本当はね、「有村麻央」をリクエストしてたんです。
ある日「『学園アイドルマスター』遊んでほしい!第一希望から第五希望までのアイドルよろしくね☆」みたいな感じで言われて、私は第一希望に「有村麻央」をリクエストしたんです。
でも実際にやってきたのは、「月村手毬」だった。
バンナム、嘘だよな?
さすがにどんなアイドルか知っておきたかったので、公式サイトを見てみた。
月村手毬の紹介文には、こう書いてあった。
中等部ナンバーワンアイドルと呼ばれていた元エリート。
クールでストイックな皮肉屋と思いきや、甘えん坊で怠け者なトラブルメーカーでもある。二面性のある少女。嫌いな自分と決別し、自分自身を好きでいるために、トップアイドルを目指している。
モンスターだよ。
なんだコイツ。「クールでストイックな皮肉屋かと思いきや、甘えん坊で怠け者なトラブルメーカー」って何? どれかひとつにしろよ。なにひとりで属性6つ背負ってんだよ。「甘えん坊で怠け者なトラブルメーカー」ってあんまり引きたくないデバフのフルコースだよ。
いや、逆に燃えてきた。
自分は第一希望が通らなかった。たぶん手毬は誰も第一希望に選ばなかった。肝心のアイドルにはモンスターのようなプロフィールが書かれていた。もはや逆境まみれである。でも、自分はこういう逆境の方が本気を出せるタイプだったりする。
月村手毬、あんたと俺で見返してやろうじゃないか。
下馬評をひっくり返し、紹介PVも再生数トップにしよう。このクールでストイックな皮肉屋かと思いきや甘えん坊で怠け者なトラブルメーカーを乗りこなして、あんたと俺で世界を革命してやろうじゃないか!?
だからやるの!
私たちをナメたやつら全員の墓に、月村手毬のアクスタを供えさせてやる!!
手毬はベントされた。ベント?転送されたんだ。二つの世界の狭間、初星空間に。転送って?最終試験で敗れるとそうなる。で、いつ戻るんだ?戻らない!だから負けられない!!
「レッスンの邪魔です。」
「私のことをよく調べもせずにきた方を、信用できません。」
初対面でこれよ。
うん、やっぱり逆に燃えてきたな。
私、こういう人間を相手にしている時の方が楽しい。「プロデューサー」なんて山師みたいなやつばっかりいる職業名の人間、そうそう信用しないでほしい。むしろプロデューサーの言うことにハイハイそうですかとあっさり従う人の方が心配になる。
もう初対面の時点で「(個人的には)有村麻央より面白い」ことがわかった。この今にも「驚きました、まだアイドルと契約してないんですか?」と言ってきそうな感じ、最高じゃないか。バンダイナムコは私のこういう性格を見越したうえで月村手毬を寄越してきたのだろうか。だとしたら相当な慧眼ですね。
しかし同時に、月村手毬には「二面性」がある。
「━━決めました。」
「私をプロデュースさせてあげます。」
「(って、なんでこんな偉そうに言ってるの私!)」
「(ぅぅ……怒らせちゃった……?)」
コイツ、おもしれ~~~~~~~~~~~
そう、「外面の刺々しい言動と、内面の小心者っぷりがやや乖離してる」ことが月村手毬の「二面性」である。オイこいつめっちゃ面白いって! 手毬、正式リリースされたら間違いなくキミの人気はすごいことになる! いろんな意味でね!
初対面の時点で月村手毬がいいキャラしすぎていて、「逆に月村手毬以外だったら大変なことになっていたかもしれない」とすら思えてきた。
こいつ大当たりやんけ!!
あれだ、「ライダーがハズレサーヴァントだと思ったらすごい大当たりだった時のウェイバー・ベルベットの気持ち」を味わえている気がする。この戦い、我々の勝利だ!
だけど、月村手毬は「ある不調」を抱えている。
実のところ『学マス』は「アイドルの弱点と向き合う」こともテーマのひとつに組み込まれているようで、どうやら月村手毬にも弱点……というか、「不調の原因」があるらしい。それもそのはず。月村手毬はこんなん(こんなん)だけど、中等部ナンバーワンと言われていた元エリートなのだ。
……で、この不調の理由もかなりしょうもない。
具体的にどんな不調なのかはお楽しみにしておいてほしいけど、思った以上にしょうもない理由で不調をきたしている。その上で、めんどくさい理由もある。「実は手毬は余命いくばくか……」とか、そういう泣きゲー路線なんて1ミリもない。
本当にしょうもない上にめんどくさい不調を抱えている。
もう、上の青ざめた表情と「なっ……なっ……ななな……!?」という情けないセリフで察してほしい。月村手毬、マジで面白いぞ。
というか、この「不調の理由」そのものが彼女の「甘えん坊で怠け者なトラブルメーカー」を物語っているのだ。大人の事情で不調の理由を書いちゃいけないのが悔しくなってきた。これじゃまるで私がうわ言を言っている狂人みたいじゃないか!? 信じてください、手毬は本当にめんどくさいヤツなんです。
今年の年始、小中学以来の友人から勧められて、初めて『Slay the Spire』というゲームを遊んだ。
私はこの手のゲームをまったく遊ばないものだから、「へぇ~こういうのが流行ってるんだ」という気持ちでプレイしていた。そしてあの年始の経験、まさかの『学園アイドルマスター』で活きてしまった。
そう、このゲームの中核になっているのは「ローグライク」なのだ。
強力なカードを増やしつつ、デッキをビルドしたり周回したりして数値を高めていくローグライク要素。レッスンでステータスを強化してより高性能のキャラを生み出していくサクセス要素。この二軸が合体したのが『学マス』。
この辺は追々紹介していくけど、最終的にはこのシステムで「最終試験」に挑むことになる。そして試験が終わると、担当アイドルのライブが始まる。さすがに初回プロデュースでそんな好成績が出るはずもなく、微妙な結果に終わった。そして最後のライブは、この時の「成績」に左右される。
初回ライブ、まさかの中庭。
チクショウ、私がふがいないばっかりに……。しかも、この状態では歌を最後まで聞くこともできない。サビに入る前にライブは中断。まばらな観客に手毬はお礼を言い、今回のプロデュースは終了。
さすがにこれを見せられると「悔しい」という気持ちがふつふつと湧き上がってくる。クソッ、手毬はあんなに面白い女なのに……こんな学校の中庭に収まっていい女じゃないのに……うーん、見事に開発の掌の上で踊らされている気がする。
この時の成績によって、見られるエンディングも変わる。初回はCエンドだったので、月村手毬と一緒にショートケーキを食べたりした。この「なにかを食べる」というエンディング……後になって尾を引いてきたりする。
私のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ……
「これ、かなりひねくれた女の子の歌だよね」
「私とは性格が違いすぎて……感情を入れにくいと思う」
月村手毬、今日も絶好調。
これは月村手毬のSSR「Luna say maybe」のエピソードで……プロデューサーから渡された「Luna say maybe」という曲を初めて見た時の手毬の反応です。驚いたな、ブーメランを投げるのも上手い。
この「曲に関するエピソード」、SSRなだけあって流石に面白い。
私とは性格の合わない曲だと思いつつも「Luna say maybe」をいたく気に入った手毬が、クラスメイトの前で自慢するようにアカペラで「Luna say maybe」を何度も歌うという信じられない展開が待っています。手毬は真剣にやってるんだーっ!
もうウォーズマンの気持ちになってきた。そうだよ、もうこれプロデューサーっていうかロビンマスクを見てる時のウォーズマンの気持ちだよ。
「手毬さー、さっきから口ずさんでるその歌ナニ?」
「私の曲だよ。どうしてもっていうなら、もっと歌ってあげるけど?」
さすがに2周目ということもあり、1周目では入賞もできなかった最終予選で結構いい火力を出せるようになりました。明らかに前より強くなった手毬が、ライバルに食らいつくかのように高火力を叩き出す!
手毬、言うてエリートなんだよな。
「キャラ性能」的には、割とガチの強さです。
そこもロビンマスクか。
100万集中パワー+100万ボーカルパワーで200万パワー!!
いつもの2倍のショートケーキが加わって200万×2の400万パワー! そしていつもの3倍のLuna say maybeを加えれば400万×3! 花海咲季、おまえを上回る1200万パワーだ──っ!!
真面目な紹介が読みたい人はファミ通にでも行け。
でも、最終予選の「勝てる!勝てる!!」という盛り上がりは結構楽しいです。
周回し続ければ、ウォーズマン理論がなくても勝てます。
そして1周目よりちょっと上の「Bエンド」に到達!
今度の舞台は学校の屋上!
前よりちょっとだけよくなってる!!
しかも『学マス』には「アイドルの表現力が成長する」システムが用意されている。だから、Cエンドより確実に手毬の歌が上達している! しかも前より長く歌えている! 全然フル尺じゃないけど、ちゃんとサビまで到達している!
頑張れ……手毬頑張れ──!!
もう完全に娘の運動会に来てる親の気持ちですね。
ウォーズマンか父親かどっちかにしろ。
「この店のパフェ、ずっと食べたいと思っていたんです。」
「こってりした食事の方がもっと好きだと言っておきます!」
そして、Bエンドに到達すると手毬と一緒にパフェを食べます。
食べ物がランクアップするのかよ。
食ってばっかじゃん! え、他のアイドルのエンディングってどうなってんの……? ウチの手毬だけこんな面白いエンディングなんですか……? ここだけプププランドみたいな世界観なんですか? 手毬、太るよ……?