「私の邪魔をするならたとえこの初星学園でも!」「月村──!!」
初対面ではあんなに喧々諤々としていたプロデューサーと手毬も、ちょっとずつ仲良くなっていく。親愛度5話では、今後のプロデュースのためにレッスン風景を撮影していたところ、手毬が「(プロデューサーに撮られるのが恥ずかしいんだよ~~~~~!)」と悶絶したりする。
こいつ…………かわいいな?
なんか、リアルに私と手毬の親愛度が上がってきた気がする。
最初は「面白い人」くらいの認識だったけど、段々手毬が真っ当にかわいく見えてきた。これが、これが『アイドルマスター』か。手毬への微熱S.O.S!!、止まらない。私が手毬のヌービアムになる。
ちなみに、ここから仕返しをしてやろうと息巻いた手毬はプロデューサーの写真を何枚も撮り、授業中にその写真をずっと見ていたことから厳重注意を受ける。そしてプロデューサーからも「炎上注意」の烙印を押される。面白すぎる。月村手毬、今日も平常運転。
みなさん薄々察しているかもしれないけど、手毬はもう「弱点まみれ」なのである。
もはや全身弱点。クールぶってるけど、めちゃくちゃ感情に振り回されている。なのに本人の自己認識は「私がクールすぎるってこと?(笑)」「よく言われる。感情が薄くて、冷たい印象が作り物めいているって(笑)」だからどうしようもない。これをどうにかしろって? 無茶言うなよ!
こんなのもう橘さんだよ。なにもかも不安定。このままだと本当に「肝心な時にしか役に立たないアイドル」になってしまう。ある意味最高難易度なのでは? こんなに手のかかるアイドルだったのか? 恐怖心、俺の心に恐怖心。
もう、「本来は高性能なはずなのに全然言うことを聞かないピーキー機体を乗り回しているパイロット」みたいな気持ちになってくる。こんなトールギスみたいな性能のアイドルどうしたらいいんだ。俺がゼクス・マーキスになるしかないのか!?
フッ!ハッ!咲季、どうして追い込みレッスンしない!?
実はこのゲーム、いわゆる「メインストーリー」も存在している。
「初星コミュ」にて、初星学園の成り立ちやセンターアイドルの「花海咲季」について知ることができる。「えっ、手毬を選んだら一生手毬のめんどくささに付き合うの……」と不安になっている方、どうか安心してほしい。
そして初星コミュにも、当然ながら月村手毬が登場。
本人の内面は全然そんなことないのに、相変わらず外面だけツンツンしている。改めて「なんなんコイツ」という気持ちが湧いてくる。
しかも初星コミュでは、花海咲季・月村手毬・藤田ことねの3人でユニットを組み、大会優勝を目指すらしい。絶対無理だと思う。
そして初星コミュを見ているうちに段々「花海咲季」のことが気になってきたので、咲季もプロデュースしてみた。あんなにバンナムから「ひとりを選んでプロデュースしてください」と釘を刺されていたのに。いや違う、手毬を強くするために他のアイドルを育成する必要があったんだ……。
ただ、「他のアイドルをプロデュースして気づいたこと」も結構ある。
まず、手毬と咲季では明確に「デッキ編成」が違う。
『学マス』は画像左のようなカードを使ってスコアを稼いでいくゲーム……だから、カードの編成が違うと、戦い方も全く変わってくる。最初からガンガン火力を出す速攻デッキなのか、少しずつ力を溜めていって最後に高火力を叩き出す逆転デッキなのか……たぶん、アイドルによって全く戦い方が違う。
だから他のアイドルをプロデュースし始めると、結構新鮮だったりします。ひとりに愛を注ぐのもいいけど、まんべんなくプロデュースしてみるのも楽しいと思います。
あと、手毬に比べて咲季がちゃんとしすぎていて面白い。「隣の芝は青く見える」とかそんなレベルじゃない。咲季が「プロデュース」だとしたら手毬は「介護」の領域なんじゃないか。いや、そんな手毬だから好きなんですが。マズいな、めんどくささまで彼女に引っ張られてないか?
そしてこの試行錯誤っぷりを見ていたら伝わるかもしれないけど、さすがにここら辺で「つまづき」が発生した。端的には、最終試験に出てくる「秦谷美鈴」が倒せない。
おそらく彼女が手毬プロデュースの最後の壁として立ちはだかる存在。ちょっと適当に育成すると、かなりの高パワーであっという間に1位の座を奪われてしまう。2位、2位、2位、2位……何度再挑戦しても、「秦谷美鈴」が1位の座を明け渡さない。
ただ、同時に「納得感」はあるというか……実は美鈴、元々手毬とユニットを組んでいたアイドルなのだ。だけどなにかしらの事件があって手毬と美鈴は解散し、お互いソロで活動している。
でも「ライバル」なのかというと、若干怪しい。
おっとりしてそうで結構しっかりしてる美鈴は手毬のことを心配しているし、他の人間に美鈴について聞かれると荒ぶり始めるくらい手毬も未練タラタラである。ここまでの素行のせいで「これ8割くらい手毬が悪いのでは……?」と担当アイドルを疑いたくなるのが、月村手毬のすごいところ。
「(美鈴は)やる気はなかったけど、トレーニング以外は気が利くし!」
「普段は一緒にいて楽しかったし、いいところだってたくさんあるの!」
「料理……うまかったし!」
「めんどくさぁ……」
ただ、最終的には勝てました。
さきほども言った通り、このゲームの中核になっているのは「ローグライク」。
だから、負けることに意味がある。何度も周回して何度も美鈴に挑むうち、強力なサポートを手に入れたり、そもそもカードの数が増えていったりする。結果として、いつの間にか美鈴に勝っていた。
『学マス』、割としっかりローグライクしてます。
特にこのちょっと進めると解禁される「コール&レスポンス」というカードが強くて……要は「バフが乗ってたら高火力2連撃」的な性能してるんです。遊べば遊ぶほど、戦力と選択肢が増えていきます。
そして、とうとう「A End」に到達!
A End、ついに広場でライブ!
お客さんも結構入ってるし、フルとはいかないけど歌もしっかり歌っている!
そして心なしか手毬も満足げな顔をしている! なんか泣きそうになってきた。こんなめんどくさい人をプロデュースしてるのに泣きそうになってくる。いや、めんどくさいから余計に泣きそうだ!
もうどんだけスタンスが変わるんだって感じだけど、「素行の悪い生徒が部活で頑張って好成績を出した時の生活指導」みたいな気持ちになってきた。手毬だって……手毬だってアイドルとしては一流なんだ! 月村手毬、やれるぞ!!
あと、A Endではラーメン食います。
もう何もツッコみたくない。
おかしい。ここまでの「ショートケーキ→パフェ」はまだアイドルっぽいご褒美だったのに。普通にラーメン行ってんじゃん。この「ライブでグッときたのにエンディングでその感動が破壊される」ところまで含めて、月村手毬のプロデュースだと思います。
これより一段上の「True End」へのモチベーションが「これ以上豪華になったら手毬は一体何を食うんだ」という不純極まりないものになってきている。わからない、他のアイドルのエンディングもこういう感じなのか!? ウチの手毬だけなんかおかしいんですか!?
笑えないジョークですね
そして残すはいよいよ「True End」のみ。
おそらく、現時点の『学マス』の最終目標はこの「True END」に到達することだと思われる。もちろん突破条件も生半可なものではない。だから、Trueに到達するためにひたすら周回! 周回!!
その中でさらにカードが解放されたり、機能が増えたり、溜まった石でガシャを引いて強力なサポカを手に入れたり……とにかく『学マス』は周回が無駄にならない。
個人的にはSSRサポカの「あなたにも作ってあげる!」の話が好きです。咲季が作ったあまりにも質素なビジュアルの完全食のせいでインターネットでは「実はこのゲームの舞台はディストピアなんじゃないか」とか言われてますが、普通に咲季の作ってる弁当が完全食なだけです。
クククク……咲季の弁当はビタミン、ミネラル、タンパク質、そして塩分が含まれている完全食だァ これ言いたかっただけだろ!!
ただ、True条件はそこそこ難しい。あまり正確には書けないのでぼんやりとだけお伝えすると……要するに「特化育成」が必要なのだ。そのために、周回! 周回!!
そうしているうちに、どんどん手毬がボーカルゴリラと化してきた。
途中でゲットした「バズワード」とかいうバカみたいな火力のカードが強すぎて、あんなに苦しめられた美鈴相手に大差をつけて勝利するところまで来てしまった。手毬のバズワードは絶対ヤバい。こんな炎上と表裏一体みたいなヤツにバズワードを連打させるのはプロデューサーの罪かもしれない。
そしていろいろ頑張って、「True End」に到達! True Endでは、『学マス』最大のウリでもある「すごいライブ」を見ることができる!!
出会い、最悪だった。そもそも望んだアイドルじゃなかった。
最初のライブ、学校の中庭から始まった。散々な結果だった。
次の場所、学校の屋上だった。ちょっと手毬が好きになってきた。
明らかに成長が見えて、嬉しくなった。
その先のステージ、観客の増えた広場。
頑張ってサビまで歌いきった手毬が、満足げな顔をしていた。
「ここまで来たら最後まで育て上げる」と覚悟が決まった。
最後の晴れ舞台、あんなに不完全だった手毬が、大勢の観客に囲まれて歌っていた。不完全で不安定なのに、命を燃やし尽くすように必死に歌って踊っている。最初は興味もなかった月村手毬が、どのアイドルよりも輝いて見えた。「自分の担当アイドルは月村手毬以外ありえない」と、いつの間にか思っていた。
自分にとっては、花海咲季より、藤田ことねより、有村麻央より……どんなアイドルと比べても、月村手毬が一番なんだ! 最初は本当にくだらない出会いだった。でも、ここまで来たら手毬が負けてる姿なんて見たくない! お前が負けてるとこなんて、こっちが一番見たくない!!
頑張れ……手毬頑張れ──────!!!!!!!
だから、この大舞台がなによりも嬉しかった。
「月村手毬が大勢に認められている」状況が、なにより嬉しかった。
なにもかも不安定で、メチャクチャで、人として受け入れられるのか結構怪しい。そんな月村手毬がすべてをかけたステージに、多くの人間が熱狂している。そんな状況そのものに、私は感動した。これ、完全に「プロデューサー視点」ってやつですね。アイマス怖いですね。
だから月村手毬、あなたをプロデュースできて本当によかった! 楽しかった!
あなたのプロデューサーになれたこと、とんでもないくらい光栄だったよ!
もう、自分にはあなた以外ありえないので!!
正式リリースされても、絶対プロデュースするからね!
……え、これアーリーアクセス版だから正式リリースされたらまた手毬とイチからやり直し? ヤダ────ッ(CV千本木彩花)
わたし、「本気でプロデューサーの顔つきになった瞬間」が人生で二度だけあって……一度目が、W.I.N.G.で七草にちかの敗退コミュを見せられた時でした。一度目の話をすると脱線しすぎるので一旦置いとくとして、二回目が「月村手毬の大舞台を見た時」でした。
ずっと一緒に頑張ってきた人が、挫折も失敗もずっと隣で見てきた人が、ダメな部分も死ぬほど見せられてきた人が、あれだけの大舞台に立っている。「好きな人がなにかを成し遂げている」って、こんなにも嬉しいことだった。
どうか、正⼼正銘のこの思いが
君の⼼(ところ)にちゃんと届くまで
ここで、私、全⼼全霊で歌うから
待ってる、待っている
だから、この場所を
⼤切にしたいの!これが、正真正銘の私だ!
⼤丈夫、もう怖くはないわ
たまにつまづくことなら、あるけれど
1番特等席で君の笑顔⾒たいんだ
私だけの特権
⾒えない未来、⼿探り
今⽇もステージの上で証明して⾒せるから月村手毬「Luna say maybe」
この曲、SSRの手毬をプロデュースしてると死ぬほど聞かされます。
しかもコミュでも死ぬほど擦られるので段々歌い出しだけで笑うようになってくるんですけど……クソッ! 正式リリースされてないから誰にも伝わらないのが悔しい!!
だけど、最後のライブで聞くと泣いちゃうんです。
ずっと一緒に頑張ってきたあの人にステージ上から「1番特等席で君の笑顔⾒たいんだ 」と言われたら、感極まっちゃう。手毬が……手毬がこんなに立派になってる。手毬の幸せが、私の一番の幸せなんだ!
……で、みなさん一番気になっていることがあるでしょう。
「True Endに到達したら手毬は何を食うのか」と。
それは、教えてあげない!!
何か食べるかもしれないし、別に何も食べないかもしれないです。というか、そんなこと気にしてる場合じゃないかもしれません。言うてこれでも手毬のストーリーだいぶ端折ってますからね。
「そもそもなんで手毬がこんな荒れてるのか」「美鈴と過去に何があったのか」とかを知りたいなら、それはもうあなたの手で月村手毬をプロデュースするしかない。『学園アイドルマスター』は、5月16日に正式リリース予定。月村手毬の面白さ、あなたの手でたしかめてください!
……あと、最後に「月村手毬をプロデュースした人間」の視点からひとつ言いたいことがあります。
彼女は、すごくいい子です。私の書き方のせいで信じられない問題児に見えるかもしれませんが……いや、実際信じられない問題児だけど。でも、すごくいい子です。
コミュニケーションも苦手。いろんな立ち回りも下手。「自己管理」「セルフプロデュース」なんて、もってのほか。だけど、「アイドル」としては、本当にカッコいいんです。素直じゃないだけで、本当にいい子です。月村手毬を信じてほしいです。
私の一番の願いは、「月村手毬が多くの人に愛してもらえること」です。
だからどうか、月村手毬をプロデュースしてあげてください。
月村手毬のこと、どうかよろしくお願いします。