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美麗なグラフィックとロードなしで広がる世界。韓国産MMORPG『オーディン:ヴァルハラ・ライジング』の【発表会&先行プレイレポート】

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 美麗なグラフィックと大規模なプレイが魅力の『オーディン:ヴァルハラ・ライジング』(以下、『オーディン』)。すでに韓国でサービスを提供している本作が日本に上陸することとなり、4月27日(木)都内某所にて発表会が開催された。

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 今回の発表会は3つのトークセッションと試遊で構成されており、本作を手がけるカカオゲームズとライオンハートスタジオの代表やデザインを手がけたスタッフなどから本作への意気込みやこだわりを直接聞くことができた。
 
 トークセッションにはカカオゲームズ代表 チョ・ケヒョン氏、ライオンハートスタジオ代表キム・ジェヨン氏をはじめとし、プロデューサー・開発統括のイ・ハンスン氏、アートディレクターのキム・ボム氏、カカオゲームズジャパンプロジェクトマネージャーの岩﨑慎吾氏石 民帝氏が登壇。

 サービスと開発、デザイン、そして日本での展開についてと3つの異なる視点から『オーディン』を掘り下げるトークセッションとなった。

文/anymo


『オーディン』は韓国で長い間1位をキープしていた人気タイトル

 最初に登壇したのは、カカオゲームズ代表 チョ・ケヒョン(以下、チョ氏)と開発担当・ライオンハートスタジオ代表キム・ジェヨン(以下、キム氏)。日本語での挨拶ののち、それぞれが代表を務めるふたつの会社について紹介した。

チョ氏:
 カカオゲームズはカカオグループの子会社として、ゲームを専門に取り扱っている会社です。強力なプラットフォームをベースとして、モバイルとPC両方でサービスを提供しています。ゲームのパブリッシングだけでなく、自社のゲーム開発にも力を入れています。

 現在は『オーディン』をはじめ、多様なゲームをサービスしていて、今後はグローバル地域へのサービスの拡張にもフォーカスを当てています。

キム氏:
 ライオンハートスタジオは、優れた技術力をベースとしながらハイクオリティかつゲーム性を備えたタイトルを開発しています。『オーディン』はその1作品目として、韓国でも長い間1位をキープしていたタイトルです。ライオンハートスタジオは現在、『オーディン』のグローバルサービスだけでなく、PC・モバイル・PlayStation用のタイトルも開発しています。

 今後も世界中のユーザーのみなさまに楽しさと感動を与えるために、最善を尽くして参ります。

──韓国ではほかにどのようなゲームを提供していますか?

チョ氏:
 カカオゲームズはモバイルとPC両方をサービスしています。『ウマ娘 プリティダービー』『プリンセスコネクト』などを韓国でサービス提供しています。

 このように、日本とは繋がりを持ちつつも、過去何年間かは新型コロナウイルスの影響で頻繁に交流することができませんでした。今回、『オーディン』の日本でのリリースを通して日本のユーザーの皆様にもより馴染み深い会社として成長したいと思っております。

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──ありがとうございます。続いてキム代表にもお話を伺いたいのですが、経歴を見ると日本で働かれていたこともあったようですが?

キム氏:
 (日本語で)もう20年前の話ですね。私は大学院を卒業して最初の職場が日本の「コーエー」でした。そこでいろんなことを学び、経験することができました。それから成長して、今は日本で自分が開発したゲームをサービスすることができて光栄に思います。

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──日本でのサービスへ向けて決意のほどをお聞かせください。

チョ氏:
 カカオゲームズの今年の重要なキーワードは「グローバル」です。そこで、ゲーム市場において最高のIPとユーザーを確保している日本をグローバル進出として初めてのターゲットにしました。カカオゲームズは、日本でのサービスに最善を尽くし、今後もカカオゲームズジャパンを通して最高のサービスを提供していきたいと思います。たくさんのご声援とご期待お願いいたします。

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キム氏:
 韓国と台湾での『オーディン』のサービス実績を踏まえて、より優れたレベルのゲームを日本のユーザーの皆様にお届けしたいと思っています。ライオンハートスタジオも、カカオゲームズと協力して、日本のユーザーの皆様が『オーディン』を楽しくプレイできるように最善を尽くしてまいります。たくさんのご声援をお願いいたします。ありがとうございます。

『オーディン』は明確に「北欧神話」というテーマを持っている

 続いて登壇したのは、ライオンハートスタジオにてプロデューサー・開発統括を務めるイ・ハンスン氏とアートディレクターのキム・ボム氏。本作のコンセプトやグラフィックなどについて掘り下げるトークセッションとなった。

イ氏:
 みなさんこんにちは。ライオンハートスタジオで『オーディン』のプロデューサー兼開発統括を担当したイ・ハンスンと申します。今日この場で日本のユーザーの皆様にお会いすることができて嬉しいです。よろしくお願いします。

キム・ボム氏:
 みなさん初めまして。ライオンハートスタジオで『オーディン』のアートを担当しているキム・ボムと申します。みなさんに『オーディン』を紹介することができてとても光栄に思います。

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──本作の魅入ってしまうような美しいグラフィックを表現するために、どのような技術を使いましたか?

イ氏:
 オーディンを開発するときは、従来のモバイルゲームでは見られなかった優れたグラフィックを実装するためにたくさんの工夫をしています。まず第一に、3Dスキャンとモーションキャプチャーを通してよりリアルなグラフィックを実現しました。

 また、広々としたフィールドを実現するためにプログラマーの皆さんとアートディレクターが密に協力しました。なので現在『オーディン』は、広いフィールドでローディングなく多くのユーザーと同時にゲームを楽しめることが大きな魅力だと思っています。

──北欧神話の世界観をどのように『オーディン』に融合させたのでしょうか?

キム・ボム氏:
 従来のPCベースのMMORPGでは善と悪がはっきりと分かれていて、フラットなストーリーのゲームが多かったんです。しかしながら既存のストーリー構造では、ユーザーの選択によって変わるストーリーを表現することに限界があると感じました。

 そこで、より躍動感のあるゲームを作ろうとテーマを探していたときに目に入ったのが北欧神話でした。北欧神話は想像力を掻き立てられる世界観と、多様な種類の英雄、そして悲劇的なストーリーなどが魅力的なテーマです。

 ここに『オーディン』特有の神話の再解釈要素をくわえて、『オーディン』の世界観を再構築しました。

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──本作の楽しみ方をお伺いできますか?

イ氏:
 『オーディン』は普通のMMORPGよりも大規模なコンテンツが用意されています。パーティー単位だけではなく、フィールド単位のコンテンツもあるので、周りの友人といっしょに楽しんでいただければと思います。

 このような大規模なコンテンツがクロスプラットフォームでどれほど完成度高く実装されているのか確かめるのもひとつの楽しみだと思います。最後に、日本に合った運営・サービスのために最善の努力を尽くしますので、見守っていただければと思います。

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──ビジュアルとアートでこだわったところはどこですか?

キム・ボム氏:
 ユーザーの皆様には、北欧神話特有のダークな雰囲気を存分に満喫していただければと思います。従来のPCベースのMMORPGでは、ほとんどがありふれた中世風のデザインで個性がはっきりとしていなかったのですが、『オーディン』は明確に「北欧神話」というカラーを持っています。

 ユーザーのみなさまがリアルなダークファンタジーの世界に没入できるように、アートで表現できるところは果敢に描写しました。激しいノワール風の雰囲気で強いカタルシスを感じていただければと思います。

「どうやってMMORPGを遊んだらいいのかわからない」という問題を解決したい

 最後に登壇したのは、日本でのサービスを担当するカカオゲームズジャパンプロジェクトマネージャーの岩﨑慎吾氏、石 民帝氏。サービス開始時期はもちろん、本作のコラボについても言及した。

──日本での運営について注力しているのはどういったところですか?

岩﨑氏:
 日本でのサービス提供にあたって、日本のユーザーの方々を対象に複数回テストとアンケート調査を行いました。そこで「MMORPGはどの部分で不便を感じるか?」「どこを改善するべきか」という部分の意見をいただきました。

 そこで多かったのが「そもそもどうやってプレイしていいかわからない」という意見だったので、この問題を解決するために「理解できるコンテンツ」として、ゲームガイドなどのテキストはもちろすべてを映像化して提供する予定です。

 各種主要ゲーム攻略サイトはもちろん、YouTubeなどで戦略についても紹介予定です。

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──そのほか具体的に準備されていることはありますか?

石氏:
 映像の後は音声ですかね。今まさに多くの日本の有名な声優さんやハリウッド映画の吹き替えを担当されている演技経験が豊かな方を集めて収録を行なっているところです。

 最初のオープニング動画でも「オーディン」の声を聞いていただけたかと思うんですけど、このような方達が集結して収録をしております。北欧神話のストーリーを耳でも楽しめるゲームに仕上げているところです。

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──すでに韓国ではサービス提供されていますが、日本のユーザー限定の特典はありますか?

岩﨑氏:
 もちろんございます。日本でのリリース記念としまして「忍者」をテーマにした限定のアバターのセットを配布する予定です。こちらは事前登録報酬としてみなさんに提供する予定です。

 また、企画段階ですが「日本の有名なIP」とのコラボレーションも予定していますので、そちらもご期待ください。

──いつから『オーディン』をプレイできますか?

石氏:
 実は事前登録がすでに開始されています。

 事前登録は公開されているティザーサイトのリンクからもできますし、Apple Store/Google Play Storeで『オーディン:ヴァルハラライジング』と検索していただけると出てきます。

 それからキャラクター名とサーバーを先取りできるイベントを5月中旬に予定しています。いつも使っている名前を登録したり、いつも一緒にプレイしている仲間を連れてくることができます。

 いちばん気になるのは「いつからプレイできるのか」というところだと思うのですが、6月中を予定しています。正式なサービス開始日は公式SNSにて告知します。

 また、『オーディン』の日本版テレビCMの制作が決定しまして、公式モデルにオダギリジョーさんが抜擢されました。

日本のMMOの中で1位をとりたい

 また、トークセッションの最後にはイ・ハンスン氏とキム・ボム氏が再登壇しての質疑応答も行われた。

──勢力間で大規模に戦ったりすることができるということでしたが、具体的なコンテンツの内容はどのようなものになりますか?

イ氏:
 最初にアクセスできるのは「ヴァルハラ大戦」という、30人対30人で戦うコンテンツとなります。また、「パーティーダンジョン」という4人のユーザーがストーリーに沿ってゲームを進めながらボスを倒すコンテンツや拠点の占領を目指す「拠点占領戦」も用意されています。

 さらにフィールドに数千人ほどが集まって戦う「ボスレイド」のほか、MMORPGの代表的なコンテンツでもある「攻城戦」も用意されています。

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──『オーディン』でしか体験できない特徴はありますか?また、韓国と日本では受け入れられる仕様が違うと思いますが、日本の運営ではゲームを変えていくような形になるのでしょうか?

岩﨑氏:
 『オーディン』はすでに各国で配信されているのですが、日本で配信をするうえでいちばん大事なのは日本のお客様なので、改善すべき点は改善していくことを大前提としています。

 残念ながら日本と韓国で異なる仕様については、まだ詳細は言えない段階です。しかしながら日本のお客様がプレイしやすいようなコンテンツの改善や商品設計を考えているので、満足いただけるような形になっているかと思います。

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──日本の市場はどこがいちばん難しいポイントですか?

石氏:
 日本は特にゲームが強いですし、日本産の名作を超えるためには韓国MMOならではの価値を提供することが必要だと思っています。

 例えば「1000人単位でプレイできるコンテンツを提供する」というような、これまで日本のコンソール・PCベースのゲームが提供できなかった機能を韓国の技術で実現しています。そういったところで、日本のゲームと差別化を図りたいと思っています。

──日本の市場で成功できる可能性はどれくらいあるとお考えですか?

石氏:
 この場にそれをわかる方がいたら、教えていただきたいくらいです(笑)。

 韓国の文化系のコンテンツは盛り上がりを見せていますが、こういった「韓流」が起きる前の韓流はゲームだと思っています。

 韓国産ゲームの波はすでに始まっていたと言っても過言ではないと思います。日本でも、MMOの中で1位をとりたいと思っています。

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──従来のオープンワールドRPGとは一線を画したゲームとして開発されていると思うのですが、特に苦労したところを伺いたいです。

イ氏:
 開発は特に問題はありませんでした。隣に座っているキムアートディレクターと一緒にスムーズに開発できたと思います。小規模な会社で開発をはじめたので、当時は冷房が効いていなくて苦労した覚えがあるくらいですかね(笑)。

美麗なグラフィックに没入できるプレイ感

 トークセッションが終了後、報道陣およびゲストに配布された端末でのテストプレイが実施された。なお、今回使用された端末は「GalaxyS23Ultra」。ゲームに特化した最新機種となっている。

 今回のテストプレイでは、10分ほどのフリープレイののちに本作の要素のひとつである「ヴァルハラ大戦」をプレイ。

 フリープレイでは、広大なフィールドを自由に駆け回って本作の魅力である美麗なグラフィックを堪能することができた。

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 ロードなしの移動はとても快適で、背景に表示されている山の向こうまで移動することができる。とにかく奥へと移動してみたところ麗らかな自然から一転、モンスターが練り歩く薄暗い不穏な場所までたどり着き、マップだけでも本作のボリュームに驚かされた。

 視点移動はもちろんのこと、画面の拡大率を変えられることも特徴だ。引きの視点で周囲を見渡すもヨシ、寄りで更なる没入感を楽しむもヨシと、それぞれの好みに合わせて調整できる。

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 画面右下にはスキルが表示されており、タップすることで近くの敵に自動的に発動する。火傷や麻痺といった状態異常をもたらすものや、付近の味方の回復など効果は多岐に渡る。

 また、ガチャで手に入る多彩なスキンでキャラクターを自分好みの姿に変更することも可能だ。レアリティごとに性能が違うものの、「見た目だけを変更してステータスはそのまま」ということもできるそうだ。

 特に印象的だったのは、移動手段としてロマンあふれる大きな生物に乗ることができる点だ。プレイヤーの何倍もある神々しい生物を使役するこの要素では、本作の特徴である北欧神話の世界を体感できた。 

 会場に集まった全員でプレイした「ヴァルハラ大戦」では、全員同じステータスで戦う30対30の大規模なPvPを楽しんだ。高台や隠れる場所も用意された闘技場のようなロケーションでのバトルで、周囲の味方と協力することで戦いをより有利に進められた。

 倒されると復活はできないものの、ほかのプレイヤーの視点で観戦することができる。1試合目で要領を掴んだプレイヤーが2試合目では徒党を組んで敵チームに立ち向かっていたり、回復を担う職業のプレイヤーがしっかり後方で支援していたりと、すでに1試合目を踏まえた立ち回りが見られたのが興味深かった。

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 また、この「ヴァルハラ大戦」では試合ごとにMVPが選ばれる。MVPはキル数だけでなく味方へのスキル付与などのサポートも評価対象となるため、試合全体への貢献度によって決定するようだ。

 2試合を経て、先行プレイは終了。貢献度の高い上位3名には「北欧」にちなんだ景品が贈られた。

 さらに、発表会の最後のフォトセッションでは本作に登場するキャラクターの衣装を身に纏ったコスプレイヤーの方々も登場した。

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 『オーディン』はApp StoreおよびGoogle Play Storeにて事前予約を受付中。

 さらに、福岡・札幌・仙台にて先行体験会の開催も決定している。リプライ欄にて体験会の開催を希望する地域も募集中なので、こちらも合わせてチェックしてほしい。

ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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