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『サウスパーク』という「とんでもねぇ作品」の魅力を聞いてほしい。ついに日本語字幕がついた『サウスパーク:スノーデイ!』は『サウスパーク』入門に最高の1本

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みなさん、『サウスパーク』は好きですか? ……そうだね、もちろん大好きだよね! ね!!

……

「Oh My God! they killed Kenny!」
(なんてこった!ケニーが殺されちゃった!)

「You bastard!」
(この人でなし!)

「なんのことやら」となっている方に向けて超分かりやすく紹介すると、『サウスパーク』は超絶激ヤバな切り絵風ギャグアニメです。

一見すると子ども向けアニメみたいな絵柄をしていますが、ふつうに人が死にます。ほかにもエログロ、差別的表現、社会風刺、ギリギリを攻めるパロディなどなど……とにかく過激なブラックジョークが盛りだくさん。中でも有名なのが、上の「なんてこった」ネタが山盛りになったこちらの動画でしょう。(閲覧注意)

……この動画を観るだけでも、今まで『サウスパーク』を知らなかった方も、なんとなくどんな作品なのかが分かったと思います。しかし、だんだんこの黒さ”がクセになるんですよ。

さて、そんな激ヤバ海外アニメな『サウスパーク』ですが、その新作ゲームである『サウスパーク:スノーデイ!』が先日3月26日(Nintendo Switchダウンロード版は3月27日)に発売を迎えました。

筆者も「ケニーが良くてェ…このエピソードが面白くってェ…クレイグ×トゥイークが尊くってェ……」みたいな感じでブツブツ語りつつ、『サウスパーク:スノーデイ!』のニュース記事とかをいくつか書いていたんですが……。

なんと編集部の人から「ちょっと本格的な記事も書いてみなよ」と言われてしまったので、頑張って『サウスパーク』の良さをいろいろ語らせていただければと思います。そして『サウスパーク:スノーデイ!』が“サウスパーク入門”に良い感じの作品でもありましたので、あわせてご紹介していきましょう。

文/はくまいさん

※本稿には『サウスパーク』シリーズのネタバレが一部含まれています。あらかじめご注意ください。


「とんでもねぇアニメに出会った……」すごい衝撃を受けた『サウスパーク』という作品を知ってほしい

『サウスパーク』は1997年よりアメリカ合衆国で制作・放映されている1話完結型のストップモーションアニメです。

筆者が数年前に初めて『サウスパーク』を見たとき、社会風刺をテーマにしているのにくだらなくて笑えるストーリーが描かれるその構成、そして魅力的なキャラクターや、日本じゃ見られないような過激な描写を目の当たりにして「とんでもねぇアニメに出会った……」とすさまじい衝撃を受けました。

メインキャラクターは普通の人かと思えば全然普通じゃない「スタン・マーシュ」、差別主義者で口が悪く性格が極悪すぎる「エリック・カートマン」、お人好しで毎度のように死にまくる変態で貧乏な「ケニー・マコーミック」、一番の常識人でツッコミ役に回ることが多い「カイル・ブロフロフスキー」の4人。彼らが学校、街中、国、時には世界を巻き込む大騒動を巻き起こすお話が繰り広げられていきます。

『サウスパーク』シーズン17 オープニング映像

可愛らしいキャラクターのビジュアルとは裏腹に、人種差別や社会風刺、エロ、グロ……などなど成人向けコンテンツも過激な作風とともに取り扱うギャップから話題になり、アメリカ国内にとどまらず、世界中で親しまれる人気作品へ成長していきました。日本人にウケにくいところもあったりしますが、この過激な一面が『サウスパーク』の魅力。

中でも、その人気の火付け役、同時に本作で最も知られているキャラクターは多分「エリック・カートマン」だと思います。カートマンは『サウスパーク』の象徴とも言えるキャラで、小学4年生にして「極悪」を煮詰めまくったようなキャラなんですが、なぜか憎めないところがあり、ファンからの人気も高いです。

ちなみに、カートマンが作中で行った悪行の一部がこれです。

<カートマンが作中で行った悪行の一部>

・とある男に復讐するため、両親を殺して食べさせる
・パラリンピックの賞金を目当てに障がい者を装って出場
・エイズに感染したことをカイルに馬鹿にされたので無理やり感染させる
・第2のアドルフ・ヒトラーになろうとする
・クトゥルフと仲良くなって世界中を破壊しまくる

改めて見てみると、なんでこんなやつが人気なんでしょうね……?

本場には及びませんが、『サウスパーク』の魅力は日本にもしっかり伝わっていて、WOWOWなどのサービスで一部のアニメ本編および「無修正映画版」が日本語吹き替え付きで配信されていたりします。
ちなみに海外の公式サイトではほぼ全話が無料公開されていますが、こちらには日本語字幕がないので「英語が聞き取れる人にはオススメ」という感じです。

『サウスパーク:スノーデイ!』はシンプルだが手触りの良いアクションアドベンチャー

さて、そんな愛すべき『サウスパーク』シリーズの新作ゲームが、2024年3月26日に発売された『サウスパーク:スノーデイ!』です。

ゲームジャンルとしては3Dアクションアドベンチャーとなっており、素直で手触りの良い操作感や分かりやすい目的、すぐに理解できるゲームシステムから、非常に遊びやすい作品となっています。

作中の舞台サウスパークに大吹雪が訪れてクソ大量の雪が降り学校が休みになったので、子どもたちは「永遠の冬が訪れた」とかなんとか言って大騒ぎに。

プレイヤーである「新入り」は吹雪を止めるため、道中でモブの子どもたちをボコボコに、ボスバトルではカイルやスタンといったネームドキャラをボコボコにしていきます。つまり目的のためならなんでもする『サウスパーク』らしい要素を実際に体験できるってこと。やったね!

『サウスパーク:スノーデイ!』プレイレポート:ブラックすぎるとんでもねぇアニメ『サウスパーク』のゲームについに日本語字幕が収録_001
▲道中でモブの子どもをボコボコにする様子
『サウスパーク:スノーデイ!』プレイレポート:ブラックすぎるとんでもねぇアニメ『サウスパーク』のゲームについに日本語字幕が収録_002
▲第1ステージ目のボスであるカイルをボコボコにする様子

各マップの目的が常に表示されている点や、6〜8時間程度でストーリーをクリアできる点、最大4人のマルチプレイで楽々攻略できる点なども踏まえると、ふだんゲームをあまり遊ばない人でもスムーズにプレイできるでしょう。

総じて遊びやすいアクションゲームとしてまとまっています。思う存分子どもたちをボコボコにしよう。

そもそも何で子どもたちをボコボコにしてるの?

というわけで本作では『サウスパーク』のキャラたちがコスプレ衣装に身を包み、ボコボコに殴り合う抗争を繰り広げていくわけですが、「なんで『サウスパーク』のゲームでそんなことをしているのか?」と疑問に思う方もいることでしょう。

その理由を説明するには、原作アニメのエピソード『Black Friday』まで遡る必要があります。具体的には、本作『サウスパーク:スノーデイ!』に至る時系列は下記の通りとなっています。

アニメ『Black Friday』(シーズン17・エピソード7〜9)
└子どもたちの間でのPS4・Xbox戦争が描かれるエピソード。

ゲーム『South Park: The Stick of Truth』
 └『Black Friday』エピソードを下敷きにしたゲーム1作目。ゲームオリジナルキャラである「新入り」が初登場

アニメ『Coon and Frinds』(シーズン13・エピソード5&シーズン14・エピソード11〜13)
 └子どもたちのヒーローごっこ遊びが描かれるエピソード。

ゲーム『South Park: The Fractured But Whole』
 └『Coon and Frinds』を下敷きにしたゲーム2作目。

ゲーム『サウスパーク:スノーデイ!』
 └今回紹介している、ゲーム3作目。

うわあ、なんだか凄いことになっちゃったぞ。

とはいえ、本作『スノーデイ!』をプレイするにあたっては、ここまでの前提知識が必要というわけではありません
なので、これから詳しく時系列に沿って解説しますが、読み飛ばしていただいてもけっこうです。『サウスパーク』に興味が出てきたぞ!という方はぜひお読みいただけると、いっそうゲームも楽しめるかと思います。

全ての始まりは、シーズン17のエピソード7「Black Friday」から始まる3部作。
ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をパロディしつつ、「PlayStation 4とXbox Oneのどちらを購入するのか」で子どもたちがそれぞれの陣営に分かれて争うストーリーが展開されます。
このエピソードで子どもたちは魔法使いやレンジャーなどのコスプレに身を包んで抗争を繰り広げており、この設定が『サウスパーク:スノーデイ!』まで受け継がれているわけですね。

『サウスパーク:スノーデイ!』プレイレポート:ブラックすぎるとんでもねぇアニメ『サウスパーク』のゲームについに日本語字幕が収録_003
(画像は公式サイトのシーズン17エピソード7「Black Friday」より、本編内での一幕)

そしてその3部作から派生して生まれたのが「新入り」の初登場作品であるゲーム第1作目『South Park: The Stick of Truth』になります。
ゲーム内では「新入り」がサウスパークに引っ越してきたところから始まり、人間陣営とエルフ陣営に別れて戦うごっこ遊びに遭遇してカートマン率いる人間陣営に参加することに。ストーリーを進めていくとオナラの才能を開花させたり、人間陣営とエルフ陣営のどっちにつくかを選んだり、めちゃくちゃすぎる問題を解決したりして「新入り」は最強の王様の称号を貰い、サウスパークに住む子どもたちと仲を深めます。

『South Park: The Stick of Truth』無修正版トレーラー

そこから一度アニメに戻り、シーズン13エピソード5およびシーズン14エピソード11〜13の「Coon and Friends」回。これらの話はいつもの4人だけではなく、いろいろな子どもたちが変装してスーパーヒーローごっこをするエピソードです。
作中では、石油採掘してたら原油が漏れ出て海が汚れたり、事件の後知恵を言って飛び去る意味不明なヒーローが登場したり、クトゥルフが呼び起こされてカートマンと仲良くなり世界中を破壊しまくったり、ケニーが死んだりと『サウスパーク』らしいカオスな話になってます。

「Coon and Friends」の一場面

そんなカオスなエピソードを基に制作されたゲームが2作目の『South Park: The Fractured But Whole』になります。作中ではアニメと同じく子どもたちがスーパーヒーローごっこをしていて、前作で王様になった「新入り」も参加するところから始まります。
仲間と共に自警団として活動したり、SNSのフォロワーを集めたり、巨悪と戦ったりしてオナラの才能を磨き、子どもたちの中でも最強のヒーローとして活躍します。

『South Park: The Fractured But Whole』無修正版トレーラー

そして『South Park: The Fractured But Whole』から時間は経過し、今回紹介するゲーム3作目である『サウスパーク:スノーデイ!』に繋がっていきます。本作ではサウスパークに大吹雪がやってきて大量の雪が積もって学校が休みになったことで、子どもたちはこれまでと同じくファンタジー設定でごっこ遊びに励みます。

今までに行った2回のごっこ遊びで「新入り」が最強になるのは目に見えていたので、カートマンたちがルールについて話し合いをしていたところ、言い争いが始まってしまいゲームが始まる前に派閥が別れてしまいます

『サウスパーク:スノーデイ!』プレイレポート:ブラックすぎるとんでもねぇアニメ『サウスパーク』のゲームについに日本語字幕が収録_004
▲「新入り」が責められている様子

そこでカートマンは最強の「新入り」を自身が率いる派閥に無理やり引き入れた……というのが『サウスパーク:スノーデイ!』の本編に至るまでの話となります。

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ライター
人生をゲームとインターネットでぐちゃぐちゃに狂わされた炭水化物。 特に『Terraria』と『Minecraft』、『SIREN』。絶対許さないからな。 電ファミではニュースライターとして活動してます。
Twitter:@0_5_m_e

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