、「いや、マリオを知らないからストーリーもよくわからん……」などということはないのです。
かなり陳腐な言い方かもしれませんが、本当にド直球で「誰が見ても楽しめる映画」として作られているのです。大人が見ても楽しい。まだマリオのゲームで遊んだことがないくらい小さい子が見に行っても、十分に楽しい。逆にマリオを知らないご年配の方が行っても……楽しい。たぶん。
とにかく、この映画は「大人から子供まで、誰が見ても楽しい」という作りになっているのです。微妙な言葉の違いかもしれませんが、「誰が見ても面白い」のではなく、「誰が見ても楽しい」映画です。
どちらかというと、「映画」というより、アトラクションやテーマパークのような1時間半の体験を浴びるのが、この『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』という映画だと思います。
私は小さい頃に『モンスターズインク』があまりにも好きすぎて100周ぐらいしてしまっているんですが……あの「ただただ映像として楽しい。もっと見たい」というプリミティブな感情が呼び起こされるのが、この映画でもあります。
そして、すごくアトラクションのように、すごく娯楽的に作られた映画でありながらも、「多くの人に見てもらうこと」を徹底的に意識した映画だと思います。「誰が見に行っても楽しい」という、“娯楽”としての映画において最も重要で、最も優先されるべきことを達成している作品なのです。
ぶっちゃけ、キャラってどう?
そして、「日本語声優による吹き替え」があるのも『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のすごいところです。まさか、マリオの声優が宮野真守になるとは思っていなかった……。
そして今回は吹き替え版を見たんですが……吹き替え版の完成度もかなり高いです。それぞれのキャラクターが、完全に「日本語のマリオのキャラ」として成立しているのです。ここ最近だと『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が日本語吹き替え版の完成度が高い作品でしたが、映画『D&D』に匹敵するレベルでこちらも吹き替え版がかなりハマっています。
特に、ゲーム版の印象が強すぎるマリオとルイージの日本語吹き替えは相当難しいだろう……と考えてたのですが、これまたマリオ役の宮野真守氏と、ルイージ役の畠中祐氏の演技が上手いのです。ちゃんと「日本語でしゃべるマリオとルイージ」になっているのです。
あとはやっぱり……「ピーチ姫」ですよね。
公開前から「ピーチじゃなくてルイージが捕まるんかい」と話題になっていましたが、やっぱりピーチ姫もガンガン戦います。 マリオよりアスレチック攻略が上手いし、当然の如くバイクに乗り込むし、なんか普通にマリオ用アイテム使ってファイア出すし……とにかく戦いまくるピーチ姫を見られます。
もちろんゲームの方でもピーチ姫をプレイアブルで使える作品は何作もあったと思いますが、今作では改めてピーチ姫のキャラクター性をハッキリと描いた上で、かなり振り切ったキャラクターとして描いています。私は今作のピーチ、めちゃくちゃ好きです。
というか、そもそも「マリオのキャラクターたちがしっかり会話して、ひとつの映画としてストーリーを紡ぐ」こと自体が結構すごいことだと思うのです。もちろん、ゲーム本編や外伝シリーズなどで、マリオたちのキャラクター性は描かれてきました。
その「それぞれのキャラは大体こういう感じ」というイメージ像を崩さずに、映画なりのアレンジを加えています。この「ゲームのキャラ像から嫌な方向にブレずに、描き切る」のは中々にできることではありません。映画ならではのマリオではあるけど、同時に我々の知っているマリオでもあるのです。
とにかく、日本語吹き替え版もかなりオススメです。
ぶっちゃけ、マリオの映画化ってどうなっちゃうの?
多分、みなさんが疑問の中で特に大きいのが、「そもそもマリオのアニメ映画ってどうなっちゃうの?」ということだと思います。なんというか……「マリオのアニメ映画」の明確なイメージが湧いてこないのはよくわかります。私も正直、試写を見るまで期待半分、「どうなるのかよくわからない」の疑問半分でした。
で、具体的に「どうなったのか」というと……これは「ゲームのグラフィックそのままにアニメを作ってしまった」映画になったのです。
多分、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の予告映像を見た方の中には、「なんか結構ゲーム通りのイメージでアニメ化されてる?」と感じた方も多いと思います。そう、あの映像がそのまま1時間半流れ続けます。
「元はゲームのマリオのアニメ映画を作る。どうする?」という問題に対して、「イルミネーションと組んで、ゲームみたいなマリオの映像を1時間半そのまま作っちゃえばいいじゃない」というすさまじい解答を出してきたのがこの映画です。
だから、みなさまに「マリオの映画ってどうなったのか?」と問われたら、「マリオのアニメ映画になってたよ」と答えるのが、最も正確な解答なのだと思います。
この「ゲームの映像を、そのままマリオの映画にしてしまった」に関しては私があれこれと理屈をこねるより予告動画を見た方が手っ取り早いです。あの予告映像、別に完成度の高い部分を切り取っているわけでもなく、本当にあのクオリティが1時間半続きます。
特に私が驚いたのが、この作品は「ゲームとしてのスーパーマリオを映画化すること」を徹底的に考えた上で作られていることです。「ただマリオの空気感と世界観を拝借したアニメ」なのではなく、しっかり「ゲームのマリオのアニメ映画化」になっているのです。
たとえば上記の画像のように、マリオがコースを進んでいる姿を横向きで撮ったカット……いわゆる「2Dマリオ」の映像表現をアニメに落とし込んでいたり、一方で『マリオギャラクシー』『スーパーマリオ3Dワールド』のような「3Dマリオ」を彷彿とさせる際立ったアクション映像もあります。
そして、『マリオカート』が登場する時は、あの「カートが走っている姿を後ろから見ている」ゲームならではのカットがしっかり取り込まれています。この作品は、「ゲームをアニメ化する」ことの難しさにド直球で向き合い、打ち勝った映画なのだと思います。イルミネーションと組んで、限りなくゲームのマリオの画面をアニメに落とし込んでしまった。
そんな常識からかけ離れた表現を実現してしまったのが、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』というわけです!
ぶっちゃけ、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』って面白い?
みなさんが『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で最も気になっていること……それはやっぱり「結構ネットでの評価が分かれていること」だと思います。正直、私としては「そんなネットの意見など気にせずに自分の見たい映画を見なさい!」と言いたいのですが……やっぱり気になってしまう気持ちも、よくわかります。
なので、ここであえてカウンターとしてハッキリ言わせてもらいますが、「そんな偉そうな人たちの意見に流されるのは損な映画」です。超、面白いです! 少なくとも見に行って嫌な気持ちにはなりません! なぜなら、楽しい映画だから!
これまでにも幾度となく書いていますが、とにかくこの作品は「楽しい映画」なのです。ストーリーが面白い映画、泣ける映画、何かを考えさせる映画……映画は、とにかく人間の感情をかき立てることができるメディアです。
そんな喜怒哀楽の中で、「喜」と「楽」に特化したのがこの映画です。だから、見に行く時は「楽しい気持ちを味わいに行く」という心構えで映画館に向かうのがベストだと思います。
そもそも、「スーパーマリオ」というゲーム自体が、やはり「楽しさ」をかき立てるゲームだと思います。ボタンを押せばマリオが飛び、走り、ゴールへ向かう。あの根本に「楽しさ」があるゲームを映画化すれば、それは「楽しい映画」が完成にするに決まっているのです。とにかく、超楽しい映画です。
そして、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、「アニメだからこそ生み出せる映像の快楽」を1時間半に凝縮したアニメだと思うのです。
これは「1時間半のアニメ映画」というより、ひたすらに“楽しさ”をぶつけられる1時間半のアトラクション。たった1時間半しか入場が許されないテーマパークであり、その限られた時間の中で、ひたすら“映像の快楽”をぶつけてくる。そういう映画です。
なんかネットの意見に流されてこの映画を見に行かないのって、変です! 損です! だって……遊園地に行く前から「あぁ、どうしよう……遊園地が微妙だったらどうしよう……」と臆してしまうのは……なんだかおかしな話でしょう!?
ここまで直球勝負の「娯楽」を楽しめることって、中々ありません。これは純度100%の娯楽映画です。できるだけ、お早めに召し上がるべきです! 映画で楽しくなったり、娯楽で嬉しくなったりすることに、何の罪もないはずなのです! それは間違いなく……良いことなのです!!
だから、ここは私を信じてください!
もし「思ったより微妙じゃねえか!」と感じたら、この記事のコメント欄やらに「思ったより微妙だったぞコラ!」と書いていただいてもいいです。
大丈夫です。ちゃんと映画館で「娯楽」が待っています。しかも、最高の。
今年度最高の娯楽映画、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は4/28に全国ロードショー!
……あ、ちなみになんか宣伝みたいで申し訳ないんですけど……公開日の4/28のお昼にこの記事の完全版が公開されます。「おい、ジスロマック……こんな真っ当な記事書いてどうしたんだ……?」と私が別人に入れ替わっているんじゃないかと不安になっていたそこのアナタ、ご安心ください! 公開日の4/28のお昼にちゃんとクッッッソ長い記事が出ます! 覚悟しといてください!!