1月26日は『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』が発売された日だ。
1987年1月26日にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』は、前年の1986年に発売された『ドラゴンクエスト』第1作目に続く、超人気RPG『ドラクエ』シリーズの第2作目だ。
『ドラゴンクエスト』第1作目は、RPGという概念が家庭用ゲーム機ではまだ知られていなかった時代に、口コミを通じてじわじわと人気を集めていった。その人気を受けて、前作の遊びをさらに拡大させる内容の『ドラクエII』は、発売直後から大ヒットを記録。シリーズ2作が続けて高い人気と評価を得たことにより、約1年後の1988年にリリースされた『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』では、社会現象となる『ドラクエ』ブームを巻き起こし、現在まで続く根強い人気を築きあげることになった。
『ドラクエII』の最大の特徴は、前作が主人公ひとりで冒険していたのに対して、本作では主人公以外に冒険の途中で出会う2人の仲間と行動を共にする、シリーズ初のパーティシステムが採り入れられた点だ。仲間になったキャラクターが主人公の後ろに連なって、列になってフィールドマップの上を歩いていくというのは本作が生み出したスタイルだ。
主人公であるローレシアの王子が戦士タイプで呪文は使えないのに対して、仲間になるサマルトリアの王子は武器と呪文の両方を扱えるバランスタイプ、ムーンブルクの王女は攻撃や回復の呪文を使いこなすという形で、特徴が異なっている。ちなみにムーンブルクの王女は登場した当初、呪いによって姿を変えられているため、その謎を解いて正体が明かされた時に驚いた人も多いだろう。
ファミコン版の『ドラクエII』は、ゲーム後半のダンジョンや謎解きの難易度が高めになっており、苦戦する人が多かったと言われている。だがそれは一方で、プレイヤー同士で情報を交換して一緒に攻略法を考えるという、ゲームを介した新しいコミュニケーションが生まれることにもつながっていく。『ドラクエII』はゲーム内容だけでなくそうしたプレイ環境の面でも、日本のRPGが持つ独特な文化の礎を築いた作品だと言えるだろう。
またファミコン版の『ドラクエII』は、前作と同様に「復活の呪文」と呼ばれるパスワードを自分で記録して、プレイのデータを保存する形になっている。ただし本作では前作よりもゲーム内容が拡大したことから、パスワードの文字数も最大52文字と大幅に増加した。そのためパスワードを間違えてメモしたりすると「じゅもんが ちがいます」と表示されて、プレイを再開できなくなってしまう。そこで次回作の『ドラクエIII』からは、バッテリーバックアップでデータをセーブするようになった。
『ドラクエII』は1993年に、スーパーファミコン用ソフト『ドラゴンクエストI・II』として前作と2作セットの形でリメイクされた。また2011年にはドラゴンクエスト25周年記念として、シリーズ第1作目~第3作目のファミコン版とスーパーファミコン版を収録したWii用ソフト『ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』も発売されている。
2024年現在も『ドラクエII』は、PS4/Switch/iOS/Androidでリメイク版がリリースされている。かつてプレイした人も初体験の人も、その面白さを改めて味わってみてほしい。